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はじめに
オートミールは健康に良い食品のイメージがあるので、犬に与えても良いのではと考える方が多いと思います。
犬にオートミールは与えられますが、種類や与え方、量に注意が必要です。
今回は、犬へのオートミールの与え方を紹介します。与える方法や与えるメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
犬がオートミールを食べても大丈夫!
犬はオートミールを食べても問題ありません。大丈夫な理由を詳しくみていきましょう。
手軽に食べられる炭水化物の健康食品
オートミールは、犬にとって手軽に与えられる健康的な炭水化物食品として注目されています。
オートミールはオーツ麦を加工して作られており、消化しやすく体に必要なエネルギーを効率よく補給できる食品です。
炭水化物は犬の体内でエネルギー源として利用されるため、活動量の多い犬やシニア犬、体力を必要とする時期の犬にとって適切な栄養補助食品となります。
また、オートミールは食物繊維が豊富である点が特徴です。食物繊維は、犬の腸内環境を整える助けとなり、便秘や下痢といった消化器のトラブルを防ぐのにも効果的です。
犬に与えても良いオートミールの量
次に、犬に与えても良いオートミールの量を紹介します。体重によって適量は変わるので、愛犬に当てはめて考えてみてください。
体重1㎏につき10g程度
犬にオートミールを与える際は、適切な量を守ることが重要です。一般的には、体重1kgあたり10g程度のオートミールが目安とされています。
1kgあたり10gは犬の消化能力や栄養バランスを考慮した適量であり、必要以上に与えないと健康を維持する助けになります。
オートミールは炭水化物や食物繊維が豊富ですが、過剰に摂取すると消化器官に負担をかける可能性が高いです。
特に食物繊維が多すぎると、下痢や便の量が増える原因になるため、少量から始めて様子を見ながら量を調整しましょう。
犬がオートミールを食べても良い頻度
次に、犬がオートミールを食べても良い頻度を紹介します。食べ過ぎると犬の体に悪影響がでるので、適切な頻度で与えて犬の健康を維持しましょう。
1週間に2,3回程度
犬にオートミールを与える頻度は、1週間に2〜3回程度が適切です。
オートミールは栄養価が高く、犬の健康をサポートする食品ではありますが、他の食材とのバランスを考慮しながら与えてください。
適切な頻度を守ると、栄養過多や消化器官への負担を避け、愛犬の健康を維持できます。
オートミールは炭水化物や食物繊維、ミネラルが豊富で犬にとって有益な食品ですが、過剰に摂取すると便の量が増えたり、腸内環境が乱れる原因になったりします。
また、主食ではなく補助的な役割として利用することがおすすめです。犬に必要な栄養素は通常のドッグフードから摂取できるため、オートミールは補完する形で与えましょう。
犬にオートミールを与える方法
次に、犬にオートミールを与える方法を紹介します。
- 愛犬のご飯に混ぜて与える
- ヨーグルトやバナナなどと混ぜて与える
- 野菜と煮込んで与える
- 小麦粉や米粉と混ぜてクッキーのように焼いて与える
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ実践してみましょう。
愛犬のご飯に混ぜて与える
まず、犬にオートミールを与える場合は、愛犬の普段のご飯に混ぜて与えましょう。ご飯に混ぜる方法は特別な準備がほとんど不要で、忙しい飼い主にも適しています。
オートミールは必ず煮込んで柔らかくしてから与えてください。水や無塩の犬用出汁を使って煮ると、オートミールが消化しやすくなり、犬の胃腸への負担を軽減します。
煮込んだオートミールを、ドライフードやウェットフードに適量混ぜるだけで、普段のご飯に自然な栄養を加えることが可能です。
オートミールには炭水化物や食物繊維、ミネラルが豊富に含まれており、犬の健康維持に役立つ成分が多く含まれています。
特に、食物繊維は腸内環境を整える働きがあるため、便秘がちな犬や腸の調子を整えたい場合におすすめです。
ヨーグルトやバナナなどと混ぜて与える
次に、犬にオートミールを与える場合は、ヨーグルトやバナナなどに混ぜて与えましょう。
ヨーグルトやバナナなどと混ぜる方法は、オートミールの持つ栄養価を補いながら、犬が喜ぶ美味しい一品を作ることが可能です。
まず、オートミールを柔らかく煮込み、無糖のヨーグルトを混ぜます。さらに、細かく切ったバナナを加え、自然な甘味と風味をプラスしましょう。
