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ヨークシャーテリア(ヨーキー)の平均寿命・最高寿命はどのくらい?長生きのコツを解説

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はじめに

ヨークシャー・テリアを飼われている愛犬家の方は、以下のように不安に思うことがあるでしょう。

「この子は何歳まで生きられるのかな?」

「健康で長生きさせるにはどうすればいいの?」

本記事では、ヨークシャー・テリアを飼われている愛犬家の方へ「ヨークシャー・テリアの健康で長生きのコツ」について徹底解説します。

ぜひ参考にして、愛犬と楽しい時間をできるだけ長く過ごしてくださいね。

そもそもヨークシャー・テリアの平均体重や体高・性格は?

以下に、ヨークシャー・テリアの平均体重や体高・性格について解説します。

平均体重

一般社団法人ジャパンケネルクラブ発行の犬種標準※1では、ヨークシャー・テリアの標準体重は3.2kgまでとあります。

ヨークシャー・テリアは個体差が非常に大きい犬種ですが、一般的な平均体重は2~3kg程度です。

※1: 繁殖や飼育における各犬種の理想像を記した標準書となります。

平均体高

ヨークシャー・テリアの身体の大きさも個体差が大きく、犬種標準に基準はありませんが、平均体高は15~23cmとなります。

性格や特徴

甘えん坊で好奇心旺盛、活発で勇敢な性格です。狩猟犬であるテリア犬の血筋であるためとても利口であり、飼い主の命令もよく聞きます。

しかし、きちんとしつけをしないと「わがまま」「頑固」になってしまうので注意が必要です。また、飼い主が留守がちだと分離不安症※2になりやすいため、できるだけ構ってあげましょう!

※2飼い主がそばを離れると、病的なまでに不安を感じて問題行動を起こす心の病

分離不安症が現れると、パニックになる、吠え続ける、排泄を失敗する、物を壊す、手足をなめる尾をかじる等の自傷行為などを起こします。

分離不安はトレーニングで軽減できるため、愛犬の様子を見ながら、実践しましょう。

ヨークシャー・テリアの平均寿命は何歳?

以下にヨークシャー・テリアの平均寿命について解説します。

平均寿命

平均寿命は13~16歳です。しかし、17歳を超えても元気な個体もいます。

毎日の適度な運動、バランスの良い食事、生活環境を整えてあげることが長生きの秘訣です。

なお、ペットの医療保険を取り扱うアニコム損保が発行している「家庭どうぶつ白書 2022」では、平均寿命は13.7歳でした。

ヨークシャー・テリアの最高寿命は?

ヨークシャー・テリアの最高寿命については以下の情報があります。

最高寿命

イギリスで飼われていたジャック君は25歳まで長生きしました。

遺伝の影響など個体差もありますが、飼育環境や餌、運動量などの影響がかなり大きいでしょう。

何歳から老犬になるの?

人間の年齢に換算し、40歳以降になると老犬(シニア犬)と呼ばれます。

大型犬は小型犬や中型犬に較べて寿命が短いため、1~2歳早いです。

一般的な老犬の年

一般的な老犬の年齢については以下のようになります。

犬のサイズ老犬になる年齢
大型犬5~6歳
中型犬6~7歳
小型犬6~7歳

なお、犬の大きさについて公式に決められている定義はありません。体重または体高をもとに区分されます。

体重による区分

一般的には10kgまでを「小型犬」、10~25kgまでを「中型犬」、25kg以上を「大型犬」として区分することが多いです。

体高による区分

一般的には40cm未満を「小型犬」、40~60cm程度を「中型犬」、60cm以上を「大型犬」として区分することが多いです。

何歳から老犬扱いになる?

ヨークシャー・テリアは小型犬なので、6~7歳程度から老犬となります。

ヨークシャー・テリアのライフステージ分け目安

ライフステージ年齢の目安
成長期3か月~1歳半
成犬期2歳~5歳
老犬(シニア)期6歳~13歳
高齢期13歳以降

高齢期になると、動きが衰え、食が細くなり、病気が現れるようになります。

人間と同じです。

老犬期に入ってからの飼い方、日常生活の過ごし方がその後の寿命を左右します。

人間の年齢でイメージ

犬が10歳なら人間でいう〇〇歳になる??

