【獣医師監修】犬と猫はどっちが飼いやすい!?初心者が気になる点を全てまとめてみた

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はじめに

犬と猫の飼いやすさ比較1

犬と猫、どちらを家族に迎えるかはこれからの生活に大きく違いが出てきます。犬は忠実で、活発な遊び相手になります。一方で猫は独立心が強く、気分屋でマイペースな性格です。どちらを選ぶにしても、それぞれの生活スタイルや性格、ケアの必要性を理解することが大切になってきます。

この記事では獣医師監修のもと、初心者が知っておくべき犬と猫の飼いやすさについて、詳しく解説していきます。

犬と猫の基本的な違い

犬と猫の飼いやすさ比較2

犬と猫を家族に迎える際、それぞれの基本的な違いを理解しておきましょう。性格、特徴、平均寿命に至るまで、犬と猫は多くの面で異なります。

犬は群れを作る本能があり、人間と深い絆を築きますが、猫は独立心が強く、自分のペースで生活することを好みます。

これらの違いを詳しくみていき、あなたに最適なペット選びをしていきましょう。

性格

犬と猫の性格は、正反対といってもいいくらい違います。

犬は社会的な動物で、群れの一員として行動する本能があります。このため、人間の家族を自分の群れとみなし、飼い主を自分より上の存在だと判断し関係性を作っていきます。そして深い絆と忠誠心を持って接します。一緒に遊んだり、訓練を受けたりすることで喜びを感じ、飼い主との深い関わりを求めます。

一方、猫は独立心がとても強い動物です。気分屋な性格の個体が多く、基本的に自分のペースで生活し、愛情を求める時も、一人で居たい時も全て気分で接してきます。

猫は飼い主との距離感を大切にしながらも、慣れてくれば甘えてくる行動をみせます。しかしその愛情表現は、犬ほど露骨ではありません。

このように基本的な性格の違いは、日々の生活の中でのペットとの関わり方に大きく影響を与えます。

特徴

犬と猫の間には、性格だけでなくいくつかの特徴の違いがあります。特徴は日々のお世話や生活環境にも影響を与えるため、ペットを選ぶ際には重要なポイントです。

犬は活動的で、定期的な運動が必要です。大きさや犬種にもよりますが、ほとんどの犬は毎日の散歩や遊びの時間を必要とします。

また、犬は訓練を受けることで、より良い行動を学び、飼い主とのコミュニケーションも向上します。

個体ごとに性格も色々あり、活発な個体から、警戒心が強い個体までさまざまです。活発な個体は、より一層運動量が必要になってきます。

犬の性格をしっかり理解し、それぞれに合った運動量、しつけが必要です。

猫は自己管理能力が高く、比較的楽に飼育できるといわれています。一般的に穏やかな性格をしています。しかし、その中でも好奇心旺盛で活発な個体もいるため、それぞれに合った遊びや運動ができるようにしてあげましょう。

猫は自ら清潔に保つために時間を費やします。そして、自らトイレの使い方を習得します。忙しい飼い主にとっては魅力的です。

また、犬と猫ではコミュニケーションの方法も異なります。犬は尻尾を振る、吠える、さまざまなポーズをとるなど、体全体を使って感情を表現してくれます。猫も鳴き声や体を使いコミュニケーションを取りますが、犬ほどあからさまにはしてきません。猫の感情を読み取ろうと思ったら、少し時間がかかるかもしれません。

これらの特徴を理解し、自分のライフスタイルや希望する関係性に合ったペットを選ぶことが重要です。

平均寿命

犬と猫の飼い主にとって重要なポイントはペットの平均寿命だと思います。

2023年の犬全体の寿命は14.62歳で、その中でも中型・大型犬は13.86歳、超小型犬は15.07歳と、大型犬より小型犬の方が長生きする傾向にあります。

これはあくまで平均的な数字であり、定期的な健康診断や普段からのケアが、犬の寿命を伸ばす重要なポイントです。

猫の場合、平均寿命は一般的に犬よりも長く、2023年猫全体で15.79歳でした。

その中で、外に出て生活している猫の平均は、14.18歳、外に出ない完全室内飼いをしている猫の平均は16.25歳と差があらわれています。

室内で飼われ、適切なケアが施される猫は、20年生きることも珍しくありません。

猫の長寿の秘訣は、穏やかな環境、定期的な健康診断、予防接種、適切な栄養管理にあります。

このように犬と猫の平均寿命は異なります。ペットを迎える際には、生涯にわたって責任を持ち、愛情深くケアする覚悟が必要です。

犬と猫に掛かる費用

犬と猫の飼いやすさ比較3

犬と猫を家族に迎えることは、とても楽しくて幸せな毎日が待っていることに間違いはありませんが、それぞれの飼育には管理の費用がかかります。

食事から医療費、日々のケア用品に至るまで、ペットを健康で幸せに保つために、飼い主にはさまざまな経済的責任が伴います。

この章では、犬と猫を買うために必要な平均的な費用についてまとめます。

犬に掛かる費用

犬を飼うためには、ケガや病気にかかる費用、フードやおやつ、シャンプーやトリミング、健康診断やワクチン、日用品、トレーニング費用などさまざまな費用がかかってきます。

