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【獣医師監修】犬が飼い主と一緒に寝る理由は?寝る姿勢やポジションでわかる犬の気持ちや注意点を紹介

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はじめに

愛犬と一緒に寝たいと考える飼い主の方は多いと思います。犬が一緒に寝てくれる時間は幸せな時間ですよね。

ただ、愛犬と一緒に寝るのはメリットやデメリットがあるので、飼い主による状況に応じた適切な判断が欠かせません。

今回は、犬が飼い主と一緒に寝る理由を紹介します。

寝る姿勢やポジションでわかる犬の気持ちや注意点を解説するので、犬の気持ちを理解できるようになりましょう。

犬が飼い主と一緒に寝る理由は?

まず、犬が飼い主と一緒に寝る理由を紹介します。

  • 飼い主の匂いで安心するから
  • 甘えたいから
  • 飼い主の布団が快適だから
  • 群れで寝る習慣があるから

それぞれ詳しく紹介するので、愛犬が一緒に寝る場合はどれに当てはまるか考えてみましょう。

飼い主の匂いで安心するから

まず、犬が飼い主と一緒に寝る理由は飼い主の匂いで安心するからです。

犬にとって飼い主の匂いは安心できるものであり、犬は人間よりも遥かに鋭い嗅覚を持ち、数キロ先の匂いを嗅ぎ取るとも言われます。

飼い主の匂いが染みついた寝具や布団の上で寝るのは、犬にとっては自分の居場所が確保されているような感覚をもたらすのです。

特に留守がちな家庭や、飼い主とのスキンシップが少ない場合には、飼い主の匂いを感じて不安を和らげ、精神的に安定する効果が期待できます。

犬はもともと警戒心が強く、安心して眠れる環境を探そうとする習性があり、飼い主のそばで眠ると心からリラックスできると感じるのです。

甘えたいから

次に、犬が飼い主と一緒に寝たい理由は甘えたいからです。犬は飼い主に対して強い信頼と愛情を抱いており、一緒にいる時間を可能な限り増やしたいと感じています。

夜の静かな時間帯は、日中のように活動的に遊ぶのではなく、飼い主と静かに寄り添い合い、温もりを分かち合えるひとときです。

犬にとって、スキンシップの時間は、飼い主との絆を深める貴重な機会であり、愛情を伝える手段でもあります。

また、飼い主と寝ることは犬にとって「自分が愛されている」と実感できる安心感を与えられるのです。

特に家庭内での地位が安定していない若齢の犬や、保護されたばかりの犬の場合は、飼い主に甘えて安心感を得たいという傾向が強くなります。

飼い主の布団が快適だから

3つ目に、犬が飼い主と一緒に寝たい理由は飼い主の布団が快適だからです。犬は、硬い床より柔らかい布団を好む傾向があり、寝心地の良い場所で快適な睡眠を取ろうとします。

特に、寒い季節や冷房の効いた部屋では、飼い主の布団は温もりを提供してくれるため、犬にとって居心地の良い場所です。

加えて、犬は人間ほど体温調節が得意ではなく、特に小型犬や短毛種は寒さに弱いため、暖かい布団の中に自然と入ってきます。

また、布団やベッドはしっかりとした支えがあり、犬が熟睡しやすい環境です。飼い主と一緒に寝ると、犬は快適な寝床を確保し、リラックスした状態で眠ることができます。

群れで寝る習慣があるから

4つ目に、犬が飼い主と一緒に寝る理由は群れで寝る習慣があるからです。犬の祖先であるオオカミは群れで生活し、夜間に互いに身を寄せ合いながら寝て安全を確保していました。

