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日本スピッツってどんな犬なの?
特徴
白い毛並みが美しい日本スピッツは、日本を代表する人気のある犬種です。
知能が高く忠実な性格から訓練が簡易とされており、愛らしい表情と賢さで人々を魅了してきました。
ピンと立つ耳とアーモンド型の瞳、口元に向かって細くなっていくテーパーマズル、微笑んでいるように見える表情がとてもチャーミングです。
ふさふさした触り心地のよい豊かな被毛が全身を覆い、胸と尾尻に飾り毛があり、しっぽが背中にくるっと巻き上がっています。豊富なアンダーコートを伴う被毛は暑さに弱いので
飼育環境に気を配る必要があるでしょう。
活発で人懐っこい性格ですが神経質で臆病な面があり、昭和の時代には無駄吠えが多いと言われていました。その理由は繁殖ばかりが先に進み、犬のしつけに関する知識が世間に浸透しておらず、敏感で警戒心の強い犬種に対する理解が追いついていなかったとされています。
しかしながら近年は、犬の気持ちに寄り添いながら愛情を持って育てることにより
無駄吠えが少なくなるよう繁殖が行われ、本来の穏やかで優しい性格を取り戻しているようです。
祖先は、北欧地方に生息していたジャーマンスピッツと伝えられています。
身体能力の高さや体を動かすことが大好きな快活な面を日本スピッツも受け継いでいるため、一緒に出かけたり遊んだりしながら絆を深めたいという方々に愛される犬種です。
毛色
「白いスピッツを誕生させる」という思いにより、繰り返し品種改良が行われた犬種なので、純粋な「白毛」だけとなります。
大きさ
体高よりも体調がやや長めで、短めの四肢にしっかりとした体格をしています。
体高は30〜38㎝とされている中型犬。
体重は5~11㎏ほど(オスよりもメスの方が小柄)です。
日本スピッツの性格・特徴
人懐っこい
日本スピッツは、飼い主に従順で人懐っこい性格をしています。「構ってほしい」という欲求が強く、意思をハッキリと主張するためコミュニケーションが取りやすい犬種です。
とにかく甘えん坊で側を離れません。いつも足元で寝ていたり、膝の上に顔を乗せてくる、処に行ってもついてきて人間の子供のように懐いてくれます。
その代わりスキンシップが少ないとスネてしまうなど少々ワガママな所がありますが、愛嬌のある仕草や笑顔は心を和ませ、天真爛漫な性格は家庭を明るくしてくれるでしょう。
また元気がなかったり体調が優れないときは、寄り添ってくれる献身的な面もあり家族愛が深いといわれています。ワガママなくらいが丁度よい、ベタベタに甘えてほしい方は日本スピッツがおすすめです。
好奇心旺盛
日本スピッツは、オモチャで遊んだり追いかけっこをしたり家族や他のペットとの触れ合いを楽しみながら社交性が磨かれていきます。
とにかく活動的な犬種なので、毎日の散歩や遊びを通じてエネルギーを発散させることが重要です。ストレスが溜まらないよう心がけると精神が安定し、ワガママやかんしゃくを起こさなくなります。
噛み応えのあるオモチャは欲求の発散、知能グッツは知的好奇心をくすぐる効果があり、
肉体と知識の両方の好奇心を刺激することで本来の能力を引き出せるでしょう。
アグレッシブに愛犬と関わりたい方とスピッツは相性が良いです。一緒に楽しみながら成長を見守ってあげてください。