それぞれの個体で差はありますが、2022年の調査によると、犬は年間357,353円もかかってきます。支出の内訳としては、ケガや病気の治療費やフードやおやつ、トリミングの費用が多いです。

ペット保険に加入することで、ケガや病気に関連する予期せぬ高額な医療費をカバーできますが、これも月々の継続的な費用がかかってきます。

猫に掛かる費用

猫を飼う際の費用ももちろん必要ですが、一般的に犬よりは低めです。

猫も犬と同じような費用がそれぞれかかってきます。同じ調査で猫は年間160,766円でした。結果から見ても、犬の半分くらいの費用で考えてよさそうです。

どちらにしても平均的な価格にすぎません。そのため、もっとかかる家庭もあれば、低い家庭もあるでしょう。しかし、この金額×ペットの生涯分かかることを頭に入れた上で、迎え入れる必要があります。

しつけで飼いやすさを比較

犬と猫の飼いやすさ比較4

犬と猫を家族に迎える際、飼いやすさを大きく左右するのが「しつけ」です。しつけはペットとの信頼関係を築く貴重なものであり、一緒に快適に生活するための基礎を作ります。

犬と猫のしつけにおける違いを理解し、しつけを通じて、犬や猫との関係をより深めていきましょう。

犬のしつけ

犬をしつけることは、信頼と尊敬の関係を築く第一歩です。犬は群れの動物で、リーダーやルールを理解して従う本能があります。そのため、基本的な命令やマナーを理解し、飼い主に従います。

しかし、犬のしつけで一番大変なことはトイレトレーニングです。根気強くしつけをしなければ、どこでもしてしまうようになってしまうので、しっかり場所を教えましょう。

猫のしつけ

独立心が強い猫のしつけは犬とは少し違います。褒められたことは学習しますが、悪いことで叱られても理解できません。そのため、爪とぎではない場所で爪をとごうとするなどの、悪いことを行う前に防ぎ、叱るのではなく、リアクションを取らない形で対応することが求められます。

トイレトレーニングに関しては、多くの猫は砂を使ったトイレの使い方を自然と覚えます。そのため、犬に比べるとしつけは簡単です。

お手入れで飼いやすさを比較

犬と猫の飼いやすさ比較5

犬と猫の飼いやすさを比較する際、日々のお手入れが重要となってきます。適切なケアは、ペットの健康と幸せを保つ上で不可欠です。種類によって必要なお手入れの種類や頻度が異なります。

犬のお手入れ

健康と快適な生活を維持するために、お手入れは欠かせません。犬のお手入れは犬種や毛の長さによって異なりますが、一般的に定期的なブラッシングとシャンプーやトリミングが必要になってきます。

ブラッシングは毛のもつれを防ぎ、皮膚の健康を保つために重要です。特に長毛種の犬には、毎日のブラッシングがすすめられています。短毛種の場合、毛のもつれが起きにくく、毎日のお手入れは比較的簡単です。

定期的なシャンプーやトリミングは、家でもできますが、プロにお願いすることもできます。

家で行う場合、犬の歩行に影響を与えないように爪切りを忘れずに行いましょう。そのほか、忘れがちな目の周りや口の周り、垂れ耳の犬種に関しては耳掃除をしてあげましょう。

猫のお手入れ

猫のお手入れは、犬ほど手間が掛かるわけではありませんが、猫の健康を保つために重要です。猫は自分で毛づくろいをして、体を清潔に保ちます。そのためシャンプーは必要ありません。

ブラッシングは、毛玉の形成を防ぎ、皮膚の健康を守るために定期的に行いましょう。

猫は水をあまり好まない動物ですが、汚れがひどい場合などはシャンプーが必要になることもあります。その場合猫を落ち着かせ、安全で快適な方法で洗ってあげましょう。

爪切りも猫のお手入れの一つです。猫は爪を研ぐ本能がありますが、室内で飼う場合は、爪が長くなりすぎて家具を傷つけたり、自分自身を傷つけたりする可能性があります。定期的な爪切りで防ぎましょう。

