PETSTART 
DOG
CAT
ペットスタート 
ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
- はじめに
- 犬にアメリカンチェリーを与えても大丈夫？
- アメリカンチェリーに含まれる栄養素
- 犬に与えるときの適量は？
- 犬にアメリカンチェリーを与えるときの注意点
- 犬が食べられるアメリカンチェリー以外の果物は？
- まとめ
はじめに
人間がおいしいと思う食べ物を、大切な愛犬にも食べさせてあげたいとお考えの飼い主さんもいるのではないでしょうか。
今回ご紹介するアメリカンチェリーは、サイズも手頃で柑橘類と違い酸味も少ないので、ご自身が食べているときに、おすそ分けしてあげたくなってしまいますよね。
でも、ここで「犬にアメリカンチェリーを与えても大丈夫なの？」と心配になってしまう飼い主さんも多いでしょう。
せっかくおいしいおやつのつもりで食べさせたのに、それが原因で体調を崩してしまったら大変です。
そこで今回は、犬にアメリカンチェリーを与えたらどうなるのか、また、どのような点に気を付ければよいのか、疑問に思っている飼い主さんに向けてくわしく解説いたします。
犬にアメリカンチェリーを与えても大丈夫？
まず結論として、犬にアメリカンチェリーを与えても問題ありません。アメリカンチェリーは甘味が強く犬が好むため、与えたら喜んで食べてくれるでしょう。
アメリカンチェリーは水分が豊富で、水分補給になるほか、ビタミンなどの栄養素からいろいろな効果が期待できます。また、愛犬の体に悪影響を与えるような成分もなく、安心して食べさせることができる果物です。
種とヘタの部分は与えない
体に害もなく、犬が好む味をしているアメリカンチェリーですが、食べる際には種やヘタがついたまま与えないでください。
種の中には「アミグダリン」という有毒成分が含まれており、アメリカンチェリーを丸ごと食べて種を砕いてしまうと、種の中に含まれるアミグダリンにより中毒症状を引き起こしてしまうことがあります。
中毒になると、嘔吐や下痢、さらに呼吸困難やけいれんを起こして意識障害まで起きることもあります。
実際には少量で中毒になることはほとんどなく、大量に種を食べない限りはそれほど心配する必要はありませんが、中毒症状には個体差があり、少量でも何か体に異常を起こしてしまう可能性も考え、種は除いてから与えるようにしましょう。
また、毒性だけでなく、種やヘタの部分は食べてしまうと大変消化に悪く、消化管が狭い子犬や小型犬などは体内に詰まらせてしまうこともあります。
種を1粒食べてしまった程度でしたら、自然に排泄されることが多いため、それほど心配はいりませんが、万が一大量に種やヘタを食べてしまった場合には、病院での催吐処置が必要になることもあるので、種もヘタも取り除いてから与えてください。
果肉のみ少量与える
アメリカンチェリーは犬に与えても問題ありませんし、実際に与えてみればほとんどの子が、「もっとほしい」とおねだりをしてくるでしょう。しかし、食べ過ぎはよくありません。
そもそも主食であるドッグフードで必要な栄養素を摂ることができていれば、他のもので栄養補給をする必要はありません。
また、アメリカンチェリーに含まれているソルビトールという成分は、人間にとっては便秘の改善など体に役に立つ成分ですが、犬が過剰摂取すると、下痢を引き起こす可能性があります。
ほかに糖分も多く含まれているため、たくさん食べてしまうと肥満の原因にもなってしまうので、与える際にはおやつ程度の量にとどめて食べ過ぎないように調整してあげてください。
子犬に与えるときにも注意が必要です。子犬の消化器官は未発達であり、食べ慣れていないものを食べると体調を崩してしまい、下痢や嘔吐などを引き起こしてしまうことがあります。
種やヘタを取ることはもちろんですが、皮も消化があまり良くないので皮をむいて、小さくしてから少量ずつ与えてみましょう。
高齢犬も同様に、消化器官が弱くなってくるため、皮ごと食べさせるのは避けてください。少量でもお腹が緩くなってしまったり、吐いてしまったりするようならば、必ず与えなければならないものではありませんので、やめておきましょう。
アメリカンチェリーに含まれる栄養素
