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はじめに
「保護犬カフェ」というお店を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。動物の保護活動に対する関心が高まっている影響もあり、保護犬カフェは、全国で年々増えてきています。
今回は、保護犬カフェの概要と保護犬を迎える際の心構えを解説します。後半では東京でおすすめの保護犬カフェも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
保護犬カフェとは
保護犬カフェとは、やむを得ない事情で行き場を失ったワンちゃんの新しい飼い主を探すために設けられた施設です。運営は、動物の保護活動をしているボランティア団体や動物愛護団体が行っています。
保護犬カフェは、保護犬の里親になりたいという方だけでなく、ワンちゃんとふれあいたい方や保護犬に興味があるという方も利用可能です。カフェでの売り上げを活動の資金として運用しているため、カフェで飲食をしたり、グッズを購入したりするだけで、保護活動の手伝いができる仕組みになっています。
ワンちゃんを迎える前に
保護犬カフェにいるワンちゃんは、1頭1頭違う事情を抱えて保護されています。保護犬を幸せにできるかどうか確認するためには、保護犬カフェからワンちゃんを迎える前に、飼い主としてふさわしいかどうか考えることが大切です。
ここではワンちゃんを迎える前に、準備しておきたい項目を3つ紹介します。
保護犬との暮らしを考える
まずは、保護犬を迎え入れたときの暮らしを想像してみましょう。例えば、現在暮らしている住宅環境で保護犬を迎えられるか考えます。賃貸の場合、ペット不可の物件では犬を飼育できません。住宅の広さによっては、一緒に暮らすワンちゃんの大きさも考える必要があります。
また、1人暮らしの場合、飼い主に何かトラブルがあったときに、代わりにワンちゃんの世話をしてもらう人を探す必要があります。さらに、ワンちゃんが体調不良になったときには、動物病院に連れていかなければなりません。
住宅環境や金銭面、動物病院の有無など、保護犬を迎え入れることができる環境が揃っているかどうか、一度じっくり検討してから里親候補に立候補しましょう。
必要な準備物とは?
一般的に、ワンちゃんを迎え入れる前に準備が必要な飼育用品は以下の通りです。
- ケージまたはサークル
- トイレ用品
- フード
- 食器(フード用と水用の2種類)
- リードと首輪
- キャリーケース
- おもちゃ
ほかにも、迎え入れるワンちゃんによっては、床や壁にいたずら対策をしたり、フローリングに滑り止め対策をしたりする必要があります。迎え入れるワンちゃんが決まっている場合は、保護犬カフェのスタッフの方に、ほかに準備した方がよい用品を聞いておくとよいでしょう。
飼い主に求められる責任とは?
ワンちゃんと一緒に暮らすと決めた場合、飼い主には、愛情を持って最後までお世話をする責任があります。最後まで愛情を持って飼育するには、病気の予防をはじめとした健康管理や、適切なしつけ、迷子にさせないための対策が必要です。
特に保護犬は、悲しい過去を持つワンちゃんも多く、里親になるための条件が厳しく設定されています。保護犬に二度と悲しい思いをさせないためにも、条件をすべて満たすことができているか確認してみてください。
保護犬の特徴と注意点
保護犬が保護された理由は、1頭1頭異なります。飼い主と死別した犬や、繁殖犬としてブリーダーのもとで飼育されていた犬、人に飼育されずに外で暮らしていた野犬など、さまざまな過去を持っています。保護犬と幸せに生活するためには、保護犬のことを知っておくことが大切です。
ここでは、保護犬の特徴と飼育する際の注意点を紹介します。
過去のトラウマへの理解
保護犬の中には、過去のトラウマを抱えて生活しているワンちゃんがいます。例えば、虐待を受けていた犬は、人の手や足を極端に怖がる可能性があります。また、野良犬の場合、これまでリードを付けて散歩をしたことがないため、首輪を付けること自体に恐怖を感じるでしょう。
ワンちゃんによって、苦手なこと、嫌なこと、得意なことが異なります。1頭1頭の特性を理解し、そのワンちゃんに合った接し方を意識することが重要です。
社会化の必要性
「社会化」とは、ワンちゃんが人やほかの動物と暮らしていく中で、ルールを覚えて順応する力を養うことです。一般的に、犬の社会化は恐怖心があまりなく、さまざまなことを吸収できる子犬の頃に行います。大人になった保護犬の社会化は、子犬の時期と比べると難しく時間がかかりますが、不可能ではありません。
社会化を行うことで、保護犬はたくさんの経験を積み、人やほかの動物に対する恐怖心や警戒心を軽減できます。社会化を通して、ワンちゃんと飼い主との絆も深まるでしょう。保護犬の社会化は、時間がかかり、飼い主の根気が必要です。しかし、保護犬が幸せに暮らすためには、社会化は必須と言えます。
飼い主の愛情と忍耐が必要
