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はじめに
人間のおやつやおつまみとして食されることの多いピーナッツですが、落としてしまったピーナッツや置いておいたピーナッツを猫が誤って食べてしまうことも多いです。
ピーナッツは、猫が食べてしまったとしても少量なら問題が起きない場合が多いですが、好んで食べさせるべき食べ物ではありません。
消化不良で下痢・嘔吐の症状が見られたり、アレルギー症状が出る可能性もあります。
今回は、猫がピーナッツを食べてしまった時に引き起こされる症状やデメリットを紹介するので参考にしてください。
もしも、猫がピーナッツを誤飲してしまった場合は、異変が起きないか様子を観察し、必要な場合は動物病院へ連れて行きましょう。
猫はピーナッツを食べても大丈夫?
猫はピーナッツを食べても少量なら問題ないことが多いです。
おすすめはできませんが、どうしてもピーナッツを与える時は、猫の様子を見ながら一粒ずつ与えてください。
ごく少量なら良いが与えない方が良い
猫にピーナッツを与えるなら、少量にとどめてください。
どうしても与えなければいけないわけでないのなら、与えない方が良いです。
ピーナッツ自体に毒性があるわけではありませんが、猫にとっては有害になる可能性もあり、特に肥満ぎみの猫にとっては脂肪分の多いピーナッツは肥満の原因にもなってしまいます。
飼い主が食べていると欲しがる子もいますが、愛猫の健康のためにもむやみに与えないようにしましょう。
ピーナッツに含まれる猫によくない成分
ピーナッツには様々な栄養素が含まれていますが、その中でも猫にとって有害になる可能性のある成分を紹介します。
カリウム
カリウムは猫にとって必要不可欠な栄養素の1つです。
カリウムの働き |
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身体にとって重要な役割のあるカリウムは、不足しても過剰に摂りすぎても身体に様々な影響を引き起こします。
最悪の場合、命の危険もあるのでキャットフード以外の食材を与える際はカリウムの量に注意しましょう。
腎機能が低下しているは要注意
本来なら多く摂取しても、すぐに体外に排出されるカリウムですが、腎機能が低下している老猫や腎機能の異常・病気を持っている猫の場合は注意が必要です。
猫は、血中のカリウムの濃度が上がると高カリウム血症を引き起こす可能性があります。
高カリウム血症の症状 |
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身体に現れる症状としては、ふらつきや歩行困難など目で見て気付きやすいものが多いです。
しかし、症状が軽い場合は気付きにくいため、発覚した時には重篤な状態に陥っていることもあります。
最悪の場合、命の危険にも繋がる病気なので、異変に気付いたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
リン
リンは骨や歯を硬くし、丈夫にしてくれるので猫とって必要不可欠な栄養素です。
体内のミネラル成分のうちでカルシウムの次に多い栄養素ですが、増えすぎると危険な症状を引き起こします。
食べすぎると腎疾患になるリスクが高まる
猫は、リンを摂取しすぎると高リン血症になる可能性があります。
高リン血症の症状 |
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腎機能が低下している猫の場合は、特に注意が必要です。
本来なら腎臓でろ過されて排出されるリンが、上手く排出されずに蓄積されることで血中のリンの濃度が高くなると様々な症状が出ます。
リンの濃度がたかくなると危険を察知して一定に保つためにホルモンを排出しますが、血中のカルシウムを必要とするためカルシウムが足りないと骨を溶かし始めます。
リンとカルシウムは結合しやすく、血管や腎臓で石灰化してしまうので大変危険です。
症状がで始める頃には、猫の身体の中は重篤な状態になっており、四肢に影響が出るということは日々の生活が不自由になってしまいます。
生活にも支障が出るため飼い主の負担もかなり大きくなるので、リンの与えすぎには十分注意しましょう。
食物繊維
食物繊維は、腸内細菌の餌となり腸内環境を整えたり、食べ応えがあるのでカロリーを抑えるためにも使用されます。
繊維質には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があるのが特徴です。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
