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【獣医師監修】犬にセロリを与えても大丈夫!適量や与えるメリットを解説

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はじめに

犬にセロリを食べてしまった時に与えても大丈夫か気になる方は多いと思います。セロリは健康に良い効果があるので与えても大丈夫です。

ただ、誤った与え方をすると病気のリスクを高めるので、適量などの食事管理が欠かせません。

今回は、犬へのセロリの与え方について詳しく紹介します。適量や与えるメリットも解説するので、ぜひセロリを食事に活用してみてください。

犬が食べても良いセロリの量は?

まず、犬が食べても良いセロリの量を紹介します。体重によって与えられる量が変わるので、愛犬に当てはめて考えてみてください。

体重3㎏:約200g(茎1.6本)

まず、体重3kgの犬に与える適切なセロリの量は約200g、茎に換算すると約1.6本が目安です。小型犬は胃腸が小さく、消化能力が大型犬よりも弱いため、適量を守りましょう。

セロリには食物繊維が多く含まれており、腸内環境を整える効果が期待できますが、摂りすぎると下痢や消化不良を引き起こす可能性があります。

特に茎の部分は固いため、食べやすくするために細かく刻むか、軽く加熱して柔らかくしてから与えましょう。

また、初めてセロリを与える際は、少量から始め、犬の体調を観察することが大切です。

体重3kgの犬には1.6本すべてを一度に与えるのではなく、数回に分けて与えると負担が少なくなります。

体重5㎏:約300g(茎2.4本)

次に、体重5kgの犬にはセロリ約300g、茎にすると約2.4本が適量とされています。小型犬に比べてまだ消化能力が限られているため、与える際には注意が必要です。

セロリは低カロリーで水分量が多く、肥満気味の犬やダイエット中の犬にも適していますが、与えすぎると栄養バランスが崩れる恐れがあります。

そのため、セロリはおやつや補助食として与えるのが適切です。また、茎のスジが残っていると飲み込みにくいため、事前にスジを取り除くことをおすすめします。

犬がセロリを好む場合でも、1日の摂取量を守り、体調や便の状態を確認しながら与えるよう心掛けましょう。

体重10㎏:約525g(茎4.6本)

次に、体重10kgの犬の場合、適量はセロリ約525g、茎に換算して約4.6本が目安です。

約525gは1日の食事全体に占める割合としても多くなりすぎないように注意する必要があります。

また、セロリは食物繊維が豊富で、便秘の解消や腸内環境の改善に役立つ一方、大量に与えると逆に下痢や軟便を引き起こすリスクがあるので注意しましょう。

犬が初めてセロリを口にする場合は、少量を与え、消化に問題がないかを観察してください。また、大型犬でもセロリの茎は硬いため、細かく刻んで与えると消化しやすいです。

茎の部分を噛むのが難しい場合は、軽く茹でて柔らかくし、食べやすさを向上させましょう。

体重15㎏:約708g(茎6.2本)

次に、体重15kgの犬には、セロリ約708g、茎に換算して約6.2本が適量です。体重15kgの犬は比較的消化能力が高いため、セロリを補助食として与えるのに適しています。

ただし、708gすべてを一度に与えるのではなく、1日の食事に分けて加えるのが理想的です。

セロリは腸内環境を整え、豊富な水分とミネラルで疲労回復や体温調節の効果が期待できます。

一方で、茎のスジが固く飲み込みにくい場合があるため、取り除くか加熱して与えるのがおすすめです。

また、普段からドライフード中心の食事をしている犬には、セロリの新鮮な風味が刺激となる場合があります。少量ずつ取り入れて、犬の嗜好や体調に合わせて量を調整しましょう。

体重20㎏:約883g(茎7.7本)

次に、体重20kgの犬には、セロリ約883g、茎に換算して約7.7本が適切な量とされています。

大型犬にとって、セロリは低カロリーでビタミンやミネラルを含む健康的なおやつです。ただし、セロリの水分量が多いため、摂りすぎると頻尿を引き起こす可能性があります。

また、セロリは茎が硬く、葉の部分には苦味があるため、犬が好んで食べない場合も多いです。

その場合は、刻んでドッグフードに混ぜたり、少量の鶏肉スープと一緒に茹でて与えたりするなど工夫をすると食べやすくなります。

体重20kgの犬でも、初めて与える際には少量から始め、様子を見ながら量を増やすことが安全です。

体重25㎏:約1041g(茎1株と茎1.2本)

