豆知識

猫はしっぽの動きで気持ちがわかる!?感情別に紹介します

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はじめに

猫は犬にくらべて表情から、気持ちを読み取りにくいといわれることもあります。

感情を表現する際にも、大きなアクションを起こしません。

とはいえ、猫は感情表現をしていないわけではありません。

しっぽを使って、さまざまな感情を見せてくれています。

一緒に暮らす猫が、いまどのようなことを考え、どのような気持ちなのかと気になったらしっぽに注目してみましょう。

猫の性格や、今の気分、飼い主に対してしてほしいことなど、しっぽの動きでいろいろなものが見えてきます。

今回は、猫のしっぽの種類や、しっぽの動きによる感情表現、しっぽを使って送っている猫のサインについて紹介します。

猫のしっぽの種類と特徴

猫のしっぽは短い骨がいくつも連なっており、その周りを筋肉でおおわれていて、先端まで

神経が通っています。

そのため、しっぽをあらゆる方向に自由に動かすことが可能です。

本来のしっぽの役割はしっぽを動かしてバランスをとること、しっぽを顔まわりに巻き付けて体を温めることなどがあります。

そしてもう1つの役割が、しっぽを使ってコミュニケーションをとることです。

猫にとっては、とても重要な役割を果たすしっぽですが、猫の種類によって長いもの、短いもの、かぎ状になっているものなどさまざまです。

また、個体差はありますが、しっぽの種類と性格には関連性があるといわれています。

しっぽの種類による性格などの特徴や代表的な猫種についてみていきましょう。

長いしっぽの猫

猫のしっぽで、一般的なしっぽの形といえば「フルテイル」と呼ばれる長いしっぽの猫になり、長さは25〜30cmほどで、まっすぐに伸びている特徴があります。

遺伝子上は「劣勢遺伝子」を持ち、しっぽの短い猫と交配すると、長いしっぽの猫は生まれにくいといわれています。

長いしっぽはおもに、海外原産の猫に多いとされており、代表的なものにシャムやスコティッシュ・フォールド、ノルウェージャン・フォレストキャットなどが挙げられます。

好奇心旺盛で物怖じしない性格が多く、そのしなやかなしっぽをつかったさまざまな動きを見せることで、感情表現も豊かな猫が多い傾向にあるといわれています。

しかし、これはあくまで傾向であり、それぞれが持った個性があるので参考としてご覧ください。

短いしっぽの猫

短いしっぽの猫がいるのは遺伝子と関係があります。

短いしっぽの猫は、交配時にその特徴が出やすい「優性遺伝子」をもっているため、長いしっぽの猫との交配では、短いしっぽの猫が生まれやすい傾向があります。

長いしっぽの猫を「フルテイル」と呼ぶのに対して、しっぽが短く、長さが6〜7cmほどしかない猫を「ボブテイル」と呼んでいます。

また、短いしっぽの猫は日本原産の猫に多いとされています。

日本の猫にしっぽが短い子が多い理由は、なんとある迷信が信じられていたからだというから驚きです。

そのむかし、歳を取った猫はしっぽが二股にわかれる「猫又」という妖怪になる話が広まり、しっぽの短い猫を繁殖させたと伝えられています。

短い猫として代表的な猫には、日本猫、その日本猫をアメリカ人が国に持ち帰り、日本猫同士でかけ合わせたジャパニーズボブテイルなどが挙げられます。

参考としてしっぽの短い猫には、慎重で、穏やかな性格の猫が多いといわれています。

かぎ状になっているしっぽの猫

しっぽの長さに関わらず、しっぽが途中で折れ曲がっていたり、短く丸まっていたりする形をしたものをかぎしっぽといいます。

キンキッド・テイルと呼ばれ、直訳するとかぎしっぽではなく「よじれたしっぽ」と呼ばれています。

かぎしっぽになる理由には先天性と後天性によるものがあります。

先天的な猫は「半椎骨(はんついこつ)」と呼ばれる小さな骨を生まれつき持っており、この骨の形がクサビのような形をしていることから、しっぽが途中で折れたり曲がったりしています。

後天的にかぎしっぽになっている猫は、ほとんどが事故によるものです。

子猫の頃に、なんらかの力が加わり曲がってしまったり、踏まれたりしたことでしっぽの骨が折れてしまい、かぎしっぽになってしまうことがあります。

そのため、成猫が突然かぎしっぽになっていたら注意が必要です。

猫のしっぽにはたくさんの神経が通っており、場合によっては神経が傷つくことでさまざまな障害が出ることもあるので、もし異変を見つけたら病院を受診するようにしましょう。