アメリカンチェリーは甘くておいしいおやつという役割だけでなく、愛犬の健康にもさまざまな役割を果たしてくれます。
アメリカンチェリーに含まれている、代表的な栄養素をご紹介します。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートする役割を持っているため、毛細血管や、歯、骨の健康維持に役立ちます。ほかにも鉄分の吸収促進、解毒作用、ホルモンの代謝などさまざまな面から健康を支えてくれる栄養素です。
かつて犬は自分のブドウ糖からビタミンCを生成できるため、ビタミンＣの摂取は必要ないと考えられていましたが、現在では、犬も中高齢期になるとビタミンCの生成能力が低下して、ビタミン欠乏症になってしまうこともあることがわかっています。
そのため、5歳を過ぎたらビタミンCを摂取することが望ましいです。
βカロテン
βカロテンは体内で、必要に応じてビタミンAに変換されて働いてくれます。抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐほか、体内の活性酸素を取り除く働きや、健康な被毛や視力、皮膚や粘膜などの健康維持にも役立っています。
ビタミンAが不足すると、免疫力が低下するため注意が必要です。
葉酸
葉酸はビタミンB群に属しており、ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」と呼ばれています。
細胞の生産や再生に大きな役割を果たしており、体の発育に重要なビタミンです。
葉酸が不足すると、赤血球が足りずに貧血を起こすことがあり、あわせて免疫力の低下も引き起こすことがあります。
カリウム
カリウムは細胞に水を引き込む力である浸透圧を調整する役割やナトリウムを排出する作用があるため、過剰な塩分の摂り過ぎを調節します。
カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿による排泄を促す働きをしますが、腎機能に問題がある場合、腎臓に負担がかかるため、過剰摂取にならないよう調節が必要です。
マグネシウム
マグネシウムは健康維持に欠かせない必須ミネラルの1つで、骨や歯を形成している栄養素です。
体内の細胞に存在して、300以上の酵素の働きを手助けしながら、筋収縮、神経系、心機能の維持に不可欠であるほか、カルシウムと深く関わりながら血管を拡張し血圧を下げる働きをします。
鉄分
鉄分は、血液中に酸素を運ぶ役割のほか、脳が正常に働くためのコントロール機能、コラーゲンの生合成に役立つ栄養素です。
鉄分が不足すると、これらの機能に大きく影響を及ぼすほか、免疫力が落ち、体調を崩しがちになってしまうことがあります。
また、鉄分が不足することで貧血になりやすくなるため、食事による補給が欠かせません。
犬に与えるときの適量は？
愛犬にアメリカンチェリーを与える際に、欲しがるだけ与えてしまうことはおすすめしません。
毎日総合栄養食のドッグフードを食べていれば、体に必要な栄養素を補充することができているので、アメリカンチェリーを与えるのは栄養補給のためではなく、あくまでおやつという認識で与えてください。
糖分を多く含んでいるため、食べ過ぎると肥満の原因になりますし、消化機能があまり強くない子の場合には、嘔吐や下痢を引き起こすこともあります。
１日に摂取して良い量の目安
一般的に、1日のカロリー摂取量の10〜20％までが適量とされていますが、おやつで与えるので、カロリー摂取量で考えるよりも、ほんの少し食べさせてあげる程度にとどめておきましょう。
小型犬であれば1〜2個、大型犬でも5個くらいを目安にして与え過ぎには注意してください。
犬にアメリカンチェリーを与えるときの注意点
加工品は与えない
アメリカンチェリーに限らず、なんらかの手が加えられている加工品を犬に与えるべきではありません。
本来の栄養素以外の、愛犬にとって健康を害する可能性のものが入っていることが多く、体に異常をきたす可能性があります。
砂糖や添加物が含まれている
加工品には、砂糖が含まれていることがあり、少量の摂取でも大量の糖分を摂取することになり、肥満の原因にもつながります。
ほかにも食品添加物も多く含まれていることがあるため、人間よりも体の小さい犬にとっては、体に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