最後に、体重25kgの大型犬には、セロリ約1041g、茎1株と茎1.2本分が適量とされています。

大型犬は小型犬に比べて消化器官が強いため、セロリをそのまま食べることも可能ですが、茎のスジを取り除き、消化しやすく細かく刻むのがおすすめです。

セロリにはビタミンCやβカロテンなどの抗酸化成分が含まれており、健康維持や免疫力向上に役立つため、大型犬の食事に適量を取り入れると多くのメリットを得られます。

ただし、1日の摂取量を超えないよう注意が必要です。

また、セロリの茎を噛むと歯石の除去効果も期待できますが、硬さが犬に合わない場合は加熱して柔らかくしてから与えると良いでしょう。

犬にセロリを与えるメリットは?

次に、犬にセロリを与えるメリットを紹介します。

  • 腸内環境を改善
  • 疲労回復
  • 塩分を体外に排出し、血圧を下げる
  • ビタミンCやβカロテンなど豊富なビタミン類

それぞれ詳しく紹介するので、愛犬に与えたい効果があるかチェックしましょう。

腸内環境を改善

まず、犬にセロリを与えるメリットは腸内環境を改善できる点です。セロリには水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。

不溶性食物繊維は腸内で膨らみ、便のかさを増やして腸の運動を促進するため、便秘の予防や改善に効果的です。

一方、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やすエサとなり、腸内フローラのバランスを整える効果があります。

その結果、犬の消化機能が向上し、栄養の吸収効率が高まるとともに、免疫力の向上にもつながるのです。

また、セロリには水分も多く含まれており、腸内を適度に潤す役割を果たします。さらに、便が硬くなるのを防ぎ、排便をスムーズにするのにも効果的です。

ただし、食物繊維の過剰摂取は消化不良や下痢を引き起こす可能性があるため、適量を守ることが重要です。

さらに、セロリを与える際には、消化を助けるために細かく刻んだり、軽く加熱して柔らかくしたりしましょう。

疲労回復

次に、犬にセロリを与えるメリットは疲労回復できる点です。セロリは犬の疲労回復に役立つ食材として注目されています。

セロリにはカリウムが豊富に含まれており、体内の余分なナトリウムを排出し、電解質バランスを整えるのに効果的です。

運動後や暑い季節などで犬が体力を消耗した際、カリウムを含むセロリを適量与えると、疲労回復をサポートする効果が期待できます。

また、セロリにはビタミンB群も含まれており、エネルギー代謝を助けるのにも重要です。

特に、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換するのを助け、体を効率的に動かすために欠かせません。

さらに、セロリは水分が多く、運動後の脱水症状の予防にも役立ちます。水分補給と同時に栄養を摂取できるため、体力を回復させる理想的なおやつとして利用可能です。

塩分を体外に排出し、血圧を下げる

3つ目に、犬にセロリを与えるメリットは、塩分を体外に排出し、血圧を下げる効果がある点です。

セロリにはカリウムが多く含まれており、犬の体内から余分な塩分を排出する働きがあります。

現代の犬の食生活では、加工されたおやつや人間の食べ物を誤って口にする機会が増え、塩分過多になりやすいです。

塩分の摂りすぎは、犬の腎臓や心臓に負担をかけ、長期的には高血圧や腎臓病の原因となる可能性があります。

セロリを適量与えることで、カリウムがナトリウムの排出を促進し、血圧の上昇を抑える効果が期待できるのです。

また、セロリに含まれるアピインという成分には、血管を拡張させる作用があり、血流を改善する効果があるとされています。

これにより、犬の血圧を自然な形で安定させることが可能です。ただし、腎臓や心臓に疾患がある犬やカリウム摂取に制限がある場合は、事前に獣医師に相談しまよう。

ビタミンCやβカロテンなど豊富なビタミン類

最後に、犬にセロリを与えるメリットはビタミンCやβカロテンなどビタミン類が豊富な点です。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、犬の免疫力を高める効果が期待できます。

また、ストレスや病気、加齢によるダメージから体を守るのにも効果的です。

特に、体内でビタミンCを合成する能力が低下している老犬にとっては、セロリを適量与えると健康を維持できます。

一方、βカロテンは体内でビタミンAに変換され、視力の維持や皮膚、被毛の健康を維持するのに重要です。また、抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐこともできます。

その結果、犬の全身の健康を保つだけでなく、病気のリスクを軽減できるのです。

セロリを与える際には、ビタミンの吸収を助けるために細かく刻むか、軽く茹でて柔らかくしましょう。

ただし、与えすぎは逆効果となる可能性があるため、適量を守りながらバランスの良い食事に取り入れてください。

犬にセロリを食べさせる時の注意点は?

