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- はじめに
- なぜ、犬に「いちじく」を食べさせてはいけない?
- 犬が「いちじく」を食べたかも!?こんな症状が出たら病院へ
- 犬が「いちじく」を食べてしまった時の応急処置や対処法
- 犬の「いちじく」誤食の予防対策!
- まとめ
はじめに
犬にいちじくを与えてもよいか気になる方は多いと思います。いちじくには危険な成分が含まれているので、犬に与えてはいけません。
今回は、犬にいちじくを与えてはいけない理由を詳しく紹介します。
誤って食べてしまった時の対処法や予防対策を紹介するので、日頃から与えないように注意しましょう。
なぜ、犬に「いちじく」を食べさせてはいけない?
まず、犬にいちじくを与えてはいけない理由を紹介します。
- 危険な成分【フィシン】が含まれている
- 危険な成分【ソラレン(フロクマリン)】が含まれている
- 危険な成分【ラテックス】が含まれている
それぞれ詳しく紹介するので、いちじくの危険性を理解しましょう。
危険な成分【フィシン】が含まれている
まず、犬にいちじくを食べさせてはいけない理由は、危険な成分「フィシン」が含まれているからです。
フィシンは、タンパク質分解酵素として作用する物質で、消化を助ける働きがありますが、犬にとっては毒性を持つ可能性があります。
特に、犬がいちじくを摂取すると、フィシンによって口内や胃腸の粘膜が刺激され、炎症や口内炎を引き起こす危険性があるのです。
また、口の中がただれると、犬が痛みを感じ、食欲不振やよだれが増えるといった症状が現れる場合があります。
さらに、胃腸に到達した場合、フィシンは腸壁を刺激して下痢や嘔吐を誘発する場合も多いです。
症状が重篤化すると、脱水症状を引き起こし、命に関わる場合もあるため注意しましょう。
飼い主は犬にいちじくを与えないよう徹底し、万が一摂取してしまった場合には、速やかに獣医師に相談することが重要です。
危険な成分【ソラレン(フロクマリン)】が含まれている
次に、犬にいちじくを食べさせてはいけない理由は、危険な成分「ソラレン(フロクマリン)」が含まれているからです。
ソラレンは光感作物質として知られており、紫外線を浴びると毒性が増幅される性質を持っています。
犬がいちじくを食べた場合、ソラレンが体内に取り込まれて、日光に敏感になる「光毒性反応」を引き起こす可能性があるのです。
具体的には、皮膚に赤みや腫れ、かゆみを伴う炎症が生じたり、場合によっては潰瘍が形成されたりする場合もあります。
また、ソラレンの摂取量が多い場合、皮膚症状に加えて、消化器症状や神経症状を引き起こす危険性もあるため、非常に注意が必要です。
いちじくは果実だけでなく、葉や茎にもソラレンが含まれているため、犬がいちじくの木をかじらないように気を付けましょう。
万が一摂取した場合は、獣医師に相談し、迅速な対処を行うことが求められます。
危険な成分【ラテックス】が含まれている
最後に、犬にいちじくを食べさせてはいけない理由は、危険な成分「ラテックス」が含まれているからです。
ラテックスは天然ゴムの一種であり、接触するとアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
犬がいちじくを食べたり樹液が皮膚に付着したりすると、かゆみや赤み、腫れなどの皮膚炎が生じる場合があるのです。
さらに、口内にラテックスが触れると、口内炎や痛みを伴う恐れがあり、食欲の低下や異常なよだれが見られる場合もあります。
ラテックスアレルギーは個体差があるため、すべての犬に同じ症状が出るわけではありません。
ただ、アレルギー反応が重篤化すると、呼吸困難や血圧低下といったアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
特にいちじくの果実が熟していない状態では、ラテックスの含有量が高いため、さらに危険です。
いちじくに触れた、あるいは食べた可能性がある場合には、早急に獣医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
料理、スイーツに含まれるドライいちじくも避けましょう
ドライいちじくは、いちじくを乾燥させて保存性や甘味を高めた加工品です。甘味や風味から、パンやケーキやクッキー、サラダなど、さまざまな料理やスイーツに使用されます。
ドライいちじくも元のいちじくと同様に、フィシンやソラレン、ラテックスといった有害成分が多いです。
乾燥によって水分が抜けると、成分が濃縮されるため、少量でも犬にとっては危険な場合があります。
特に、ドライいちじくは甘味から犬が好むことがあり、テーブルに置いてあるものを盗み食いするケースも少なくありません。
