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【獣医師監修】犬はとうもろこしを食べられる!とうもろこしを与えるメリットや調理法を紹介

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はじめに

とうもろこしは栄養豊富な野菜であり、犬に与えても問題ありません。ただ、与え方や量を間違うと犬の健康を損なう恐れがあるので注意が必要です。

今回は、犬へのとうもろこしの与え方を紹介します。

とうもろこしを与えるメリットや調理法を紹介するので、ぜひとうもろこしを活用して犬の健康をサポートしましょう。

犬にとうもろこしを与えてもいい?

犬にとうもろこしは与えても大丈夫です。とうもろこしは体に良い影響をもたらしてくれるので、問題ない理由を詳しくみていきましょう。

犬に与えても問題ない

とうもろこしは犬に与えても基本的に安全な食品です。多くのドッグフードにも含まれているように、とうもろこしは栄養価が高く犬の健康維持に役立ちます。

犬の消化器官は肉食に適しているため、野菜類や穀物の消化が難しい場合もありますが、とうもろこしは比較的消化が良い食材です。

ただし、注意すべきポイントもいくつかあります。まず、与える際には芯の部分は必ず取り除くことが重要です。

芯は犬の消化には適しておらず、飲み込んでしまうと腸閉塞などのリスクがあるため、必ず粒状にしてから与えるようにしましょう。

また、とうもろこしは適量であれば問題ないものの、過剰に摂取するとカロリーオーバーになり、肥満や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、普段の食事の一部、またはご褒美やおやつとして少量を与えるのが望ましいです。

とうもろこしは犬に与えるメリットが多い

とうもろこしには、犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。例えば、炭水化物はエネルギー源として役立ち、活発な生活を送ることが可能です。

また、ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用を持ち、細胞の健康維持に貢献します。特に高齢の犬においては、抗酸化成分の摂取が老化防止や免疫力の向上に効果的です。

さらに、食物繊維も豊富に含まれており、腸内環境を整え、便通を改善する効果が期待できます。

消化が良いため、消化器系が敏感な犬でも適量を与えると消化器官に負担をかけずに栄養を摂取しやすいです。

他にも、とうもろこしは低脂肪であるため、肥満が気になる犬にも与えやすい食品です。鉄分や葉酸なども豊富で、血液の健康や免疫力のサポートにも役立ちます。

とうもろこしに含まれる栄養素

次に、とうもろこしに含まれる栄養素を紹介します。

  • 炭水化物
  • 鉄分
  • 葉酸
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • カリウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維

それぞれ詳しく紹介するので、犬に与えたい栄養素があるかチェックしましょう。

炭水化物

まず、とうもろこしに含まれる栄養素は炭水化物です。炭水化物は消化されると、グルコースという形で体内に吸収され、犬の活動に必要なエネルギーを供給します。

犬は肉食動物ですが、炭水化物から得られるエネルギーも重要です。特に長時間の散歩や遊び、運動をする犬には、炭水化物を適切に与えるとエネルギー不足を防ぐことができます。

