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はじめに
犬が頻繁にお風呂に入っているイメージは、ない方が多いですよね?
実は、犬も定期的にお風呂に入るのが望ましいです。
今回は実際犬はどのくらいの頻度でお風呂に入るべきか、お風呂に入る時はどんなことに注意するべきかを詳しく紹介します。
今犬を飼っている方も、これから飼おうとしている方も、愛犬のためにお風呂の正しい知識を確認しましょう。
お風呂の頻度はどれくらいが最適?
お風呂の頻度としては毎日でも構いませんが、シャンプーは月に1〜2回程度が望ましいです。
犬は、散歩に行くと外を歩いた時につく汚れが気になります。
他にも、排泄の失敗や体調不良でゆるいうんちが出てしまった時に肛門周りに残ってしまっているなど、日常生活を送っている間にも自然と体は汚れてしまうんです。
汚れをそのままにしておくと、フケや皮膚トラブルの原因になるので注意しましょう。
放置しすぎもやり過ぎも良くないので、入浴やシャンプーについて適切な頻度を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
入浴に関しては、毎日でもOK
体を温かいお湯につける入浴に関しては、毎日しても良いです。
入浴の仕方は、バスタブや洗面台にお湯を溜めて首まで浸からせます。
人間が気持ち良いと感じる40度前後の温度は、犬にとっては熱湯に感じるので、35〜37度くらいのぬるま湯を用意してあげましょう。
シャンプーは月に1.2回が良い
シャンプーで洗うのは、室外犬で月に2回、室内犬では月に1回が目安になります。
犬の皮膚は、人間の20〜30%ほどしかないためとてもデリケートです。
シャンプーの回数が多いと脂分まで落としてしまい、逆に汚れやすくなったり皮膚トラブルの原因になります。
シャンプーをする際は、犬用のシャンプーを使い用量や用法を守って使うようにしましょう。
お風呂に入れる時に準備するもの
犬をお風呂に入れる際に準備しておいた方が良いものを紹介します。
準備するもの | 用途 |
ブラシ | シャンプー前に汚れを落とす |
シャンプー | 犬の汚れを洗い流す |
コンディショナー(必要な場合) | シャンプーで開いたキューティクルを閉じる |
スポンジ(必要な場合) | 顔周りを濡らす・洗う・流す |
タオル | シャンプー後に体を拭く |
ドライヤー | タオルドライ後にしっかり乾かす |
お風呂に入る前は、上記のものが準備できているか確認しましょう。
お湯に浸かるだけの場合は、シャンプーは必要ないですが、ブラシ・タオル・ドライヤーは、必ず必要になります。
また、コンディショナーやスポンジは、どんな子に必要なのか解説します。
コンディショナーはなるべく使用するのがおすすめですが、特に長毛種の子は使ったほうが良いです。
シャンプーで汚れを落とす時にキューティクルが開いてしまい、傷んでしまうと毛並みが悪くなります。
長毛種の子は毛が絡んでしまい、毛玉になりやすくなるので、ぜひコンディショナーを使ってみてください。
スポンジは、シャンプーやシャワーでお湯をかけるのが苦手な子に必要です。
お風呂の時間がストレスにならないように、嫌がる子には無理にシャワーをかけず、スポンジなどで優しくお湯をかけてあげましょう。
シャンプーで洗う時の洗い方
犬をシャンプーする時の洗い方を紹介します。
シャンプーする際は、犬の体調が良い時にしてください。
体調が悪い時に無理に洗う必要はありません。
また、犬の体力を奪わないように、シャンプーはなるべく早く、長くても10分程度で終わらせるようにしましょう。
洗い方の手順はこちらです。
- ブラッシングをする
- 35〜38度程度のお湯に入れる
- 足→胴→顔の順で濡らす
- 手でシャンプーを泡立てて洗う
- 顔から体の順によく洗い流す
それぞれ詳しく解説します。
1、ブラッシングする
まず、体を濡らす前にブラッシングします。
汚れを落とし、毛の絡まりをほどいておくと、シャンプーが根元までしっかり届きます。
しかし、犬の皮膚はデリケートなので強くブラシをあてすぎて肌を傷つけないように注意しましょう。
長毛種など毛玉ができやすい犬種は、無理にブラシで引っ張らず、毛玉を見つけたらゆっくり指で解いてあげてください。
2、35〜37度のお湯に入れる
人が触って少しぬるいと感じる35〜37度の温度が適温です。
