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はじめに
生後7ヶ月の猫はヤンチャ盛りのまだまだ成長期真っ只中ですが、見た目は成猫と変わらない大きさまで成長します。
体重や食事も成猫と変わらなくなるため、子猫用のフードからの切り替えや身体にも様々な変化が見られる時期です。
今回は、生後7ヶ月の猫の適正体重や必要なごはんの量、身体の状態のチェック方法を紹介します。
愛猫の食事管理は合っているのか、肥満気味でどんなダイエットをすれば良いか悩んでいるという方にも有益な情報ばかりです。
ご家庭で生後7ヶ月の猫を飼っている方や、これから生後7ヶ月を迎える猫を飼っている方はぜひ参考にしてください。
もしも、愛猫の体重が適正体重と差があったり、食事法が間違っている場合は見直して健康に過ごせる環境を作りましょう。
7ヶ月の猫を人間に置き換えると?
生後7ヶ月というと子猫でまだまだ赤ちゃんのイメージですが、実はヤンチャ盛りの年齢です。
身体の特徴や精神的にはどんな状態なのかを確認して愛猫のことを理解しましょう。
人間に換算すると、9~15歳
生後7ヶ月の猫は、人間でいうと9〜15歳くらいの年齢になります。
まだ子猫として扱われる月齢ですが、細かく分けると青年期という時期に入り成長も落ち着いてくる頃です。
身体は骨格も大きくなり成猫に近づきますが、中身は好奇心旺盛で活発に動き回る時期のためイタズラ行為には注意しましょう。
ジャンプ力も成猫と変わらなくなるので、今まで登れなかった場所に乗れるようになるため、高い位置に置いてある置物なども要注意です。
7ヶ月の猫の体重の目安は
生後7ヶ月の猫の体重について紹介します。
性別や品種によって個体差はありますが、愛猫と見比べて確認してみてください。
約3~5キロ
生後7ヶ月の猫の平均体重は約3〜5キロです。
成猫の平均体重と変わらないので、身体の成長はほとんどこの頃に止まります。
猫種や性別によって多少の前後はありますが、生後7ヶ月の体重が成猫時の目安になるので、この時点で平均体重と大幅に違う時は動物病院や専門の獣医に相談しましょう。
ここから4週間で、約1.1倍に成長
生後7ヶ月になると、この先の体重の成長はかなり緩やかになります。
体重はここから4週間で約1.1倍に成長しますが、ほとんど身体の大きさは変わらないです。
身体の変化がほぼないはずなのに、どんどん大きくなっている場合は肥満の可能性があります。
あまり体重の変化がないからと体重測定をしなくなるのは異常に気付きづらくなり危険なので、定期的に異常な増え方をしていないか体重を測定して確認しましょう。
体重は性別、品種により差が出てくる
生後7ヶ月の猫は成猫とほぼ変わらないくらいの大きさに成長するため、性別や品種によって差が出てきます。
身体の小さい猫種と大きな猫種の成猫時の体重が一緒になるはずがないので、猫種ごとの平均体重を参考にしてください。
避妊手術/去勢手術を行なっている場合は、太りやすい
早いと生後4ヶ月頃〜発情期を迎える6ヶ月頃には、去勢・避妊手術をする猫が増えます。
猫は去勢・避妊手術を行うとホルモンバランスが崩れるため、太りやすい体質になる可能性が高いです。
今までなんともなかった猫も急に太ってしまうので、今まで以上に食事管理や体重管理が重要になります。
7ヶ月の猫の必要な餌の量は
生後7ヶ月の猫は、見た目や身体能力は成猫と変わらなくなりますが、まだ成長期なため必要な餌の量やカロリーには気を付けなければいけません。
1日に必要なカロリーが不足していないか、又は与えすぎていないかを確認してください。
体重kg×80~100kcalが一日に必要なカロリー
生後7ヶ月の猫に必要な1日のカロリーは、体重×80〜100キロカロリーの計算式で出すことができます。
例えば3kgの猫なら1日240〜300キロカロリーが必要です。
目安のカロリーに差がありますが、運動量や肥満状態・痩せ気味など個体差に合わせて与えるカロリーを変えましょう。
食事回数も1日2回ほどに減らしてもOK
子猫の頃は一度に多くの量が食べれないため1日の食事を4〜5回などに分けますが、生後7ヶ月頃になれば消化器官も発達してくるので1日2回ほどに減らすことも可能です。
しかし、食事回数を減らすと空腹時間が長くなるため適量以上のごはんを要求してくるリスクもあります。
問題なく切り替えられる場合は良いですが、急に回数を減らすと消化不良や空腹による嘔吐など、身体に異変が起こる可能性もあるので様子を見ながら愛猫に合わせて対応してあげてください。
子猫フードから成長期用フードに変更
生後7ヶ月になると永久歯が生え揃い、消化器官も発達するため、子猫用のフードから成長期用のフードに変更できます。
身体的には問題なくても、いきなり新しいフードを与えてしまうと消化不良を起こしたり、敏感な子は食感や味の好みが合わなくてごはんを食べなくなることがあるので注意が必要です。
初めのうちは元々与えていたフードに混ぜて、徐々に割合を増やして切り替えてください。
猫のフードも様々な種類が販売されているので、好みが合わない場合は違うものを試して愛猫に合ったフードを見つけてあげましょう。
好奇心旺盛で遊び盛りなので誤飲、誤食に注意
生後7ヶ月の猫は身体は成猫に近づくものの、中身は好奇心旺盛な遊び盛りの子供です。
色々なものや食べ物に対して興味を持つので、誤飲や誤食のリスクも高まります。
食べてはいけないものを食べないように、猫の手の届くところには危険なものは置かないようにしましょう。
猫の肥満度チェック方法とは?適正体重は?
