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はじめに
猫を1匹で飼うのに慣れてきたので、新たに猫を迎えて多頭飼いするか悩んでいる方も多いと思います。
猫の多頭飼いは、飼い主と猫との関係だけでなく猫同士の関係性も生まれるので、猫との生活をより楽しむことが可能です。
一方で、猫の多頭飼いには注意点も多くあり、理解したうえで準備していないと上手くいきません。
この記事では、猫を多頭飼いする時の注意点についてまとめています。
注意点だけでなく、猫の多頭飼いのメリットも紹介しますので、自分の愛猫や家の環境を考えて多頭飼いをすべきか判断しましょう。
多頭飼いする時の注意点
まず、多頭飼いする時の注意点を解説します。
- 飼育のお金が倍になる
- 猫同士の相性を事前に把握しておく
- 避妊・去勢手術を済ませておく
- ケージが複数個必要なことがある
- 一部の愛猫にだけ愛情を与えない
それぞれ詳しく解説しますので、実際に多頭飼いする前に必ずチェックしましょう。
飼育のお金が倍になる
1つ目の多頭飼いする時の注意点は、飼育のお金が倍になる点です。
当たり前ですが、猫の多頭飼いをすると、新たに迎える猫の費用は1匹目と同じくらいかかります。
トイレやケージなどの設備費用・動物病院の費用など、多頭飼いで猫の数ごとに費用がかさんでしまうのです。
ただ、食費なども2倍近くなりますが、まとめ買いやネットで商品を購入するなどしてある程度費用を抑えられます。
厳密には子猫を迎えるので最初は2匹目にかかる費用は少ないですが、成猫になるにつれて費用が2倍近くなると考えたほうが良いでしょう。
また、かかる費用だけでなく飼い主が面倒を見る時間も倍近くなる点には注意が必要です。
猫のトイレ掃除やブラッシング・動物病院の健診などの時間も増えてしまいます。
多頭飼いの費用による家計への影響は問題がないか、飼い主や家族で複数の猫をケアできるか、あらかじめチェックしましょう。
猫同士の相性を事前に把握しておく
2つ目の多頭飼いする時の注意点は、猫同士の相性を事前に把握しておく点です。
猫は警戒心の強い動物であり、基本的に1人でいたいので、新しい猫を飼い始めるとストレスを感じ、慣れるのに時間がかかります。
また、猫のテリトリーは2mと言われており、テリトリー内に侵入してきた猫には場合によっては攻撃してしまうのです。
そのため、ストレスやトラブルを最小限にするために、猫同士の相性を事前に把握する必要があります。
猫の相性に影響を及ぼすのは、猫の性格や生活してきた環境です。
相性が悪くなりにくい多頭飼いの状況をまとめましたので、参考にしてください。
- 子猫同士である
- 同年代の猫である
- 異性同士である
- 先住猫が飼い主に執着していない
まず子猫は、生後4週間から8週間の間に、人間や他の猫・動物などと触れ合う機会を通して社会化が行われます。
この期間に多頭飼いを行うと、親兄弟以外の猫と触れ合えるので、相性が悪くなりにくいのです。
一方で、この期間に猫の社会化がなされていないと、親兄弟以外の猫への警戒心が強い猫となるので、多頭飼いの相性は悪くなります。
また、同年代の猫も遊び方や運動能力に共通点が生まれやすいので相性が悪くなりにくいです。
さらに、異性同士の方がケンカは少なく、お互いを受け入れやすくなります。
なぜなら、オスは縄張り意識が強く、オス同士で多頭飼いすると縄張り争いなどでケンカが起きる場合があるからです。
そのため、縄張り意識の低いメスと縄張り意識の高いオスの方が上手くいきます。
ただ、メスは神経質になる場合が多いので、顔合わせは慎重に行いましょう。
最後に、先住猫が飼い主に執着していないと相性が悪くなりにくいです。
飼い主への執着が強いと、猫同士で飼い主の愛情の奪い合いを行うので、ケンカやストレスに繋がります。
1匹目の猫と2匹目以降の性格や特徴を比べて、相性が良いか事前に確認しましょう。
事前に複数回顔合わせしておく
猫は性格や環境でおおよその相性がわかります。
ただ、実際に多頭飼いすると相性が良くない可能性もあるので、徐々に距離を近づけて事前に複数回顔合わせしてください。
まずは、新しい猫を先住猫と別の部屋に住ませます。
そして、お互いの匂いがついたものを部屋に置くなどして、他の猫の存在をにおいで理解させましょう。
次に、ドアを隔てた近い距離で他の猫の存在に慣れさせます。
具体的には、それぞれの猫のご飯をドアの近くに用意し、他の猫の気配やにおいに気づかせるのです。