細かく刻んでから与える
種やヘタを除いた状態で、細かく刻んで与えるのが望ましいです。
消化管への負担を軽減できる
どうしても丸飲みしてしまうことが多く、喉に詰まらせてしまうと危険であることや消化器官への負担を軽減させる意味でも、細かく刻んで少量ずつ与えるようにしてください。
特に子犬や高齢犬の場合、消化器官が弱いため、少量しか食べていなくても嘔吐や下痢になることがあります。
体が未発達な子犬や、機能が衰えている高齢犬にアメリカンチェリーを与えるときには、種やヘタ以外に皮も取り除き少量だけ食べさせて様子を見ながら与えてください。
アレルギー症状に気をつける
体質によって、アメリカンチェリーの摂取で食物アレルギーを発症してしまうことがあります。
アレルギーは免疫機能がタンパク質に対して異常な反応を見せることで発症します。アメリカンチェリーには少量ですが、タンパク質が含まれているため、アレルギーを起こす可能性があります。
含まれているタンパク質が少量であるため、アレルギーを起こす可能性は高くはありませんが、犬によっては個体差があり少量でも症状が出ることがあります。
そのため、初めて食べさせるときには少量だけ与えて、体に異常が出ていないか様子を見て、問題なければ徐々に増やしていくようにしてください。
食物アレルギーの症状
食物アレルギーでよくみられる症状として皮膚症状と、消化器症状があります。
皮膚症状は、目や口周り、耳や足先、脇や腰回りなどにかゆみが発生し、掻き続けてしまうため、皮膚が傷付いて赤くなり炎症を起こしてしまいます。
食物アレルギーを引き起こす食べ物を摂取し続けていると、アレルギーの症状はずっと続いてしまい、悪化するおそれがあるので、これまで問題なかった愛犬が、新しい食べ物を食べたあとに皮膚を頻繁に気にするしぐさをみせたら、与えるのを中止してみてください。
消化器症状は、アレルギーの対象となる食べ物を摂取すると、嘔吐や下痢を繰り返し体重の減少などがみられるようになります。
皮膚症状と併発して起きることが多いため、もしアメリカンチェリーを与えて、嘔吐や下痢を繰り返し、体を掻く仕草を頻繁に見せる、炎症を起こすなどの症状が出るようならば食物アレルギーの可能性が高いので、食べさせるのをやめて、動物病院を受診してください。
与えすぎに注意
愛犬にアメリカンチェリーを与えても、健康な犬ならば、体に悪影響を与えることはほとんどありません。
しかし、たくさん与えてしまえば、場合によっては体調を崩してしまうことも考えられます。
毎日食べているドッグフードが「総合栄養食」であれば、本来、成長や健康維持に必要な栄養素は足りています。
そのため、アメリカンチェリーはあくまでおやつの位置づけで、主食にはならないので与えすぎないよう注意しましょう。
糖質が多いため肥満の原因に
果物全般にいえることですが、アメリカンチェリーには多くの糖分が含まれています。適量以上に与えすぎてしまうと、糖質の摂り過ぎで体重が増えて、肥満になってしまいます。
肥満になってしまうと、体のさまざまな部分に悪影響が出るだけでなく、食事制限が必要になることもあります。
下痢や嘔吐などの消化器症状が出ることも
アメリカンチェリーを食べ過ぎてしまうと、胃腸の調子を崩してしまい、嘔吐や下痢になることがあります。また、アメリカンチェリーに含まれているソルビトールという成分は人間にとっては便秘解消などに役立ちますが、犬はソルビトールの大量摂取によりこちらも下痢などの消化器症状が出ることもあるので注意しましょう。
犬が食べられるアメリカンチェリー以外の果物は？
犬にとって果物はおいしい食べ物ですが、すべての果物を食べることができるわけではありません。
犬が食べてはいけない果物の代表的なものといえば、ブドウが挙げられます。ブドウの場合には少量でも中毒を起こし、最悪の場合には死に至ることもあるため絶対に食べさせてはいけません。
愛犬が食べることができる果物を、飼い主さんが知らないと、誤って食べてはいけない果物を口にしてしまうこともあり大変危険です。
ここでは、愛犬がおいしく食べられる果物を3点ご紹介します。アメリカンチェリー以外の果物を愛犬に食べさせてあげようとするなら、これらの果物がおすすめです。
