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はじめに
犬が散歩以外にずっと寝ていて心配になる方は多いと思います。犬が睡眠時間が長いからって必ずしも病気を疑う必要はありません。
ただ、睡眠パターンや睡眠時間に極端な変化があった場合は注意が必要です。
今回は、犬の睡眠時間について紹介します。
犬の睡眠時間が長い理由や寝てばかりの時の注意点を紹介するので、愛犬の睡眠時間が問題ないか判断できるようになりましょう。
犬が寝てばかりで心配?
犬が寝てばかりで気になるかもしれませんが、そこまで心配する必要はありません。犬が寝てばかりでも大丈夫な理由を詳しくみていきましょう。
犬の睡眠時間は人間より長い
犬の睡眠時間は、人間に比べてずっと長いことが特徴です。
人間の場合、1日の睡眠時間は平均して7〜9時間ほどですが、犬は12〜15時間を費やす場合が多く、子犬や老犬の場合はさらに長くなるケースもあります。
なぜなら、犬は人間とは異なる睡眠サイクルを持っているからです。
犬は、短時間の浅い眠りを複数回繰り返すレム睡眠が多く、ノンレム睡眠に到達する時間が人間に比べて短くなっています。
そのため、睡眠の質を確保するために、全体としての睡眠時間が長くなる傾向があるのです。
また、犬は狩猟動物としての本能から、周囲の音や動きに敏感であり、物音や人の気配がするとすぐに目を覚ます場合がよくあります。
そのため、犬の睡眠は浅い時間が多く、体を休めるためには長時間の睡眠が必要です。
自然界での生活において必要だった警戒心が、家庭内で飼われる犬にも残っていると考えられます。
睡眠時間が長くても問題ない場合が多い
犬が1日の大半を寝て過ごしている場合でも、多くの場合は問題ありません。
先述の通り、犬は人間と異なる睡眠パターンを持ち、深く眠ることが少ないため、合計の睡眠時間が長くなる傾向があります。
そのため、健康で満足している犬がゆっくりと休息をとるのはむしろ自然であり、生活環境が快適でストレスの少ない証拠とも言えるでしょう。
また、日常生活で運動量が十分に確保されている場合、犬は体をしっかりと休ませるために睡眠を多くとります。
特に、大型犬や老犬は体力を維持するために多くの睡眠が必要です。また、気候や季節によっても睡眠時間は変動し、冬の寒い時期には睡眠が増える傾向にあります。
ただし、健康状態の変化には注意が必要です。
もし普段と違って極端に長く寝るようになったり、起きている時間でも元気がないように見えたりする場合は、体調不良やストレスが原因である可能性もあります。
犬の1日の平均的な睡眠時間
次に、犬の1日の平均的な睡眠時間を紹介します。子犬・成犬・老犬に分けて紹介するので、愛犬の睡眠時間が平均的かチェックしましょう。
子犬は18時間以上
子犬は成長過程で多くのエネルギーを必要とするため、1日に18時間以上も眠ることが一般的です。
生まれたばかりの子犬は、日々のほとんどを寝て過ごし、時折起きては母犬のミルクを飲み、また眠りにつくといったサイクルを繰り返します。
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、体や脳の発達が促進されるため、子犬の時期の十分な休息は欠かせません。
遊んでいる最中に急に眠りに落ちることがあるのも、エネルギー消費が激しいためです。
また、子犬は人間の赤ちゃんと同様に、周囲の環境に慣れるためのプロセスを睡眠中に進めています。
初めての環境にストレスを感じる場合もあるため、寝ると緊張がほぐれ、心身がリフレッシュされるのです。
飼い主は無理に起こさずしっかりと寝かせてあげ、子犬の健康をサポートしましょう。
成犬は12〜15時間
成犬の1日の平均睡眠時間は、12〜15時間程度とされています。健康で活発な成犬にとっても必要な睡眠量であり、体力をしっかり回復させるためには欠かせません。
成犬は、朝や夕方に活動的になりやすく、日中や夜間には休息を取ってエネルギーの消耗と補充のバランスを保っています。