また、市販のスイーツや料理には、ドライいちじく以外にも砂糖やチョコレート、ナッツなど、犬に有害な成分が含まれていることが多く、さらなるリスクを伴います。
特にチョコレートは犬にとって中毒症状を引き起こす代表的な食品であり、誤食に注意が必要です。
さらに、ドライいちじくは柔らかいため、大きな塊で飲み込むと喉に詰まらせたり、消化不良を引き起こしたりする可能性もあります。
飼い主として、ドライいちじくを含む食品を犬の手の届かない場所に保管し、調理中や食事中にも注意を払いましょう。
犬が「いちじく」を食べたかも!?こんな症状が出たら病院へ
次に、犬がいちじくを食べた際の症状を紹介します。
- 口内炎
- よだれ
- 食欲の低下
- 嘔吐(おうと)
- 下痢
それぞれ詳しく紹介するので、当てはまる場合は愛犬がいちじくを食べた可能性を疑いましょう。
口内炎
まず、犬がいちじくを食べた際の症状は口内炎です。犬がいちじくを食べた場合、フィシンやラテックスなどの刺激成分によって口内炎が発生する場合があります。
フィシンやラテックスなどの成分は粘膜を刺激し、炎症やただれを引き起こしやすいです。
口内炎になると、犬は口の中に痛みや不快感を覚えるため、食べ物を食べるのを嫌がったり、飲み込むのが難しくなったりする場合があります。
進行すると、さらなる食欲不振や脱水症状を引き起こす可能性が高いです。
口内炎は軽度であれば自然に治る場合もありますが、いちじくを摂取した場合には症状が悪化する可能性があるため注意しましょう。
飼い主は犬がいちじくを食べた可能性がある場合は口内を確認し、炎症や赤みが見られる場合にはすぐに獣医師に相談してください。
よだれ
次に、犬がいちじくを食べた際の症状はよだれです。過剰なよだれはフィシンやラテックスが口腔内の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすと起こります。
特に、いちじくを食べた後に異常に多くのよだれを垂らしている場合は、毒性成分が口腔内で作用している可能性が高いです。
よだれの量が増えると口元が濡れ、皮膚炎を併発するリスクもあります。さらに、よだれと共に吐き気を感じている場合もあり、消化器系の異常の可能性が高いです。
飼い主は犬の行動や食べたものを確認し、いちじくを摂取した可能性がある場合には速やかに獣医師に相談しましょう。
食欲の低下
3つ目に、犬がいちじくを食べた際の症状は食欲の低下です。食欲の低下は、いちじくに含まれる有害成分が消化器官や口腔内を刺激し、不快感をもたらして起こります。
特にフィシンが胃腸の粘膜を刺激すると、犬は食べ物を受け付けなくなり、普段の食事すら拒否するようになるのです。
また、口内炎が原因で食事をすると痛みを感じる場合も食欲が落ちる要因となります。
このような状態が続くと、エネルギー不足や脱水症状を招く恐れがあるため、早急な対応が必要です。
飼い主は、いちじくを摂取した時間や量、症状を記録し、速やかに獣医師に相談しましょう。
嘔吐(おうと)
4つ目に、犬がいちじくを食べた際の症状は嘔吐(おうと)です。フィシンやソラレンなどの成分が胃壁を刺激し、胃腸の防御反応として嘔吐を引き起こします。
嘔吐が1〜2回程度で済む場合もありますが、頻繁に繰り返される場合は体内での毒素の影響が強い可能性が高いです。
特に、吐瀉物に血が混じる場合や元気がなくなる、脱水症状が見られる場合は緊急事態と言えます。
嘔吐は体内の水分や電解質を失い、放置すると命に関わることもあるため、注意が必要です。
飼い主は、嘔吐物の状態や回数を記録し、速やかに獣医師に連絡を取りましょう。治療としては、吐き気止めや点滴などが行われる場合があります。
下痢
最後に、犬がいちじくを食べた際の症状は下痢です。下痢はフィシンが腸壁を刺激し、正常な消化機能を妨げることで発生します。
また、いちじくに含まれる高い食物繊維量も腸を過剰に刺激し、下痢の原因となる場合が多いです。
軽度の下痢であれば自然に治癒する場合もありますが、長時間続く場合や血液や粘液が混じる場合は、早急な治療が必要になります。
下痢が続くと、犬は脱水症状を起こしやすくなり、特に小型犬や高齢犬では命に関わり危険です。
飼い主は、水分補給に気を配りつつ、獣医師に相談することで適切な治療を受けさせましょう。下痢が重症化する前に、迅速な対応を心がけることが大切です。
いちじくの樹液が犬の皮膚に付着すると、皮膚に炎症を起こす場合も
いちじくの樹液には、ラテックスやソラレンといった成分が含まれており、犬の皮膚に付着すると炎症を引き起こす場合があります。
特に敏感肌の犬やアレルギーを持つ犬では、赤みやかゆみ、腫れといった症状が現れやすく、ひっかくとさらに悪化しやすいです。
ラテックスはアレルギー反応を誘発する可能性があり、皮膚に炎症が起きるだけでなく、全身的な症状として元気がなくなる場合もあります。