リンゴ
りんごは犬が食べても問題ありません。りんごには抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれており、病気の予防や老化防止に役立ちます。
また、水溶性食物繊維である「ペクチン」は腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす働きにより腸内環境を整えてくれるので、便秘の解消とともに免疫力の向上が期待できます。
カリウムには不要な塩分を尿と一緒に排出することにより、血圧の上昇を防ぐ効果がありますが、腎機能が低下している場合には、余分なカリウムを排出できなくなり「高カリウム血症」になる恐れがあるため、注意が必要です。
ほかにも、疲労回復効果のある「クエン酸」や「りんご酸」、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、葉酸など愛犬の健康に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
健康のためにもりんごはおすすめできる果物ですが、与え過ぎは良くありません。たくさんりんごを食べてしまえば、1日に必要な摂取カロリーを超えてしまい肥満につながってしまうため、たくさん与えて栄養補給をするというより、少量をおやつとして与える程度にとどめてください。
また、リンゴの皮には栄養素が豊富に含まれているため、そのまま与えても問題ありませんが、種と芯はきれいに取り除いて与えましょう。
まれにアレルギーを発症する可能性があるので、初めて与える際には少量だけ与えて、異常がないか確認してください。
イチゴ
イチゴも愛犬に与えても問題ありません。抗酸化作用があり、目の健康維持に役立つ「アントシアニン」や腸内環境を整える食物繊維の「ペクチン」、皮膚や粘膜などの健康維持に役立つ「ビタミンC」など豊富な栄養素が含まれています。
イチゴには犬が中毒症状を起こす可能性のあるキシリトールが含まれていますが、イチゴに含まれているキシリトールは天然キシリトールと呼ばれているもので、その量もわずかなため、大量にイチゴを食べなければ特に問題ありません。
与え方は、ヘタを取り丸飲みしてしまわないよう、少量を小さく刻んでから与えるようにしましょう。
イチゴもアレルギーを発症しないよう、最初は少量だけ与えて様子をみてください。
バナナ
バナナも愛犬に与えても問題ありません。バナナにはブドウ糖や果糖、でんぷんなどの糖質がほかの果物よりも多く含まれており、それぞれ吸収スピードが異なるため、持続的にエネルギーを補給できます。
食物繊維も多く含まれており、便通改善や糖質の吸収を緩やかにするなどの効果が期待できます。ほかに代謝をスムーズにするビタミンB1やビタミンB2、カリウムやマグネシウム、カルシウムなど多くのミネラルを摂取することができます。
食べてはいけない部位は少ないですが、人間が食べるときと同様に皮は取り除いてください。
栄養素が豊富で腹持ちも良いバナナですが、食事の代わりに与えてはいけません。必要な栄養素はドッグフードからバランスよく摂る必要があるので、あくまでおやつとして少量与えてください。
エネルギー源として多くの糖質が含まれているバナナですが、食べ過ぎてしまうと肥満の原因になったり、腹持ちが良いためお腹が空かずに主食を食べなくなったりすることがあるので注意してください。
最初は少量を与え、アレルギーのような症状が出た場合には食べさせるのをやめておくようにしましょう。
まとめ
アメリカンチェリーは犬に与えても問題ない果物です。
愛犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれており、身体に悪影響を及ぼす成分がないため、安心して食べさせることができます。
注意点として、主食ではなく、あくまでおやつという位置づけなので、種とヘタを取り除いて少量与えるようにしてください。
まれにアレルギーを発症することもあるので、最初は飼い主さんがしっかりと観察しておきましょう。
気分転換やストレス解消に果物を食べさせるなら、今回ご紹介したアメリカンチェリーはおすすめできるので、機会があれば試してみてはいかがでしょうか。