歯磨きも健康維持に不可欠ですが、多くの猫が歯磨きを嫌がります。子猫の頃から慣れさせて、普段から定期的に歯磨きができるようにするとよさそうです。

お留守番で飼いやすさを比較

犬と猫の飼いやすさ比較6

ペットを飼う際、飼い主のライフスタイルに合わせたお留守番ができなければいけません。

お留守番においても、犬と猫では大きな違いがあります。

犬のお留守番

犬は集団行動をする動物なので、一人で長時間お留守番をすることは好みません。犬は飼い主との絆を大切にするため、長時間の孤独はストレスや不安を引き起こす原因となることがあります。

性格や飼い主のしつけ次第で、犬を安全で快適な環境でお留守番させることは可能です。その際、適切なおもちゃや、必要に応じて水と食事を用意しておくことが大切です。

また、長時間留守にする場合は、お留守番前後に十分な運動をさせてあげましょう。

お留守番をより快適にするためには、犬が安心して休める場所を作り、お留守番中に退屈しないような工夫をしておくことです。また、ペットカメラなどを使って、遠隔からでも犬の様子を確認できるようにしておくと、飼い主も安心して出掛けられます。

猫のお留守番

猫は独立心が強く、犬と比較して一人でのお留守番に適応しやすい傾向があります。そのため、忙しいライフスタイルを持つ人に向いています。

しかし、猫が一人で快適に過ごすためには、適切な準備が必要です。十分な水と食料の確保はもちろんのこと、出かける前にはトイレを清潔な状態にして出掛けましょう。

自動給餌器や自動清掃トイレは長時間のお留守番に特に便利なアイテムです。

また、猫は好奇心旺盛で活動的な動物なので、お留守中も退屈しないように、さまざまなおもちゃを用意しておくと良いでしょう。窓辺に座れる場所を作っておくことで、外の景色を眺められ、猫にとっていい刺激となります。

しかし、お留守番が苦にならない猫であっても、長時間のお留守番が必要な場合は、出かける前に、しっかり遊んであげてエネルギーを消費させてあげ、帰ってからもたくさん遊んだりスキンシップをとったりする時間をとりましょう。

犬同様、ペットカメラを利用して留守中も猫の様子を見守ると、飼い主も安心です。

よくあるQ&A

犬や猫を飼うことを考えている方から寄せられる、よくある質問にお答えします。

ペット選びや飼育に関する疑問を解消しましょう。

マンションで飼いやすいのは?

マンションでのペットの飼育は、騒音やスペースの制限などが考えられます。

猫は犬に比べて鳴き声が小さく、定期的な散歩も必要ないことから、室内だけでの生活に適しています。そのため、一般的には猫の方が飼いやすいと思われがちですが、柱や壁をボロボロにしてしまう可能性があります。

マンションでの飼育は小型犬が向いています。

特に小型犬で静かな性格の犬種であれば、適切な訓練と日々の運動を満たすことで、マンション生活に適応させられます。運動量が多い大型犬はあまり向いていません。

マンションで飼育する上で一番重要なことは、ペットが他の住民に迷惑をかけないよう、しっかりとしつけをすることです。また、マンションのペットに関するルールや規約を事前に確認し守ることが大切です。

一人暮らしで飼いやすいのは?

一人暮らしでペットを飼う場合、飼い主の生活スタイルやペットと関われる時間、スペースなどを考える必要があります。

一般的に、猫は一人暮らしに適したペットとされています。その理由は、猫は比較的メンテナンスが楽であり、独立心が強く、長時間の留守番にも耐えられるからです。また、猫は限られた空間でも快適に過ごせます。留守番をさせる場合、猫が退屈しないようにおもちゃやキャットタワーを用意してあげましょう。

一人暮らしでも犬を飼うこともできますが、犬を飼う場合、猫以上に運動する時間やコミュニケーションの時間をしっかり設けてあげる必要があります。

共働きで飼いやすいのは?

共働きの家庭でペットを飼う場合、ペットが長時間一人でいることが多くなるため、お留守番が問題なくできるかが1番のポイントとなってきます。

この点においては、犬よりも猫の方が共働きの家庭にとって飼いやすいといえます。猫は自立心が強く、自分の世話をある程度自分でできるため、日中家族が不在でもストレスを感じにくい傾向にあるからです。

一方、犬は人との関わりを深く求めるため、長時間のお留守番はストレスの原因になります。散歩も大切な時間となるため、散歩ができないとストレスになってしまいます。

その点も猫は散歩の必要がないため安心です。

まとめ

犬と猫の飼いやすさ比較7

犬と猫、それぞれに魅力があり、どちらが飼いやすいかは、飼い主のライフスタイルや求めるペットとの関係性で変わってきます。

猫はその独立性のおかげで比較的手軽なケアで済むため、忙しい人に適しています。犬は時間と労力を必要としますが、その分深い絆と愛情を与えてくれます。それぞれを比較した上で、あなたに合ったペットをお迎えしてください。

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