また、犬の睡眠パターンは人間とは異なり、昼夜に関わらず短い眠りを何度も繰り返すため、結果として1日の中で長い時間を寝て過ごしやすいです。
成犬の場合、散歩や遊びなどの運動量や活動レベルが大きく影響し、活発に動いた日は特に多く眠る傾向があります。
逆に、運動量が少なすぎるとエネルギーを持て余し、ストレスが溜まりやすくなるため、飼い主は適度な運動を取り入れながら愛犬が必要な睡眠を取れるようにしましょう。
老犬は1日のうちのほとんど寝ていることも
老犬になると体力や筋力が衰え、活動量も少なくなるため、1日のうちほとんどを寝て過ごすようになります。
高齢の犬にとって、エネルギーを温存し、体の回復を図るための休息が必要不可欠です。
成犬であれば数時間の活動で済むところが、老犬は体力を消耗しやすいため、休んで体調を整えています。特に関節痛や持病を抱えている場合、無理なく休むことが重要です。
老犬は深い眠りに入る時間が短く、短い眠りを細かく繰り返すレム睡眠をとるため、睡眠の質が低下しやすくなっています。
また、老犬特有の認知機能の低下などにより、昼夜が逆転して昼間に活動し、夜間に眠ることが難しくなる場合が多いです。
そのため、必要な時間眠れるように、静かでリラックスできる環境を整えましょう。
老犬のペースに合わせ、散歩や遊びの量を減らし、無理をせず体力に応じた生活リズムをサポートしてあげることが重要です。
犬の睡眠時間が長い理由
次に、犬の睡眠時間が長い理由を紹介します。
- 眠りが浅い時間が長い
- ストレスがあると疲れやすくなる
それぞれ紹介するので、犬の睡眠のメカニズムについて詳しくみていきましょう。
眠りが浅い時間が長い
まず、犬の睡眠時間が長い理由は、眠りが浅い時間が長いからです。犬の睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つの段階があり、人間と変わりません。
しかし、犬は深い眠りに入る時間が短く、浅い眠りであるレム睡眠の割合が多くなる傾向にあります。
犬はもともと外敵に警戒する必要がある動物であるため、いつでもすぐに目を覚ませるように、浅い眠りで周囲の状況に気を配るように進化してきました。
そのため、深く長く眠りに入るよりも、浅い眠りを繰り返しながら休息をとっています。
犬は多くの時間寝ているように見えますが、実際には短いレム睡眠を挟みながら頻繁に眠りと覚醒を繰り返しているのです。
また、犬の睡眠は環境の影響を受けやすく、飼い主や家族が活動している間は浅い眠りにとどまり、逆に人が静かにしている時や夜間には少し長めの眠りに入ります。
ストレスがあると疲れやすくなる
次に、犬の睡眠が長い理由はストレスがあると疲れやすくなるからです。
特に、普段とは違う環境に置かれたり、散歩や遊びの運動量が急に増えたりした場合など、さまざまな要因が犬にストレスを与える場合があります。
ストレスが続くと犬は体力の消耗が早まり、疲れやすくなるため、結果として睡眠時間が長くなるのです。
ストレスが溜まっている犬は、短い活動の後にすぐに休みたがったり、以前よりも眠る時間が増えたりします。
これは、犬がストレスから心身を回復させるために必要な休息を取っている状態で、睡眠によって疲労を回復させようとしているのです。
また、ストレスがあると浅い眠りが増え、睡眠の質も低下しやすいため、体力の回復が十分にできず、より多くの睡眠を必要とするようになります。
睡眠時間は体の大きさによっても違う?
睡眠時間は犬の体の大きさによって異なります。どのような犬種だと睡眠時間が変わるのか詳しくみていきましょう。
大型犬は小型犬や中型犬よりも睡眠時間が長い傾向
大型犬は小型犬や中型犬よりも睡眠時間が長い傾向にあります。大型犬は体が大きい分睡眠時間に影響しているので、ぜひチェックにしてください。
大型犬は体を動かすのに多くのエネルギーが必要
大型犬は体を動かすために大量のエネルギーを消費します。
体が大きくなるほど、筋肉や骨格が支える重さも増えるため、同じ運動でも大型犬は小型犬や中型犬に比べて大きなエネルギーを使うのです。
例えば、散歩や遊びの時間に走り回ったり、トレーニングをしたりする際も、消費エネルギーが大きいため、エネルギー補給と体の回復のために多くの休息が必要になります。