猫の肥満度をチェックするには、体重を測定する方法と視診と触診による方法があります。
猫は体格が猫種や性別によって差があるため、体重のみで健康状態を判断するのは難しいです。
適正体重とは猫全体の平均であり、猫種や性別で細かく分けると適正体重の範囲に当てはまらないこともあります。
体重が参考にできない場合に使えるBCSとMCSという肥満度チェックの方法を紹介します。
BCSとMCS
BCSはボディコンディションスコア(体脂肪・体型)、MCSはマッスルコンディションスコア(筋肉量)のことを言います。
猫の健康管理をするためには、2つの評価指標を使って判断するのがおすすめです。
BCSは、環境省からも猫の健康を守るための飼い主のガイドラインとして発表されており、BCSを使った健康管理法が推奨されています。
判断方法は、助骨・背骨・骨盤・腰椎などの胴部分を見たり触って判断します。
BCS1:痩せ
助骨・骨盤・腰椎が外から容易に見える状態です。
首が細く、上から見ると腰が深くくびれて見え、横から見ると腹部が吊り下がりがほとんど見られません。
脇腹にはひだがないか、ひだに脂肪がついていないです。
骨の周りに皮がついているかなり痩せ状態のため、見ただけで痩せすぎている状態なことがわかります。
BCS2:やや痩せ
助骨や背骨が容易に触れる状態です。
上から見ると腰のくびれが見られ、横から見ると腹部はお尻に向かってきゅっと吊り上がっています。
脇腹の脂肪も少なく、ひだもほとんど見られません。
BCS3:理想体重
助骨を触る事はできますが、見ることができない状態です。
上から見ると腰のくびれがわずかに見られ、横から見ると腹部の吊り上がりも見られます。
脇腹にはひだがあり、太っても痩せてもいない状態で、上から見ると一直線の理想的な体型です。
BCS4:やや肥満
助骨の上に脂肪がありますが、骨に触る事はできる状態です。
上から見るとくびれはほとんどなく、横から見ると腹部の吊り上がりはやや丸くなっています。
脇腹には脂肪がついていて下がっているので歩く時に揺れ、上から見るとお尻が少し大きく見られるので容易に気付くことができます。
肥満状態になる前に対処しましょう。
BCS5:肥満
助骨や背骨が厚い脂肪に覆われており、容易に触ることができません。
上から見るとくびれはなく、横から見ると腹部の吊り上がりはかなり丸いです。
脇腹のひだが目立ち、歩くと大きく揺れます。
誰が見てもまん丸で首も見られなくなり、肥満状態とわかる危険な体型です。
ここまで太ってしまったら、動物病院へ連れて行き適切な食事・運動の指導を受けましょう。
続いて、MCSの判断方法を紹介します。
MCSは、猫の頭蓋骨・肩甲骨・脊髄骨・腸骨翼大腿骨の5ヶ所の筋肉量で判断します。
わかりやすいのは背中にある脊髄骨の部分で、軽く押して確認しましょう。
MCSを確認するためには触診が大切で、押した時の皮膚を圧迫した筋肉の状態を見ます。
圧迫した時に弾力がありハリのある状態なら筋肉の消耗がなく正常の状態です。
指が埋もれてる場合は、軽度・中度の筋肉が消耗している状態なので筋力が低下してしまっています。
圧迫した時に弾力もなく骨に触れられるなら、筋肉量の低下が重度で危険な状態です。
原因は衰え・病気などが考えられるので早期発見をし、それぞれの猫にあった対処をしてあげましょう。
猫の健康管理に役立つので、BCSを判断する時に一緒に調べてみてください。
猫のダイエット方法
愛猫が肥満気味な場合は、健康のために様々な方法の中から愛猫に合うものを探してダイエットをさせましょう。
猫のダイエット法には、食事の見直しや運動させるなど飼い主ができることがたくさんあります。
それぞれ紹介するので、できることから始めて愛猫が健康に過ごせる環境を作ってあげてください。
摂取カロリーを調整すること
肥満気味の猫の場合は、1日に必要なカロリー以上のカロリーを摂取している可能性が高いです。
まずは、摂取カロリーが愛猫の月齢や年齢に合っているのかを確認しましょう。
キャットフードのカロリーは、パッケージに記載されていることが多いのでチェックしてください。
猫は、基本的にキャットフードのみで必要なカロリーと栄養素を摂ることができます。
もしも、キャットフード以外のごはんやおやつを与えている場合は、カロリーオーバーになっていることが考えられます。
欲しがると可愛いし少しならとおやつをあげちゃうという方は多いと思いますが、猫の健康を考えると良くないです。
特に家族が多く、いつ誰がおやつを与えているかわからない環境の場合は注意してください。