群れで寝る習性は現代の犬にも受け継がれており、犬は飼い主を家族や仲間、いわば「群れのリーダー」として見なして、自然と寄り添う行動をとるようになるのです。

特に夜は警戒心が高まるため、飼い主のそばで眠ると、かつての群れと同様に自分の身を守り、安心感を得られます。

また、群れで寝ることで互いの温もりを感じ、絆を深めるのにも効果的です。

犬は現在の生活環境でも、飼い主と密接な関係を築きたいという本能が強く働いており、それが一緒に寝る行動につながっています。

犬と一緒に寝るメリット

次に、犬と一緒に寝るメリットを紹介します。

  • 飼い主の心が落ち着く
  • 犬が安心する
  • 犬の体調の変化に気づきやすい

それぞれ詳しく紹介するので、飼い主が問題なければ積極的に一緒に寝てあげましょう。

飼い主の心が落ち着く

まず、犬と一緒に寝るメリットは飼い主の心が落ち着く点です。

犬はそばにいるだけで人をリラックスさせる効果があるとされており、存在感や温もりがストレスの軽減や心の安定に繋がります。

犬の穏やかな呼吸や柔らかい毛を感じると、飼い主の心拍数や血圧が落ち着くとも言われており、リラックス効果は科学的にも裏付けられているのです。

さらに、犬は無条件に飼い主に愛情を注ぐため、一緒にいるだけで自分が必要とされていると感じやすく、孤独感を和らげてくれます。

特に忙しい生活やストレスが多い環境にいる人にとっては、犬と寝るのが癒しの時間になり、安心感を得る手段になる場合が多いです。

犬が安心する

次に、犬と一緒に寝るメリットは犬が安心するからです。犬はもともと群れで生活する動物であり、身近な仲間と寄り添い合って安心感を得る習性があります。

そのため、飼い主と一緒に寝るのは犬にとって自然な行動であり、精神的な安定に繋がるのです。

特に若い犬や新しい環境に慣れていない犬にとって、飼い主の温もりや匂いは安心の源となり、心の安定を促します。

さらに、夜の時間帯は犬にとっても不安要素が多いため、飼い主がそばにいると外部の音や光に対する不安が軽減され、ぐっすりと眠ることができるのです。

また、飼い主がそばで寝ていると、犬は自分が守られていると感じ、自信を持って日中の活動にも積極的になる場合があります。

犬の体調の変化に気づきやすい

最後に、犬と一緒に寝るメリットは犬の体調の変化に気づきやすい点です。

例えば、夜間の睡眠中に犬がいつもと違う動きをしたり頻繁に動き回ったり、異常な呼吸をしたりしている場合、飼い主はすぐに気づくことができます。

特に高齢の犬や健康状態に注意が必要な犬の場合、近くで様子を観察すると病気や不調の兆候を早期に発見しやすいです。

また、犬が普段からそばにいると、体温の異常や呼吸の変化などの微妙なサインにも気付きやすく、早めに対応すると健康を維持できます。

犬と一緒に寝るデメリット

次に、犬と一緒に寝るデメリットを紹介します。

  • 睡眠の質が低下する恐れがある
  • 抜け毛や汚れなど衛生上の問題がある
  • 感染症やアレルギーのリスクがある
  • ケガのリスクがある

それぞれ詳しく紹介するので、メリットと比較して愛犬と一緒に寝るか検討しましょう。

睡眠の質が低下する恐れがある

まず、犬と一緒に寝るデメリットは睡眠の質が低下する恐れがある点です。犬は人間と異なり、一晩中深く眠るわけではなく、浅い眠りと覚醒を繰り返します。

そのため、犬が寝返りを打ったり、突然起き上がって動き出したりするたびに、飼い主も目が覚めてしまう場合があるのです。

また、犬の呼吸音や寝息、いびきが気になる場合や、飼い主が眠りが浅いタイプの場合、犬の小さな動きでも頻繁に目が覚めてしまう場合があります。

睡眠が十分に取れないと、日中の集中力が低下しやすくなり、疲労感やイライラの原因にもなるため、仕事や日常生活に影響が出やすいです。

特に犬が高齢になり、夜間に起きるのが増える場合や、病気などで頻繁に動く場合には、睡眠の妨げとなりやすくなります。

抜け毛や汚れなど衛生上の問題がある

次に、犬と一緒に寝るデメリットは抜け毛や汚れなど衛生上の問題がある点です。

犬と一緒に寝ると犬の抜け毛はシーツや布団に付着しやすく、特に換毛期には毛の量が増えるため、掃除や洗濯の頻度が高くなります。

さらに、犬が屋外に出る機会が多い場合は、足や体に汚れがつきやすく、ベッドに持ち込まれると、布団の衛生状態が悪化する可能性が高いです。

アレルギーを持つ飼い主にとっては、犬の毛やフケがアレルギー症状を引き起こす原因にもなり得ます。

また、定期的に入浴していても、犬特有の体臭が布団や寝室に残りやすく、清潔感が損なわれると感じる飼い主も多いです。

清潔な環境で睡眠を取りたい場合や、アレルギー症状が気になる場合には、犬と一緒に寝ることは避けるべきかもしれません。

