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はじめに
いつもきちんとトイレができていた犬が、急に粗相をするようになったというケースは少なくありません。
犬が粗相をする際はわざとの場合もあるので、飼い主は正しい原因を理解して適切に対処することが大切です。
今回は、犬の粗相について紹介します。わざと粗相する理由や対処法を解説するので、犬が過ごしやすい環境を整えられるようにしましょう。
まずは「粗相」なのかを確認
まずは、犬の粗相はわざとなのかについて紹介します。
- マーキングの可能性
- うれしょんの可能性
- 老化や病気の可能性
それぞれ詳しく紹介するので、犬の粗相はどのように起こるのか理解しましょう。
マーキングの可能性
まず、犬が家の中で粗相をする場合、マーキングの可能性があります。マーキングとは、犬が自分の存在を示すために尿を使って特定の場所に印を付ける行為です。
マーキング行為は、特に未去勢のオス犬に多く見られますが、メス犬や去勢・避妊済みの犬でも見られる場合があります。
マーキング行動の背景には、縄張り意識やストレス、不安、または環境の変化などが影響しているのです。
犬は、他の犬の匂いがする場所や新しい家具、人が多く集まる場所でマーキングする場合があります。これは、自分の存在を主張し、安心感を得るための行動です。
また、飼い主が新しいペットを迎えたり引っ越しをしたりすると、犬は環境の変化に対応しきれず、マーキング行動をする場合があります。
マーキングが原因の場合、トイレトレーニングの問題とは異なるため、まずは行動の原因を理解し、適切な対応を取ることが重要です。
また、マーキングが頻発する場所をしっかり掃除し、専用の消臭剤を使って犬の匂いを完全に取り除きましょう。
うれしょんの可能性
次に、犬が粗相をする場合、うれしょんの可能性があります。うれしょんとは、興奮や喜びの感情が高まりすぎたときに、意図せずに尿を漏らしてしまう行動です。
特に子犬や感情のコントロールが未熟な若い犬に多く見られますが、成犬や高齢犬でも強い感情を感じた際に起こる場合があります。
うれしょんは、飼い主が帰宅した際やお気に入りのおもちゃで遊ぶとき、あるいは褒められたときなどに発生しやすいです。
うれしょんは犬自身が意図して行うわけではなく、膀胱をコントロールする筋肉が緩んでしまうことが原因で起こります。そのため、飼い主が叱るって解決するものではありません。
対応方法としては、犬が過度に興奮しないよう、接し方を工夫しましょう。例えば、帰宅した際にはすぐに犬に注目せず、犬が落ち着くまで待ってから声をかけると効果的です。
また、褒める際には穏やかな声と仕草を心掛け、犬の興奮を抑えましょう。
老化や病気の可能性
最後に、犬の粗相が急に増えた場合、老化や病気が原因の可能性もあります。高齢犬になると、膀胱や尿道の筋力が衰えるため、尿を適切にコントロールするのが難しいです。
また、老化に伴う認知症の影響でトイレの場所を忘れてしまう場合もあります。トイレトレーニングの問題ではなく、健康状態の変化が原因となっている可能性があるのです。
さらに、病気が原因で粗相が起こる場合もあります。尿路感染症や膀胱炎、腎臓病、糖尿病などは、頻尿や尿漏れを引き起こす代表的な病気です。
病気は早期発見と適切な治療が重要なので、粗相以外に飲水量や食欲の変化、体重の減少、尿の色や匂いの異常などの症状が見られる場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。
老化や病気が原因の場合、対策としては環境を整えることが有効です。トイレの場所を増やしたり、犬が移動しやすいよう床を滑りにくくしたりして、粗相の頻度を減らしましょう。
犬がわざと粗相をする理由とは
次に、犬がわざと粗相をする理由を紹介します。
- トイレの環境が悪い
- トイレトレーのサイズが合っていない
- 寝床とトイレが近すぎる
- 構ってほしい
- ストレスを感じている
- 決められた場所以外でトイレをしたい
それぞれ詳しく紹介するので、犬が粗相をする場合はどれに当てはまるかチェックしましょう。
トイレの環境が悪い
まず、犬がわざと粗相をする理由はトイレの環境が悪いからです。犬は本能的に清潔な場所で排泄をしたいと考えています。
そのため、トイレが汚れている、湿っている、または強い匂いがする場合、別の場所で排泄をする場合があるのです。