この組み合わせは、カルシウムや食物繊維、ビタミンを一度に摂取できる栄養価の高いメニューとなります。
バナナは犬にとって安全な果物であり、エネルギー補給や腸内環境の改善に役立つカリウムが豊富ですが、糖分が多いため少量ずつ与えましょう。
ヨーグルトを使う際も、無糖で無添加のものを選んでください。
野菜と煮込んで与える
3つ目に、犬にオートミールを与える場合は、野菜と煮込んで与えましょう。
オートミールを野菜と一緒に煮込む方法は、栄養バランスを強化しながら犬にとって美味しい食事を提供できる優れた手段です。
オートミールと相性の良い野菜には、かぼちゃや人参、さつまいも、ブロッコリーなどがあります。
野菜を細かく刻んで柔らかく煮込み、煮込んだオートミールと混ぜ合わせると、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な食事の完成です。
野菜とオートミールの組み合わせは、腸内環境を整える効果が期待でき、便秘がちな犬にもおすすめできます。
調理の際は塩や調味料を一切使用せず、野菜の風味だけを活かすようにしましょう。
小麦粉や米粉と混ぜてクッキーのように焼いて与える
4つ目に、犬にオートミールを与える場合は、小麦粉や米粉と混ぜてクッキーのように焼いて与えましょう。
クッキーのように与える方法は保存が利き、おやつやトレーニングのご褒美やお出かけ時の携帯用としても便利です。
作り方は非常にシンプルで、オートミールを粉状にして小麦粉や米粉を加え、卵や水でまとめて生地を作ります。生地を型抜きし、オーブンで焼き上げれば完成です。
トッピングやフレーバーを加える場合は、犬に安全な食材を選びましょう。たとえば、バナナやかぼちゃを加えると、自然な甘味がプラスできます。
犬にオートミールを与えるメリット
次に、犬にオートミールを与えるメリットを紹介します。
- 食物繊維が豊富である
- カルシウムが豊富である
- 鉄分が豊富である
それぞれの栄養素の効果も詳しく紹介するので、必要な栄養素がある場合はぜひ犬にオートミールを与えてください。
食物繊維が豊富である
まず、犬にオートミールを与えるメリットは食物繊維が豊富であるからです。食物繊維がもたらす効果を詳しくみていきましょう。
整腸作用
オートミールに豊富に含まれる食物繊維は、犬の腸内環境を整える働きがあります。特に、不溶性と水溶性の両方の繊維を含むため、便秘や下痢の改善に効果的です。
不溶性食物繊維は腸の動きを促進し、スムーズな排便をサポートします。一方、水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収し、便を柔らかくするため、便秘がちな犬にとって効果的です。
また、水溶性食物繊維が腸内の善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを整えることで、免疫力の向上にも寄与します。
血糖値の上昇を抑える効果
オートミールは低GI食品であり、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。なぜなら、オートミールに含まれる水溶性食物繊維が糖質の吸収を緩やかにするからです。
血糖値の上昇を抑える特性は、糖尿病のリスクがある犬や体重管理が必要な犬に適しています。
血糖値が急上昇するとインスリンの分泌が過剰になり、長期的には肥満や糖尿病のリスクが高まる可能性があるので、オートミールで血糖値の安定を目指しましょう。
血中コレステロール濃度を低下させる
オートミールにはβ-グルカンという水溶性食物繊維が含まれており、血中コレステロール濃度を低下させる効果もあります。
β-グルカンは腸内で胆汁酸を吸着して体外に排出する働きを持ち、肝臓がコレステロールを使って新たな胆汁酸を生成するため、血中のコレステロールが減少するのです。
血中のコレステロール濃度を低下させる効果は、心臓病や動脈硬化のリスクを低減できます。特に、高齢犬や肥満傾向の犬にとってオートミールは健康維持に効果的です。
カルシウムが豊富である
次に、犬にオートミールを与えるメリットはカルシウムが豊富である点です。カルシウムがもたらす効果を詳しくみていきましょう。
骨や歯を構成する
オートミールに含まれるカルシウムは骨や歯を構成するために欠かせない成分です。犬の成長期にはカルシウムが必要で、骨の密度を高めて丈夫な体づくりの手助けをします。
また、歯の構造を強化し、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。高齢犬においてもカルシウムを適切に摂取すると骨密度の低下を防ぎ、骨折や骨粗しょう症のリスクを軽減できます。
