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【獣医師監修】犬はアーモンドを食べても大丈夫?犬にアーモンドを与えるデメリットと注意点を解説

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はじめに

犬にアーモンドを与えても大丈夫か気になる方は多いと思います。

アーモンドには犬の健康に良い栄養素が含まれているので、犬にアーモンドを与えても大丈夫ですが、与え方や与える量に注意が必要です。

今回は、犬へのアーモンドの与え方を紹介します。

アーモンドを与えるデメリットや注意点も解説するので、正しい方法やリスクを理解したうえで犬に与えましょう。

犬はアーモンドを食べても大丈夫?

犬にアーモンドを与えても大丈夫です。与えてもいい理由や注意点を詳しく紹介しますので、アーモンドが体に与える影響を理解しましょう。

犬に有毒な成分は含まれていない

アーモンドは、人間にとっては栄養価の高い食材であり、犬にとって特に有毒な成分は含まれていません。

チョコレートのように中毒を引き起こす物質が存在しないため、犬が誤ってアーモンドを食べてしまった場合に、すぐに重篤な症状が現れる可能性は低いです。

しかし、アーモンドは犬の消化器系にとって負担がかかりやすく油分が豊富であるため、犬の体質や体重に応じて摂取する量や頻度を調整する必要があります。

また、アーモンド自体は毒性を持たないものの、アーモンドに含まれる食物繊維が犬の消化に影響を与えやすいです。

例えば、大量に摂取すると食物繊維が消化不良を招くリスクも考えられます。

与えすぎには注意が必要

犬にアーモンドを与える際には、与えすぎに注意が必要です。アーモンドは高脂肪でカロリーが高いため、少量でも犬の小さな体にはカロリー過多になるリスクがあります。

特に小型犬の場合、わずかな過剰摂取でも肥満のリスクが高まり、長期的には糖尿病などの健康問題を引き起こす可能性が高いです。

また、脂肪分が多いため、一度に大量のアーモンドを摂取すると犬の消化器官に大きな負担がかかり、消化不良や下痢、嘔吐といった症状が現れる場合もあります。

さらに、アーモンドに含まれる不溶性食物繊維も消化器官に負担を与える要因の一つです。

過剰な摂取は、便秘や消化不良を引き起こし、犬にとって快適な食生活を妨げる原因になります。

アーモンドに含まれる主な栄養素

次に、アーモンドに含まれる主な栄養素を紹介します。

  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミンE
  • ビタミンB
  • ミネラル
  • 食物繊維

それぞれ詳しく紹介しますので、愛犬に与えたい栄養や効果かどうかチェックしましょう。

タンパク質

まず、アーモンドに含まれる主な栄養素はタンパク質です。タンパク質は、犬の身体において非常に重要な栄養素で、特に活発な犬や成長期の犬にとって欠かせません。

アーモンドは植物性タンパク質の供給源としても優れており、肉以外からタンパク質を摂取できる数少ない食品の一つです。

ただ、犬は動物性タンパク質の方が消化しやすい性質を持っているため、アーモンドから得られるタンパク質が適しているかは、犬の体調や消化能力により異なる場合があります。