犬の年齢を人間の年齢に換算するために長年使われてきた計算式(式A、B)があります。また、2019年に提唱された式もあるので、これらの式に当てはめて計算してみましょう。

小型犬または中型犬に当てはまる計算式

式A:【人換算年齢】=24+(【犬の年齢】-2)×4

大型犬に当てはまる計算式

式B:【人換算年齢】=12+(【犬の年齢】-1)×7

2019年にアメリカで提唱された計算法

この計算式はゴールデンレトリバーでの研究結果です。

式C:【人換算年齢】=16 ln(【犬の年齢】)+31

以下は、上記の計算式に当てはめて計算した結果となります。

犬種人間に換算した年齢
式A or Bを使用式Cを使用
大型犬75歳68歳
中型犬40歳(68歳)
小型犬(68歳)

10歳の大型犬は人間では75歳または68歳に相当します。

一方、小型・中型犬の場合は40歳相当です(式Cの結果は参考値とする)。

犬は1歳で妊娠できるため、これまで犬の1歳は人間の15~20歳に相当すると考えられてきました。この考えをもとに提唱され使われてきたのが式AまたはBですが、計算式の正しさは不明です(明確なエビデンスがない)。

一方、式CはDNAのメチル化率を指標※3としており、科学的に非常に信頼性が高い計算式となります(他の犬種にも応用できるかを研究中)。

式Cでは大型犬の1歳は人間の31歳に相当する換算です。

ちなみに15歳の大型犬は人間だと74.3歳になります。

※3:遺伝子ごとにメチル化のされ具合が異なるため、指標の遺伝子のメチル化度合いを比較することで年齢を推測できるという画期的な方法です。野生の熊などの年齢算出にも使われており、実績があります。

ヨークシャー・テリアを長生きさせるにはどうすれば良いの?

ヨークシャー・テリアを長生きさせる方法としては、飼い方や食事法に気をつける必要があります。

長生きする方法

ヨークシャー・テリアはストレスが苦手なので、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。また、こまめに健康状態を確認することも大事です。

食事についても、肥満や尿路結石などにならないように注意しましょう。

ヨークシャー・テリアが長生きするための飼い方

以下に長生きにつながる飼い方を紹介します。

ストレスを減らす

ヨークシャー・テリアは、身体を動かす欲求や飼い主と遊びたい欲求が満たされないとストレスがたまります。甘えん坊のヨークシャー・テリアを出来るだけ構ってあげてください。そして、散歩や室内運動スペースで十分に運動させましょう。

なお、分離不安はかなりのストレスになるので、トレーニングで改善することをおすすめします。

運動不足を解消する

若い頃から適度な運動を習慣化することで老齢期での筋力の衰えを小さくできます。

高齢になるにつれ運動量は低下しますが、寝たきりにならないように少しでも良いので運動させましょう。

分離不安症のトレーニングにも有効である室内の運動スペースや遊び場を設けることがおすすめです。

定期的に健康診断を受ける

若い頃は1年に1度のペースで構いませんが、老犬になったら、最低でも半年に1回は健康診断に連れて行きましょう。

犬の病気は急激に悪化することが多いため、手遅れにならないようにしてください。

普段のスキンシップでも健康チェックをしてあげましょう。

ヨークシャー・テリアが長生きするための食事法

ヨークシャー・テリアは肥満になると様々な病気にかかりやすくなります。

そのため、成長ステージに応じたごはんの種類と量を守って与えることが大切です。

また、尿石症にもかかりやすいため、飲水量やごはんに含まれるミネラル量などに注意が必要となります。

しっかり水を与え、糖分・脂肪分・ミネラル分が過多になりすぎないようにしてください。

ヨークシャー・テリアがかかりやすい病気は何?

ヨークシャー・テリアは小型犬のため、小型犬特有の病気を含めて様々な病気にかかる恐れがあります。

以下は、特にヨークシャー・テリアがかかりやすい病気の解説です。

気管虚脱

気管の軟骨組織が弱くなり呼吸がしづらくなる病気です。

悪化すると呼吸困難に陥ることもあるため、すぐに受診しましょう。

症状は、以下のようなものがあります。

ガーガーというアヒルの鳴き声のような咳や声が出る

よだれが多く出る

舌が紫色になる

先天的な場合もありますが「肥満」「加齢」「首輪による気管の圧迫」などの後天的な原因でもよく起こります。

膝蓋骨脱臼

ひざのお皿の骨である膝蓋骨がずれて歩き方がおかしくなる病気です。悪化すると歩けなくなることもあるため、すぐに受診しましょう。

症状は、以下のようなものがあります。

歩き方がおかしい(足を引きずる、片脚でケンケン歩きをするなど)