日本スピッツの飼い方
日本スピッツは運動量が多い犬種です。ドッグランに連れて行きリードなしで思い切り走らせることや毎日の散歩も必要でしょう。散歩の回数は一日2回、一回につき30分前後が適切になります。
暑さに弱いため、日がカンカンに照っている日中に外へ連れ出すのは避けてください。アスファルトが熱されていると肉球の火傷や炎症にも繋がるので、日が昇る前の朝方か、夕暮れ時の涼しい時間帯が良いでしょう。
散歩はストレスの軽減、筋肉がつく、適切な体型や体重を維持し
健やかな健康をサポートしてくれます。
さらに子犬のうちから外の世界に触れさせて、憶病な気質を緩和することも大切です。
目で見て、音を聞き、匂いを嗅ぎ、さまざまな刺激を受けて適応性が身に付くと物怖じしない性格に育つでしょう。
ドッグランは犬の社交場です。知らない人やペットとの出会いは愛犬にとって未知の世界、一気に精神的成長を促します。飼い主以外の存在と関わることで自立心が芽生え、協調性と思いやりを学べるので早めにドッグランデビューさせましょう。
しつけ方
ブリーダーの元でしつけをされた日本スピッツは、家族に迎えた後も穏やかで大人しいという声が多いですが、ワガママが通る環境に置かれれば騒がしい性格に戻ってしまうため
良いことと悪いことを教える必要があります。
好奇心旺盛な子は、興味が惹かれると後先考えずに行動する傾向があり、すれ違う人に飛びついたり、急に車道に飛び出す、飼い主が不意に落としたものを、おやつと勘違いして丸呑みするなど感情のままに動いてしまうのです。
そのため日頃から食事やおやつを与える際に「待て」「よし」と許可をだしてから食べさせるようにすると飼い主に従うことを覚え、目の前に誘惑的なものがあっても犬自身が欲求に振り回されない感覚を学んでいきます。
前から車やバイクがきたときは端によって「おすわり」をさせると安全ですし、攻撃的なペットとすれ違う時も接触を避け安全に散歩ができるでしょう。
不安症な子は一人にさせると吠えてしまう、気を紛らわすために家具や物を噛むといった癖があり、家に帰るまでいたずら三昧ということも少なくありません。噛み癖がある子は誤飲の恐れがあり、コードを噛んでしまうと非常に危険です。
できれば日本スピッツは一人で留守番させるのを避け、常に家族が一人は側についている状況が望ましいのですが、無理な場合は放し飼いのまま出かけずにケージに入れるか、余計な物が何もない犬専用のスペースを用意しましょう。
お気に入りのベッドやオモチャ、好きな物を入れて居心地のよい空間を作ってあげてください。ストレスが原因でもあるので運動をさせる、一緒に遊んでスキンシップをとるなど肉体と精神のケアを心がけましょう。
突然の来客や配達が訪れたときは、警戒心が一気に高まる瞬間です。過剰に吠えて治まらない場合は「ハウス」と伝え、自分のテリトリーに侵入された興奮状態を静めるよう促してあげます。
強気な面があり、自身や飼い主を守るために攻撃的になることがあるので万が一を考え、感情が高ぶっているときは落ち着くまで人との接触は避けてください。
飼い主が状況を把握し、犬が行動する前に指示をだして制御することができると愛犬の安全が守られ、周囲に迷惑をかけない健全なペットライフを送れるでしょう。
室内が良い?室外が良い?
