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はじめに
毛が長い犬種はその美しい被毛や風格から多くの人に愛されています。しかし、その美しさを保つためには日々の正しいケアが大切です。
本記事では獣医師監修のもと、毛が長い犬種12種に焦点をおいて、それぞれの特徴や飼育方法について詳しくご紹介します。
長毛種の特徴
長毛種の犬はその美しい被毛が特徴で、さまざまな犬種が存在しています。
同じ長毛種でも「ダブルコート」と「シングルコート」があり被毛の構造が違ってきます。
長毛種の毛並みはとても美しく、その毛並みを保つためには飼い主の適切なケアが必要です。
絡まりやすく抜け毛も多いため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングは欠かせません。
そのほかに健康的な被毛をキープするためには、栄養豊富な食事も大切です。
小型犬の長毛種類
小型犬の長毛種の代表的な犬種を紹介します。
体は小さくても綺麗な被毛を保つためには定期的なブラッシングは欠かせません。
ポメラニアン
ポメラニアンは小型の犬種で、その魅力的な外見と豊かな被毛が特徴です。
ふわふわした被毛はとても美しく、特に首元やしっぽに豪華な飾り毛があります。
小さな顔に大きな目が印象的で、可愛らしい表情が人気です。
活発で遊び好きなポメラニアンは、好奇心も旺盛でとても明るい犬種です。飼い主に対して忠誠心も備えていますが、警戒や興奮した時には吠えやすい傾向もあります。
子犬の頃から他の人や動物に慣れさせましょう。
ポメラニアンはダブルコートの被毛で、週に2回程度のブラッシングが必要です。
優しくブラッシングして抜け毛をしっかり取り除く必要があります。
寒さに強いダブルコートの被毛ですが、暑さには弱いため夏場は暑い時間の散歩はさけるなどして熱中症対策をおこないましょう。
ヨークシャーテリア
ヨークシャテリアはその可憐な姿勢と長い被毛があいまって堂々とした雰囲気があります。
小さな体に大きな目が印象的で、鼻先まで伸びる被毛はとても美しいと人気を得ています。
活発で用心深い性格をしており、テリトリー意識が強い一面もあります。
そのため、甘やかしすぎると吠えぐせがつくこともあるので子犬の頃からしつけをしっかりおこないましょう。
毎日のブラッシングで美しい被毛を保ちましょう。被毛が絡んでいる場合には、毛が切れたり抜けないように優しく解くようにしてください。
ミニチュアシュナウザー
ミニチュアシュナウザーは、その小さな体格に長く立派な口ひげと、かわいい眉毛が魅力です。
かつて農場や牧場で活躍していた歴史を持つミニチュアシュナウザーは、体は小さくても十分な運動や遊びを必要とします。
毎日朝夕30分ほどの散歩と、ときにはドッグランで思い切り走らせて発散させてあげましょう。
ボール投げやゲーム性のある遊びも好みます。しっかり時間をとってあげてください。
被毛は剛毛のダブルコートで、下毛は密集し上毛は硬い毛質をしています。
抜け毛は少なめですが、毎日のブラッシングで毛玉の防止をしましょう。
シーズー
シーズーは長い被毛が魅力で、体全体で感情を表す姿がとても愛らしいといわれています。
多くの運動量は必要ありませんが、活発で甘えん坊な性格をしているため、散歩や遊びを通して十分なコミュニケーションが必要です。
密度があり絡まりやすい被毛のため、毎日のブラッシングは欠かせません。
被毛が目に入りやすく涙が流れやすいため、目の周りをチェックして被毛が目に入らないスタイルにしておきましょう。
トイプードル
トイプードルは知識豊富で上品な姿勢が特徴です。
被毛はふわふわのカールした毛で、アレンジも自在にできます。シングルコートで抜け毛や体臭が少ないのも特徴の一つです。
抜け毛は少なめですが、もつれたり毛玉になったりするためブラッシングを必ず行いましょう。また、被毛はかなり伸びるため、定期的にトリミングを必要とします。
明るく活発なトイプードルは、活動的でとても遊び好きです。
運動能力も高く体力もあるため、運動不足になるとストレスが溜まってしまいます。
毎日朝夕の15分程度の散歩を欠かさずおこないましょう。