ご飯を食べる時に、他の猫の存在を認知させることで、相手への印象も良くなる効果が期待できます。
そして、次のステップで新しい猫をケージに入れて先住猫がいる部屋に連れていきます。
始めは威嚇しあう可能性もありますが、猫は警戒心が強く他の猫に心を開くのに時間がかかるので根気よく見守りましょう。
最後に、ケージを空けて新しい猫と先住猫の顔合わせをしてお互いの存在に慣れさせます。
この時に、おもちゃやおやつで気をそらせながら、同じ空間にいる時間を増やすのが良いです。
途中でどちらかの猫に不安や緊張感が走る場合、新しい猫をケージか別の部屋に戻してください。
最低2週間、できれば1ヶ月ほどの期間で徐々に距離を近づけていき、顔合わせを複数回してお互いの存在に慣れさせましょう。
避妊・去勢手術を済ませておく
3つ目の多頭飼いする時の注意点は、避妊・去勢手術を済ませておく点です。
猫が繁殖しすぎると、飼い主が飼いきれなくなる場合があります。
実際に、猫は1回の出産で複数匹生むことが多いので、避妊・去勢手術をしていないと育てたい猫の数をコントロールできないのです。
そのため、自身が面倒を見れる猫の数を考え、今後望まない場合は繁殖を防ぐために避妊・去勢手術を行いましょう。
避妊・去勢手術を行うことで、同居猫同士や屋外の猫と交尾してしまうのを避けられます。
さらに、生殖器や性ホルモンの病気、交尾による感染症の予防が可能です。
また、避妊・去勢手術はオスとメスの多頭飼いだけでなく、オス同士・メス同士の多頭飼いでもメリットがあります。
例えば、猫は発情期に異性がいないとストレスがかかったり落ち着きがなくなったりするので、避妊・去勢手術でストレスの軽減が可能です。
避妊手術の費用は2万円〜4万円ほどで、去勢手術の費用は1万円〜2万円ほどかかります。
避妊・去勢手術は発情期を迎える生後6ヶ月頃に行うのが理想ですので、多頭飼いをする前にあらかじめ検討しておきましょう。
ケージが複数個必要なことがある
4つ目の多頭飼いする時の注意点は、ケージが複数個必要なことがある点です。
猫の多頭飼いではいきなり対面させてはいけません。
別の部屋を用意したり、ケージ越しに対面させたりして徐々に慣れさせる必要があります。
そのため、元々ケージを持っていても、新しい猫を入れるためにケージが複数個必要になるのです。
また、新しい猫と先住猫がケージなしで対面できていても、飼い主がいない間にケンカする可能性があるので、留守の間離れさせるためにもケージが必要になります。
新しい猫と先住猫がすぐ慣れれば必要ないケースもあるので、事前に相性を把握して複数個用意するか検討しましょう。
一部の愛猫にだけ愛情を与えすぎない
5つ目の多頭飼いする時の注意点は、一部の愛猫にだけ愛情を与えすぎない点です。
一部の愛猫だけに愛情を与えすぎると、他の猫は嫉妬してしまいます。
そして、猫同士が愛情を奪い合ってケンカに繋がる場合もあるのです。
もし一部の猫におやつをあげすぎたり、構ってあげたりしている場合は注意しましょう。
飼っている全ての猫に同じだけの愛情を与えるのは難しいかもしれません。
そのため、飼い主は多頭飼いのルールを決めておくのがおすすめです。
例えば、一方の猫を撫でてあげたら同じくらい他の猫も撫でてあげる、おやつは同じタイミングで同じ量を与えるなど、行動をなるべく平等にしましょう。
平等に構えないタイミングがある時は、他の猫がその場にいないか確認してから構ってあげて、ケンカの要因をなくすのが重要です。
また、愛情からくる行動を一部の猫に与えすぎていないか定期的にチェックしましょう。
先住猫がいて後から猫を飼う場合は要注意
多頭飼いする際に先住猫がいる場合は、注意が必要です。
先住猫に注意すべき理由と対処方法についてまとめましたのでぜひ確認してください。
元々、他の猫を怪我させたことがある愛猫は要注意
先住猫がいて後から猫を飼う場合に、先住猫が他の猫を怪我させたことがある場合はより注意が必要です。
先住猫は警戒心が強かったり、飼い主が奪われるのではないかと恐れたりしているので、再度猫を怪我させてしまう可能性があります。
鈴をつけておくことで対処
愛猫が他の猫を怪我させたことがある場合、鈴をつけておくことで対処しましょう。
愛猫に鈴をつけていると、他の猫が危険を事前に察知できるようになります。
また、飼い主も見えないところで鈴が頻繁に鳴ると、猫同士のケンカをすぐ察知することが可能です。