保護犬と一緒に暮らすには、飼い主の愛情と忍耐力が必要不可欠です。保護犬は、過去のトラウマから噛みつきや無駄吠えなどがみられる場合があります。ほかにも、部屋の中を破壊したり、散歩に行けなかったりと、さまざまな問題が出てくるでしょう。保護犬のトラウマによる行動は、トラウマを克服するまで長期間続く可能性があります。
保護犬のトラウマを克服するには、飼い主の忍耐強い愛情が必要です。迎え入れたワンちゃんの問題行動はすべて受け止めるだけの心構えをしておきましょう。
保護犬カフェのメリット
保護犬の里親になる方法は、保護犬カフェ以外にもさまざまな方法があります。ここでは、保護犬カフェで里親になる際のメリットを3つ紹介します。
カフェでのリラックスしたふれあい
保護犬カフェでは、飲食や会話を楽しみながら、リラックスした雰囲気で保護犬とのふれあいができます。譲渡会場よりも保護犬カフェの方が家の雰囲気に近く、自宅に保護犬を迎え入れたときの様子を想像しやすいのもポイントです。
カフェに入店しただけで、犬の引き取り義務が発生することはありません。保護犬について知りたいという方にも敷居が低く、おすすめです。
専門スタッフのサポート
保護犬カフェには、保護犬たちのお世話を毎日している専門のスタッフが在籍しています。気になるワンちゃんがいた場合は、スタッフに声をかけるとワンちゃんの特徴や性格を教えてもらえるでしょう。
また、迎え入れる保護犬を決めた際には、スタッフからさまざまなサポートを受けることが可能です。ワンちゃんがトイレをしない、ご飯を食べないなどの困りごとがあれば、随時スタッフに相談できます。サポート体制が整っているので、初めて保護犬を迎え入れる方でも安心です。
里親になる前のお試し体験
保護犬カフェでは、里親として正式に引き取る前に、お試し体験期間が設けられています。お試し体験期間とは、一定期間ワンちゃんと一緒に暮らし、飼い主とワンちゃんとの相性を確かめる期間です。お試し体験があることで、正式譲渡後の「思っていたのと違った」というトラブルを防ぐことができます。
保護犬カフェの中には、お試し体験期間の前に、おやつをあげる体験やお散歩体験などができるカフェもあります。
おすすめの保護犬カフェ
東京都内で人気のカフェ5選
ここからは、東京都内で人気のある保護犬カフェを5つ紹介します。ぜひ保護犬カフェ選びの参考にしてみてください。
CATS & DOGS CAFE
カフェの雰囲気とアクセス情報
保護犬だけでなく、保護猫ともふれあえるカフェです。店内は猫ルームと犬カフェルームにわかれています。料金は、犬カフェルームに入室するだけでは料金は発生せず、猫ルームに入室する場合のみ30分500円と時間制。ソフトドリンクは450円から注文可能です。
住所 | 東京都墨田区向島5-48-1 |
TEL | 03-5247-7979 |
営業時間 | 水・木・金 14:00-17:00/18:00-21:00 土 12:00-17:00/18:00-21:00 日 12:00-17:00 |
定休日 | 月曜日・火曜日(祝日の場合は営業。水曜日代休) |
公式HP | CATS&DOGS CAFE | 墨田区の保護猫カフェ |
保護犬とのふれあいスペースの紹介
保護犬のスペースには、愛護センターや多頭飼育崩壊で保護されたワンちゃんが在籍しています。保護犬以外にも、看板犬のサランちゃんが出迎えてくれます。犬スタッフの頭数は、日によって異なるため、公式HPで事前に確認しておきましょう。
ふれあいスペースは、マナーを守れる子であれば、犬、猫、フェレットなどのペットと一緒に利用できます。
NPO法人 みなしご救援隊犬猫譲渡センター 東京支部
カフェの雰囲気とアクセス情報
保護犬と保護猫のスペースが一体となったカフェです。店内には、新しい家族を待つワンちゃんとネコちゃんが在籍しています。1組45分制。店内ではセルフサービスの飲み物を提供しています。
住所 | 東京都世田谷区玉川田園調布2-12-10-1F |
TEL | 090-8996-1487 |
営業時間 | 11:00-18:00 |
定休日 | 月曜日~金曜日(祝日の場合、営業) |
公式HP | 東京支部- NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター 犬猫ひきとり,犬猫里親さがし,犬猫保護団体,保護犬引きとり保護,保護犬カフェ,保護猫カフェ,ドッグカフェ,犬猫引きとり施設,犬が飼えなくなった,猫が飼えなくなった,犬の里親になりたい,猫の里親になりたい,殺処分ゼロ |
保護犬とのふれあいスペースの紹介
保護犬のふれあいスペースには、里親を探しているワンちゃんが複数在籍しています。どのようなワンちゃんがいるのかは、公式HPで確認可能です。HPにはふれあいだけでも大丈夫と書かれており、今は保護犬の迎え入れができない方にもおすすめです。ワンちゃん、ネコちゃんと一緒に入ることができます。
温もりカフェ
カフェの雰囲気とアクセス情報
里親募集中の保護犬とふれあえるカフェです。利用料金は、1時間ワンドリンク付きで1,500円。ドリンクは660円から追加で注文可能です。店内には木のぬくもりが感じられる家具が多く、癒されるような雰囲気を楽しめます。
住所 | 東京都墨田区向島3-2-5 向島パークハイツ第二104号 |