とうもろこしは消化が比較的良いため、胃腸に負担をかけず、効率の良いエネルギー供給が可能です。

さらに、とうもろこしに含まれる炭水化物は比較的低GIで、血糖値の急激な上昇を防ぎ、エネルギーを持続的に供給できます。

ただし、過剰に与えるとカロリー過多になり、肥満の原因になる場合があるため、量を調節しましょう。

鉄分

次に、とうもろこしに含まれる栄養素は鉄分です。鉄分は、血液中のヘモグロビンを構成し、酸素を全身に運ぶ役割を果たしています。

鉄分が不足すると、貧血を引き起こす可能性があり、犬の体調に悪影響を及ぼしやすいです。特に成長期の子犬や妊娠・授乳中の母犬にとって、鉄分は非常に重要になります。

鉄分を十分に摂取すると、健全な血液を維持し、犬のエネルギーや活力を支えることが可能です。

また、高齢犬にも鉄分が必要であり、鉄分不足は貧血や元気のなさにつながる場合があるため注意しましょう。

とうもろこしは鉄分を比較的手軽に摂取できる食品であり、食事に適量を加えると愛犬に鉄分を自然に補給させることができます。

ただし、鉄分を過剰に摂取すると健康に害を及ぼす可能性があるため、バランスを考えた食事が重要です。

葉酸

3つ目に、とうもろこしに含まれる栄養素は葉酸です。葉酸はビタミンB群の一種で、犬の健康にとって重要な役割を果たします。

葉酸は特に細胞の分裂や成長に関与しており、犬が成長する過程で必要不可欠な栄養素です。妊娠中の母犬にとって、葉酸は胎児の発育に重要な役割を担っています。

葉酸が不足すると、胎児の発育が遅れたり、神経管閉鎖障害を引き起こしたりする場合があります。また、葉酸は貧血予防にも役立ち、血液中の赤血球の生成に効果的です。

そのため、妊娠中や授乳中の犬、または成長期の犬にとって葉酸は特に重要になります。

とうもろこしは葉酸を含む食材の中でも手軽に与えやすく、少量で効率的に摂取できるため、犬の食事に適しています。

葉酸は過剰摂取すると副作用を引き起こす可能性があるため、量を調整して与えましょう。

ビタミンC

4つ目に、とうもろこしに含まれる栄養素はビタミンCです。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去して細胞の健康を守ります。

そして、病気や老化の進行を遅らせられるのです。

犬は体内でビタミンCを合成する能力を持っていますが、ストレスや運動量の多い犬、病気の回復期にある犬などには、外部からのビタミンC補給が役立つ場合があります。

特に高齢犬や免疫力が低下している犬には、ビタミンCの摂取が有効です。また、ビタミンCはコラーゲン合成にも関与しており、皮膚や関節の健康を支える役割を果たします。

ビタミンE

5つ目に、とうもろこしに含まれる栄養素はビタミンEです。

ビタミンEは、抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンであり、活性酸素を除去して細胞の老化を防ぎ、免疫機能を強化します。

ビタミンEは、特に皮膚や毛の健康に良い影響を与えることで知られており、毛艶を良くし、皮膚の炎症を抑えるのに効果的です。

また、ビタミンEは心臓や血管の健康をサポートし、動脈硬化の予防にも役立つとされています。

高齢犬や病気の回復期にある犬にとっては、ビタミンEの摂取が健康維持に効果的です。

さらに、ビタミンEは細胞膜を保護するため、犬の体内でのエネルギー代謝や神経機能にも重要な役割を果たします。

カリウム

6つ目に、とうもろこしに含まれる栄養素はカリウムです。カリウムは犬の体内で重要な役割を果たすミネラルで、筋肉の収縮や神経の伝達、体内の水分バランスを維持しています。