次に、犬にセロリを食べさせる時の注意点を紹介します。誤った与え方をすると病気を悪化させるリスクもあるので必ずチェックしましょう。

葉っぱも一緒に与える

まず、セロリを犬に与える際には、茎だけでなく葉っぱも一緒に与えましょう。セロリの葉は茎以上に栄養が含まれており、特にβカロテンやビタミンC、カリウムなどが豊富です。

豊富な栄養素は犬の健康維持に重要な役割を果たし、免疫力を高める効果が期待できます。

また、葉には抗酸化作用のある成分が含まれているため、細胞の老化を防ぎ、病気の予防に効果的です。

ただし、セロリの葉は独特の香りや苦味があるため、犬によっては好まない場合があります。そのため、葉を細かく刻んだり、茹でて柔らかくしたりして食べやすくしましょう。

また、葉の部分も茎と同様に消化しにくい場合があるため、過剰に与えないよう注意が必要です。最初は少量を与え、犬の反応を見ながら徐々に量を調整するとよいでしょう。

葉を含めたセロリを適切に取り入れると、犬に必要な栄養を効率的に補うことができます。

茎のスジを取り除く

次に、犬にセロリを与える際は、茎のスジを取り除きましょう。セロリの茎のスジは硬く、そのまま与えると犬にとっては消化しにくい場合があります。

特に小型犬や消化機能が弱い犬にとっては、腸閉塞の原因となる可能性もあるため注意が必要です。

そのため、セロリを犬に与える際は、茎のスジを丁寧に取り除きましょう。スジを取り除く方法は簡単で、ピーラーなどを使って茎の外側のスジを削ぎ取るだけです。

取り除くひと手間でセロリが柔らかくなり、犬が食べやすくなるだけでなく、消化もスムーズになります。

また、スジを取り除くと、栄養素の吸収効率も向上することが可能です。セロリをおやつとして与える場合や食事に加える場合でも、犬が安全に食べられるよう工夫しましょう。

消化しやすいように細かく刻む

次に、セロリを犬に与える際は、消化を助けるために細かく刻みましょう。セロリの茎や葉は繊維質が多く、そのままの形状では消化が難しい場合があります。

特に小型犬や消化機能が発達していない子犬、消化力が低下している老犬にとっては、未消化のまま腸内に留まるリスクがあるため注意が必要です。

細かく刻むと、犬の胃腸への負担が軽減されるだけでなく、セロリに含まれる栄養素を効率よく吸収できるようになります。

さらに、細かくするとセロリの硬さが軽減され、犬が噛みやすくなるため、誤飲のリスクも低下することが可能です。

また、細かく刻んだセロリは、フードに混ぜたりトッピングとして使いやすくなり、犬にとっても食事が楽しいものになるでしょう。

より食べやすくするためには熱を加える

次に、セロリを犬に与える際、より食べやすくするためには軽く熱を加えましょう。

生のセロリは繊維が硬く、消化に時間がかかる場合がありますが、茹でたり蒸したりすると柔らかくなり、犬が噛みやすくなります。

また、熱を加えるとセロリ特有の香りや味が和らぎ食べやすくなるため、セロリをあまり好まない犬でも受け入れやすいです。

熱を加える際は、塩や調味料を一切使用しないようにしまよう。犬にとって過剰な塩分や調味料は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、加熱時間が長すぎるとセロリに含まれるビタミンや酵素が失われる場合があるため、軽く茹でる程度で十分です。