どうしてもおやつを与えたいなら、1日分のおやつを袋に小分けにしておいて、家族がそれぞれ与えても良い量を把握できるようにしておきましょう。
キャットフード以外のごはんやおやつを与える場合は、その日のキャットフードの量を減らすなど1日の総摂取カロリーが多くなりすぎないようにしてください。
フードの量はカロリー計算を行い「腹八分目」を
肥満気味の猫の場合は、しっかりカロリー計算を行なって1日の必要カロリーのフード量を出し、腹八分目の量を与えるようにしましょう。
1日の必要カロリーは、(30×体重+70)×係数で計算できます。
猫の年齢 | 係数 |
成猫(去勢・避妊なし) | 1.4 |
成猫(去勢・避妊あり) | 1.2 |
子猫(4ヶ月未満) | 3.0 |
子猫(4〜6ヶ月頃) | 2.5 |
子猫(7〜12ヶ月頃) | 2.0 |
高齢の猫 | 1.1 |
授乳中の猫 | 2.0〜6.0 |
妊娠中の猫 | 2.0 |
肥満気味の猫 | 1.0 |
成猫で肥満気味の場合は係数1.0で計算してください。
生後7ヶ月の猫の場合は、係数2.0で出した必要カロリーの80%を目安にすると良いです。
1日の必要カロリーが計算できたら、次はキャットフードの給与量の目安を計算しましょう。
キャットフードの給与量の計算式 |
1日の必要カロリー÷キャットフードの代謝エネルギー(100グラムあたりのカロリー)×100 |
キャットフードの代謝エネルギーは、パッケージに100gあたりのカロリーが書かれているので参考にしてください。
あくまで目安の量なので、愛猫の状況や猫種に合わせて対応しましょう。
食事の質を見直す
食事量を見直すことが難しい猫の場合は、キャットフードを低カロリーなダイエット用のものに切り替える方法がおすすめです。
ダイエット用のキャットフードは、必要な栄養素を確保しつつカロリーが抑えられているので比較的無理なく食事管理をすることができます。
キャットフードを切り替える場合は、いきなり新しいフードを与えると食べなかったり体調を崩してしまう可能性があるので、元々食べていたものに混ぜて徐々に慣らしてあげてください。
食事の与え方を見直す
愛猫が肥満気味の場合は、食事の与え方が合っていない可能性があります。
子猫期が終わると食事の回数を2回などの少ない回数にする方が多いですが、回数が少なくなると空腹時間が増えて餌を欲しがってしまうので猫によっては向いていません。
猫は元々多くの量を食べることが苦手で、少ない量を数回に分けて小腹を満たす動物です。
食事の回数が少ないなら1回増やして、一度に与える量を減らしてみてください。
運動させる
肥満気味の猫の場合、摂取カロリーに対して運動量が足りていない可能性があります。
最近は室内飼いをしている猫が多いですが、限られたスペースでは運動不足になってしまうことが多いので注意しましょう。
運動量を増やすためには、猫じゃらしやボール・おもちゃを使って遊ぶのがおすすめです。
身体を動かす時間を意識的に作ってあげて、楽しくダイエットをさせましょう。
他にも、部屋にキャットタワーやキャットウォークを設置すると自然と上下運動で身体を動かせるので試してみてください。
寝床やごはんを置く場所までに、障害物を置いたり上下運動ができるような道を作って自然と身体を動かせる環境にしてあげるのも運動嫌いの猫には有効です。
定期的な体重測定
猫が肥満気味の場合は、定期的に体重を測ってください。
最低でも2〜3日に1回測って管理しておくと安心です。
様々なダイエット法を試して体重の変化を見ると、どの方法が愛猫に効き目があるのかを判断できます。
肥満気味ということは、病気のリスクが健康な猫よりも高いということです。
こまめに体重を測り、なるべく早く愛猫に合ったダイエット方法を見つけてあげましょう。
ダイエットを始めたのに1ヶ月経っても体重が増え続けている場合は、動物病院や専門の獣医に相談してください。
ダイエット法が間違っていたり、なにか病気が隠れている可能性もあります。
愛猫の異変や異常を感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
今回は、生後7ヶ月の猫の適正体重や1日に必要な餌の量、基本の食事管理について解説しました。
愛猫の今の身体の状態やごはんの状況と今回紹介した身体やごはんの状況を見比べて、与え過ぎていないか、間違った与え方をしていないかを確認してください。
もしも、肥満気味だったり適正体重とかなり差がある場合は、食事を見直す必要があります。
飼い主の方は猫の月齢・年齢に沿ったその子に合った食事管理ができるように、ぜひこの記事を参考にして試してみてください。