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はじめに
「気づくといつも愛犬が足元に寝ているのはなぜ?」と思っている方は多いのではないでしょうか。
一緒に寝てくれるのは、飼い主を信頼している証です。
大好きなあなたの足元で寝ることはお互いにとって良い効果があるので、邪魔だからといってどかさないであげてください。
実際に、愛犬にとって「足元で寝ること」にどんな意味があるのか、メリットや注意点はあるのか、について解説していきます。
本記事を読めば、愛犬とさらに絆を深めることができるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
なぜ愛犬は足元で寝るのか?
愛犬は、飼い主であるあなたを信頼しているからこそ、足元で寝てくれていると思ってください。
犬はとても賢く、自分にとってのリーダーが誰かを理解しています。
信頼している飼い主の足元で寝ることで、愛犬にとってどのような意味があるかについては、これから詳しく解説していきます。
飼い主との絆を深めるために
犬は一日の大半を寝て過ごすので、飼い主と共に就寝することは絆を深める機会を増やすことにつながります。
野生の犬は群れをなして暮らしている動物なので、「ひとり」でいることに不安やストレスを抱えやすい生き物です。
平日仕事で忙しく、日中にかまってあげられる時間が少ない方は、寝る時もできるだけ愛犬に寄り添ってあげると信頼度が高まるでしょう。
より絆を深めたいという方は、以下を意識してみてください。
強く叱らないようにする | コロコロと態度を変えないようにする |
優しく接する | にこやかな表情をする |
スキンシップを多めにする | わかりやすい指示をする |
些細なことでも褒めてあげる | 遊ぶときは自分も楽しむようにする |
心地よさと安心感を求めるために
心を許した人のそばにいると、安心できるのは人間だけではありません。
わんちゃんも人と同じように、大好きなあなたの近くにいると、心地よく感じます。
群れて行動する犬にとっては、睡眠時は無防備な状態になるので、できるだけ仲間と一緒になって寝るのが自然な状態です。
足の近くで寝ると蹴られてしまうリスクもありますが、足元の方が飼い主さんの匂いが強く、より安心してゆっくり寝られるメリットが大きいのでしょう。
わんちゃんの中には、飼い主の靴下をぬすんだり、脱ぎ捨てた洋服にもぐりこんだりする子がいるかと思います。
そのような場合も、基本的には大好きなあなたの匂いがついていて、近くにあると安心できるのが理由です。
愛犬を長時間1人で留守番させないといけない場合には、飼い主の匂いがついた洋服やタオルを置いておくと、匂いを嗅ぐことで安心感を得られるでしょう。
誤飲をすることは避けたいので、「丈夫な大判のタオル」や「壊れにくい大きめのおもちゃ」などを検討してみてください。
飼い主の存在を確認したいから
犬は社会的な動物なので、グループで行動していないとストレスを感じます。
飼い主の足元で寝ることで、自分のそばにいるかどうか常に存在を確認しているのでしょう。
日中も飼い主がどこにいるのかを把握するために、気づくとこちらを見ていたり、移動するたびにくっついていたりすることがあるかと思います。
飼い主への信頼の表れでもありますし、場合によっては、なにかを要求したいのかもしれません。
注意が必要なのは、愛犬の「飼い主への依存度」が高い場合です。
飼い主に依存している場合、「分離不安症」と呼ばれる精神疾患を引き起こすことがあります。
分離不安症の兆候として以下の様子がみられます。
- 飼い主の不在中に粗相をする
- 少し離れただけで過度に鳴く
- 帰宅時に過度に興奮する
- 外出中に家具などの物品を破壊する など
外出中の問題行動が多い場合は、早めに近くの獣医師に相談しましょう。
犬が足元で寝ることのメリット
わんちゃんが足元にいると、寝返りが打ちづらくて熟睡しにくいかもしれません。
しかし、愛犬が足元で寝てくれることで、我々にとってもメリットがあります。
飼い主にとってのメリットを3つ紹介します。
コミュニケーションを取りやすくする
自分の足元で寝てくれることで、ちょっとした時間でもすぐにコミュニケーションをとることができます。
就寝前後は飼い主もリラックスした状態なので、丁寧なスキンシップをとりやすく、優しく接することで愛犬も安心して寝つくことができるでしょう。
スキンシップをとる際には、撫でるだけでなくマッサージもしてあげると、愛犬がさらにリラックスした状態になりますので、余裕があればマッサージを導入してみてください。
マッサージをする場合は、以下の箇所がおすすめです。
- 首からお尻
- 前脚、後ろ脚
- 顔の周り
