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- はじめに
- 犬のうんちが緑色なのは異常?
- 犬のうんちが緑色になるのはどんなとき?
- 犬のうんちの理想的な色は?
- 犬のうんちの色が変わる原因
- 犬のうんちでよくある緑以外の色と病気の可能性
- 犬のうんちの色が異常なときの対処法は?
- 犬のうんちをチェックするときのポイント
- まとめ
はじめに
愛犬の健康状態を確認するのに、毎日のうんちをチェックしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
色や量、硬さがいつも通りならば安心できますが、突然緑色のうんちをしていたら、飼い主さんはびっくりしてしまうと思います。
体のどこかに異常をきたしている可能性も考えてしまうでしょう。しかし犬のうんちの色が変わるのは病気だけが原因ではありません。
また、緑色以外にもいつもと違う色のうんちをすることもあります。そこで犬のうんちの色が変わるのはどのようなときで、どのように対処すればよいのか、いつもと違う色のうんちが出るのはなぜなのか、くわしく解説します。
犬のうんちが緑色なのは異常?
犬のうんちが突然緑色になったら、飼い主さんは、愛犬がどこか異常をきたして病気なのではないかと心配するでしょう。
犬のうんちがいつもと異なるのは、食べ物によるものや、腸内環境が原因のもの、病気が原因となるものなど理由はさまざまです。
たまたま食べたものが原因で緑色のうんちが出るときは、あまり心配いりません。心配なケースは病気が原因で、うんちの色が緑になってしまっているときです。
緑色のうんちをした際に、同時に体調が悪そうなしぐさをしていたら、異常のサインかもしれないので、状況に応じて動物病院を受診してください。
犬のうんちが緑色になるのはどんなとき?
犬のうんちが緑色になる理由について、もう少しくわしくみていきましょう。
うんちの色が変わるのはいろいろな理由が考えられますが、緑色のうんちをする一般的な例をご紹介します。
野菜や草をたくさん食べた
犬のうんちは食べたものにより大きく変化します。緑色の場合にはドッグフード以外に、緑の野菜をたくさん食べたりすると、その色がそのままうんちに出ることがあります。
散歩中や公園などで遊ばせたときに、草を食べる子がいますが、そのような習慣がある子は緑色のうんちをしやすい傾向があります。
また、クロロフィルなど緑の色素が入っているガムなどをおやつとして与えたときにも、うんちの色が緑になることがあります。
食べたもので、うんちが一時的に緑になり、その後嘔吐や下痢などの中毒症状が出ないようならば、心配する必要はありませんが、時間が経ってから症状が出る場合もあるので、しばらくは様子をみておきましょう。
胆のうや消化器系の病気
食事などに緑のものが多く含まれることもなく、特に心当たりがないにも関わらず、緑のうんちをしている場合には、消化器系の病気が疑われることがあります。
緑色の物を過剰摂取する以外で、うんちが緑色になるのは、胆汁に含まれるビリルビンという成分が影響しています。
ビリルビンは通常なら消化していく過程で、大腸内の腸内細菌によって分解され、腸から再吸収されて尿として排出されます。
しかし、消化器系のトラブルを起こしている場合、再吸収されず腸内に蓄積されてしまい、腸管内の空気に触れることで酸化して緑色になるので、緑色のうんちが排出されてしまいます。
このようなケースでは、消化器系の病気が疑われるので、緑のうんちが出るような心当たりがないときは動物病院で調べてもらいましょう。
犬のうんちの理想的な色は?