散歩以外にも、室内で遊んだり水泳などをさせたりしてしっかり活動させることが大切です。
マルチーズ
マルチーズは美しく滑らかな被毛が特徴的です。真っ白な被毛は柔らかく、長さがあり美しさを引き立てます。
小さな顔に大きな丸い目が印象的で、その愛らしい表情が人気です。
性格は明るく活発で遊び好きです。また飼い主とずっと一緒にいたいほど甘えん坊のため、たくさん遊ぶ時間をつくってコミュニケーションをしっかりとりましょう。
絹糸状の長いシングルコートの被毛は、毎日ブラッシングすることによって美しさを維持できます。
定期的なシャンプーも必要です。
被毛を自然に伸ばすスタイルや短くカットするなど色々な印象に変えられます。
トリマーに頼んで好みのスタイルを探すのもいいかもしれません。
中型犬の長毛種類
中型犬の中には体つきも丈夫でたくましく、大型犬より多くの運動量を必要とする犬種もいます。
中型犬の長毛種の代表的な犬種をみていきましょう。
ボーダーコリー
ボーダーコリーは知識豊富で、並外れたスタミナを備えています。
頭の良さは全犬種の中でもトップクラスです。
飼い主に対してとても忠実で、その頭の良さから、しつけに関しても苦労することはないと思われがちですが、都合の良い理解をしないようにしつけをしっかりとする必要があります。
スタミナのある犬種なので、毎日朝晩の30分以上の散歩を欠かさずおこないましょう。
散歩以外にもドッグランで思い切り走らせたりスイミングをしたりとドッグスポーツを楽しむのもいいかもしれません。
被毛は短くまっすぐな毛質のスムースと、長く粗い毛質のラフの2種類があります。
どちらの場合も、週2回程度のブラッシングをおこない、抜け毛をしっかり取り除きましょう。抜け毛が多い換毛期にはシャンプーの回数を増やすことによって抜け毛の量を減らせます。
シェットランドシープドッグ
美しい被毛と優雅な姿勢が特徴のシェットランドシープドッグは非常に活発で頭のいいことが特徴です。優しい瞳と整った顔立ちが多くの人を魅了しています。
シェットランドシープドッグは遊ぶことが大好きな犬種なので、毎日のお散歩だけでなく、ボールで遊んだりドッグスポーツに挑戦したりして一緒に体を動かしましょう。
牧羊犬として活躍してきたこともあり、頭を使うことも得意です。知育おもちゃなども取り入れてみましょう。
長い二重構造の被毛はしっかりしており、特に換毛期には毎日のブラッシングが欠かせません。
胸の飾り毛の部分はもつれやすいので、優しく毛の流れに沿ってブラシがけをしてあげましょう。
毛が豊富なため、熱中症対策は欠かせません。常に涼しく水が飲める環境にしておくことが大切です。
日本スピッツ
日本スピッツは白い二重構造の被毛でたくましい尾を背中に巻いているのが特徴です。
昔はよく吠えるというイメージでしたが、近年では無駄吠えが少なく温和で人懐こくなってきているといわれています。
飼い主に対しては従順ですが、知らない人には神経質になることもあるので、子犬の頃からさまざまな場所や人に慣れさせるトレーニングをしておきましょう。
日本スピッツは純白以外のカラーは認められていません。
この美しい白い毛並みをキープするためにはこまめなお手入れが必要です。
それほど長く伸びることはないのでカットの必要はありませんが、換毛期には抜け毛除去と毛玉の予防のためブラッシングをおこないましょう。
大型犬の長毛種類
美しい艶やかな被毛が特徴の大型犬は、その優雅な雰囲気が魅力とされています。
これらの犬種に必要な被毛のお手入れをしてこそ、その美しさが保たれます。
ゴールデンレトリバー
ゴールデンレトリバーは知識が豊富で友好的な性格が特徴です。被毛はしっとりとした質感で、触り心地も良く毛色は美しい金色に輝いています。
知識が豊富で忠実なことから、補助犬としても活躍していることの多い犬種です。
とても活動的なゴールデンレトリバーは豊富な運動量を必要とします。
毎日朝晩30分程度の散歩を欠かさないようにおこないましょう。また、定期的にドッグランなどに連れていき自由に思い切り走り回れる時間を作ったり、知的な遊びなどを取り入れたりして発散させてあげることが大切です。