いちじくの樹液に触れた可能性がある場合は、速やかに皮膚をぬるま湯で洗い流し、その後獣医師に相談してください。
炎症がひどい場合には、抗炎症薬やアレルギー治療が必要になる場合があります。樹液に触れるリスクを避けるため、いちじくの木のそばで犬を遊ばせないように注意しましょう。
犬が「いちじく」を食べてしまった時の応急処置や対処法
次に、犬がいちじくを食べてしまった時の応急処置や対処法を紹介します。食べた時間や量、種類や現れた症状によって対処法が変わるので詳しくみていきましょう。
いちじくを食べた時間
まず、犬がいちじくを食べてしまった場合、いちじくを食べた時間を確認しましょう。
犬がいちじくを食べた時間は、毒性成分が犬の体内でどの程度作用しているかを推測するために必要です。
摂取後すぐであれば、胃の中にまだ未消化の状態で残っている可能性が高く、吐かせる方法が有効になる場合があります。
しかし、食べてから時間が経過していると、胃や腸での消化吸収が進んで毒性成分が体内に広がってしまう可能性があるため、吐かせると逆効果になる可能性が高いです。
摂取時間の把握は、症状が出ていない段階でも迅速な治療判断をするうえで必要になります。
飼い主は冷静に状況を整理し、いちじくを食べた可能性がある時間を記録して獣医師に伝え、適切な診断と治療を受けましょう。
また、摂取後すぐに症状が現れた場合はより緊急性が高い可能性があるため、迅速に動物病院に連絡を取ることが必要です。
いちじくを食べた量
次に、犬がいちじくを食べてしまった場合、いちじくを食べた量も確認しましょう。
摂取量が多ければ多いほど、毒性成分が体内に及ぼす影響が大きくなり、重篤な症状を引き起こすリスクが高まります。
特に小型犬や子犬の場合、少量でも体重に対する影響が大きいため注意が必要です。
いちじくの果実全体を食べてしまったのか、それとも一部だけなのかを確認し、可能であれば食べ残しや痕跡をチェックして、摂取量の目安をつかみましょう。
摂取量を獣医師に伝えると、毒性成分の体内濃度や適切な処置方法を判断する材料となります。
もし摂取量が不明であっても、犬がいちじくを食べた可能性がある場合は、念のため早急に動物病院に連絡することが大切です。
また、摂取量だけでなく、犬の体調の変化や症状の有無を観察しましょう。
食べたいちじくの種類(生、乾燥、加熱済など)
3つ目に、犬がいちじくを食べてしまった場合、いちじくの種類も確認しましょう。
生のいちじくには、フィシンやソラレンといった毒性成分が豊富に含まれていますが、加熱されたり乾燥されたりすると、成分が部分的に分解される場合があります。
しかし、ドライいちじくは水分が抜けている分、糖分が濃縮されており、肥満や糖尿病のリスクが高いです。
一方で、加熱済みいちじくには調理の過程で砂糖や他の有害成分が追加されている場合があり、別の意味で犬にとって有害になる場合があります。
摂取したいちじくがどのような状態であったのかを正確に把握して獣医師に伝えると、毒性の評価や治療の選択肢がより明確になりやすいです。
飼い主は、犬が摂取した可能性のある食品の種類を確認し、細かな情報を提供しましょう。
症状が現れ始めた時間
4つ目に、犬がいちじくを食べてしまった場合、症状が現れ始めた時間も確認しましょう。
例えば、摂取してからすぐに嘔吐やよだれなどの症状が現れる場合、毒性成分が急速に作用している可能性が高く、早急な対処が必要です。
一方で、摂取後数時間以上経ってから症状が出た場合は、消化吸収を通じて徐々に体内で影響が広がっている可能性があります。
また、どの症状が最初に現れたのか、症状が現れるまでの時間が長いか短いかも、獣医師が中毒の進行状況を把握する手がかりになりやすいです。
飼い主は、愛犬の体調の変化を注意深く観察し、症状が出た正確な時間を記録しましょう。
情報を元に動物病院で適切な検査や治療が行われるため、症状が出るタイミングを把握することは犬の健康を守る上で欠かせません。
現れた症状
最後に、犬がいちじくを食べてしまった場合は、現れる症状をチェックしましょう。症状は多岐にわたり、毒性成分の作用や摂取量、犬の個体差によって異なります。
代表的な症状は口内炎やよだれ、食欲不振、嘔吐、下痢などです。また、いちじくの樹液が皮膚に付着すると、皮膚炎やかゆみが引き起こされる場合もあります。
症状の中には、早期に対応すると深刻な状態に進展するのを防げるものもありますが、放置すると命に関わる危険性が高いです。
症状を正確に把握し、獣医師に詳細を伝えると、迅速かつ適切な治療が可能になります。
特にぐったりして動かない、意識がもうろうとしているといった状態が見られた際は、一刻も早く動物病院を受診しましょう。
日頃から愛犬の健康状態をよく観察し、少しでも異変を感じたらすぐに専門家に相談することが重要です。
犬の「いちじく」誤食の予防対策!