そもそも、毎日愛犬がしているうんちは理想的な色をしているのでしょうか。
日によって色が違うこともあれば、毎日ほとんど変わらない子もいると思います。犬のうんちの理想的な色は何色なのか、飼い主さんは知っておく必要があります。
茶色からやや濃い茶色
犬のうんちの理想的な色は、茶色からやや濃い茶色です。ほかにも黄色がかった黄土色のようなうんちなどがありますが、毎日食べている食事の内容や、おやつ、腸内環境などによってそれぞれ色が多少異なる部分もありますが、茶色や濃い茶色におおむね近ければ特に問題ありません。
毎日、食事を変えずに同じものを与えていれば、本来うんちの色が大きく変わることはありません。大切なのは、健康な状態で愛犬が毎日するうんちの色を飼い主さんが覚えておくことです。
そうすれば、うんちの色に変化があった場合でも、すぐに気付くことができ病気などの早期発見につながる可能性が高くなります。
犬のうんちの色が変わる原因
犬のうんちが、変わってしまうのにはさまざまな原因がありますが、一般的に以下の3点によって色が変わってしまうことが多くみられます。
1つずつ詳しく解説いたします。
食事の内容
健康な犬でも、食事によってうんちの色は変わります。
今回ご紹介している緑のうんちは、野菜や草を多く摂取した際にみられるように、食事内容によってうんちの色が変化することがあるのでみていきましょう。
一般的には、肉や魚などのタンパク質が多いドッグフードを食べると、黒っぽいうんちが出る傾向があります。これは肉や魚に含まれている鉄分などミネラルの影響を受けているためで、栄養も多く、消化吸収率も高いためうんちの量も少なくなると考えられています。
一方で、穀類などの植物性の食事を多く摂ると、うんちの色が黄色っぽくなる傾向があります。肥満対策のフードに多くみられ、うんちの量も多くなりますが、食事によって変化するうんちの色は、病気などではないことがはっきりしているため、心配はいりません。
また、カルシウムを多く摂りすぎると白い便になることもあり、着色料を使用しているフードなどを食べたときにも、その色がうんちに出ることがあります。
腸内環境
腸内環境によってもうんちの色は変化します。肉を多く含んだフードの場合、腸内はアルカリ性になり、色の濃い茶褐色から黒っぽいうんちになり、穀類や食物繊維を多く含んだフードを食べていると、腸内が酸性になりうんちの色がやや薄く黄色っぽい色になります。
病気
うんちの色の変化で注意しなければならないのは、病気が原因で変色しているケースです。黒いうんちや、赤いうんち、白のうんち、緑のうんちなどがあり、色によってさまざまな原因が考えられます。
黒いうんちの場合、食事によっても同じような色のうんちをする傾向があるため、判別がしづらいですが、病気が原因の場合、嘔吐や下痢、食欲不振や軟便など色以外にもこれらの異常がみられることが多いので、総合的に判断してください。
また、うんちに出血などが混じっているときも、身体に異変が起きている可能性があるので、少しでも病気が疑われるような場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
犬のうんちでよくある緑以外の色と病気の可能性
緑のうんちが出るのは野菜や草をたくさん食べたときや、消化器系の病気が疑われるときがあると解説いたしました。しかし、それ以外の色が出るときにも考えられる理由があります。
特に飼い主さんが心配なのは、病気によってうんちの色が変わっているときでしょう。
前述した緑以外の変色したうんちが出るときに、それぞれ考えられる原因について解説していきます。
黒色
うんちの理想の色は、茶色いうんちなので、茶色がかった黒いうんちは少し判断しづらい点もありますが、明らかに黒いうんちが出ることがあります。いつも健康な茶色いうんちをしていた愛犬が、いつもより色の濃い黒っぽいうんちをしたら、なにか原因があるかもしれません。
黒色のうんちが出る病気以外の原因
病気以外で黒いうんちが出る原因は、食事が影響している可能性が高いです。肉や魚などのタンパク質が多く含まれている食材を使用しているときには、一時的にうんちが黒くなることがあります。
また、鉄分を含んだサプリメントなどを摂取している場合にも、黒いうんちが出ることがあり、病気との判断に迷ったら、健康に影響が出ないようでしたら、少しのあいだサプリメントの摂取を中止してみてください。通常のうんちの色に戻れば、病気ではないと判断できるでしょう。
黒色のうんちが出る病気
病気が原因でうんちが出るときは、胃腸からの出血が原因であることが多いと考えられています。
特に、胃や小腸などの上部消化管で出血が起こった場合に、うんちが黒くなる傾向があります。上部消化管のどこかが傷ついて出血した血液が、腸を通過してうんちになるまでの間に時間がかかり、黒く変色するため、黒いうんちが出るようになります。
