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はじめに
犬は人間と同じで車酔いをするケースがあります。犬とのおでかけは楽しいものですが、犬が苦しんでいないか飼い主は定期的にチェックすることが大切です。
今回は、犬が車酔いをする原因を紹介します。
犬が車酔いした時の対処法や事前にできる準備も解説するので、犬が車の中で快適に過ごせるようにサポートしましょう。
犬も車酔いするの？
犬も人間と同じように車酔いをする場合があります。車酔いは乗り物に乗った際に内耳が刺激されて平衡感覚が乱れ、吐き気や不快感を引き起こす症状です。
犬も揺れによって平衡感覚が崩れるケースがあり、特に車内の独特な環境や動きに慣れていない場合に車酔いを起こしやすくなります。
子犬や幼犬は内耳が発達段階にあるため、車酔いしやすい傾向がありますが、成犬でも酔ってしまう場合があるため注意が必要です。
また、車内のニオイや音も、犬の車酔いに影響を与えます。
車のエンジン音や道路の走行音などは、人には気にならなくても犬にとっては不快な音となり、それがストレスや酔いの原因になりやすいです。
また、車内に香水や芳香剤の匂いが充満していると、犬にとっては刺激が強く、車酔いを引き起こす場合もあるため、環境には気を配りましょう。
犬が車酔いをしたときの症状
犬が車酔いをした際には、いくつかの典型的な症状が現れます。最もわかりやすいのはよだれが増える症状で、吐き気や不快感が原因です。
通常よりも多量によだれを垂らす場合は、車酔いを疑いましょう。また、唇や舌の色が変わり、顔つきも緊張したり、不安そうな表情になったりする場合が多いです。
さらに、あくびを繰り返す、呼吸が荒くなるといった動作も車酔いのサインです。これらの行動は、ストレスや不安を感じていることを示し、車酔いが原因であると考えられます。
他にも、犬によっては落ち着かなくなり、ソワソワしたり座ったり立ったりを繰り返したり、震えが出たりしやすいです。
そして、最も重い症状としては下痢や嘔吐があります。
犬が車酔いをする原因は？
次に、犬が車酔いをする原因を紹介します。
- 車内のニオイ
- 車の揺れ
- ストレス
それぞれ詳しく紹介するので、犬が車酔いする原因を見つけて対処できるようになりましょう。
車内のニオイ
まず、犬が車酔いをする原因は車内のニオイです。犬の嗅覚は非常に鋭く、人間の数万倍から数十万倍とも言われています。
そのため、私たちには気にならない車内のニオイでも、犬にとっては刺激が強すぎる場合があるのです。
例えば、芳香剤や消臭スプレーの香り、車内に残る食べ物の匂い、またガソリンやオイルの匂いなどが充満していると、気分を悪くさせる要因となります。
特に香水や芳香剤などの人工的な強い香りは、犬の嗅覚に過度な負担を与え、車酔いを引き起こしやすいです。
また、車内に残ったペットの匂いや他の動物の匂いも、敏感な犬にとっては不安の原因となる場合があります。
これらの匂いが犬にとって不快だったり、過去に不快な経験と結びついていたりすると、より車酔いを起こしやすいです。
車の揺れ
次に、犬が車酔いをする原因は車の揺れです。人間も船酔いや車酔いを起こすときに、揺れや振動が平衡感覚を乱す場合がありますが、犬にも当てはまります。
特に、急ブレーキや急発進、カーブが多い道路を走ると、車内での揺れが強まり、犬の体に負担がかかるのです。
車の揺れによって平衡感覚が崩れると、犬は不快感を感じ、吐き気やよだれ、さらには嘔吐といった症状が現れる場合があります。
また、後部座席やトランクに乗せると揺れを受けやすく、車酔いが起きやすくなるため、犬の乗せ方や位置にも気を配ることが重要です。
安全ベルトを使って適切な姿勢を保たせたり、車内でなるべく揺れが少ない場所に犬を座らせたりすると、犬の平衡感覚を保ちやすくなります。
ストレス
最後に、犬が車酔いをする原因はストレスです。車に慣れていない犬や過去に車内で不快な経験をしたことがある犬は、車自体に対して強いストレスを感じる場合があります。
たとえば、動物病院への通院が車に乗る唯一の体験であった場合、犬にとって車は不安や恐怖と結びついてしまい、緊張が車酔いの引き金となるのです。
また、車内での不安な状況や見知らぬ環境、エンジン音などが犬にとってストレスを感じさせる要因となる場合もあります。
犬が快適に過ごすためには、少しずつ車に慣れさせ、車を怖がらないようにする工夫が必要です。