かぎしっぽにはおもしろい言い伝えがあります。

かつて日本では蔵の錠前を守ってくれるといわれ、商売繁盛の象徴とされていました。

ほかにも、ヨーロッパなどでは「幸せを引っかける」「鍵しっぽが幸せの扉を開けてくれる」など、幸せを運ぶ猫として縁起がよいとされています。

猫のしっぽの動きと感情

猫といえばどちらかといえば、マイペースで表情もとてもクールな印象がありますよね。

しかし、実はとても感情を豊かに表現してくれています。

その表現方法として、いろいろなしっぽの動きで私たちにメッセージを送ってくれています。

猫と触れ合ったことがある方ならば、猫のしっぽの特徴的な動きを一度は見たことがあるのではないでしょうか。

このしっぽの動きで飼い主や、ほかの猫にあらゆるサインを送っています。

この動きを理解することができれば、猫がいま何を考えて、どのような気分なのかうかがい知ることができるようになるでしょう。

ピーンと立てる

しっぽをピーンと立てているのは好意の表れであり、うれしい気持ちや甘えたい気持ちなどを表現しています。

子猫が親猫に良く見せる姿でもありますが、飼い主に甘えたいときや、ご飯のときなどにもしっぽをピーンと立てて近づいてきます。

とても機嫌が良い状態なので、近づいてきたらたくさん撫でて甘えさせてあげましょう。

ぶんぶん振る

猫がしっぽをぶんぶんと振るときは、なにか不満があり、イライラしているときです。

誰が見てもわかるくらいにぶんぶんと床に叩きつけるようにしっぽを振り回します。

緊張しているときにもこのしぐさを見せることがありますが、いずれにしろイライラしている状態なので、うかつに近づくと攻撃される可能性もあります。

すこし距離を置いてそっとしておいてあげましょう。

ちなみに同じぶんぶん大きく振る場合でも、寝そべった状態でゆっくりと大きく振っているときは、猫がとてもリラックスしているときです。

例えば窓辺などで気持ちよさそうにしっぽを大きく振っていたら、イライラしているのではなく、気持ちよい状態のときです。

せっかくリラックスできているので、この場合もそっとしておいてあげるのがよいでしょう。

もわんとふくらむ

毛を逆立てて膨らませているときは、警戒や怒り、威嚇のサインです。

自分の縄張りに、知らない人間や猫が入ってきたときなどに、このようなサインを見せます。

物音などに驚いたときなどにも、警戒心からこの動きを見せることがあります。

神経質な性格な猫ほど膨らむ回数も多く、臆病な猫などはしっぽだけでなく全身の毛を逆立てて威嚇することもあります。

このようなときはあまり刺激するのはやめましょう。

猫のしっぽからわかる気持ち

猫のしっぽはあらゆる感情を表現しています。

猫の喜怒哀楽がしっぽで理解できるようになったら、飼い主の愛情もさらに深まるのではないでしょうか。

猫はどのような気持ちのときに、どういったしっぽの動きをするのか、解説していきます。

うれしい気持ち

猫がうれしい感情を表現する際は、しっぽを立ててくねくねとさせることがあります。

飼い主の帰宅時、ご飯の準備のときなど、しっぽを立てて近づいてくるときは、猫にとって、とてもうれしいときなので、積極的にコミュニケーションをとりましょう。

怒っている気持ち

怒っているときの猫のしっぽは、毛を逆立てて膨らんでいます。

この行動は威嚇行動で、自分を大きく見せようとしているのです。

ヘタに近づいて触れようとすると、興奮状態のためシャーと威嚇され、場合によっては手が出てくることもあります。

そのため、しっぽや毛を逆立てて威嚇や警戒をしているときには、あまり近づかずにそっとしておいてあげるのが望ましいです。

不安な気持ち

不安を感じた猫はしっぽを体に巻きつけたり、おなかの下に巻きこんだりしていることが多いです。

知らない人が家に来たときや、苦手なことに遭遇したときなどです。

また、飼い主に叱られて落ち込んで不安になったときなどは、しっぽをだらりと下げていることもあります。

猫はリラックスしているときにもしっぽを下げることがありますが、表情やその場の状況などで不安なのか判断してあげてください。

もし、おびえているようでしたら、猫にとって安心だと理解させるように声をかけたり、なでてあげたりして、できるだけその要因を取り除いてあげることで不安は治まります。

猫のしっぽのサインを観察しよう!