カリウムは、心臓や筋肉が正常に機能するために不可欠な成分で、特に心疾患や筋肉の問題を抱える犬にとっては欠かせません。

また、カリウムは腎臓にも重要で、体内のナトリウムと水分のバランスを調整し、血圧を正常に保つ役割を果たします。

カリウムが不足すると、犬は筋肉のけいれんや脱力、さらには心拍数の異常などを引き起こす場合が多いです。

とうもろこしを適量与えると、犬に必要なカリウムを補給でき、心臓や腎臓の健康をサポートできます。

ただし、過剰摂取は逆に腎臓に負担をかける場合があるため、適切な量を与えることが大切です。

マグネシウム

7つ目に、とうもろこしに含まれる栄養素はマグネシウムです。

マグネシウムは、犬の骨や歯の健康を維持するために欠かせないミネラルであり、筋肉や神経の正常な機能にも深く関与しています。

マグネシウムはカルシウムやリンとともに骨の構造を形成し、骨密度を保つのに効果的です。

また、マグネシウムはエネルギー代謝にも重要な役割を果たし、犬が日常的に活動的に過ごせるようにサポートしています。

特に運動量が多い犬や成長期の犬には、マグネシウムを適切に摂取することが重要です。

さらに、マグネシウムは心臓の健康にも関与しており、不足すると心拍の不整脈を引き起こす可能性があります。

ただし、過剰に摂取すると下痢を引き起こす恐れがあるため、適量を与えましょう。

食物繊維

最後に、とうもろこしに含まれる主な栄養素は食物繊維です。食物繊維は、犬の腸内環境を整えるのに欠かせない成分で、とうもろこしにも豊富に含まれています。

食物繊維は消化を促進し、腸内の善玉菌を増やして便通を改善する働きがあるため、特に便秘がちな犬や腸内環境が不安定な犬にとって役立つ栄養素です。

また、食物繊維は食事のかさを増やし、満腹感を得やすくするため、肥満が気になる犬にも適しています。

食物繊維を適度に摂取すると、腸内の健康をサポートし、日常の消化を助けることが可能です。

犬が一日に食べて良いとうもろこしの量

次に、犬が一日に食べて良いとうもろこしの量を紹介します。犬に与える際は適量までとし、犬に必要以上のとうもろこしを与えないようにしましょう。

一日の必要カロリーの10%程度までにする

犬にとうもろこしを与える際は、カロリーの摂取量を適切に管理することが重要です。

とうもろこしは比較的高カロリーな食材であり、過剰に与えると犬の健康に悪影響を与える可能性があります。

特に、肥満や関連する健康問題を防ぐためには、とうもろこしの与え方に注意が必要です。

一般的に、犬の食事においておやつやトッピングは1日の総カロリー摂取量の約10%程度に収めるべきとされています。

例えば、10kgの犬であれば、一日の必要カロリー量は約600kcal前後です。この場合、おやつとして与えるとうもろこしは60kcal程度に抑えましょう。

とうもろこしを与える際には、この目安を守り、犬の食事全体のバランスを考慮することが大切です。

特に、肥満気味の犬や運動量の少ない犬ではカロリー摂取量を管理することが健康維持のために非常に重要となります。

与えて良い量の目安

犬にとうもろこしを与える際の適切な量は、犬の体重や年齢、活動量、健康状態に応じて異なります。

しかし、一般的な目安として、とうもろこしを与える量は犬の体重を基準にして計算することが可能です。

例えば、小型犬の場合、体重が5kg程度であれば、一度に与えるとうもろこしは1/4本程度が適しています。体重10kgの中型犬の場合、1/2程度が目安です。

目安量のとうもろこしを与えると、カロリーを過剰に摂取することなく必要な栄養素を摂取できます。

また、とうもろこしを与える際は、単独で与えるのではなく、普段の食事の中に適度に加えましょう。

たとえば、ドッグフードに少量のとうもろこしをトッピングとして加えると、犬が飽きることなく栄養を摂取できるだけでなく、バランスの取れた食事になります。

過剰に与えないように注意し、犬の体調を見ながら量を調整することが大切です。

犬に与える際のとうもろこしの調理法

次に、犬に与える際のとうもろこしの調理法を紹介します。

  • 茹でて加熱する
  • しっかり冷ます
  • 芯を取り除いて粒のみ与える
  • 子犬や老犬には裏ごしして与える

それぞれ詳しく紹介するので、犬が食べやすくするためにぜひ日頃から行ってみてください。

茹でて加熱する

まず、とうもろこしを調理する際は、茹でて加熱しましょう。生のとうもろこしは犬にとって消化が難しく、腸内で問題を引き起こす可能性があります。

茹でるととうもろこしの粒が柔らかくなり、犬の消化器官にも優しいです。

茹でたとうもろこしは、栄養素が保持されつつ消化しやすくなるため、犬にとっても安心して食べられます。

茹でる際はとうもろこしをまずきれいに洗い、皮をむいてから行いましょう。茹でる時間は、粒が柔らかくなるまで3〜5分ほどで十分です。

加熱しすぎると栄養が失われてしまうので、短時間でさっと茹でるのをおすすめします。また、とうもろこしには甘みがありますが、塩やバターを加えないように注意してください。

調味料は犬には不適切で、健康に悪影響を与える場合があります。茹でたとうもろこしをそのまま与えるか、犬の食事にトッピングとして加えると良いでしょう。

しっかり冷ます

次に、とうもろこしを調理する際は、茹でた後にしっかり冷ましましょう。熱いまま与えると、犬が口や舌を火傷してしまう可能性があります。

特に、小型犬や子犬にとっては温度管理が重要ですので、十分に冷ましてから与えるようにしましょう。

冷ます時間は、茹でたとうもろこしを室温に放置するか、冷水で冷却する方法が適しています。冷水に浸すと短時間で冷ますことができ、犬が食べる際にも安心です。

冷ましたとうもろこしは食べやすくなるだけでなく、消化にも優しい状態になります。犬の健康を守るためには、温かいままで与えないように気をつけましょう。

さらに、冷ますととうもろこしの風味がやわらかくなり、犬が食べやすくなる場合もあります。

特に老犬や食欲が落ちている犬にとっては、冷ましたとうもろこしを提供すると食欲を引き出しやすいです。

芯は取り除いて粒のみ与える

3つ目に、とうもろこしを調理する際は、芯は取り除いて粒のみ与えましょう。芯は固くて消化が難しく、消化不良や腸閉塞を引き起こすリスクがあります。

芯は硬くて犬がかみ砕くことができないため、誤って飲み込んでしまうと消化管内で詰まりを引き起こす可能性が高いです。

特に小型犬や老犬、子犬など、消化器系が敏感な犬にとってはリスクが高まります。そのため、とうもろこしの粒を手で取るか、包丁で切り取ってから与えるようにしてください。