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どちらの食物繊維も猫の腸内環境を整えるためには必要な栄養素です。
猫は食物繊維を消化するのが苦手
猫は元々肉食動物なため、野菜に多く含まれる食物繊維を消化するのが得意ではありません。
必要な食物繊維はキャットフードに含まれているので、他の食材から摂取する必要はないです。
人間にとっては便通が良くなったり、腸内環境が良くなるイメージの強い食物繊維ですが、猫にとっては消化不良を引き起こす可能性のある栄養素なので与えすぎないようにしましょう。
食べ過ぎると消化不良に
消化不良になった時に見られる症状 |
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食物繊維を多く摂りすぎると消化管に負担がかかり、下痢を引き起こす可能性があります。
また、消化しきれない食物繊維が溜まって便秘にもなりえるので注意が必要です。
どちらも消化管で異常が起きているため、吐き気を伴う可能性があり、元気がなくなりご飯も食べないなら、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。
長時間消化不良の状態が続いていると、性格や見た目にも変化が見られるので、異変を感じたら愛猫を注意して観察してください。
植物性脂肪
植物性脂肪は、植物の種子などから取り出される脂肪です。
ピーナッツは脂肪分が多い
ピーナッツは脂肪分が多いため、摂取しすぎると肥満のリスクが高まります。
特に高齢の猫は運動量も減り、病気のリスクも高まるためシニア用のキャットフードは低脂肪で作られているものが多いです。
肥満になると糖尿病や心臓病を引き起こす可能性もあるため、脂肪分の多い食材はなるべく避けましょう。
膵臓に負担がかかる可能性
ピーナッツに多く含まれる植物性脂肪は、過剰摂取してしまうと膵臓に大きな負担をかけます。
膵臓に負担をかけ続けると炎症を起こし、膵炎という病気を引き起こす可能性が高くなるので気をつけましょう。
ピーナッツを食べて下痢や嘔吐の症状が出た場合は、膵炎になっていることが考えられるのですぐに動物病院へ連れて行ってください。
高齢の猫は膵炎に注意
猫は高齢になると身体が老化し、身体の機能も衰えていきます。
健康体の猫と比べると、膵炎を引き起こすリスクが高くなるため脂肪分の摂りすぎには注意が必要です。
高齢の猫は機能の衰えに加え、運動量も減っていくため専用のキャットフードが販売されています。
なるべくバランスが考えられたシニア用のキャットフードを与えて、プラスで他の食材を与えるのは控えましょう。
ピーナッツを猫に与えるデメリット
猫にとってピーナッツを食べることは、様々なデメリットがあります。
病気を引き起こすリスクやアレルギーなどの危険性を解説するので、しっかり理解した上でピーナッツを与えるか判断してください。
カロリーが高いため肥満になるリスク
ピーナッツは脂肪分が多くカロリーが高いため、肥満になるリスクの高い食材です。
猫はキャットフードで1日に必要な栄養素やカロリーをほとんど摂ることができるため、基本的には他の食材を与える必要はありません。
特にピーナッツは、猫の身体に悪い影響を与える可能性が高いので、なるべく避けましょう。
殻は消化できないため腸閉塞を起こすことも
ピーナッツは殻付きのものも販売されておりますが、猫は殻の部分を消化することができません。
もしも、誤飲してしまったら消化不良を起こし、下痢・嘔吐・元気がなくなるなどの症状が出たり、最悪の場合は腸閉塞を起こす可能性があるので注意してください。
腸閉塞を起こすと、腸の内容物が正常に通過できなくなり身体に異常を引き起こします。
猫の腸閉塞の症状 |
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内容物が少しずつでも通過できているなら症状は軽度で済むこともありますが、完全に閉塞したり腸の粘膜が損傷していると腸内細菌の毒素が体内に入り込みショック状態に陥ることもあります。
もしも、愛猫に腸閉塞を疑うような症状が現れた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
猫の腸閉塞の治療法は2種類です。
治療法 | 内容や注意事項 |
内科治療 | 軽度の場合や神経的な問題で閉塞を起こしている場合は、点滴を流して胃腸を休める内科的な治療を行う場合もあります。 |
手術 | 異物が腸閉塞の原因になっている場合は、摘出するための切開手術が必要です。 腸閉塞を起こしてから時間が経っていると腸管が壊死してしまう可能性があるので、壊死した部分は切除します。 |
腸閉塞を起こした原因がピーナッツの誤飲なら、早急に切開手術をし遺物を取り除きます。