犬の主なタンパク源は肉や魚が理想的であるため、アーモンドに頼り過ぎるのは避け、あくまでおやつ程度に留めることが大切です。

アーモンドのタンパク質は健康的ではあるものの、消化器官への負担を考慮し、他の栄養素とのバランスを取りながら与えましょう。

脂質

次に、アーモンドに含まれる主な栄養素は脂質です。アーモンドは高脂肪食品として知られています。

脂質は主に不飽和脂肪酸で、含まれているのは健康に良いとされるオレイン酸やリノール酸です。

オレイン酸やリノール酸は、犬の被毛や皮膚の健康を保つ効果が期待できるため、少量であれば犬にとっても有益な栄養素となります。

しかし、高脂肪であるためカロリーも高く、過剰に摂取すると肥満や膵臓の負担、ひいては膵炎のリスクも増加するので注意が必要です。

特に小型犬やシニア犬、肥満傾向の犬にとっては脂肪の摂りすぎが健康に悪影響を及ぼすため、アーモンドはごく少量をおやつとして与えましょう。

ビタミンE

3つ目に、アーモンドに含まれる主な栄養素はビタミンEです。ビタミンEは細胞の酸化を防ぎ、老化の抑制や免疫力の向上に役立つ栄養素として知られています。

犬にとっても重要な栄養素で、特に加齢による細胞のダメージが気になるシニア犬には、ビタミンEの抗酸化作用が健康維持に効果を発揮する可能性があるのです。

また、ビタミンEは犬の皮膚や被毛の健康にも良い影響をもたらし、毛艶を良くする効果が期待できます。

ただし、アーモンドから得られるビタミンEは、犬の主要な供給源とするのは適切ではありません。

あくまで主食からビタミンEを摂取するのが推奨されており、アーモンドは補助的役割に留めましょう。

ビタミンB2

4つ目に、アーモンドに含まれる主な栄養素はビタミンB2です。ビタミンB2は、アーモンドに含まれる水溶性ビタミンの一種で、エネルギー代謝を助ける働きを持ちます。

犬にとっても重要なビタミンであり、食べ物から摂取した栄養素を効率的にエネルギーに変えることが可能です。

ビタミンB2が不足すると、犬の体は疲れやすくなり、皮膚や被毛の健康状態にも影響が及ぶ可能性があります。

アーモンドはビタミンB2の供給源としておすすめですが、他のビタミンB群とともにバランスよく摂取することが犬の健康においては理想的です。

ビタミンB2は代謝を促進して体力を維持する大切な成分ですが、アーモンドの量はあくまで少量とし、他の摂取源からも補って健康をサポートしましょう。

ミネラル

5つ目に、アーモンドに含まれる主な栄養素はミネラルです。アーモンドにはカルシウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルが含まれています。

これらのミネラルは、犬の骨や歯の健康維持のために重要です。例えば、カルシウムは骨の成長や強化に必要であり、犬の骨格形成に欠かせません。

また、マグネシウムはエネルギー代謝や筋肉の働きに関わり、犬が活発に動けるようサポートします。さらに、カリウムは筋肉の収縮や神経伝達を正常に保つために必要な成分です。