日中に活動する際も、一つ一つの動作に負担がかかりやすく、負担が積み重なって疲労が蓄積しやすいです。
そして、大型犬は頻繁に短い休憩を取りながら、合計の睡眠時間を長く確保しようとします。
大型犬の体に必要なエネルギー量や回復を考慮すると、長い睡眠時間は自然なことであり、健康を維持するためにも重要です。
体力の回復に時間がかかるため睡眠時間が長くなる
大型犬は、消費エネルギーが多いだけでなく、体力の回復にも時間がかかる特徴があります。
運動後や活動した後に体力が低下すると、それを回復させるための睡眠が必要になりますが、大型犬の場合は回復に要する時間が小型犬や中型犬に比べて長めです。
大型犬の体は筋肉量や骨格などが充実しており、体全体を十分にリラックスさせて休める必要があります。
また、睡眠中には成長ホルモンが分泌され、体の修復や筋肉の再生が行われますが、体が大きければそれだけ修復や再生の必要が増えるのです。
さらに、大型犬は関節や筋肉にかかる負担も大きいため、リカバリーに十分な時間が求められます。
大型犬の健康や長寿を保つためには、しっかりとした睡眠環境を整え、必要な睡眠時間を確保することが非常に重要です。
体の大きさが同じでも犬種によっても睡眠時間が異なる
同じ体の大きさを持つ犬であっても、犬種によって睡眠時間には差が見られる場合があります。これは犬種によって遺伝的特性や活動レベル、性格などが変わるためです。
例えば、ゴールデン・レトリバーのように活発な性格を持つ犬種は、日中に多くのエネルギーを使うため、休息や睡眠を長めにとってエネルギーを回復させる傾向があります。
一方で、ブルドッグなどの穏やかな性格の犬種は、普段の活動量が少なく、ストレスに対しても強いため、リラックスして短時間の睡眠を細かくとる場合が多いです。
犬種ごとの特性に合った休息と睡眠を確保すると、健康と活力を維持できるため、飼い主は愛犬の犬種ごとの性格や生活習慣に合わせた休息環境を整えるとよいでしょう。
犬は冬になるとよく寝る?
犬は寒い季節になると、夏に比べて睡眠時間が増える場合がよくあります。なぜなら、気温が低くなると体温を保つためのエネルギー消費が増えるからです。
犬はもともと適応力が高く、寒さが厳しくなると自らの体温を維持しようとしますが、その際に体力が使われるため、回復に長めの休息を必要とします。
また、犬も季節の変化による日照時間の減少を敏感に感じ取り、日が短くなると活動量を抑え、体を休ませようとする傾向が見られるのです。
さらに、室内の温度が低い場合、犬は本能的に体温を逃さないよう丸まって寝ることが多く、体を温めるために眠るようになります。
特に寒さに弱い犬種や小型犬、高齢の犬などは、冷えが体に負担をかけやすいため、快適な睡眠環境が重要です。
温かい場所で安心して眠れるように、毛布やペット用の保温マットを用意するなど、冬場の工夫をするとよいでしょう。
犬が寝てばかりの時に気をつけておきたい注意点
次に、犬が寝てばかりの時に気をつけておきたい注意点を紹介します。体調不良や病気の可能性もあるので、飼い主は病気かどうか判断できるようになりましょう。
体調不良を訴えていることもある
犬が寝てばかりいる場合、単に眠って休んでいるだけではなく、体調不良のサインを示している可能性もあります。
犬は本能的に体調の悪さを隠す傾向があるため、普段と違う行動や変化を見逃さないことが大切です。
特にいつもよりもぐったりしている、反応が鈍い、体を丸めて寝ているといった状態が続く場合は、体調不良の可能性が考えられます。
例えば、内臓の不調や慢性的な痛み、体のどこかに違和感があると、犬は活動を控えて安静に過ごそうとする場合が多いです。
また、季節の変わり目や食事、環境の変化も、犬にとってストレスになり体調に影響を与える場合があります。
そのため、環境が変わった直後に睡眠時間が極端に増えた場合も注意しましょう。
他にも、感染症や寄生虫による体調悪化も考えられるため、体調不良の兆候がある場合は、健康チェックを行うことが重要です。
病気が考えられる状況は?