愛犬の体調がよくなかったり、病気治療中だったりする場合は、症状が悪化してしまう可能性があるので、マッサージを行わないように注意が必要です。
マッサージのほかにも話しかけることが重要で、「おやすみ」「おはよう」などの声掛けを積極的に行うと、愛犬が「自分のことを気にかけて貰えている」と感じることができるのでおすすめです。
信頼関係を築く手助けになる
一緒に時間を過ごすことは、信頼関係を構築する上で非常に重要です。
足元に寝ている愛犬を気遣うことで、飼い主との絆が強固になっていきます。
特に就寝中は無防備な状態になるので、「信頼できるリーダー」として認めてもらうために、あなたと寝ていると安心できるという環境にしておきましょう。
もし、信頼関係が構築できないとしつけが上手くいかず、以下のような問題行動を起こす可能性があるので気を付けてください。
- 布団に粗相をする
- ベッドを占領する
- 唸る
問題行動が出ている場合は、愛犬に対する接し方を見直すタイミングです。
「お犬さま」にさせるような行動をとっていないか、しつけの仕方は間違っていないか、普段の様子を振り返ってみましょう。
飼い主の健康や安心感を守る役割がある
大事なパートナーである、飼い主に万が一のことがあっては大変です。
あなたの近くで寝ることで、飼い主さんが体調を崩していないか、リラックスした状態で寝ているかを確認し、寄り添うことで安心感を与えてくれます。
また、犬の嗅覚は人間の100万倍と言われるほど優れているので、飼い主さんの病気をいち早く察知してくれるかも知れません。
近年「がん探知犬」と呼ばれる特殊な訓練を受けた犬が話題になるぐらいなので、あなたの身体の特定箇所ばかりを気にしはじめたら、一度病院を受診してみるのもいいでしょう。
飼い主が注意すべきポイント
愛犬が足元に寝ていることで、思わぬ事故や怪我、病気のリスクをあげてしまうことがあります。
たとえば、「ズーノーシス(人獣共通感染症)」にかかることがあるかもしれません。
または、就寝中に寝返りをしたことで、愛犬がベッドから転落して足を骨折することも考えられるでしょう。
飼い主として注意すべき点について詳しく解説していきます。
足元に寝ている犬のことを気遣う
愛犬があなたの足元で寝ているのは、飼い主を群れのボスとして認めている証です。
寝返りで蹴とばしたり、押しつぶしたりしないように、細心の注意を払う必要があります。
特にベッドで寝ている方は、落下による愛犬の怪我が予想されるので、はじめから対策をしておきましょう。
対策は以下のとおりです。
- ベッドに柵をつける
- 高さのない布団に変更する
- 降りやすいようにステップを置く
- ベッド下にクッションを敷き詰める
中小型犬の場合は、骨折をしやすいので早めに対策することが肝心です。
もし、あなたの寝癖があまり良くない場合には、添い寝自体をやめることも検討しましょう。
いきなり別々に寝かせようとすると、わんちゃんにも不信感が募りますので徐々に慣らすことが大事です。
以下の点に注意してください。
- 新しい寝床に誘導するときはおやつなどを使う
- 飼い主のベッドにのったら「ノー」をはっきり伝える
- 飼い主の近くに寝床を設置する
- 愛情を惜しみなく注ぐ
1人では難しいと感じたら、専門家に相談してみることをおすすめします。
安全な環境を提供する
愛犬と一緒に寝るのはとても幸せな時間だと思いますが、できれば飼い主から少し離れた場所でも寝られるようにしておくことが大事です。
寝るときは一番無防備な状態になりますので、愛犬が落ち着けそうな場所に「クレート」などを用意してあげましょう。
クレートとは、箱型のハウスになっていて、寝床として使えるのはもちろんのこと、トレーニングや輸送にも使うことができる優れものです。
非常時も活躍するので、日頃から慣らしておくと、いざという時にも役立ちます。
一点注意してほしいのは、愛犬が睡眠中のときは身体を触らないようにしてください。
せっかく安全な場所を確保してあげても、油断しきった状態の身体に触れてしまうと、安全な場所として認識されなくなるかもしれません。
驚いて噛みつかれるなどの事故につながる可能性も考えられます。
愛犬との信頼が損なわれることは避けたいので、たとえ可愛くても就寝中はそっとしておいてあげましょう。
必要なケアやトイレの確認を怠らない
愛犬のケアをさぼると、飼い主も病気にかかることがあります。
お手入れと、衛生管理を怠らないようにしましょう。
犬には以下のケアが必要となります。
- ノミ・マダニ予防
- 健康診断
- ワクチン接種
- フィラリア予防
- シャンプー
- ブラッシング
忙しいと定期的に手入れをしてあげるのは大変ですが、命に関わる感染症も身の回りに潜んでいるため、できるだけケアをさぼらないようにしてください。