柔らかくしたセロリはフードに混ぜたり、トッピングとして使ったりすると食事にバリエーションを持たせられます。

少量ずつ与える

次に、犬にセロリを与える際は少量ずつ与えましょう。セロリは栄養豊富な食材ですが、与えすぎると消化不良や下痢を引き起こす可能性があります。

特に初めて与える場合は、犬の体質に合うかどうかを確認するためにも、ほんの少量を試すことが大切です。

セロリは食物繊維を豊富に含むため、適量を守れば腸内環境を整えるのに役立ちますが、過剰摂取は腸に負担をかける可能性があります。

最初は、犬の体重や体調に応じて1回あたりの量を少なく設定し、徐々に増やしていくのが理想的です。

また、セロリを与えた後は、犬の便や体調に異変がないか観察するようにしましょう。

少量を守りつつ、バランスの良い食事の一部として取り入れると、セロリを安全に楽しむことができます。

アレルギーに注意

次に、犬にセロリを与える際には、アレルギー反応に十分注意しましょう。

セロリは栄養豊富で健康に良い食材ですが、犬によってはセロリに含まれる特定の成分に対してアレルギーを持っている場合があります。

アレルギー反応は、皮膚のかゆみや赤み、下痢、嘔吐、呼吸困難などの症状です。症状が見られた場合は、速やかにセロリの摂取を中止し、動物病院で診察を受けましょう。

初めてセロリを与える際は、少量からスタートし、犬の様子を観察することが重要です。

特に、食物アレルギーの既往がある犬や、他の野菜でアレルギー反応を起こした場合がある犬には注意してください。

また、アレルギーのリスクを軽減するためには、新鮮なセロリを選び、農薬の残留が心配な場合はしっかり洗浄するか、有機栽培のものを選ぶと良いでしょう。

さらに、セロリ以外の新しい食材を同時に与えることは避けることが大切です。アレルギー反応が出た場合に原因を特定しにくくなります。

子犬や老犬(シニア犬)に与えても大丈夫

次に、セロリを子犬や老犬(シニア犬)に与える際には特に配慮が必要です。

子犬や老犬は消化器官が未熟または弱く、硬い食材や繊維質の多い食材を消化するのに時間がかかる場合があります。

そのため、セロリを与える際は、細かく刻んだり茹でたりして柔らかくするなど、消化を助ける工夫を行いましょう。

子犬は成長期にあるため、必要な栄養をバランスよく摂取することが最優先されます。セロリは栄養豊富ですが、主食ではなく補助的な位置づけとして少量与えるのが適切です。

一方、老犬は活動量が減少し、代謝が落ちるため、過剰なカロリーや栄養素の摂取を避ける必要があります。セロリを与える場合も、体調に合わせた量を調整することが大切です。

また、子犬や老犬が初めてセロリを食べる際には、消化不良やアレルギー反応が出る可能性があるため、少量ずつ試しましょう。

腎臓病や心臓病を患っている犬には与えない

次に、腎臓病や心臓病を患っている犬には、セロリを与えないようにしましょう。

セロリは高いカリウム含量を誇り、カリウムは体内で重要な役割を果たしますが、腎臓や心臓に問題を抱える犬の場合、カリウムの摂取量に制限が必要な場合が多いです。

腎臓病の犬は、体内でカリウムを適切に排出するのが難しく、過剰なカリウムが血液中に蓄積されると「高カリウム血症」を引き起こす恐れがあります。

そのため、心拍の不整や呼吸困難などの深刻な症状が現れる可能性が高いです。また、心臓病の犬もカリウムの摂取量が過剰だと、心臓のリズムに影響を与える可能性があります。

特に、心臓病の犬にとっては過剰なカリウムが心筋に負担をかけ、心拍数が異常になるリスクを高めやすいです。

そのため、腎臓病や心臓病を患っている犬にセロリを無理に与えることは避けましょう。

カリウムの摂取制限を行っている犬には与えない

最後に、セロリにはカリウムが豊富に含まれており、通常は健康な犬にとって有益な栄養素ですが、カリウム摂取に制限がある犬には適していないです。

特に、腎臓疾患や心臓病を持つ犬に関しては、過剰なカリウムが体内に蓄積されると健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、カリウム摂取を制限する必要があります。

腎臓病を患っている犬は、腎機能が低下しているため、カリウムを効率的に排出するのが難しいです。

その結果、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす場合があります。

高カリウム血症は、心臓のリズム異常や筋肉の麻痺を引き起こす恐れがあり、最悪の場合には生命に関わるので注意が必要です。

カリウムの摂取制限が必要な犬に対しては、セロリを与えることは避けましょう。

まとめ

今回は、犬へのセロリの与え方を紹介しました。セロリは栄養素が豊富な野菜であり、腸内改善や疲労回復、血圧の低下などの効果が期待できるので与えても問題ありません。

ただし、犬の体重に合わせて適量を与えるようにしましょう。また、犬にセロリを与える際は、茎のスジを取り除いてから葉っぱと一緒に細かく切り、熱を加えることが大切です。

他にも、アレルギー反応に注意して少量ずつ与えるようにし、腎臓病や心臓病の犬やカリウム摂取制限をしている犬には与えないようにしてください。

セロリーをうまく活用して、犬の健康をサポートしましょう。

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