また、とうもろこしの粒を与える際も、量を調整することが大切です。粒が小さく食べやすくなっているとはいえ、犬に与える量を適切に管理し、過剰に与えないようにしましょう。

子犬や老犬には裏ごしして与える

最後に、子犬や老犬に与える場合は裏ごしして柔らかくしてから与えましょう。子犬や老犬は消化能力が弱く、固い食材をそのまま与えるのは危険です。

裏ごしすると消化器系に負担をかけず、栄養をしっかり吸収させることができます。

裏ごしの方法は簡単で、茹でたとうもろこしをフォークや裏ごし器を使って細かく潰し、ペースト状にすれば大丈夫です。

ペースト状にするととうもろこしの栄養を無駄なく摂取でき、食べやすくなります。

また、裏ごししたとうもろこしは、ドッグフードに混ぜたりスプーンで与えたりできるため、食事の一部として取り入れやすいです。

裏ごししたとうもろこしは風味も穏やかになり、食事への興味を引きやすくなるため、食事の時間が楽しみになることも期待できます。

犬にとうもろこしを与える際の注意点

最後に、犬にとうもろこしを与える際の注意点を紹介します。

  • 芯をつけたまま食べさせない
  • アレルギー反応を起こすことがある
  • とうもろこしの加工食品は原材料に気をつける

それぞれ詳しく紹介するので、犬の健康を守るためにも必ずチェックしてから与えてください。

芯をつけたまま食べさせない

まず、犬にとうもろこしを与える際は芯をつけたまま食べさせないようにしましょう。とうもろこしの芯は犬にとって非常に危険です。

芯は硬く非常に消化しにくい部分であり、犬がとうもろこしの芯を食べてしまった場合、消化不良を起こしたり、腸閉塞を引き起こしたりする場合があります。

特に小型犬や高齢犬、子犬など消化能力が低い犬にとってはリスクが高く、場合によっては緊急の手術が必要です。

芯を食べると犬の腸内で詰まりが発生し、排泄ができなくなったり、腹痛や吐き気、食欲不振などの症状が現れたりします。

もし芯を食べてしまった場合、犬が苦しんでいる様子を見逃さないことが大切です。症状が現れた場合、すぐに動物病院に連れて行き、適切な処置を受けましょう。

アレルギー反応を起こすことがある

次に、とうもろこしは一般的に犬にとって比較的安全な食材ですが、一部の犬ではアレルギー反応を引き起こすことがあります。

アレルギー反応は犬の免疫系が特定の成分を異物と認識し、過剰に反応することが原因です。

とうもろこしにアレルギーを持っている犬は、摂取後に皮膚のかゆみや発疹、消化不良、嘔吐、下痢などの症状が現れる場合があります。

犬にとうもろこしを初めて与える際は、少量から始めて様子を見ることが重要です。最初に少量のとうもろこしを与え、異常が見られないかを確認しましょう。

もし食後に症状が出た場合は、すぐに与えるのを中止し、獣医師に相談してください。

アレルギー反応が出ることはまれですが、特にアレルギーを持つ犬や過敏な体質の犬では注意が必要です。

アレルギー反応を避けるためには、犬に新しい食材を与える際に注意深く観察しましょう。

とうもろこしの加工食品は原材料に気をつける

最後に、犬にとうもろこしの加工食品を与える際は、原材料に気をつけましょう。

とうもろこしが含まれた缶詰やスナック、ポップコーンなどの加工食品には、犬にとって有害な成分や添加物が含まれている場合があります。

例えば、塩分や砂糖、バターなどが加えられているケースが多く、犬にとって非常に危険です。高い塩分や糖分は犬の健康に悪影響を及ぼし、腎臓や心臓に負担をかけます。

また、ポップコーンやスナックなどのとうもろこしを使った加工食品には、犬にとって消化が難しい成分や香料、着色料などが含まれている場合が多いです。

これらの成分は犬にアレルギー反応を引き起こす可能性があり、消化不良や胃腸の不調を引き起こす恐れもあります。

そのため、犬にとうもろこしを与える際は、加工食品を避けましょう。

まとめ

今回は、犬へのとうもろこしの与え方を紹介しました。とうもろこしは栄養価が高く、犬に与えても問題ありません。

ただ、与える量は1日の必要カロリーの10%程度に抑えることが大切です。また、とうもろこしを与える際は、茹でた後にしっかり冷まして芯を取り除いてから与えましょう。

他にも、アレルギー反応に気をつけたり、加工食品を避けたりすることが大切です。とうもろこしを活用して、犬に必要な栄養素を補いましょう。

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