切開手術は全身麻酔で行われ、猫の身体に大きな負担をかけるので誤飲することがないように食べ物や殻などの管理には気を付けましょう。
のどに詰まらせる危険
猫がピーナッツの殻を食べてしまうと、喉に詰まらせて窒息する可能性があります。
窒息してしまうと治療が間に合わずに命を落とす危険があるため、絶対に与えないでください。
もしも誤ってピーナッツの殻を食べてしまった場合は、すぐに動物病院に電話をし専門の獣医の指示に従いましょう。
自己判断で無理やり手を喉に入れたり、体を逆さにするのはやめてください。
また、猫は殻を消化できないのでそのまま腸まで流れて詰まり腸閉塞を引き起こす危険もあります。
市販の商品にも殻付きのピーナッツが販売されていますが、猫の手の届く場所に置かないことや殻を床に落とさないなど注意して食べるように気を付けましょう。
アレルギー反応を起こす可能性
ピーナッツなどのナッツ系には、ペニトリウムAが含まれておりアレルギー反応を起こす可能性があります。
アレルギー症状 |
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アレルギー症状は、ピーナッツを摂取後30分〜12時間以内に出ることが多いです。
しかし、重度の場合はすぐに症状が現れることもあります。
ピーナッツは、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるので十分注意してください。
全ての猫が同じように症状が出るわけではなく、体調や個体差でも症状が異なります。
もしも猫にピーナッツを与える場合は、一粒ずつ問題がないか確認しながら与えてください。
ピーナッツを食べてアレルギー症状が出てしまったら、再発を避けるために同じ食材は与えてはいけません。
アレルギー症状が出た時は、愛猫の様子を観察してメモに残しておくと良いです。
すぐに動物病院へ連れて行き、獣医にアレルギー症状が出た時の様子を的確に伝えましょう。
ピーナッツの加工品は与えない
基本的に市販されているピーナッツのお菓子やおつまみは加工されているものがほとんどです。
お菓子やおつまみは、人間のために作られているため猫にとっては身体に毒になってしまう可能性もあります。
猫に与えるのなら人間用の商品ではなく、猫用に作られた商品にしてください。
塩分や糖分が含まれている
ピーナッツバターや味付けされたピーナッツは大量の塩分と糖分を含んでいます。
猫は汗をあまりかかないので、塩分を摂りすぎると排出できずに心臓や腎臓に負担がかかり、病気を引き起こす原因になります。
また、糖分の摂りすぎでは糖尿病や肥満になるリスクが高まるので大変危険です。
ピーナッツに限らず、猫に人間が食べるための加工品は絶対に与えないでください。
ピーナッツを食べてしまった時はどうする?
もしも愛猫がピーナッツを食べてしまったら、焦らずに適切な対応をしてあげましょう。
少量のピーナッツを食べただけでは命の危険に繋がることは少ないですが、必ず愛猫から目を離さないようにしてください。
いつもと違う様子がないか観察
愛猫がピーナッツを食べてしまったことに気付いたら、いつもの様子と違うところはないかを観察しましょう。
歩行時にふらつきが見られたり、下痢・嘔吐などの症状が出た場合や、見るからに元気がなく寝てばかりいる時も身体に異常が起きている可能性が高いです。
普段の愛猫と比べて何か違う様子が見られたら目を離さずに観察し、動物病院に連絡して愛猫の様子を伝え、専門の獣医の指示に従いましょう。
何か異常があればすぐに動物病院を受診
もしも、愛猫の様子に異常を感じたならすぐに動物病院に連れて行きましょう。
悩んでいるうちに重篤な症状まで進行してしまう場合もあるので、早急に対応することが大事です。
日頃からかかりつけの動物病院や休日対応してくれる動物病院を確認しておきましょう。
殻を食べてしまった場合は症状がなくても受診
愛猫がピーナッツの殻を食べてしまった場合は、窒息の危険や消化できずに消化不良を起こす危険があります。
最悪の場合腸閉塞を引き起こす可能性もあるため、症状がなく普段と変わらない様子でもすぐに動物病院へ連れて行ってください。
まとめ
今回は猫がピーナッツを食べても良いのか、食べたらどんな危険があるのかを紹介しました。
ピーナッツ自体は猫が食べてはいけない食材ではないものの、食べ過ぎは肥満や膵炎など危険な病気を引き起こします。
特にピーナッツの殻は、窒息の恐れや消化できずに腸閉塞を引き起こす可能性もあるので絶対に与えてはいけません。
猫は、本来キャットフードで必要な栄養を摂ることができます。
どうしても与えないといけない状況ではないのなら、無理に危険な食材を与えない方が良いです。