日本スピッツは、完全に室内飼育です。家庭犬として改良されているので、外の厳しい環境に耐えることができません。
室外で飼育をすると、熱中症、ノミやダニの繁殖、フィラリア症の感染、虫を食べたり物を呑み込むことによる誤飲や食中毒にも繋がるなど、さまざまな危険が伴います。
加えて目の届かない場所で飼育をしていると、愛犬の不調に気付かずに手遅れになってしまう場合もあるでしょう。
特に注意が必要なのは熱中症です。全身を厚い毛で覆われている日本スピッツは、体温調節が難しく熱が体内にこもってしまい、熱中症になりやすいとされています。
湿度の高い日本の気候は過酷なので、涼しい室内で飼育することが適切でしょう。寒さに強いなら「冬は室外で飼育してもいいの?」と思うかもしれませんがそれは違います。
例え厚い毛に覆われていても、真冬の極寒に耐えられる被毛ではなく
中型犬に属しますが、体格も小ぶりなため冬を超えられる体力はありません。
番犬として飼われていたのは昔の話なので、日本スピッツを購入する際は、あくまでも家庭犬として家族に迎えてあげてください。
さらに愛犬の健康を維持するためには、常に側で見守ってあげることが大切です。
食欲があるか、水を飲んでいるか、正常に排泄をしているかを把握し、皮膚や体に異常がないか直接触れて毎日チェックをしてあげる必要があります。
そのためにも、室内で飼育をすることが望ましいでしょう。
室内温度
元々の原産国の体毛のまま、高温多湿の日本で生活をするのは過酷です。室温をさげるだけでなく、湿度にも気を配ってください。
人間は汗をかいて熱を発散しますが、犬には発汗作用がないため体内に熱が溜まります。毛量が多く密に毛が生えていると、体感温度も高くなるでしょう。
気温が25℃、湿度60%が熱中症に注意する目安です。
エアコンをつけて除湿機能を設定し、室内の温度を下げてあげましょう。
お手入れの方法
上毛と下毛の二層の被毛をもつ犬種には換毛期があり、古い毛と新しい毛が生え替わります。これは季節ごとの気温や湿度の変化に対応するためのサイクルで、春と秋に2度訪れるためサポートをしてあげましょう。
密集して生えた被毛は、通気性が悪く皮膚疾患を起こしやすいです。
毛が固まっていると蒸れてしまい、痒みや炎症を引き起こすので毛量が多い犬種は入念なお手入れが必要になります。
スリッカー(犬専用のブラシ)とコームを使い、毛の絡まりを取り除きましょう。
表面だけにスリッカーをかけても奥までとどきません。上毛をはぐって内側の下毛から念入りにとかしてください。
ブラッシングは(通常時は週に3〜4回、換毛期は毎日行うのが理想)不要な毛をかき出し通気性を良くすると熱が発散され体温調整の負担を軽減、蒸れを防ぎ健やかな皮膚を保ちます。
皮膚が弱いスピッツのシャンプーは、1ヶ月〜2ヶ月に1回が適切です。
洗いすぎは必要な油分を失い、乾燥による皮膚トラブルを引き起こすため
体質に合ったケアを心がけてください。
時間がない方はサロンに予約をしましょう。
シャンプーやブラッシングの他に、サマーカット、部分カット(胸や尾尻の飾り毛、お腹周りをスッキリさせる)全体的に毛をすいて軽くするなど、お好みで仕上げてもらえます。
皮膚トラブルを予防するには毎日のお手入れが不可欠です。犬は自分で手入れができないので、飼い主さんが代わりに快適な状態に整えてあげてください。
日本スピッツの値段
日本スピッツの値段は、15~35万ほどが相場で
年齢、性別、親がチャンピオン犬などの血統によって価格が変動します。
購入にかかる費用
購入時にかかる初期費用は(ケージ・食器類・首輪とハーネス・ケア用品・食事代)
を含め、総額6万円ほどを準備しておきましょう。
1ヶ月にかかる飼育費用
中型犬の平均的な飼育費用は、1ヶ月あたり1万5,000〜3万円ほどです。
食費や日用品など部門別で紹介
フードやおやつなどの食費は、含まれる栄養や効能によって変わりますが
月に5,000〜6,000円前後になります。
トイレシートなどの日用品は、月に2,000〜5,000円前後です。
ペットサロンにお願いする中型犬のトリミング代は、4,000〜7,000円前後が1回の料金ですが、お店によって違うため予約時に確認してください。
医療費はフィラリア、ノミやダニの予防接種も含め、健康であっても年間3〜5万ほど
月に3,000円ぐらいです。万が一に備えてペット保険も検討しましょう。
日本スピッツの寿命は?