最後に、犬がいちじくを誤って食べないための予防対策を紹介します。
- 犬の届かない場所に
- ふた付きのゴミ箱にする
- いちじくを食べるときは、犬をケージやサークルに入れる
- テーブルの下に落ちていないか確認
それぞれ詳しく紹介するので、愛犬が誤食しないようぜひ実践してみてください。
犬の届かない場所に
まず、犬のいちじく誤飲を防ぐには、いちじくを犬の届かない場所に保管しましょう。いちじくは香りが強く、犬にとって興味を引きやすい食品です。
特に生のいちじくやドライいちじくは、犬が探して食べてしまうリスクが高いため、テーブルやキッチンカウンターの上に放置しないでください。
また、棚や食品ストッカーの高い場所に収納すると、犬がジャンプしても届きません。
さらに、キャビネットに保管する場合には、扉がしっかり閉まるようにするか、チャイルドロックのような簡易的なロックを活用するのが効果的です。
犬は意外と高い場所にもアクセスできる場合があるため、保管場所には細心の注意を払いましょう。
ふた付きのゴミ箱にする
次に、犬のいちじく誤飲を防ぐには、ふた付きのゴミ箱を設置しましょう。
いちじくの皮や食べ残しを捨てた場合、ゴミ箱がふたなしだと犬が簡単に漁ることができ、誤食につながる危険性があります。
そのため、ふた付きのゴミ箱を使用することが重要です。特に、ペダル式やセンサー式でしっかりと密閉できるタイプのゴミ箱をおすすめします。
ふたが軽く押すだけで開くようなタイプは、力の強い犬であれば簡単に開けてしまう可能性があるため、耐久性が高い製品を選びましょう。
ゴミ箱を設置する場所についても、犬が容易にアクセスできないスペースに置くことを心掛けるとより効果的です。
さらに、ゴミ出しの頻度を増やして、ゴミ箱にいちじくのような危険な食品を長時間放置しないようにしましょう。
いちじくを食べるときは、犬をケージやサークルに入れる
3つ目に、犬のいちじく誤飲を防ぐには、いちじくを食べる際に犬をケージやサークルに入れましょう。
犬は飼い主の食べ物に興味を持ち、テーブルの上にある食べ物を狙ってくる場合があります。そのため、いちじくを食べる際には、犬をケージやサークルに入れておくと安全です。
ケージやサークルに入れると犬の行動を制限するだけでなく、飼い主が食事に集中できる環境を作れます。
また、犬をケージに入れる際には、いちじくを含まない安全なおやつやおもちゃを与えて犬が退屈しないように工夫しましょう。
いちじく以外にも犬が摂取すると危険な食品は多いため、食事中の犬の行動管理を徹底することは、誤食予防の基本です。
テーブルの下に落ちていないか確認
最後に、犬のいちじく誤飲を防ぐには、テーブルの下にいちじくが落ちていないか確認しましょう。
特に、床に落ちた食べ物は犬にとって格好の標的となるため、注意する必要があります。もし、いちじくが落ちてしまった場合は、犬が気づく前に速やかに片付けましょう。
犬がテーブルの下を頻繁にチェックする癖がある場合には、その行動を防ぐためにしつけを徹底することも効果的です。
また、食後には床やテーブルの周囲を掃除し、食べ物の残りかすが残らないようにすると誤食のリスクをさらに低減できます。
まとめ
今回は、犬にいちじくを与えてはいけない理由を紹介しました。
いちじくはフィシンやソラレン、ラテックスなどの危険な成分が含まれており、口内炎やよだれ、食欲低下、嘔吐、下痢などの症状を引き起こす恐れがあります。
犬がいちじくを食べた場合は、食べた時間や量、種類、現れた症状や時間をチェックしましょう。
また、日頃からいちじくを犬の届かない場所におき、ふた付きのゴミ箱やケージを活用して犬がいちじくを誤飲する機会を防いでください。