たとえば、エンジンをかけずに車内で一緒に過ごしたり、短時間のドライブから始めたりして、犬が車内での環境に慣れていくようにしましょう。
犬が車酔いした時の対処法
次に、犬が車酔いした時の対処法を紹介します。
- 症状が落ち着くまで休憩する
- 休憩してもぐったりしている場合は病院へ
飼い主の入念なチェックが重要になるので、疑われる場合はすぐに実践してください。
症状が落ち着くまで休憩する
まず、犬が車酔いした時は車を安全な場所に停め、落ち着くまで休憩を取りましょう。車酔いによる不快感や吐き気を緩和するには、静かな環境で休むことが効果的です。
車の窓を少し開けて、新鮮な空気を入れると犬がリフレッシュしやすくなります。また、涼しい場所や日陰に車を停めると、犬がよりリラックスできるでしょう。
車酔いの症状が現れると、犬はよだれを垂らしたり頻繁にあくびをしたりする場合があります。サインが見られたら、早めの休憩を心がけてください。
休憩中は水分補給も忘れずに行うと良いです。車酔いで気分が悪くなっている犬でも、少量の水であれば飲めることがあります。
ただし、無理に水を飲ませると逆効果になるため、犬が飲みたがらない場合は無理に与えないようにしましょう。
休憩してもぐったりしている場合は動物病院へ
次に、休憩を取っても犬の様子が回復せずぐったりとしている場合は、速やかに動物病院で診察を受けましょう。
犬の車酔いが重症化すると、嘔吐や下痢を繰り返して脱水症状を引き起こす恐れもあります。
犬の食欲がなかったり、水分を摂取しても吐き戻してしまったりするときには、脱水や電解質のバランスが崩れている可能性があるため、専門的な治療が必要です。
また、犬が長時間にわたって吐き気を感じていると、大きなストレスとなり、精神的な不安が増してしまう恐れもあります。
動物病院では、症状に応じて点滴や吐き気を抑える薬を使用し、犬の状態を迅速に改善させることが可能です。
動物病院に連れて行く際は、できるだけ犬にストレスを与えないよう配慮しましょう。
犬が車酔いする時にできる対策は？
犬が車酔いをしないためには事前の対策が重要です。車に乗る前の準備と運転中にできる対策、車酔いした後の対策に分けて紹介するので、犬に快適に過ごしてもらうために必ず準備しましょう。
車に乗る前の準備
まず、車に乗る前の準備を紹介します。
- 空腹時や満腹時は避ける
- 車ないようにベットを準備する
- ペットシーツを敷いておく
- 芳香剤は使用しない
犬が車酔いしにくい状況の準備が大切ですので、詳しくみていきましょう。
空腹時や満腹時は避ける
はじめに、犬を車に乗せるときは、空腹や満腹の状態を避けましょう。
空腹時には胃の中に何もないため、車酔いが起きた場合に胃液を吐きやすく、また逆に満腹時は胃に食べ物が詰まっているため、揺れや不快感で吐きやすくなります。
どちらも犬にとって車酔いのリスクを増す要因となり得るため、食事のタイミングには気をつけてください。
理想的には、出発の2〜3時間前に軽めの食事を済ませておくと、胃に負担をかけず、車酔いのリスクを抑えることができます。
また、犬がドライブを快適に過ごせるようにするためには、胃の状態だけでなく水分補給にも配慮が必要です。
車に乗る前に水を少量だけ与えると水分不足を防げますが、飲ませすぎると揺れで吐き気が増す場合があるため、あくまで少量にとどめましょう。
車内用にベッドを準備する
次に、犬が車内で安定して過ごせるよう、専用のベッドを用意するのも車酔い対策に効果的です。
犬が座席の上で自由に動き回ると、急ブレーキやカーブで揺れるたびに体が傾き、不安定さが増して酔いやすくなります。
そのため、車内用のベッドを使用して、犬がリラックスできる環境を作ることが重要です。
ベッドは、犬が横になったり安心して座れたりするようなサイズと、ふかふかした素材のものを選ぶと良いでしょう。
また、車内用のベッドにはシートベルトやハーネスが装着できるタイプもあり、犬の安全を確保しつつ、体を固定して揺れを最小限に抑えることができます。
快適で安全な車内環境を提供することが、犬の車酔いを防ぐポイントです。
ペットシーツを敷いておく
3つ目に、犬が車内で車酔いをした場合や、体調不良で嘔吐してしまった場合に備え、ペットシーツを敷いておきましょう。
万が一、犬が吐いてしまってもペットシーツがあれば車内の汚れを防ぐことができ、すぐに交換して衛生的な環境を保てます。