朝の挨拶

猫にとって本来、朝は狩りをする時間でもあり、動きがとても活発になります。

そのため、飼い主にも起きてほしくてサインを出します。

寝ている飼い主を起こしてかまってほしいときや、甘えたいときに、しっぽを立てながら近づきくっつく仕草をみせる場合や、しっぽを絡めてくることで、飼い主に対して甘えています。

どうしてもまだおきたくないときは、無視をすれば猫もあきらめますが、できるならばコミュニケーションをとって猫を喜ばせてあげてください。

遊びたいサイン

猫がしっぽを立てているのは機嫌のよいサインでしたが、さらにくねくねとくねらせながら近づいてきたら、猫が遊びに誘ってわくわくしているときなので、たくさん遊んであげると喜ぶでしょう。

ごはんをねだるサイン

猫はおなかを空かせてご飯をねだるときにも飼い主に甘えてきます。

このときもしっぽをピーンと立てて近づいてきたり、しっぽを絡めてきたり、自分の存在をしっかりとアピールしてきます。

「ご飯が食べたい」「構ってほしい」ときなどには、しっぽを立てたり、絡めたりしてくることが多いです。

猫との暮らしを楽しむために

猫のしっぽがいろいろな感情を表すための、大切なツールだということはおわかりいただけたでしょう。

猫のしっぽを見れば、今どのような感情で、何を求めているのか、少しずつ見えてきますよね。

猫の感情表現を踏まえて、猫との暮らしを楽しむために、あらためて心がけておきたいことを紹介します。

猫のしっぽを理解しよう

しっぽのあらゆる動きから、猫はクールではなく、とても感情豊かな動物だとわかりました。

飼い主が思っていたよりも、甘えん坊だったり、ときには頑固な部分を持っていたりと、今まで気付けなかった性格も見えてくるかもしれません。

大切な猫の知らなかった部分が、しっぽによる感情表現を知ることによって、いろいろと理解できてくるでしょう。

猫の気持ちに寄り添おう

猫のしっぽによる感情表現を理解できるようになったら、飼い主はその気持ちに少しでも寄り添ってあげましょう。

お互いに言葉は交わせなくても、何を考えているのか少しでもわかってくれば、今までよりもさらに深い関係性を築くことができます。

特に、寂しいときや、甘えたいときなどに、しっぽのしぐさを飼い主が察知してあげることによって、猫は「この人にはもっと感情を見せて甘えていいんだ」という感覚が芽生えてくるはずです。

飼い主にしてみても、しっぽのしぐさから、今まで知らなかった猫の性格に気付くことができるかもしれません。

ものすごくしっぽでアピールしてくる子や、控えめな子など、同じしっぽの動きでもそれぞれのクセがあるのではないでしょうか。

その少しの動きでもできるだけ見逃さずに、猫の気持ちに寄り添ってあげることができれば、より家族として近い存在になれるでしょう。

しっぽのコミュニケーションを大切にしよう!

猫のしっぽの動きを理解して、気持ちがわかることで今まで以上に深いコミュニケーションが取れるようになってきます。

何気なく朝、しっぽを立てながら甘えてきたときは、「かまってほしいんだな?」、くねくねさせながら近づいてきたら「遊んでほしいのかな」とか、「今はしっぽを膨らませているから機嫌も悪そうだし近づかないでおこう」とか、しっぽの動きを知ることで、今までよりも格段にコミュニケーションの質も、猫との距離も縮むはずです。

ほかにも猫それぞれが出しているサインがあるので、時間を掛けて少しずつ理解してあげてください。

まとめ

今回は、猫のしっぽの種類の違いや、猫のしっぽでわかる猫の気持ちについてご紹介してきました。

猫のしっぽにより性格の違いが出ることがあることは、あまり知られていないことも多く、

なるほどと思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか

また、一見クールに見える猫も、じつはしっぽを使ってたくさんの感情表現をしていたことがご理解いただけたでしょう。

当記事を参考にして、猫の感情表現について新たな発見があったのであれば幸いです。

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