首輪は何かに引っかかって大きな事故に繋がる可能性もあって危険なので、使用する場合は圧力で外れるものを選びましょう。
最初は部屋を分けて過ごさせる
先住猫がいて後から猫を飼う場合は、最初は部屋を分けて過ごさせましょう。
いきなり同じ空間で過ごさせてしまうと、先住猫も新しい猫も警戒してしまいます。
別の部屋で過ごさせる場合は、まずそれぞれの猫の匂いがついたものを部屋において、相手の存在を理解させましょう。
そのうえで、ケージ越しに対面させる、ケージなしで対面させる手順を取り、先住猫と新しい猫の関係性を深めてください。
多頭飼いするメリット
次に、猫を多頭飼いするメリットを紹介します。
- 遊び相手ができる
- 先住している猫を見習ってしつけが楽になる
- 戯れあっている姿に癒やされる
それぞれのメリットについて詳しくまとめましたので、多頭飼いするか迷っている方は参考にしてください。
遊び相手ができる
1つ目の猫を多頭飼いするメリットは、遊び相手ができる点です。
猫が1匹の場合は飼い主とキャットタワーやおもちゃで遊びますが、多頭飼いの場合は猫同士が一緒に遊べます。
例えば、猫同士の遊びはじゃれ合いや追いかけっこなどです。
また、遊び相手がいることで運動量が増え、運動不足の解消が期待できます。
さらに、遊び相手ができると飼い主が留守の際の寂しさを減らせるのも多頭飼いのメリットです。
猫は群れない生き物で一人行動なので、飼い主が留守でも寂しいと思わないかもしれません。
しかし、猫はごはんをくれたり遊んでくれたりする信頼できる飼い主がいないと、寂しく感じることがあるのです。
そのため、多頭飼いだと他の猫と一緒に時間を過ごせるので、寂しさや退屈さを感じにくくなります。
仕事などで外出の機会が多くて猫に構える機会が中々取れない場合は、猫にとって遊び相手ができる多頭飼いのメリットは大きいでしょう。
先住している猫を見習ってしつけが楽になる
2つ目の猫を多頭飼いするメリットは、先住している猫を見習ってしつけが楽になる点です。
新しく飼い主の元を訪れる猫はして良いことと、してはいけないことの区別がついていません。
例えば、ゴミ箱をひっくり返したり、植木鉢をひっくり返したり、棚のものをおとしたり、イタズラする場合があります。
1匹目の猫は一からしつける必要がありますが、多頭飼いの場合、新しい猫は先住している猫を見て育つので、しつけが楽になるのです。
新しい猫は先住猫が叱られた際にしてはダメなことを理解できます。
また、先住猫を見て育つと、あまりしつけせずに生活リズムを理解できるのが多頭飼いのメリットです。
具体的には、ごはんの時間やおやつの時間、飼い主と遊べる時間や飼い主に構ってもらえない時間など、新しい猫が先住猫の行動を真似してくれると、しつけが楽になります。
最初から新しい猫を先住猫と同じ空間で過ごさせるのは難しいですが、一緒に過ごせるようになったら新しい猫に生活習慣を学ばせましょう。
戯れあっている姿に癒される
3つ目の猫を多頭飼いするメリットは、戯れ合っている姿に癒やされる点です。
多頭飼いした際に、猫は一緒に遊んだりじゃれ合ったり寝たりします。
飼い主は多頭飼いでしか見られない戯れあっている姿を見ると癒やされるのです。
1匹の場合でも、一緒に遊んだり猫がリラックスしたりする姿を見ると癒やされます。
しかし、多頭飼いでは猫同士の姿を見られて、飼い主は別の癒やし効果を得られるのです。
そのため、猫同士の戯れ合う姿を見たい場合は、多頭飼いを選ぶのが良いでしょう。
ただし、猫同士の相性が良くないと猫が戯れあう姿は見られません。
猫同士の相性を必ず事前に確認してから、多頭飼いを行いましょう。
まとめ
猫は警戒心が強い動物ですが、多頭飼いすることが可能です。
多頭飼いをする場合は下記の5点に注意する必要があります。
- 飼育のお金が倍になる
- 猫同士の相性を事前に把握しておく
- 避妊・去勢手術を済ませておく
- ケージが複数個必要なことがある
- 一部の愛猫にだけ愛情を与えない
5つの注意点を行うのが難しい場合、多頭飼いはあまりおすすめできません、
多頭飼いは下記の3つのメリットがあります。
- 遊び相手ができる
- 先住している猫を見習ってしつけが楽になる
- 戯れあっている姿に癒やされる
多頭飼いだからこそ見られる姿もありますので、少しでも多頭飼いに興味がある場合は、ぜひ検討してください。
多頭飼いでの注意点を押さえて、猫にとっても飼い主にとっても心地良い関係を築きましょう。