ただし、ミネラルは摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、バランスを考慮しましょう。

特にカリウムやリンの摂取には注意が必要で、心臓病や腎臓病を抱える犬にとっては過剰摂取は病状悪化のリスクを伴います。

食物繊維

最後に、アーモンドに含まれる主な栄養素は食物繊維です。食物繊維は、犬の腸内環境を整える助けとなり、便通の改善に役立つ可能性があります。

しかし、犬の消化器官は食物繊維の処理に慣れていないため、不溶性食物繊維の過剰摂取が消化不良や下痢の原因になる恐れもあるので注意が必要です。

特に小型犬や胃腸が弱い犬にとっては、アーモンドの食物繊維が負担になる場合もあるため、少量のみに留めることが推奨されます。

また、食物繊維は健康な便通をサポートする一方で、過剰に摂取すると栄養の吸収を妨げることもあります。

犬にとって、アーモンドはあくまでおやつとして少量を与える程度が適切であり、主食として与えるのは適していません。

犬にアーモンドを与えるデメリットと注意点

次に、犬にアーモンドを与えるデメリットと注意点を紹介します。

  • 肥満や糖尿病の原因になる
  • 過剰摂取による消化不良
  • 心臓や腎臓の持病がある犬には与えない
  • 食物アレルギーに注意

それぞれ詳しく紹介するので、犬にアーモンドを与えるリスクを理解して与えるか検討しましょう。

肥満や糖尿病などの原因になることも

まず、犬にアーモンドを与える注意点は肥満や糖尿病の原因になる点です。アーモンドの脂質やカロリーが影響しているので詳しく見ていきましょう。

アーモンドは脂質が多くカロリーが高い

アーモンドは脂質が多く、カロリーが非常に高い食品です。

アーモンドの脂質はオレイン酸やリノール酸といった不飽和脂肪酸で健康に良い影響を与えますが、犬が摂取するとカロリーオーバーになりやすい傾向があります。

犬にとって過剰なカロリー摂取は、肥満や糖尿病のリスクを高めるため、与え方には十分な注意が必要です。

特に小型犬や運動量が少ない犬は、脂質を過剰に摂取するとすぐに体重が増えてしまう恐れがあるため、アーモンドを与える際はごく少量にとどめるようにしましょう。

また、肥満になると犬の関節や心臓への負担が増し、様々な健康問題に繋がるリスクもあります。

さらに、糖尿病の発症リスクも高まることから、アーモンドの高脂質・高カロリーな特性を考慮し、日常的なおやつとして与えるのは避けましょう。

過剰摂取による消化不良

次に、犬にアーモンドを与える注意点は過剰摂取による消化不良です。アーモンドの不溶性食物繊維が影響を及ぼす可能性があるので、詳しく見ていきましょう。

アーモンドには不溶性食物繊維が多く含まれる

アーモンドには不溶性食物繊維が豊富に含まれており、犬にとって消化の負担になる場合があります。

不溶性食物繊維は腸内の便通の改善に役立つ一方で、犬が過剰に摂取すると消化不良や下痢を引き起こす可能性があるのです。

特に小型犬や胃腸が弱い犬の場合は腸に負担がかかり、消化器官が過度に刺激される恐れがあります。

犬の消化器官は人間のものとは異なり、特に繊維質の多い植物性食品を消化するのが苦手です。

不溶性食物繊維は消化されにくく、そのままの状態で腸に残るため、犬の消化システムに負担がかかる場合があります。

また、犬の主な栄養源であるタンパク質や脂質の吸収が阻害される可能性もあるため、犬の健康維持には適していません。

食物繊維が多いアーモンドを犬に与える際は、量を調整し、消化不良の兆候が見られた場合にはすぐに中止することが重要です。

心臓や腎臓の持病がある犬には与えない

3つ目に、心臓や腎臓の持病がある犬にはアーモンドを与えるのはやめてください。カリウムやリンが影響を及ぼすリスクがあるので、詳しく見ていきましょう。

カリウムやリンの制限が必要

アーモンドにはカリウムやリンといったミネラルが含まれており、犬の健康維持に役立つ栄養素である一方、心臓や腎臓に持病を抱える犬にとってはリスクになります。

カリウムやリンは犬の体内で電解質バランスを保つ重要な成分ですが、腎臓病や心臓病のある犬の場合、ミネラルを過剰に摂取すると症状の悪化に繋がる可能性があるのです。

特に腎臓が弱い犬は、カリウムとリンの代謝が正常に行われないため、血中濃度が上がりやすく、体内に過剰に蓄積されることが問題視されます。

カリウムは心筋の収縮に関与するため、心臓に異常がある犬が過剰摂取すると心臓に負担がかかるリスクも高いです。

アーモンドはミネラルの摂取源として有用ではあるものの、病気を抱える犬には負担が大きい成分が含まれているため、与える際には十分に注意しましょう。

食物アレルギーに注意

最後に、犬にアーモンドを与える際の注意点は食物アレルギーです。どの犬にも食物アレルギーのリスクがあるので、与え方を詳しくチェックしてください。

初めて与えるときにはごく少量与えて様子を見る

アーモンドは、犬にとって一般的ではない食品であるため、食物アレルギーのリスクを考慮する必要があります。

アーモンドに対するアレルギー反応が出る犬もいるため、初めて与える場合にはごく少量から始め、犬の様子をよく観察することが重要です。

アレルギー反応としては、かゆみや発疹、嘔吐や下痢などの症状が現れる場合があります。

特に皮膚のかゆみや赤みが見られる場合、アレルギーが疑われるため、すぐにアーモンドの摂取を中止し、獣医に相談しましょう。

アーモンドのような新しい食品は、少量を与えた後、数時間から1日程度は異常がないか注意深く観察し、犬の反応を確認することが重要です。

また、アレルギー反応が見られない場合でも引き続き少量を与えるにとどめ、大量摂取を避けるよう心がけましょう。

犬に与えても良い量は?

次に、犬に与えてもいいアーモンドの量を紹介します。犬に与えてもいい量や食事管理の方法をまとめているので、チェックしてから与え始めましょう。

おやつとして少量だけ与える

犬にアーモンドを与える場合、適量を守ることが非常に重要です。

アーモンドは栄養価が高く、少量でもカロリーと脂質を多く含むため、与えすぎると肥満や消化不良の原因になる可能性があります。

そのため、アーモンドは主食の代わりとしてではなく、おやつとして少量のみ与えるのが適切です。

おやつとして与える際には、他の食事とバランスを考慮し、犬の健康状態や活動量に合わせて適切な量に調整しましょう。

また、アーモンドを犬に与える際には無塩・無添加のものを選び、細かく砕いてから与えると安全です。

塩分や香辛料などが含まれるアーモンドは犬に負担をかけることがあるため、避けるようにしましょう。

また、アーモンド自体はタンパク質やビタミンEなど、犬にとっても役立つ成分を含んでいるものの、犬に必要な栄養素は主に肉やドッグフードから摂取してください。

おやつとして与えてもいい量は主食の10%程度

アーモンドを犬に与える場合、総カロリー摂取量の10%以下に抑えましょう。犬の主食は栄養バランスの取れたドッグフードであり、犬の健康維持に必要な栄養素を与えられます。