オートミールを与える際は、他のカルシウム源と組み合わせると、バランスの取れた栄養補給が可能です。
細胞分裂を助け、細胞の構成成分となる
カルシウムは、犬の体内で細胞分裂を助け、細胞の構成成分としても重要な役割を果たします。
新しい細胞を生成する際にカルシウムが必要であり、特に成長期の犬にとっては不可欠なミネラルです。また、体の修復過程や健康な皮膚、被毛の維持にも関与します。
カルシウム不足は成長不良や体の免疫機能の低下を引き起こす可能性があるため、オートミールによるカルシウム補給は、犬の健康管理において非常に重要です。
筋肉の収縮を助ける
カルシウムは筋肉の収縮を助けるためにも不可欠です。神経信号が筋肉に伝達される際に重要な役割を果たし、筋肉の収縮を引き起こします。
カルシウムの働きにより、犬が日常的に動いたり遊んだりするためのエネルギーを効率的に使用できるのです。
また、心臓の正常な動きにも関与しており、不足すると筋肉のけいれんや不整脈などの問題が発生する可能性があります。
オートミールを適量与え、健康な筋肉機能の維持に役立てましょう。
酵素やホルモンを生成する
カルシウムは体内で酵素やホルモンの生成にも関与しています。酵素やホルモンの生成は、代謝やエネルギー生成、免疫機能の調節など体の機能を支える重要な役割です。
特に、成長期や病気からの回復期には、カルシウムが必要になります。
オートミールを食事に取り入れて、日常的なカルシウム摂取を補い、犬の全体的な健康状態をサポートしましょう。
尿結石を引き起こすシュウ酸を減らすのに役に立つ
オートミールに含まれるカルシウムは、尿中のシュウ酸を結合して尿結石のリスクを減らす働きもします。
尿結石はシュウ酸カルシウム結石が一般的であり、蓄積すると尿路閉塞や感染症を引き起こす可能性があります。
オートミールを適量与えて、シュウ酸の排出を助け、尿路の健康を維持しましょう。ただし、結石のリスクがある犬には獣医師と相談し、適切な食事管理を行うことが重要です。
神経伝達物質として情報伝達を助ける
カルシウムは神経伝達物質としても機能し、神経細胞間の情報伝達をスムーズに行う助けをします。
情報伝達の働きは、犬の反応速度や運動能力、ストレス耐性の向上に効果的です。特に、訓練中や新しい環境に適応する際には、神経系の正常な働きが欠かせません。
オートミールに含まれるカルシウムを日常の食事に取り入れて神経伝達をサポートし、犬の学習能力や行動の安定性を向上させましょう。
鉄分が豊富である
最後に、犬にオートミールを与えるメリットは鉄分が豊富である点です。鉄分は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの構成成分であり、全身に酸素を運ぶ役割を果たします。
犬が十分な鉄分を摂取すると体内の酸素供給がスムーズに行われ、疲れにくく、活動的な状態を維持できるのです。
特に、成長期の子犬や高齢犬、貧血気味の犬にとって、鉄分の補給は健康を保つために欠かせません。
鉄分が不足すると、貧血を引き起こして元気がなくなったり、食欲不振や皮膚や被毛の状態が悪化したりする場合があります。
さらに、慢性的な鉄分不足は免疫力の低下につながり、病気にかかりやすいです。オートミールを食事に取り入れて、鉄分の補給を手軽に行い、病気を予防しましょう。
犬にオートミールを与える時の注意点
最後に、犬にオートミールを与える時の注意点を紹介します。
- 良くも悪くも繊維が豊富なので大量に与えない
- リン(P)が多い
- インスタントオーツは与えない
- 無添加のオートミールを選ぶ
- 人間用に加工されたものは与えない
- ミネラル制限のある子は注意
それぞれ詳しく紹介するので、注意点を理解したうえで与えるようにしましょう。
良くも悪くも繊維が豊富なので大量に与えない
まず、犬にオートミールを与える際は、繊維が豊富なので与えすぎないように注意しましょう。
オートミールは食物繊維が豊富で、犬の腸内環境を整えるのに効果的です。しかし、繊維を摂りすぎると犬の消化器官に負担がかかり、下痢や便秘を引き起こす可能性があります。
特に、小型犬や胃腸が弱い犬には注意が必要です。繊維の過剰摂取は、他の重要な栄養素の吸収を妨げることもあり、栄養バランスの崩れにつながる場合があります。
一般的には、体重1㎏につき10g程度のオートミールを目安に与えるのが適切です。
また、繊維の効果は個体差があるため、少量から始め、犬の様子を観察しながら量を調整しましょう。
リン(P)が多い
次に、犬にオートミールを与える際はリン(P)に注意しましょう。リンはカルシウムとともに骨や歯を構成し、エネルギー代謝や細胞の成長にも関わる重要な栄養素です。