次に、犬が寝てばかりの時に病気が考えられる状況を紹介します。
- あまりにも睡眠時間が長すぎる
- いつもより元気がない
- 起きている時に遊びたがらない
- 食事量が減った
愛犬の状況が当てはまる場合はすぐに病院に連れて行きましょう。
あまりにも睡眠時間が長すぎる
まず、病気が考えられる状況はあまりにも睡眠時間が長すぎる時です。犬の睡眠時間は年齢や体格に応じて異なるものの、成犬で12〜15時間程度とされています。
しかし、明らかにその範囲を超えて長い時間眠っている場合、何らかの健康問題が隠れている可能性が高いです。
特に普段の生活習慣が急に変化し、以前に比べて寝ている時間が増えた場合には注意しましょう。
犬も年齢を重ねるにつれて眠る時間が増える傾向がありますが、急激に睡眠時間が増加する場合には、内臓系の病気やホルモンの異常、感染症などが関与している場合もあります。
加齢による睡眠時間の変化や活動の減少であれば問題がないことが多いですが、急な変化の場合には健康チェックを行うことが重要です。
定期検診を行い、特に心臓や腎臓、肝臓などの主要な臓器の健康状態を確認しましょう。
いつもより元気がない
次に、病気が考えられる状況はいつもより元気がない時です。犬が通常よりも元気がなく、活動的でない場合、体調不良のサインである可能性があります。
特に若い犬や活発な犬種で、急にエネルギーが低下したように見える場合には注意が必要です。
元気のない状態が長引く原因としては、内臓疾患や慢性の痛み、感染症、関節炎などさまざまな健康問題が考えられます。
また、犬もストレスを感じると活動量が減りやすいです。環境の変化や新しい家族、生活リズムの乱れなども原因となり得るため、何が原因かを見極めましょう。
さらに、元気がないと感じる時には、愛犬の食欲や排泄の様子も確認しておくと良いです。これらの症状を確認すると、より具体的な健康状態の判断が可能になります。
他にも、頻繁に嘔吐する、呼吸が乱れるといった症状が見られる場合も、早めに獣医師に診てもらいましょう。
起きている時に遊びたがらない
3つ目に、病気が疑われる状況は起きているのに遊びたがらない時です。
犬にとって遊ぶことはエネルギー発散だけでなく、飼い主とのコミュニケーションの一環になっています。
そのため、興味を示していたおもちゃや遊びに反応しなくなるのは、何かしらの異常が生じている可能性が高いです。
例えば、痛みや不快感がある場合、犬は無理に動こうとはしません。関節の痛みや筋肉痛、内臓疾患による不快感が原因で、動くこと自体が負担になっている場合もあります。
さらに、ストレスやうつ状態も犬の遊びに対する意欲を低下させる原因です。犬は環境の変化や家族構成の変化に敏感であり、精神的な負担となる場合があります。
何日も遊びたがらない状態が続く場合には、愛犬がどのような状態であるかを冷静に観察し、必要であれば獣医に相談してみると良いでしょう。
食事量が減った
最後に、病気が疑われる状況は食事量が減った時です。
犬は本来、食事に対して興味を示すケースが多いため、食欲がなくなるのは身体的・精神的に何かしらの問題を抱えている兆候と言えます。
例えば、消化器系の不調や口内の痛み、内臓疾患、腫瘍などが食欲不振の原因となる場合が多いです。
また、犬も年齢を重ねるにつれて食欲が減少しますが、急激な食事量の変化や、食べない日が何日も続く場合には注意しましょう。
さらに、ストレスやうつ状態も犬の食欲に影響を与えるため、日常生活における変化も確認しておくと良いです。
食事量の減少が続く場合には、体重の減少や栄養不足による体力低下が懸念されるため、早めに獣医に相談し、適切な治療や食事改善を行いましょう。
睡眠パターンが急に変化した時も要注意
犬が寝てばかりの時に睡眠パターンが急に変化した時も要注意です。体調を崩している可能性があるので、変化について詳しくみていきましょう。
体調が悪いと逆に眠れなくなることも
犬の睡眠パターンが急に変化し、特に眠る時間が減少する場合は、体調の不良が原因となっている可能性があります。
通常、犬は健康である限りよく眠る傾向にあり、特に活動時間と休息時間のバランスを保つことが自然です。
しかし、体調が悪くなると、痛みや不快感、ストレスが睡眠を妨げ、逆に眠れなくなることがあります。
例えば、関節の痛みや消化器系の不調、または呼吸器疾患があると、横になって眠る姿勢を取るのが辛くなり、短時間の睡眠しかできない状態に陥る場合があるのです。
特に年齢を重ねた犬では、関節炎や腰痛などの慢性的な痛みが影響しやすいため、寝る時に苦痛を感じると、長時間の安眠が取れなくなる場合があります。
また、呼吸器系の異常がある犬は、横になると呼吸が浅くなり、さらに不安や不快感を引き起こすため、長時間の睡眠が取れないケースが少なくありません。
まとめ
今回は、犬の睡眠時間について紹介しました。犬の睡眠時間は人間と比べて長い傾向にあり、約12〜15時間睡眠をとります。
犬の睡眠時間が長いのは浅い眠りであるレム睡眠が多いからです。また、冬になると体温の維持に体力を使うためよく眠る傾向にあります。
ただ、あまりにも睡眠時間が長かったり、食欲や活力が低下したりしている場合は病気の可能性があるので注意が必要です。
犬の睡眠パターンや症状を定期的に確認して、犬の健康に異常はないか判断しましょう。