換毛期に大量の下毛が抜けるゴールデンレトリバーは、毎日のブラッシングが欠かせません。暑い時期に下毛が体に残っている場合、通気性の妨げになり皮膚炎の原因になってしまいます。換毛期以外にも、週に1?2回のブラッシングをおこないましょう。
サモエド
サモエドは知識が豊富で陽気な性格をしています。
ロシア原産で雪の中で働くために育ってきたため、被毛は厚い二重構造です。
大きな体に、雪のように白くふわふわの被毛は、まるでエスキモーのように見えます。
陽気でフレンドリーな性格をしているため、他の動物や子供とも仲良く遊べる犬種です。
そり犬だったサモエドは、運動欲求が強くスタミナがあります。運動不足になるとストレスをためてしまうことがあるので、毎日朝晩30分以上の散歩をおこないましょう。
散歩のほかに、ドッグランなどで思いきり走らせることも大切です。
被毛はダブルコートなので、換毛期にはたくさんの毛が抜けます。毎日のブラッシングを欠かさずおこない、抜け毛を取り除いてください。
ラフコリー
ラフコリーは長く豊かな二重構造の被毛がとても美しく見えます。
首周りや足回りの飾り毛がとても綺麗です。豊富な下毛とまっすぐなオーバーコートが特徴で、飾り気も多いことからブラッシングは大切です。
特に換毛期にはブラッシングの回数を増やしましょう。
作業犬として活躍してきたラフコリーは運動量が多めです。
毎日1時間ほど散歩の時間を確保しましょう。
長毛種類飼育の仕方
長毛種の犬種を飼育する際、どのような点をおさえればいいかそれぞれみていきます。
あくまで一般的な方法です。犬種や個体差があることを覚えておきましょう。
トリミング方法
長毛種の犬を美しく清潔に保つためには、定期的なトリミングが重要です。
毛の絡まりを防ぎ、清潔な状態を保つため、専用のブラシやハサミを使って毛玉や絡まりを取り除く必要があります。
自宅でトリミングをすることも可能ですが、ペット専用の美容室に依頼することも一つの方法です。
しっかりカットするスタイルや、毛の中間の長さで整えるスタイルなどがあります。
好みと犬種にあったスタイルに整えてもらえます。
抜け毛は多い?
長毛種は抜け毛が多いと思われがちですが、ダブルコートかシングルコートかによっても違ってきます。
シングルコートの場合、1年かけて少しずつオーバーコートが生え変わってくるので、ダブルコートに比べると抜け毛が少なくケアも簡単です。
その反面ダブルコートの場合は換毛期にはアンダーコートが生え変わるので大量の抜け毛が発生します。
抜け毛をそのまま放置すると、皮膚炎などさまざまなトラブルを引き起こす可能性があるため、毎日のブラッシングが欠かせません。
特に長毛種の被毛は絡まりやすいため、毛玉になると犬に負担がかかります。
抜け毛のケアだけでなく、健康な被毛を保つためには換毛期以外の時期にも定期的にブラッシングをしましょう。
病気になりやすい?
一部の長毛種は皮膚疾患や耳のトラブルにかかりやすいことがあります。定期的な健康チェックと予防接種が不可欠です。
皮膚の清潔を保ち、普段から注意深く観察して病気の早期発見に努めましょう。
気温対策はどうしたら良い?
長毛種でダブルコートの犬種の場合、アンダーコートをしっかり取り除いておかないと通気性が悪くなり熱がこもりやすくなります。
人間と違い全身から汗をかいて体温を下げられない犬は、熱を逃すことが苦手です。
口を開けて呼吸をするパンティングによって唾液を蒸発させ体温を下げますが、それだけでは十分に体温を下げることは難しいので快適に過ごせるよう飼い主の配慮が必要になります。
被毛に覆われている犬にとって、扇風機の風だけでは対策になりません。
エアコンと扇風機を使って涼しい空気を循環させましょう。
その場合、風が直接当たるのが苦手な犬もいるため注意が必要です。
夏のお散歩も涼しい時間帯にするようにして、保冷剤を入れられるハーネスや冷感機能のある服を着せるなどの対策を行いましょう。
対策をしていても熱中症の症状がみられる場合は早めにかかりつけの動物病院を受診してください。
まとめ
毛が長い犬種は見た目の美しさを保つために、日頃から適切なケアを必要とします。定期的なブラッシング、トリミング、清潔な環境の提供が健康な被毛を保つポイントです。
それぞれの犬種に合わせたケアや注意点を守り、愛犬が快適に過ごせるよう環境を整えてあげましょう。