歩行困難

先天的な場合もありますが、「落下」「事故」「肥満」などの後天的な原因もあります。

皮膚病全般

「ノミやダニの寄生」「発疹」「膿が出る」「真菌症」などの皮膚トラブルです。

症状は、以下のようなものがあります。

とにかく痒がる

発疹やブツブツが増える

フケが増える

ヨークシャー・テリアは長毛種のため、皮膚病にかかりやすい傾向があります。シャンプーや毛のカット回数が少ないことも原因です。

僧帽弁閉鎖不全症

心臓の心室や心房を分ける僧帽弁の働きが悪くなり、血液が逆流する病気です。悪化すると呼吸困難で死に至ることがあるので、異常があればすぐに受診しましょう。

症状は、以下のようなものがあります。

ゼーゼー音のする変な咳

食事量が大きく減る

運動後に失神

先天的な原因もありますが、加齢により発症することも多い病気です。

門脈シャント(門脈体循環シャント)

肝臓で分解されるべき毒素や老廃物が肝臓を通らず、そのまま全身に回ってしまう病気です。

消化管から吸収した栄養分、毒素や老廃物などを肝臓へと運ぶ血管を門脈といいますが、門脈に静脈からバイパス血管がつながることが原因で起こります。

症状は、以下のようなものがあります。

食欲不振

元気がない

嘔吐

ふらつき

痙攣

先天的であることが多いにもかかわらず、老犬期まで発見されないこともあります。

膵炎(急性膵炎)

膵臓から消化液がもれ出し膵臓や腹腔内の臓器を損傷して強い痛みを生じる病気です。

症状は、以下のようなものがあります。

食欲不振

嘔吐や下痢

腹痛

元気がない

「高脂質・高糖質の食べ物を多く食べる」「誤飲」「クッシング症候群」などが原因です。

水頭症

脳の中にある脳室という空間に満たされている脳脊髄液の量が増えて脳を圧迫することで生じ、頭が膨れて大きくなります。

症状は、以下のようなものがあります。

痴呆症のような症状が出る(フラフラ歩く、ぼーっとする、性格が変わるなど)

麻痺

けいれん

小型犬で良く発症し、先天的であることが多いです。上記のような症状が現れたら、早急に受診してください。

角膜炎

シャンプーやウイルス、異物などにより引き起こされる病気です。悪化すると視力障害が起きる恐れがあるため、早めの受診を心がけましょう。

症状は、以下のようなものがあります。

充血する

目ヤニが増える

目をこする、ショボショボさせる

ヨークシャー・テリアの死因ランキング

以下に、ヨークシャー・テリアの死因の上位5位を示します。

1位 泌尿器疾患

腎臓病

尿路結石

主に上記の疾患が挙げられます。

2位 循環器疾患

僧帽弁閉鎖不全症

心不全

主に上記の疾患が挙げられます。

3位 ガン

皮膚ガン

胃ガン

肝臓ガン

白血病

上記以外にも様々なガンが挙げられます。

4位 呼吸器疾患

肺水腫

肺炎

気管虚脱

主に上記の疾患が挙げられます。

5位 肝臓/胆のう/膵臓系の疾患

肝炎

肝硬変

門脈シャント

膵炎(急性膵炎)

主に上記の疾患が挙げられます。

5位(同率)消化器疾患

蛋白漏出性腸炎

下痢

主に上記の疾患が挙げられます。

ヨークシャー・テリアでは泌尿器系の疾患が死因の1位でした。

しかし、症例数があまり多くないため、順位にかかわらず、上位6系統の疾患には特に注意が必要です。

定期健康診断だけでなく、日々のスキンシップの際にも健康状態をチェックしてあげましょう!