そのため、アーモンドなどのおやつは、主食の10%以下を目安にして与えると適切です。

過剰なカロリー摂取は肥満の原因となり、関節や内臓に負担をかけるリスクがあるため、摂取量には注意してください。

また、カロリー量を事前に確認し、アーモンドがどれくらいの量に相当するかを把握しておくことが重要です。

たとえば、体重10キロの犬の場合、1日の摂取カロリーはおよそ600キロカロリーが適切とされています。

そのため、アーモンドを与える場合は60キロカロリー以下に抑えるのが理想です。アーモンドは特別なご褒美として控えめに与え、日々の栄養管理に影響しないようにしましょう。

積極的に与える必要はない

アーモンドは犬にとって完全に安全な食品というわけではないため、積極的に与える必要はありません。

犬は基本的に肉食寄りの雑食動物であり、必要な栄養素は主に動物性タンパク質や脂質、炭水化物から摂取することが推奨されます。

そのため、アーモンドのようなナッツ類は、犬にとっての必須食品ではなく、あくまで嗜好品やご褒美の一環としてのみ少量を楽しませる程度で十分です。

また、アーモンドには脂質やカロリーが多く含まれ、過剰に摂取すると肥満や消化不良など健康リスクが高まる可能性があります。

さらに、ナッツ類に対してアレルギー反応を起こす犬もいるため、初めて与える際は特に慎重に少量を試すようにしましょう。

アーモンドの他にも、犬が安心して摂取できるおやつやドッグフードに含まれる栄養価の高い食品があるため、犬の健康にとって適切な栄養が含まれた食事を与えることが重要です。

犬にアーモンドを与える際の与え方

次に、犬にアーモンドを与える際の与え方を紹介します。

  • 味付けされていないアーモンドを選ぶ
  • 細かく砕いてから与える

それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ日頃から実践してみてください。

無塩のアーモンドを選ぶ

まず、犬にアーモンドを与える際は無塩のアーモンドを選ぶことが大切です。味付けされたアーモンドは病気のリスクがあるので、理由を詳しくチェックしましょう。

味付けしたアーモンドは犬には塩分が多すぎる

犬にアーモンドを与える際には、無塩で無添加のものを選ぶことが非常に重要です。

味付けされたアーモンドには多量の塩分や砂糖、香辛料が含まれていますが、犬にとって塩分の過剰摂取は腎臓に負担をかけ、高血圧のリスクを増大させる原因にもなります。

犬は人間に比べて塩分に対する耐性が低く、少量の塩分でも体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、塩味や他の味付けが施されたアーモンドは避けるようにしましょう。

また、塩分の多い食品を犬が摂取すると、水分を多量に摂取しようとするために下痢や嘔吐を引き起こしやすく、脱水症状を引き起こす恐れもあります。

さらに、味付けの一環として使われる香辛料や油脂も、犬の消化器官には刺激が強すぎ、健康に悪影響を及ぼしやすいです。

市販のスナックアーモンドや、フレーバー付きの製品は人間向けの味付けがされているため、犬には一切与えないようにしましょう。

細かく砕いてから与える

次に、犬にアーモンドを与える際は細かく砕いてから与えることが重要です。アーモンドをそのまま与えると危険なので、砕き方を詳しくチェックしましょう。

喉や食道などに詰まらせる危険がある

アーモンドは硬さがあり、そのままの形状では喉や食道に詰まらせるリスクがあります。

特に小型犬や食べ物を噛まずに飲み込む傾向がある犬の場合、アーモンドが気道を塞ぎ、窒息などの危険な状態を引き起こす恐れがあるのです。

さらに、アーモンドの表面が滑りやすく、犬の口や喉に引っかかると、食道や消化器官に傷をつけてしまう恐れもあります。

細かく砕くと、犬がアーモンドを安全に消化しやすくなり、詰まらせるリスクも大幅に減少することが可能です。

アーモンドを細かく砕く際は、ペースト状になるほど小さくする必要はありませんが、犬が飲み込んでも問題のない大きさまで細かくしましょう。

細かくすると、食道や胃腸への負担が軽減され、犬がアーモンドを無理なく摂取できます。

まとめ

今回は、犬へのアーモンドの与え方を紹介しました。アーモンドは犬の健康に良い栄養素が含まれているので与えても大丈夫ですが、与えすぎには注意が必要です。

アーモンドは高脂質・高カロリーによる肥満や糖尿病のリスクや、ミネラルの過剰摂取による心臓や腎臓の悪化、食物繊維による消化不良のリスクがあります。

犬にアーモンドを与える際はおやつとして少量に止め、無塩のアーモンドを細かく砕いてから与えるようにしましょう。

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