お湯をはって入れてあげましょう。
冬場の場合は、シャワーだけでは体が冷えて風邪をひいたり体力を奪われる可能性があるので、お湯をはって温めながら洗ってあげるのがおすすめです。
3、足→胴→顔の順で濡らす
シャンプーをする前に、体全体をよく濡らします。
足から順番に毛だけではなく、皮膚まで濡れるようにしっかりシャワーをかけましょう。
シャワーが苦手な子は、体に密着させるようにかけたり、洗面器にお湯を入れてかけてあげると良いです。
急に顔の前からかけると驚いてしまうので、後頭部の方からシャワーをかけてあげてください。
顔を濡らす時は、顔を濡らされたり触られるのが苦手な子が多いので、タオルやスポンジを使って目に入らないように濡らしてあげましょう。
4、手でシャンプーを泡立てて洗う
シャンプーをする時は、まず手にシャンプーを出して泡立ててから洗いましょう。
直接シャンプーを犬につけてしまうと、泡立ちにムラができ汚れがちゃんと落ちなかったり、シャンプーのつけすぎで皮膚に刺激を与えてしまう可能性があります。
はじめは、嫌がるようなら無理に洗わず優しく触るなど、徐々に慣らしてあげてください。
皮膚マッサージをするように、声をかけながら優しく洗ってあげると、犬も安心して洗わせてくれます。
指の間や肛門の周りなど、細かい場所も丁寧に洗いましょう。
顔は、最後に洗います。
顔を洗うのが苦手な子が多いので、顔に泡をつける時は目や鼻にシャンプーが入らないように気をつけてください。
鼻に入らないように顔を上に上げて洗うと、洗いやすいのでおすすめです。
5、顔から体の順によく洗い流す
シャワーで洗い流す順番は、シャンプーの時と逆になります。
顔から体の順で、足やしっぽの先までよく洗い流してください。
洗い流す際は、肉球や脇の下の部分まで洗い残しがないようにしっかり流します。
濡らす時と同じように、シャワーが苦手な子には無理に体に直接あてず、密着させたり、スポンジにお湯を含ませて洗い流すようにしてあげてください。
シャンプーの洗い残しは、皮膚トラブルの原因にもなるので注意しましょう。
シャンプーが終わった後の対応
シャンプーが終わったら、終了ではありません。
洗い流した後は、タオルドライをしてドライヤーでしっかり乾かしてあげましょう。
タオルで優しく拭き取る
シャンプーが終わったら、まずはタオルで優しく水分を拭きとってあげましょう。
犬は、本能的に体が濡れていると、体をブルブルと振り水気を飛ばそうとします。
水分がある程度飛んでいて、その後拭きやすくなるので、ブルブルするまではお風呂場や濡れても良い場所にいるのがおすすめです。
犬がブルブルしたら、すぐにタオルドライをしてしっかりと拭いてあげましょう。
ドライヤーで乾かしてあげる
タオルドライが終わったら、ドライヤーで体全体をよく乾かします。
子犬の場合は、皮膚がまだ薄いので30cmほど離して毛の根元の方から乾かすように風をあててあげてください。
熱風を直接あてると火傷をする危険があるので、低温にして自分の手にあてながらゆっくり乾かしましょう。
後ろから毛をかき分け、根元からドライヤーの風をあてると乾きやすいです。
ドライヤーの音で驚いてしまい怖がる子も多いので、怖がる場合は弱風にするなど時間をかけて慣れさせてあげてください。
犬は体温調整が苦手な動物
犬は体温調節が苦手なため、濡れたままの状態でいるとどんどん体温が奪われていきます。
お腹を冷やさないように、お腹側を先に乾かしてあげましょう。
ドライヤーをする際に、タオルで拭きながら風をあてると、更に早く乾くので一緒に使ってみてください。
お風呂に入る際に注意点
犬にとってお風呂に入ることは良いことですが、入る際に注意すべきことがあります。
お風呂の時間が苦痛になってしまったり、逆に体調不良にさせてしまわないように、お風呂に入れる前によく確認しておきましょう。
子犬
シャンプーは、子犬の体には大きな負担になってしまうので、2ヶ月頃までは控えます。
汚れてしまった場合は、濡れたタオルで素早く拭いてあげたり、その部分だけさっと洗い流すようにしてください。
生後3ヶ月頃にはワクチン接種が完了するので、その頃からゆっくり体を濡らすことに慣れさせましょう。
ワクチン接種後は体調を崩しやすいので、2、3日はお風呂やシャンプーを避けてください。
シニア犬
7歳以上のシニア犬は、体力が衰えているので2ヶ月に1回程度の頻度のお風呂やシャンプーで十分です。