水が嫌いな子を毎日お風呂に入れるのは大変だと思うので、どうしても難しい日には「ドライシャンプー」をつかうなどして、負担を減らすのも手です。
また、愛犬による寝具への「粗相」は細菌の温床となる可能性があるので、就寝前のトイレの確認は徹底しましょう。
寝る前に排せつを促すか、自由にいける場所にトイレを設置してあげるなどの対策も有効です。
犬の行動から読み取れる愛情表現
ヘソ天で寝転がっているわんちゃんや、身体にぴったりと寄り添ってくる愛犬の姿は愛らしく、見ていて幸せな気持ちになる飼い主は多いのではないでしょうか。
飼い主から愛情をたくさんうけて育った犬は、愛情表現も豊富なので見ていて飽きません。
愛犬の行動を読み解くために、犬によくみられる愛情表現について見ていきましょう。
くつろぐ姿勢や寝相に注目する
普段の愛犬がどのように行動しているか観察することで、あなたとの絆がしっかり形成されているかわかります。
普段から横に足を投げ出して寝ているか、もしくは、仰向けになっている場合は、飼い主との信頼関係がしっかり構築できているといえるでしょう。
急所である「お腹」をみせてくれているので、非常にリラックスしている証拠です。
「なかなか仰向けになって寝てくれないけど、信頼されていないのかな?」と心配になった方は、まだ焦る必要はありません。
愛犬の性格が臆病、もしくは、警戒心が強い場合は、飼い主との信頼関係があってもうつぶせで寝ることが多いと言われています。
無理に寝姿勢を変えさせるのではなく、わんちゃんの気持ちに寄り添ってあげることが大事です。
ただし、暑い時期の「ヘソ天」には注意してください。
愛情表現ではなく、暑さを感じて体温を下げようとしていることがあるので、呼吸が荒いなどの症状がみられたら、エアコンで室温を調整するなどの対処が必要です。
お腹を見せたり、近くに寄ってきたりする行動に意味がある
犬は猫とは違い、飼い主にかまってもらうのが大好きな動物です。
何気なく近づいてきたり、目の前でゴロンとお腹を見せてなにかを待っているようなしぐさをしたりすることがあると思います。
近くにきてゴロリと仰向けに寝るのは、「かまってほしい」のサインなので、優しく撫でてあげるか、余裕があれば遊んであげましょう。
犬が撫でると喜ぶ部位と、嫌がられる部位については以下の表を参考にしてください。
撫でると喜ばれる部位 | 撫でると嫌われる部位 |
耳の後ろ | しっぽ |
胸もと | 手足 |
首から背中にかけて | 口の周り |
お腹 | 目の近く |
お腹などの急所を撫でる場合は、「ガシガシ」と強く触るのではなく、「ふんわり」としたソフトタッチが基本です。
撫でてあげながら、愛犬の表情を確認すると、気持ちよさそうにしているかが一目でわかります。
もし、わんちゃんに撫でるのを嫌がられてしまう場合は、性格からくるものかもしれません。
犬の性格や、過去の経験から触られることを嫌がる子も一定数存在することは覚えておいてください。
撫でると嫌そうにしている様子があれば、無理に触らずに少しずつ慣らしていきましょう。
飼い主の近くでくつろぐことで安心感を得ている
わんちゃんはとにかく飼い主の近くにいるのが大好きです。
たとえ、在宅ワーク中でかまってもらえなくても、目の届く範囲でお昼寝していたり、足元に寝転んだりして、飼い主の近くで過ごそうとします。
理由は、飼い主がいることを確認すると安心できるからです。
犬は1日約14時間前後を寝て過ごす生き物なので、リラックスできるあなたの近くで寝たいのでしょう。
ただ、一緒にいても忙しさから愛犬を無視することが増えてしまうと、以下のような問題が起こるので注意が必要です。
- 信頼関係が希薄化する
- 問題行動が増加する
- 怒りや罪悪感にさいなまれる
- しつけが上手くいかなくなる
犬は集団で行動することに慣れているので、無視されるのを非常に嫌がります。
単独行動を好む猫とは習性が異なるので、覚えておいてください。
出張などで家を空けることが多い方は、ペットホテルを利用するといいかもしれません。
近くにペットホテルがない場合には、忙しい時期だけ実家や知り合いに預けるのも手です。
日頃から、愛犬に負担がかからない場所をいくつかピックアップしておきましょう。
まとめ
愛犬が足元で寝てくれているのは、飼い主が大好きな証拠だということはすでにご存じのとおりです。
少し寝にくいかもしれませんが、お互いにメリットがあるので、少しおおめに見てあげてもよいのではないでしょうか。
近年、ベッドで寝る家庭が増えてきているので、落下によるわんちゃんの怪我には充分注意してください。
稀に、愛犬が飼い主の寝返りで下敷きになるケースがあるので、寝相が悪いとわかっている方は、わんちゃんにクレートやケージで寝てもらうようにすると安心です。
ぜひ、今回の記事を参考にして、愛犬と一緒に過ごす時間を大切にしてあげてください。