感染症やアレルギーのリスクがある

4つ目に、犬と一緒に寝るデメリットは感染症やアレルギーのリスクがある点です。

犬は外を散歩する際に、土や他の動物からさまざまな細菌やウイルスを持ち帰る場合があり、そのままベッドに入ると飼い主にも感染のリスクが生じます。

また、ノミやダニなどの寄生虫が犬の体につく場合があり、飼い主に寄生虫が移るとかゆみや炎症を引き起こす恐れもあるのです。

犬の毛やフケも、アレルギーの原因となりやすく、特にアレルギー体質の飼い主の場合は症状が悪化するリスクがあります。

また、犬が舐めたり触れたりすると、細菌が口や傷口を通じて体内に入り込み、健康リスクが生じやすいです。

感染症のリスクを避けるためには、犬の衛生管理を徹底し、定期的なシャンプーや寄生虫対策、健康チェックを行いましょう。

ケガのリスクがある

最後に、犬と一緒に寝るデメリットはケガのリスクがある点です。

特に大型犬の場合、寝返りを打つ際に飼い主を押しつぶしてしまったり、誤って踏んでしまったりすると、飼い主がケガを負う場合があります。

小さな犬であっても、飼い主の体の上を歩いたり、飛び乗ったりする際に爪が当たって傷がつく場合も多いです。

また、飼い主が寝返りを打った際に、犬が潰されそうになるケースもあります。

特に子犬や高齢犬の場合、骨や関節が弱いため、飼い主の寝返りが原因でケガをする可能性があり、注意が必要です。

夜間に犬と一緒に寝る場合は、双方が安全に過ごせるよう、犬専用の寝床を近くに用意するなどの工夫をしましょう。

また、ケガのリスクを避けるため、飼い主が動きやすいスペースを確保することも大切です。

寝る姿勢やポジションでわかる犬の気持ち

次に、寝る姿勢やポジションでわかる犬の気持ちを紹介します。それぞれ詳しく紹介するので、犬の気持ちを判断できるようになりましょう。

寝る姿勢でわかる犬の気持ち

まずは、寝る姿勢でわかる犬の気持ちを紹介します。体の向きが犬の気持ちに影響を与えているので詳しく見ていきましょう。

体を丸めて寝ている

まず、犬が体を丸めて寝ている姿勢は、一般的にリラックスしきれていない状態や外部の刺激から身を守ろうとしている状態を示します。

体を丸める姿勢は、自然界においても動物が身を守るために取る姿勢で、外敵から内臓などの大事な部分を守るための防御の意味が含まれているのです。

特に、寒い日には体温を保つために丸くなる場合が多く、体を丸めて効率的に温かさを保とうとしています。

そのため、犬が寒さを感じていたり、少し緊張していたりする際にもよく見られる姿勢です。

しかし、必ずしも警戒しているというわけではなく、快適な寝床を見つけた際や落ち着いた環境であれば、この姿勢のまま深い眠りに入る場合もあります。

横向きで寝ている

次に、犬が横向きで寝ている姿勢は、非常にリラックスしている場合を示しています。

横向きの姿勢は、犬が安心しきっている場合や、完全に自分のテリトリーと認識している場所で見られる場合が多く、寝返りが打ちやすく快適に眠れる姿勢です。

飼い主や環境への信頼が十分にある場合に、こうした姿勢をとりやすいとされ、特に熟睡しているときに見られます。

犬が横向きに寝ているとき、身体の緊張が解け、呼吸も穏やかになるため、飼い主としても安心して大丈夫です。

横向きで寝る犬は、自分の体が無防備であるのに不安を感じていないため、飼い主や周囲の環境が犬にとって安全だと感じています。

仰向けで寝ている

3つ目に、仰向けで寝ている犬の姿勢は、最もリラックスした状態を示しています。

仰向けの姿勢は腹部を完全にさらけ出しているため、犬が無防備な姿を晒している状態であり、飼い主や周囲への信頼感が非常に高いです。

また、仰向けで寝るのは体温を調整する方法の一つでもあり、特に夏の暑い時期には仰向け姿勢で体の熱を放出しやすくしています。

そのため、犬が仰向けで寝ている場合は、安心しきっているか体温を下げる必要があるため、リラックスしているだけでなく、環境に順応した行動とも考えられるのです。

そして、仰向けで寝るときは、筋肉が完全に脱力した状態になりやすいため、多くの場合熟睡しています。

うつ伏せで寝ている

最後に、犬がうつ伏せで寝ている場合、すぐに起き上がれる姿勢を取っている場合が多く、リラックスはしているものの完全に安心しきっていない状況がうかがえます。

うつ伏せの姿勢は、眠りが浅い状態や周囲の音や動きに気を配りやすい環境下で見られやすいです。

特に新しい環境や緊張感がある場所では、うつ伏せの姿勢で休息を取る場合がよくあります。

ただし、犬によっては単にうつ伏せの姿勢が好きな場合や、眠りに入る準備段階としてこの姿勢を取っているケースもあるので、一概には言えません。