TEL | 080-2382-4693 |
営業時間 | 10:00-13:00/13:45-19:00 |
定休日 | 火曜日 |
公式HP | 温もりカフェ |
保護犬とのふれあいスペースの紹介
保護犬のふれあいスペースには、小中型犬を中心にさまざまなワンちゃんが在籍しています。在籍しているワンちゃんの性格などは、公式HPで確認可能です。事前に予約をしておくと、保護犬とのお散歩体験ができます。ワンちゃんと一緒に入店できますが、専用エリアのみの利用となります。
AH BASE
カフェの雰囲気とアクセス情報
里親募集中のワンちゃんとふれあったり、散歩探検←体験の間違い?ができたりするカフェです。施設には、トリミングサロンやペットホテル、グッズショップも併設されています。ふれあいは、1時間で大人1,800円、小学生900円、3歳以上小学生未満のお子様で500円必要です。お散歩体験は、30分1,800円で利用できます。
住所 | 東京都墨田区横網1-9-2 NTTドコモ 墨田ビル低層棟 |
TEL | 03-5809-7786 (カフェスペース 03-5637-7414) |
営業時間 | 平日 11:00-18:00 土日祝 10:00-18:00 |
定休日 | 水曜日(カフェスペースのみ) |
公式HP | AHBASE |
保護犬とのふれあいスペースの紹介
保護犬とのふれあいスペースには、ハンディキャップを持っているワンちゃんや、ブリーダーの元から引き取ったワンちゃんが在籍しています。在籍しているワンちゃんは、小型犬が多く、公式HPで確認可能です。ふれあいスペースでは、ワンちゃんにあげられるご飯も販売しています。
保護犬カフェⓇ 立川店
カフェの雰囲気とアクセス情報
日本第一号となる保護犬カフェを立ち上げたNPO法人ラブファイブが営業しているカフェです。店内はワンドリンク制で、1杯660円のドリンクを頼むだけで、入場料などは不要です。
住所 | 東京都立川市富士見町2-12-7 フェイズ立川101 |
TEL | 042-519-3452 |
営業時間 | 平日 12:00-19:00 土日祝 11:00-19:00 |
定休日 | なし |
公式HP | HOGOKEN CAFE |
保護犬とのふれあいスペースの紹介
店内は10畳ほどのスペースで、約10頭のワンちゃんが在籍しています。在籍しているワンちゃんは、小中型犬を中心にさまざまです。自宅で飼育しているワンちゃんやネコちゃんも一緒に入店することができます。
カフェでのふれあい体験
保護犬カフェでのふれあいは、保護犬のことを知ることができるだけでなく、保護活動の支援にもつながります。保護犬カフェは、お店によって雰囲気が異なるため、まずは気になるお店の口コミやHPを確認してみてください。
保護犬とのふれあいのルール
保護犬とのふれあいには、いくつか守るべきルールがあります。一番大切なルールは「ワンちゃんを無理やり触らない」ということです。保護犬カフェに在籍しているワンちゃんの中には、人があまり好きではなく、そっとしておいて欲しいという子もいます。ふれあいをしようとして、ワンちゃんが避けるような仕草をみせたら、無理に触らずそっと見守るようにしましょう。
また、基本的なルールのほかにも、カフェ独自のルールを設けている場合があります。ルールは公式HPまたはカフェ入店時にスタッフの方から説明があるので、必ず守りましょう。
可愛いワンちゃんたちとの癒しのひと時
カフェ店内では、ワンちゃんと癒しのひと時を楽しめます。人が大好きなワンちゃんであれば、しっぽを振って甘えてきたり、膝の上に乗ってきたりと犬好きにはたまらない体験ができるかもしれません。
カフェを利用する人は1人で来店する方も多く、気軽に利用できます。とくに平日はお客さんも少なく、スタッフの方々との会話を楽しみながらゆっくりワンちゃんとふれあいができるでしょう。
ふれあい体験後の感想と思い出
カフェでのふれあい体験は、「スタッフの方が気さくに話しかけてくれて楽しかった」というポジティブな感想を持たれている方が多くいます。在籍しているワンちゃんに対しては「可愛かった」、「癒された」という感想が多く寄せられています。
カフェの室内は、飲食をする場所でもあるので、清潔に保たれている施設が多いようです。ただし、犬を飼育していない方には、犬独特のにおいが気になる可能性があります。飲食するのをメインにするのではなく、保護犬とのふれあいを目的に訪問することをおすすめします。
まとめ
今回は、保護犬カフェとはどのような施設なのか、保護犬を迎える心構え、東京にあるおすすめの保護犬カフェを紹介しました。
保護犬カフェは、ワンちゃんの里親になりたい方だけでなく、保護犬に興味がある方や、犬とふれあいたい方でも利用可能です。売り上げは、保護犬の医療費や保護活動に使われるので、飲食するだけで、活動を支援できます。
カフェに在籍しているワンちゃんは、日によって変更があるため、事前にHPなどで確認しておくことをおすすめします。気になるお店があれば、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。