適切な対応として、トイレを清潔に保つことが重要です。使用済みのトイレトレーはこまめに掃除し、尿や便の匂いが残らないようにします。
また、トイレの素材や消臭スプレーの匂いが犬にとって不快である場合もあるため、犬が快適に感じる環境を作るよう心がけましょう。
さらに、トイレを犬がリラックスして利用できる静かな場所に設置することも効果的です。
トイレ環境が悪い場合、犬は不満を表現するために、わざと他の場所で粗相をする場合があります。
特に、トイレの掃除頻度が少ない場合、犬はトイレを使わなくなり、他の場所で排泄する可能性が高いです。
粗相を防ぐためには、日頃からトイレ環境に気を配り、清潔で快適な状態を維持しましょう。
トイレトレーのサイズが合っていない
次に、犬がわざと粗相をする理由はトイレトレーのサイズが合っていないからです。犬は自分の体が自由に動ける十分なスペースがないと、排泄を不快に感じる場合があります。
トレーが小さすぎると、排泄中にトレーの外にはみ出してしまう場合があり、その結果、トイレではなく他の場所で排泄する行動が見られるようになるのです。
トイレトレーを選ぶ際には、犬の体のサイズや成長を考慮することが大切です。子犬の時は小さめのトレーでも大丈夫ですが、成長に伴い適切なサイズに買い替える必要があります。
また、特に大型犬の場合は、一般的なトレーでは狭すぎるケースが多いため、大型犬用の広めのトレーを選ぶことがおすすめです。
さらに、トイレトレーが不安定で滑りやすいと、犬は利用することに不安を感じる可能性があります。
トレーの下に滑り止めマットを敷いたり、安定感のあるデザインのものを選んだりして、犬が安心して利用できる環境を整えましょう。
寝床とトイレが近すぎる
3つ目に、犬がわざと粗相する理由は寝床とトイレが近すぎるからです。本能的に犬は寝床を清潔に保ちたいという強い欲求を持っています。
そのため、トイレが寝床のすぐ隣にあると、落ち着いて排泄ができず、別の場所で粗相をする可能性が高まるのです。
特に小型犬や室内で飼われている犬の場合、スペースが限られているため、寝床とトイレの距離が近くなる場合もあると思います。
しかし、犬が快適に過ごせるようにするためには、寝床とトイレの間に十分な距離を確保することが重要です。
理想的には、犬が歩いて移動できる程度の距離を設けるとよいでしょう。また、寝床とトイレの間に仕切りを設けると、犬にそれぞれの場所の役割を明確に伝えられます。
そうすると、犬は寝床をリラックスする場所、トイレを排泄のための場所と認識しやすいです。寝床とトイレの位置関係を見直し、犬が快適に過ごせる空間を作りましょう。
構って欲しい
4つ目に、犬がわざと粗相する理由は構ってほしいからです。特に飼い主が忙しくしていて犬に十分な時間を割けていない場合に見られます。
犬は、粗相をして飼い主の注意を引き、構ってもらえることを学習してしまう場合があるのです。
このような場合、飼い主が粗相に対して過剰に反応することが問題を悪化させる原因となります。
犬は叱られていても「自分に注目が集まった」と感じるため、行動が強化されてしまうのです。そのため、粗相をした際には冷静に対応し、癖にならないようにしましょう。
一方で、犬が飼い主の関心を求めている背景には、日常の生活における刺激や活動が不足している場合があります。
犬との遊びや散歩の時間を増やし、十分な運動や精神的な刺激を与えると、構って欲しいという要求行動の減少に効果的です。
また、犬が満たされていないと感じる欲求を特定し、それに応じたケアを行うと、粗相をする行動を防ぐことができます。
ストレスを感じている
5つ目に、犬がわざと粗相をする原因はストレスを感じているからです。犬は環境の変化や新しい生活習慣に対して敏感であり、適応できないとストレスを表現する場合があります。
例えば、引っ越し、新しいペットの迎え入れ、家族の構成の変化などがストレスの原因となるのです。ストレスが原因の場合、まずはその要因を特定し、取り除くか軽減しましょう。
たとえば、新しい環境に慣れる時間を与えたり、安心できる居場所を用意したりすると、犬の不安を軽減できます。
また、生活リズムを一定に保ち、犬が予測しやすい日常を提供することも重要です。
さらに、ストレスを軽減するためには、飼い主が犬に十分な時間を割いてコミュニケーションを取ることが欠かせません。
遊びや散歩、スキンシップを通じて犬の不安を取り除き、安心感を与えることが効果的です。