井上ら、日本獣医師会雑誌、2022年75巻6号、p. e128-e133

高齢期のヨークシャー・テリアの飼い方について

13歳を迎えた高齢期のヨークシャー・テリアの飼い方には3つのポイント「餌」「健康状態確認」「環境整備」が挙げられます。

13歳のヨークシャー・テリアを人間の年齢に換算すると68歳に相当するため、大切にケアしてあげることが大事です。

以下をご覧ください。

餌を変える

犬は高齢になると人間と同様に消化機能が低下し、必要なカロリー量も少なくなるため、餌を変える必要があります。

高タンパク・低脂質なものに変更

消化機能が低下し食事量も減った高齢犬では、効率よく栄養を摂取する必要があります。

タンパク質は身体を維持するために一番必要となるので、腎臓病などの病気でない限り高タンパクであることが重要です。

また、脂質と糖質はあまり多くないものを選ぶ方が肥満を防ぐ目的では安心ですが、栄養学的には脂質も糖質も最低限の量は必要となります。

栄養吸収性を高めるため、出来るだけ加工が少なく品質が高い原料を使った餌を選ぶことが長生きのコツです。

加工が多い食材は栄養素が「減少」「変性」「酸化」「吸収されにくい」などの問題があります。

可能であれば、国産原料の肉や魚の含有量が多く、脂質や炭水化物が少ないものを選びましょう。魚油が入っていれば、なお良いです。

機能性成分を含む餌を選ぶ

高齢になると腸の動きも悪くなり便秘を起こしやすいため、食物繊維や乳酸菌など腸に良い機能性成分※4を含む餌が望ましいです。

また、抗炎症効果のあるオメガ3脂肪酸(魚油に多く含まれるDHAやEPAなど)や抗酸化成分(ビタミンEやβ-カロテン、アスタキサンチンなど)を含む餌であれば、より良いでしょう。

なお、納豆を夕食時に1/4パック程度与えると、腸内環境が整うので、愛犬が嫌がらなければ与えてくださいね。

納豆には骨折や血栓の予防効果を持つ機能性成分だけでなく、ビタミンB群や微量ミネラルなどの栄養成分も豊富に含まれます。

もし、ネバネバが気になる飼い主さんは、ドッグフードのフリーズドライ納豆がありますので試してみてください(口に含むとネバネバは出ますが)。

ただ、高齢犬は歯が弱るので、生の納豆の方が食べやすいでしょう。

※4:機能性成分とは、生体にとって有益な働きや作用をもたらす栄養成分です。

給餌方法を変える

高齢になると代謝が落ちるため体型に合わせて給餌量を20?30%程度減らす必要があります。

また、1回に食べられる量や消化吸収効率などを考慮して、食事回数を増やすことも必要です。一般的には、1日分の食事を2?3回に分けて与える方が良いでしょう。

日々の様子を見ながら調節してください。

健康状態を確認する回数を増やす

若い犬は1年に1回程度の健康診断で構いませんが、高齢犬は半年に1回は健康診断に連れて行きましょう。運動量が減ってくるため、肥満や運動不足による病気を引き起こす危険性が高いからです。

また、日々の触れ合いの中でも異常があれば、早めに受診することが大切です。

病気は症状や異常が出てくるころには進行が進んでいる場合が多いため、注意してください。

なお、ヨークシャー・テリアは長毛犬であるため、毎日のブラッシングが必須です。

ブラッシング時も健康状態の確認をしましょう!

室内環境をより良くする

高齢になると、動きが悪くなったり、睡眠時間が長くなったりするため、環境を整えることが大切になります。

歩きやすい床にする

ヨークシャー・テリアは関節が弱いため、歩きやすい床にしましょう。フローリングやカーペットは足腰に負担がかかるため避け、タイルマットやコルクマットなどを敷くと良いです。

動きやすい導線を確保する

犬が過ごす場所には、電気コードや段差、家具等の出っ張りなどを出来るだけ少なくし、ケガをしにくい環境にしましょう。

空調管理をする

ヨークシャー・テリアは長毛犬のため、特に暑さには弱い犬種です。そして、高齢になると温湿度に対する順応性が低下します。

エアコンを使用し、過ごしやすい環境を整えましょう。

なお、湯たんぽや冷却剤などで調節するのは低温やけどや凍傷など思わぬケガを招くため避けてください

ベッドなど就寝環境を整える

高齢になると動きが少なくなり寝転んだり、睡眠時間が長くなったりします。

そのため、寝やすいベッドに変えてあげることが必要です。また、寝ている犬を起こさないよう、ベッドの位置や明かりをつける時間にも注意しましょう。

まとめ

本記事では、「ヨークシャー・テリアの寿命や成長ステージ」「かかりやすい病気」「長生きにつながるコツ」などについて徹底解説しました。

ヨークシャー・テリアは飼いやすい犬種ですが、他の犬種と同様に加齢とともに病気を発症しやすくなります。

愛犬の健康寿命を伸ばすためには、餌や飼育環境を変えるだけでなく、日々のこまめな健康状態の確認と定期的な健康診断が必要です。

本記事を参考にして、愛犬との幸せな生活をより長く続けてくださいね。

最後に、愛犬家の方にぜひ読んで頂きたい資料がありますので、紹介します。

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