考えられる病気として、ウイルスや寄生虫、細菌などによる胃腸炎や消化管内の腫瘍、誤食による消化管内の異物などが挙げられます
これらの条件によって、黒いうんちをすることがありますが、病気かどうかの判断をするのは難しいでしょう。最近フードを変えたり、いつもと違うものを与えたりしていれば、色が変わることがあるので、体調に影響がなければ大きな問題ではありません。
しかし、食事に心当たりがなく、何日も続けてうんちが黒くなる場合や、元気がなく、食欲が低下したり、日を追うごとに黒さが増して行ったりするときには病気の可能性が高くなるので、すみやかに病院へ行って調べてもらいましょう。
赤色
赤いうんちの場合には、比較的色を判別しやすいため、見落とす心配はないでしょう。赤いうんちはいわゆる血便の可能性が高いため、体になんらかの異常をきたしている可能性が高くなるため、注意が必要です。
赤色のうんちが出る病気以外の原因
病気以外で、赤いうんちが出るケースは多くはありませんが、トマトなどの赤い食べ物を与えた場合や、赤い着色料を使用した食べ物を食べたときに赤色が混ざったうんちをすることはあります。
また、環境の変化により一時的にストレスを抱えて血の混ざったうんちをすることがあります。
このようなうんちが出ても、具合が悪そうな様子もなく、ある程度原因がはっきりとしており、嘔吐や下痢をしていないようでしたら、少し様子をみてもよいでしょう。
赤色のうんちが出る病気
病気の疑われる赤いうんちの場合、ほとんどが血便と考えてよいでしょう。体内で出血して時間が経過しているものは黒いうんちになりますが、出血によりうんちが赤く見えるのは鮮血が付着しているためです。
出血している箇所から排泄されるまでの時間が短いため、出血の箇所は大腸や肛門など近い場所からの出血が考えられます。
疑われる病気はさまざまで、肛門の裂傷や、食物アレルギーによる出血もあります。ゼリー状のうんちに血液が混ざっているときには大腸の粘膜が傷つき剥がれ落ちて粘液になり排泄されている可能性があります。
これらの症状は、出血が治まれば正常な状態に戻ることが多いので、少し様子を見てもよいでしょう。
しかし、ゼリー状の血便でもほかに嘔吐やぐったりとした症状がみられたら、細菌感染が疑われます。特に子犬に多くみられる「犬パルボウイルス感染症」は命に関わる危険性もあるため、血便とともに体調が悪そうな状態のときにはすぐに動物病院を受診してください。
また、特に体調が悪そうでなくても、出血が治まらずに血便が出続けているときも、治療が必要なことがあるので病院へ連れていきましょう。
白色
白いうんちは、真っ白なうんちが出るというよりも、一部が白くなっているものや、透明からグレーっぽいゆるいうんちであることがほとんどです。
白いうんちが出ることはそれほど多くはありませんが、ゆるいうんちの場合には病気の可能性があり、特に注意しておきましょう。
白色のうんちが出る病気以外の原因
おやつなどで、白い色のカルシウムを多く含んだものを与えたときに、消化不良を起こしやすく、うんちの一部に残ってしまい白が混ざったうんちが出ることがあります。
カルシウムを多く含むものとして、骨のおやつがありますが、ほかにも骨の形に似せた小麦粉を主成分としたおやつがあります。
犬はカルシウムを多く摂取すると、消化不良を起こす事がありますが、小麦粉を分解する酵素も体内に多く持っていないため、さらに消化不良を起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。
犬用ガムが消化しづらい子もいるため、おやつをあげたあと白いうんちをするようでしたら使用を中止して様子をみてください。
また、病気ではないですが、紙類やプラスチック、クッションの綿などを誤食してしまい消化できずにうんちに混在していることもあります。この場合にはうんちとして出ても、まだ体内に残っていると腸閉塞を起こしてしまうことがあります。
腸閉塞は、大変危険なのでたくさん食べてしまっているのに、あまりうんちとして出ていないときは特に注意しましょう。
白色のうんちが出る病気
病気の可能性のあるうんちは、緩く一部が白っぽく見えることが多くなります。
うんちの一部に白い粒々や糸状のものが混ざっていたら寄生虫の可能性があるため、すぐに病院で駆虫してもらう必要があります。
胆管や胆のうのトラブルで胆汁がうまく分泌されないときにも、白いうんちが出ることがあります。
胆管に何か詰まっていたり、肝臓の異常で胆汁がうまく作られなかったりするとこのようなことが起こります。
ほかに、膵臓から消化酵素が出なくなってしまう、「膵外分泌不全」によって白いうんちが出ることがあります。
膵外分泌不全が原因の場合、うんちが白くなるほかに、においがきつくなり、消化酵素がないため脂肪が消化されずにそのまま出てしまうなどの症状がみられます。
白いうんちが出て、病気が疑われる場合には、症状を悪化させないためにも早期の受診をおすすめします。
犬のうんちの色が異常なときの対処法は?