特に、ストレスの兆候が粗相以外にも見られる場合は、獣医師や専門家に相談することをおすすめします。
決められた場所以外でトイレをしたい
最後に、犬がわざと粗相をするのは決められた場所以外でトイレをしたいからです。犬は本能的に、自分が落ち着ける場所や気に入った場所で排泄したいと考える場合があります。
そのため、飼い主が指定したトイレの場所が犬にとって不快だったり、安心できなかったりすると、別の場所を選んで排泄するのです。
例えば、トイレの場所が騒がしい場所や通行人の多い場所にある場合、犬はそこを避けて静かな場所で排泄しようとする場合があります。
また、トイレが暗すぎる、寒すぎる、または暑すぎる環境にあると、犬はその場所での排泄を嫌がる可能性が高いです。
このような行動を防ぐには、犬にとって安心できるトイレ環境を見直しましょう。
犬が気に入る場所にトイレを設置し、必要に応じて配置を見直すと、決められた場所でのトイレ習慣を促進できます。
また、トイレトレーニングを行い、適切な場所で排泄することを褒めて強化することも効果的です。
犬のトイレトレーニングで大事なこと
次に、犬のトイレトレーニングで大事なことを紹介します。
- 失敗しない環境づくり
- 叱らないで褒める
- 排泄のサインを見逃さない
- 失敗した時のニオイを残さない
それぞれ詳しく紹介するので、上記を意識して普段からトイレトレーニングを実施しましょう。
失敗しない環境作り
まず、犬のトイレトレーニングで大事なのは、失敗を防ぐ環境作りです。
犬は学習の初期段階で、自分がどこで排泄するべきかを正しく理解できないため、飼い主が環境を整えると成功率を高められます。
トイレトレーニングの環境を整える際には、犬がトイレと認識しやすい場所を選びましょう。静かで落ち着けるスペースなど、人や他の動物の往来が少ない場所が適しています。
さらに、犬がトイレの場所を簡単に見つけられるように、トイレトレーやシートの配置を一定に保つことが大切です。
初期段階では、行動範囲を制限し、トイレ以外の場所で排泄しにくい状況を作りましょう。
例えば、ケージやサークルを活用し、トイレにアクセスしやすい状態を維持することがおすすめです。
また、トイレトレーの素材や匂いにも注意しましょう。犬が嫌がる匂いや素材を避け、快適に利用できるものを選ぶと、トイレへの抵抗感を減らせます。
叱らないで褒める
次に、トイレトレーニングで大事なのは叱らないで褒めることです。犬はポジティブな経験によって学習を進める動物であり、叱ると恐怖心や不信感を抱く可能性があります。
むしろ、適切な場所で排泄できた際に、しっかりと褒めてあげると、その行動を繰り返すようになるのです。
例えば、犬がトイレで排泄した瞬間に、優しい声で「いい子」と褒めたり、おやつを与えたりしましょう。
ポジティブな体験を繰り返すと、犬は「トイレで排泄する=良いことが起こる」と理解しやすくなります。
一方で、失敗した場合には、何も言わずに静かに片付けるのが基本です。失敗した行動に反応すると、犬は「粗相をすると注目される」と誤解する恐れがあります。
特に子犬の場合、トイレの学習は時間がかかるので、焦らず成功体験を積み重ねましょう。
叱らずに褒めるトレーニング方法を一貫して続けると、犬との信頼関係も深まり、トイレトレーニングがスムーズに進みます。
排泄のサインを見逃さない
3つ目に、トイレトレーニングで大事なことは排泄のサインを見逃さないことです。
一般的な排泄のサインとして、床の匂いを嗅ぎ回る、同じ場所をぐるぐる歩き回る、または落ち着きがなくなるといった行動が挙げられます。
排泄のサインを見つけたら、すぐにトイレに誘導することがポイントです。特に子犬は排泄のタイミングが一定で、食後や寝起き、遊びの後などに排泄のサインがよくみられます。
そのため、タイミングを把握し、定期的にトイレに連れて行きましょう。
また、犬がトイレに行きたい気持ちを自然に伝えられるように、トイレトレーニングの初期には見守る時間を増やすことが効果的です。
排泄のサインに気付いたら、すぐにトイレの場所に誘導し、成功した際にはしっかり褒めることを忘れないでください。
飼い主が注意深く観察し、犬の排泄のサインに即座に対応することが、スムーズなトレーニングの鍵となります。
失敗した時のニオイを残さない
最後に、トイレトレーニングで大事なことは失敗した時のニオイを残さないことです。
犬は嗅覚が非常に優れており、一度排泄した場所の匂いが残っていると、再びトイレと認識してしまう可能性があります。