特に長距離ドライブでは、犬がいつ体調を崩すか予測がつかないため、ペットシーツを座席やベッドの下に敷いておくと安心です。
ペットシーツは犬が車内でくつろいでいる際にも役立ちます。
車内での緊張や不安から粗相してしまう犬もいるため、事前に準備しておくと、飼い主も安心してドライブを楽しむことが可能です。
また、車酔いで嘔吐しやすい犬の場合、ドライブ中にシーツを交換できるよう、予備のペットシーツも用意しておきましょう。
芳香剤は使用しない
最後に、犬の鋭い嗅覚に配慮し、車内では芳香剤の使用を避けましょう。
人間にとって心地よい香りでも、犬には刺激が強すぎる場合が多く、車酔いを引き起こしてしまうのです。
特に香水や芳香剤の強い香りは、犬にとって大きなストレスや不快感の要因となり、呼吸をしづらく感じる場合もあります。
犬の嗅覚は人間の数万倍も優れているため、些細な香りの違いにも敏感です。芳香剤を使わない代わりに、ドライブ前に車内をしっかりと換気し、清潔な状態を保ちましょう。
車内の空気を常に新鮮に保つと、犬が安心して過ごせる環境を整えられます。
また、運転中も窓を少しだけ開けておくと、風通しが良くなり、犬にとって快適な空間が維持できるのでおすすめです。
運転中にできる対策
次に、犬が車酔いしないためには運転中にできる対策も重要です。車の運転の仕方でも工夫できるポイントがあるので、詳しくみていきましょう。
急な揺れが起きないように気をつける
まず、犬が車酔いしないようにするため、運転中の急な揺れが起きないように気をつけましょう。
急ブレーキや急発進、急なカーブは犬にとって負担が大きく、平衡感覚が乱れて車酔いを引き起こしやすくなります。
なるべくスムーズな運転を心がけ、犬にとって揺れが少ない状態を保つことが大切です。
また、ドライブ中は周囲の状況に注意を払い、犬がリラックスしていられるよう、安全な速度での運転を心がけてください。
そして、車内の揺れを減らすためには、犬用のシートベルトやキャリーケースを使用し、安定したポジションで犬が乗車できるようにしましょう。
そうすると犬が車の揺れを直接感じにくくなり、車酔いを防ぐ効果が期待できます。
寝ている間に移動する
次に、犬が車酔いしないためには、リラックスしている時間帯や寝ている間に移動するのも効果的です。
睡眠中や休息中の犬は平衡感覚が安定し、外部の刺激に対して敏感に反応しにくくなるため、車酔いのリスクが減少します。
特に日中活発な犬の場合、夜間のドライブや昼寝の時間帯に合わせて出発すると、車内で眠りにつきやすくなり、リラックスした状態で移動することが可能です。
また、寝ている間に移動することで犬にとって車の揺れがストレスとして認識されにくくなるため、車酔いしにくくなります。
眠っている犬を起こさないよう、静かな音楽をかける、窓を少し開けて風通しを良くするなど、快適な環境づくりにも配慮しましょう。
途中で休憩を入れる
最後に、犬が車酔いしないために、長距離ドライブや長時間の移動では、途中で定期的に休憩を入れることが大切です。
犬が長時間車内で過ごすと、緊張や不安が蓄積され、体調に悪影響を与える可能性があるため、1〜2時間に1度は休憩を取るよう心がけましょう。
休憩時には車外で少し歩かせ、リラックスさせると気分転換ができ、犬もストレスを感じにくくなります。
また、適度な運動を挟むと犬の筋肉がほぐれて血流が良くなり、車酔いの症状が軽減されやすいです。
さらに、休憩の際に水を少し与えると水分補給ができ、移動中の脱水防止にもつながります。
ただし、あまり多く水を飲ませると再び酔いやすくなるため、適量にとどめましょう。
動物病院で酔い止めを処方してもらう
最後に、犬がどうしても車酔いしてしまう場合、動物病院で酔い止めを処方してもらいましょう。
特に長距離ドライブや頻繁な移動が必要な場合、犬が車酔いになるのは飼い主にも犬自身にも大きな負担となります。
酔い止め薬は、犬が感じる吐き気やめまいなどの症状を軽減し、快適に移動できるようにサポートするため、定期的に車移動する家庭では必需品です。
ただ、酔い止めは副作用のリスクもあるため、事前に獣医師と相談し、犬の健康状態や年齢、体重などに合わせた適切な薬を処方してもらいましょう。
特に既往歴や他の病気を抱えている犬には、薬を使用できない場合もあるため、必ず獣医師の指導のもとで使用してください。
犬にドライブを好きになってもらうにはどうしたらいい？