愛犬が、いつもと違う色のうんちをした際に、食事などで心当たりがないときは病気などが心配になります。
うんちの色が異常で、健康状態が心配なときは原因を突き止めなければなりません。
そのための対処法について解説します。
うんちを保管する
うんちに異常を見つけたら、獣医師の診断を受けるために保管しておくようにしましょう。
できれば当日に動物病院を受診するのが望ましいですが、夜間などであればしっかりと密封して冷暗所で保管してください。
注意したいのが、ペーパーでうんちを包んで保管してしまうと、水分が蒸発してしまい、正しい診断ができないことがあるので、できればラップやビニールなどで保管するようにしてください。
液状のうんちで、うまく採取できない場合には、プラスチックのスプーンなどですくって袋で保管してもよいでしょう。
その日の様子をメモしておく
病気が原因でうんちの色に異常があるときは、その前後に変わった様子はなかったか記録しておきましょう。
食欲があるか、ぐったりとしていないか、うんちの回数はいつもと比べて多くないか、嘔吐していないかなど、いつもと少しでも違う様子があればメモに取って記録しておきましょう。
次にうんちをした時間も記録しておき、通常時と比べてどれくらいの変化があったかなども残しておくと、病院での診断の参考になります。
動物病院を受診する
病気が疑われる場合には、できるだけ時間を置かずに動物病院を受診した方がよいでしょう。
その際に、正しい診断と治療をおこなってもらうために、保管したうんちと愛犬の様子を記録したメモなどを必ず持参しましょう。
緊急性があるかどうか判断がつかないときは、自己判断ではなく動物病院に電話して獣医師の指示を仰いでください。
犬のうんちをチェックするときのポイント
犬のうんちには色以外にも、体調の変化を表すポイントがいくつか存在します。愛犬の健康維持のためにも毎日のチェックをおすすめします。
回数
子犬の場合は、うんちの回数が多く、1日に5回〜6回する子もいますが、成犬になると1〜3回くらいになります。
食事の量や個体差によりうんちの回数が異なるため、必ず3回でなければいけないわけではなく、健康な状態の愛犬が、毎日何回うんちをするのか把握しておくことが重要です。
形状
健康な犬のうんちの形状は、適度な軟らかさで、バナナのような形をしています。コロコロしているうんちをいくつもしている場合や、ほとんど形の確認できないうんちは、水分が足りなかったり、体調を崩して緩くなっていたりする可能性があります。
におい
健康なうんちは、それほど強いにおいを発してはいません。食事の内容によってにおいが変わることがありますが、もし何もしていないのに、うんちのにおいが変化したら病気の可能性があります。
病気になると、体内の環境悪化によってにおいがきつくなることが多いです。特に寄生虫などの場合には独特の腐敗臭がすることもあります。
硬さ
体調を崩した犬のうんちは緩くなることが多く、形がかなり崩れているか、ゼリー状の液体が混ざった水のようなうんちになることがあります。
反対に硬いうんちの場合は、体調を崩しているというよりも、水分が不足している可能性があるので、出血等がなければ少し様子をみてもよいでしょう。
また、緩いうんちに、血が混ざっているときは、病気の可能性や誤食により消化器官が傷ついて出血していることが考えられるので、動物病院を受診してください。
まとめ
犬のうんちの色について解説いたしました。緑のうんちというのは明らかに通常と異なるため、初めて見た飼い主さんは大変驚いてしまうと思います。
ここで大切なのは、今回ご紹介したように食事による一時的なものなのか、病気のサインなのかをしっかりと見分けることです。
これは緑のうんちに限らず、他の色のうんちをしても同様です。
もし、愛犬のうんちに変色などの異常がみられたら、当記事を参考にして見落とすことがないよう適切に対処してあげてください。