そのため、失敗した際には、適切な方法で徹底的にニオイを消すことが必要です。まず、粗相をした場所を速やかに掃除しましょう。
水や専用のペット用クリーナーを使用して汚れを取り除き、その後、消臭スプレーを使用して匂いを完全に消します。
この際、人間には匂いが消えたように感じても、犬には残っている場合があるため、ペット用の強力な消臭剤を使うことが重要です。
また、カーペットやソファなど、布製品の上で粗相をしてしまった場合は、洗剤や酵素クリーナーを使って洗浄しましょう。
さらに、犬が粗相をしやすい場所に防止策としてマットを敷いたり、アクセスを制限したりすると、再発を防ぐこともできます。
犬のトイレトレーニングでこんな行為はNG
次に、犬のトイレトレーニングにおけるNG行動を紹介します。
- 失敗するたびに「トイレ」という言葉を教え込む
- トイレに連れて行き、排泄をじっと待つ
- 失敗した場所に連れて行き責める
それぞれ詳しく紹介するので、誤って行なっていた場合はすぐにやめるようにしましょう。
失敗するたび「トイレ」という言葉を教え込む
まず、犬のトイレトレーニングのNG行動は、失敗するたびに「トイレ」という言葉を繰り返すことです。
犬は自分の行動に関連した言葉を学習しますが、失敗したタイミングで「トイレ」と言われると、ネガティブなイメージを抱いてしまう可能性があります。
例えば、失敗した後に叱るような口調で「トイレ」と繰り返されると、犬は「トイレ」という言葉自体が怒られる状況と結びついてしまい、混乱してしまうのです。
本来、トイレトレーニングはポジティブな体験を基本とするべきであり、正しい行動が取れた際に「トイレ」という言葉を使うと、犬は正しい行動として学習できます。
適切な使い方としては、犬がトイレの場所に行ったタイミングで「トイレ」と声をかけ、成功した場合に褒める、またはおやつを与えるなどして良い経験を結びつける方法です。
失敗時には言葉を使うのではなく、静かに片付け、正しい行動をしたときに言葉を用いましょう。
トイレに連れて行き、排泄をじっと待つ
次に、犬のトイレトレーニングのNG行動は犬をトイレに連れて行き、排泄するのをじっと待つことです。
排泄をずっと待つ方法では、犬にプレッシャーを与える可能性が高く、トイレそのものがストレスの要因になりかねません。
犬は自然なリズムで排泄する生き物です。飼い主が長時間じっと待つと、犬が「排泄しなければならない」というプレッシャーを感じ、逆に排泄をためらうようになります。
また、トイレの場所やタイミングが合わないと、犬は排泄の欲求を抑えてしまい、健康にも悪影響を及ぼしやすいです。
適切なトレーニング方法としては、犬が排泄のサインを見せたタイミングで、自然にトイレに誘導しましょう。
例えば、犬が床の匂いを嗅ぎ回る、ぐるぐる歩き回るなどのサインを見たら、静かにトイレの場所に連れて行ってください。
この際、飼い主はプレッシャーを与えず、自然な排泄を待つ姿勢が大切です。
失敗した場所に連れて行き責める
最後に、犬のトイレトレーニングのNG行動は失敗した場所に連れて行き責めることです。
責める方法は、犬にとって混乱を引き起こすだけでなく、恐怖心やストレスを与え、飼い主との信頼関係を損なう可能性があります。
犬は失敗した行為と叱られる行為を結びつけるのが難しいため、過去の行動を責められても理由を理解できません。
特に、粗相をした直後ではなく時間が経ってから叱られた場合、犬は何が原因で怒られているのかを全く理解できない可能性があります。
このような状況では、犬が「飼い主が怖い」と感じるだけで、トイレトレーニングの効果が失われてしまうのです。
そのため、失敗が起こった場合には無言で片付け、ニオイをしっかり取り除くことに集中しましょう。
そして、次回は失敗を防ぐために環境を整えたり、犬の排泄のサインを見逃さないように注意したりすることが重要です。
成功した際にはしっかり褒めて、ポジティブな学習体験を通じてトイレの場所を覚えさせましょう。
まとめ
今回は、犬の粗相について紹介しました。犬は、マーキングやうれしょん、老化や病気などで粗相をする場合があります。
犬がわざと粗相をする場合は、トイレ環境の悪さやトイレトレーが合っていない、ストレスや構ってほしい気持ちなどが原因です。
犬にトイレトレーニングをする場合は失敗しない環境をつくり、叱らず褒めることを徹底しましょう。
また、排泄のサインを見逃さず、失敗した時もニオイを残さないよう処理することが大切です。