平均寿命
平均寿命は、12〜14年です。
一般的な犬種の中では寿命が長い方になります。
最高寿命
最高寿命は、15〜16年です。
子犬から老犬になるまで、これだけの年月を共にすることが分かると
必要な資金を準備できるか、どれだけの時間を愛犬に費やせるかを
しっかりと検討することができます。
平均寿命を目安に「責任をもって生涯を通してお世話ができる」と判断してから
家族に迎え入れてください。
長生きしてもらう方法
長生きをしてもらうためには、バランスの良い食事を心がけましょう。
ドライフードは「総合栄養食」と記載されたものと、ヒューマングレード
(人間が食べることができるレベル)の食材で造られたナチュラルフードがおすすめです。
悩む場合は、獣医さんに勧めてもらってください。
子犬のときは豊富な栄養を与え、成犬になると理想の体型を目指して量を調節、
シニア期には加齢による免疫力や筋力の低下をサポートし、食べにくい場合は
フードをふやかして与えるなど年齢ごとのケアをしてあげましょう。
他にも季節ごとの気温や湿度の変化に対応できる飼育環境、十分な運動や家族とのスキンシップによるストレスの発散は長生きには欠かせません。
日頃から定期検診を受けて、健康状態を把握することも大切です。
このような肉体的なケアは勿論ですが、精神的なケアは愛犬の生命力に働きかけます。基本的なお世話をしているだけでスキンシップをしていない、一匹で過ごす時間が増えていくと心が弱ってしまいます。
名前を呼んで撫でてあげるだけでも感情が満たされ、生きる気力が湧いてくるのです。
「愛情を注いで、目一杯可愛がってあげる」これが一番の長生きの秘訣でしょう。
日本スピッツに似た犬
サモエド
もふもふの白毛とつぶらな瞳、キュートな「サモエドスマイル」など、その外見の魅力から日本のみならず海外でも人気のある犬種です。
体高は54〜60㎝、体重は16〜30㎏ほどの中型犬最大とされています。
寒い地方でそり犬として活躍したため、体格が良く筋肉質でガッシリした骨格をしています。力が強く馬力もあり、トラブルを考慮して行動をコントロールする訓練は必須です。
性格は温和で甘えん坊、遊び好きで茶目っ気があります。
体の大きさから番犬に向いていると思われがちですが、警戒心が薄くフレンドリーな性格なので家庭犬として飼うことがおすすめです。
ポメラニアン
ポメラニアンはジャーマンスピッツが小型化されて誕生した犬種です。
ふわふわな毛とウルウルしたつぶらな瞳が印象的で
ぬいぐるみのようなシルエットは愛玩犬として長年親しまれてきました。
体高は18〜24㎝、体重は2㎏前後ほどの小型犬です。
性格はアクティブで小さな体で思いっきり駆け回ります。スキンシップが上手で他の犬とも仲良くできるため多頭飼いに向いているでしょう。
キースホンド
キースホンドは毛先が黒いシルバー・グレイ、マズルと耳はダークになっており
変わった毛色と模様をした豊かな美しい被毛です。
体高は43〜55㎝、体重は18㎏前後の中型犬に属します。
高いコミュニケーション能力をもち、利口で愛情深い性格のキースホンドはオランダのシンボルとされてきました。
ジャーマン・スピッツ・ミッテル
ジャーマンスピッツは改良によって個体差のあるタイプが誕生し、オリジナルを含め6種類に分けられます。「ミッテル」は中間のサイズで、体高は30〜38㎝、体重は7〜11㎏ほどで豊富な色調が揃う鮮やかな毛が特徴的です。
ドイツ原産、中欧ヨーロッパ最古である歴史は多くの犬種のルーツにあたり番犬や牧羊犬だった気質から非常に用心深く主人に忠実、知性が高く物覚えが良い、明るく活発など、ほとんどの子孫はこの特性を受け継いでいます。
まとめ
日本スピッツは、優雅で気品のある姿からは想像もつかないほど躍動的で、はつらつとした性格なので日常に活気を与えてくれます。
飼育法やお手入れは、それなりの手間がかかりますが
そのような苦労もいとわないほど、愛しくてかけがえのない存在になるでしょう。
きちんとしつけをすれば従順で賢いパートナーになり、家族や他のペットとのスキンシップも上手いため、ファミリー犬としておすすめの犬種です。