最後に、犬にドライブを好きになってもらうためのポイントを紹介します。
- 車に乗ることを楽しいと思ってもらうための工夫が必要
- エンジンをかけずに車の中で一緒に過ごす
- 短時間のドライブから練習する
- 犬が楽しくなるような場所へ出かける
それぞれ詳しく紹介するので、ドライブが嫌な思い出にならないためにもぜひチェックしてください。
車に乗ることを楽しいと思ってもらうための工夫が必要
まず、犬にドライブを好きになってもらうには、車に乗ること自体が楽しい経験だと思ってもらう工夫が必要です。
例えば、車の中で犬の好きなおやつをあげたり、おもちゃで遊ばせたりして、車内が楽しい場所だと感じさせると効果が期待できます。
おやつを与えるタイミングも重要で、車に乗り込んだらすぐに与えるのではなく、少しリラックスした様子を見てから渡すようにすると、自然に車内に慣れやすいです。
また、車に乗る前に軽い散歩や遊びでエネルギーを使い果たすと、車内ではリラックスして車内の環境に落ち着きやすくなります。
さらに、車に乗る際には興奮させすぎないように、静かに車に誘導し、落ち着いた状態で車内に入れるよう心掛けましょう。
エンジンをかけずに車の中で一緒に過ごす
次に、犬にドライブを好きになってもらうためには、エンジンをかけずに車の中で一緒に過ごす時間を設けましょう。
エンジン音や車の振動がない状態で車内にいると、犬は車という空間に少しずつ慣れ、安心感を抱くようになります。
エンジン音や振動が苦手な犬の場合、このステップを飛ばさずにゆっくりと慣らしていくことが大切です。
車内で過ごす際には、リラックスできるアイテムを持ち込むと良いでしょう。
例えば、犬が普段から使っているブランケットやお気に入りのおもちゃを置いてあげると、安心して過ごしやすくなります。
また、車内で過ごす時間を楽しいものにするために、おやつをあげたり、声をかけて褒めたりすると、車に対するポジティブな印象が強まりやすいです。
短時間のドライブから練習する
3つ目に、犬にドライブを好きになってもらうためには、短時間のドライブから練習することが大切です。
最初から長時間のドライブを試みると、車酔いや不安を引き起こしやすいため、まずは5〜10分程度の近場を目安に始めると良いでしょう。
短時間であれば、犬もストレスを感じにくく、車内での経験を少しずつ積むことができます。
ドライブ中は、犬が快適に過ごせるように工夫することも大切です。例えば、犬用のシートベルトやペット用シートに固定すると、体が安定し、揺れによる不安感が軽減されます。
また、車内の空調を適度に保ち、暑さや寒さで不快にならないよう配慮しましょう。
環境を整えると犬は車内でリラックスしやすくなり、ドライブが少しずつ快適なものと感じるようになります。
そして、短いドライブを何度か経験させ、問題なく過ごせるようになったら、徐々に時間を延ばしていきましょう。
無理なく少しずつ距離と時間を増やしていくと車酔いしにくくなり、ドライブ自体を楽しめるようになるのです。
犬が楽しくなるような場所へ出かける
最後に、犬がドライブを好きになるためには、犬が楽しくなるような場所に出かけましょう。
ドライブの終着点が、犬にとってワクワクするような場所、例えば公園やドッグラン、海や川など遊べる場所であれば、車に乗ることへのポジティブな印象が高まります。
犬は学習能力が高く、楽しい体験と結びついた行動を好むため、車で出かけることが楽しい出来事につながっていると認識しやすいです。
最初は、散歩先を少し変えて、車で行ける近くの公園や自然が豊かな場所などに連れて行くと良いでしょう。
出先で思いきり遊んだり、リラックスできたりする環境を用意すると、車での移動が楽しい時間の一部であると犬が感じられるようになります。
また、ドライブの終わりにご褒美を与えるのも効果的です。楽しい場所で過ごした後におやつをあげたり褒めたりすると、車に乗ると良いことがあると学習できるのです。
まとめ
今回は、犬が車酔いする原因について紹介しました。犬は、車内のニオイや車の揺れ、ストレスによって車酔いをします。
車酔いをした際は、落ち着きがなくなったり下痢や嘔吐がみられたりするので、飼い主は定期的に様子を観察しましょう。
また、ドライブを好きになってもらうためには、犬の過ごしやすい環境づくりや運転が楽しい経験に結びつけられるようにすることが大切です。
犬が車の中で快適に過ごせるように日頃から準備してサポートしましょう。