しかし、過剰なリンの摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、カルシウムとのバランスが崩れると骨がもろくなるリスクがあり、さらに腎臓に負担をかけることがあります。
腎臓疾患を持つ犬や高齢犬はリンの摂取制限が必要となる場合があり、オートミールを与える際には量を調整することが必要です。
そのため、獣医師と相談してリンの摂取量を管理しましょう。
インスタントオーツは与えない
3つ目に、犬にオートミールを与える際はインスタントオーツを与えないようにしましょう。インスタントオーツは便利な食品ですが、犬に与えるには適していません。
インスタントタイプのオートミールには、加工過程で砂糖や塩分、人工的な香料や保存料などが加えられている場合があります。
これらの成分は犬の健康に有害となる可能性があり、特に糖分や塩分は肥満や腎臓疾患、高血圧を引き起こすリスクが高いです。
また、インスタントオーツは非常に細かく加工されているため、急激に血糖値を上げる可能性があります。
そのため、インスタントオーツではなく、純粋な無添加のオートミールを選びましょう。
煮込んで柔らかくする
4つ目に、犬にオートミールを与える際は、煮込んで柔らかくしましょう。
生のままや硬い状態で与えると、犬の消化器官に負担をかける可能性があり、胃腸の不調を引き起こす恐れがあります。
オートミールを柔らかく煮込むと消化吸収がしやすくなり、犬の体に栄養が行き渡りやすいです。
煮込む際は、水または無塩のスープを使用しましょう。水分を含んだオートミールは食べやすく、脱水症状の予防にも役立ちます。
さらに、温かい状態で与えると犬の食欲を刺激することもあります。調理時には塩や砂糖を加えないよう注意し、純粋なオートミール本来の栄養を保つことが大切です。
また、他の食材と組み合わせて煮込むと栄養バランスを向上させられます。
無添加のオートミールを選ぶ
5つ目に、犬にオートミールを与える際は、無添加のものを選びましょう。
市販のオートミールには、保存料や香料、人工甘味料が含まれている場合があり、犬の体に負担をかける恐れがあります。
特に、キシリトールや塩分が含まれる製品は危険で、摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があるため避けましょう。
無添加のオートミールは、犬にとって安全で、自然な栄養をそのまま摂取することができます。
購入前に成分表示を確認し、「オーツ麦」のみが記載されているシンプルな製品を選ぶのがポイントです。
人間用に加工されたものは与えない
6つ目に、犬にオートミールを与える際は、人間用に加工されたオートミールを与えないようにしましょう。
人間用のオートミールには、味付けや甘味料、保存料などが含まれている場合が多く、犬の体に有害となる成分が含まれる場合があります。
特に、人工甘味料であるキシリトールや高濃度の塩分は犬にとって毒性があり、少量でも健康被害を引き起こす可能性が高いです。
さらに、人間用の加工食品は犬の消化器官にとって負担となる場合があり、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす恐れがあります。
そのため、オートミールを犬に与える場合は、必ず犬用の無添加・無加工のオートミールを選びましょう。
ミネラル制限のある子は注意
最後に、犬にオートミールを与える際は、ミネラル制限のある子に特に配慮しましょう。
腎臓病などでミネラル制限が必要な場合、オートミールのような食品を過剰に与えると、病状を悪化させるリスクを高める可能性があります。
例えば、腎臓疾患がある犬は、リンやカリウムなどのミネラルの摂取量の制限が必要です。
オートミールはリンを比較的多く含むため、腎臓に負担をかける可能性があり、過剰に摂取すると腎機能の低下を引き起こす恐れがあります。
また、カルシウムの過剰摂取も腎臓に悪影響を与える場合があるため、オートミールの摂取を避けるか量を厳密に調整することが重要です。
ミネラル制限が必要な犬にオートミールを与える際は、獣医師に相談しましょう。
まとめ
今回は、犬へのオートミールの与え方を紹介しました。オートミールは食物繊維やカルシウム・鉄分などを多く含む食べ物ですが、食べ過ぎると体調悪化の要因になります。
そのため、犬にオートミールを与える場合、量は体重1kgあたり10gまでにしましょう。また、与える頻度は1週間に2、3回程度に留めることが大切です。
他にも、加工品やインスタントオーツは避けて無加工のオートミールを選び、煮込んで柔らかくして与えて、犬の健康をサポートしましょう。