長時間のお風呂やシャワーは、体力を奪い心臓へも負担がかかるので、なるべく短時間で済ませましょう。
体が汚れていない場合は、無理にシャンプーする必要はありません。
体調が悪い時にどうしても汚れてしまった場合は、無理にシャンプーをせず体を濡らしたタオルで拭いてあげてください。
もしも、シャンプー中に体調が悪くなってしまった時に、すぐに動物病院に連れて行けるように診察中の時間にお風呂やシャンプーをするようにしましょう。
シャワーの温度には気をつけよう
犬は、人間が気持ち良いと感じる40度ほどの温度では熱湯に感じてしまうので注意が必要です。
また、温度調節が苦手な動物なので、温度が低すぎるとどんどん体温を奪われ体調不良の原因になります。
犬のシャンプーをする際は、シャワーの温度に気をつけてあげましょう。
37~38度が望ましい
犬のシャワーの温度は、37〜38度が望ましいです。
人には少し緩く感じますが、犬の適温でシャンプーをするようにしましょう。
お湯をはって入れる場合は、シャワーより少し低めの35〜37度がおすすめです。
適切な温度で、犬に負担やストレスを与えないように調節してあげてください。
お風呂の目的
そもそも犬をお風呂に入れるのは、匂いや汚れをとったり、皮膚炎などの病気を未然に防ぐ目的があります。
お風呂やシャンプーの必要性を、詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
匂いや汚れを取る
お風呂の目的の一つ目は、匂いや汚れをとることです。
犬は、散歩やドッグランなど外に行く機会の多い動物なので、毛や肉球など体全体に汚れがつきます。
汚れをそのままにしておくと、不衛生になり皮膚病などの病気を引き起こす原因になったり、悪臭を放つ場合があります。
犬は、自分で毛繕いをしないので、清潔に保つためには飼い主のケアが必要です。
ブラッシングで汚れを落とし、お風呂やシャンプーでしっかり洗ってあげることが大事になります。
また、犬の被毛の中は温かく繁殖がしやすい環境になっているため、ノミやダニが住み着きやすいです。
ノミやダニも皮膚病を引き起こす原因になりますし、人にも寄生する可能性もあります。
定期的にシャンプーをして、被毛の中も清潔に保ちノミやダニの予防をしましょう。
皮膚炎を未然防止
上記でも話した通り、犬を清潔に保っていないと皮膚炎の原因になる可能性があります。
汚れやノミ・ダニが原因で起こりうる皮膚炎を紹介します。
病名 | 症状 | 原因 | 対策 |
膿皮症 | ・赤み ・湿疹 ・膿疱 ・フケ ・脱毛 | ブドウ球菌の感染 | ・抗生剤療法 ・シャンプー療法 ・フードやサプリ |
ニキビダニ症 | ・痒み ・抜け毛 ・赤み | 毛穴に寄生するニキビダニが 異常に増殖してしまう | ・ニキビダニ駆除薬 ・抗菌薬 ・シャンプー療法 |
疥癬 | ・痒み ・赤み ・フケ | ヒゼンダニが寄生し 牡蠣殻のような 大量のフケが出たり、 アレルギー症状を起こす | ヒゼンダニ駆除薬 |
皮膚糸状菌症 | ・脱毛 ・赤み ・フケ ・かさぶた ・痒み | 皮膚や被毛にカビが 感染することで起こる | ・抗真菌薬 ・シャンプー療法 |
マラセチア皮膚炎 | ・痒み ・赤み ・色素沈着 ・フケ ・肌のベタつき | 皮膚の表面に元々 存在するマラセチアが 異常に増殖する | ・抗真菌薬 ・シャンプー療法 ・軟膏 |
犬が、かかりやすい皮膚炎の症状や原因を紹介しました。
どの皮膚炎も体調不良などで発症してしまう場合もありますが、原因は犬同士の感染や菌の繁殖が多いです。
対策として散歩やドッグランに行った際は、毛や皮膚についた汚れや菌をよく洗い流す事が皮膚炎防止に繋がります。
菌の感染は、犬同士だけではなく飼い主である人にも感染するので、周りに移さないようにすることも大事です。
もしも、不調を見つけた場合は、すぐに動物病院に連れて行き、専門の先生に治療してもらいましょう。
お風呂やシャンプーでも皮膚炎の防止対策はできるので、ぜひ愛犬のために適切なケアをしてあげてください。
まとめ
今回は、犬のお風呂やシャンプーの頻度や方法、注意点について解説しました。
犬が負担にならないように、適切な頻度・温度・方法でお風呂に入れてあげましょう。
汚れの放置やシャンプーのやりすぎは、犬の健康に良くないです。
また、嫌がっているのに無理やりケアをするのも間違っています。
ぜひこの記事を読んで、愛犬に適切なケアをしてあげてください。