うつ伏せで寝ている際に耳や尻尾が動いている場合は、外の音や匂いに反応している証拠です。

寝るときのポジションでわかる犬の気持ち

次に、寝るときのポジションでわかる犬の気持ちを紹介します。飼い主のどこに近い状態かで気持ちがかわるので 詳しく見ていきましょう。

飼い主の足元で寝る

まず、犬が飼い主の足元で寝る場合は、飼い主を信頼しながらも適度な距離を保ちたいという気持ちを表しています。

足元は飼い主の近くにいながらも、ある程度の空間を保つ場所であるため、犬にとって安心できるポジションです。

特に、まだ新しい環境にいる場合や緊張しやすい犬の場合には、飼い主を感じられる位置に居て安心感を得つつ、少し距離を保って自立心も満たしている可能性があります。

また、足元にいると周囲の様子を確認しやすく、即座に反応できる位置です。

犬が飼い主の足元で寝る場合は、犬がよりリラックスできる環境を整えてあげると、さらに安心感を持たせられます。

飼い主のお腹や胸の近くで寝る

次に、犬が飼い主のお腹や胸の近くで寝る場合は、深く信頼しているサインです。犬は特に飼い主の心臓の鼓動や呼吸のリズムを感じて安心感を得ていると考えられます。

飼い主のお腹や胸の近くの位置は、犬が非常にリラックスしている状態を示し、飼い主との絆を感じながら眠りたいという気持ちの表れです。

また、飼い主の体温を感じられる場所でもあるため、ぬくもりを感じて心地よい睡眠をとることができます。

特に小型犬や甘えん坊の性格を持つ犬によく見られる行動で、子犬の頃からこのポジションに慣れている場合、大人になっても同じ位置で寝る場合が多いです。

また、飼い主に対する依存度が高く、飼い主がそばにいて安心しきっていると考えられます。

飼い主の顔の近くで寝る

最後に、犬が飼い主の顔の近くで寝るのは、信頼していますが飼い主が自分と同等か下の立場と考えている可能性があります。

顔の周りは最も繊細な部分であり、犬が顔の近くにいることは、飼い主に対する信頼を意味するのです。

また、犬にとって顔から漂う匂いは飼い主の個性そのものであり、その匂いに包まれることで安心感を得ていると考えられます。

特に鼻や口元に近づいて飼い主の息づかいや体温を感じ、心地よい刺激として安らぎを得ている可能性が高いです。

ただし、顔の近くで寝るのは飼い主にとって息苦しさや不快感を与える場合もあるため、必要に応じて犬との距離を調整し、無理のない関係を保ちましょう。

犬と一緒に寝る場合の注意点

最後に、犬と一緒に寝る場合の注意点を紹介します。

  • 一緒に寝るのは犬のしつけができてから
  • 犬や飼い主の体調が悪いときには一緒に寝ない

それぞれ詳しく紹介するので、犬と一緒に寝る際にぜひ実践してみてください。

一緒に寝るのは犬のしつけができてから

まず、犬と一緒に寝る場合は、先に犬のしつけを行いましょう。

しつけがされていないまま犬と一緒に寝ると、夜間の無駄吠えやベッド内での動き回りが原因で飼い主が眠りにくくなり、睡眠の質が低下してしまう場合があります。

特に、子犬の頃から一緒に寝る習慣を持たせると、しつけの面でさまざまな問題が生じやすく、適切な睡眠環境を確保するのが難しいです。

また、犬がベッドに上がるのに慣れてしまうと、飼い主の許可なくどこでも寝るようになり、居場所のルールが曖昧になってしまう可能性もあります。

そのため、一緒に寝る前に、基本的な命令である「待て」「おすわり」「ハウス」などがスムーズにできるようにし、飼い主の指示に従う習慣を身につけさせましょう。

犬や飼い主の体調が悪いときには一緒に寝ない

次に、犬や飼い主が体調が悪いときには、一緒に寝ることを避けましょう。

例えば、犬が感染症にかかっている場合、飼い主が寝具を共有すると病気がうつるリスクが考えられます。

また、飼い主自身が風邪やインフルエンザにかかっている際も同様に、犬に感染のリスクがあることから距離を保つことが重要です。

犬の免疫システムは人間と異なるため、人間が軽い症状でも犬にとっては重大な影響を及ぼす場合もあります。

さらに、飼い主が疲れや病気で体調がすぐれないときには十分な休養が必要ですが、犬と同じベッドで寝ると眠りが妨げられやすいです。

まとめ

今回は、犬が飼い主と一緒に寝る理由を紹介しました。犬は飼い主から安心感を感じたり甘えたりするために一緒に寝ようとしています。

一緒に寝ると飼い主も犬も安心でき、犬の体調変化の早期発見が可能です。ただ、睡眠の質の低下や抜け毛などの衛生環境の悪化、感染やケガのリスクがあります。

犬と一緒に寝る場合は、犬のしつけをしっかりと行ってからにし、体調が悪いときには、一緒に寝ないようにしましょう。

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