豆知識

コーギーってしっぽはあるの?しっぽを切る理由について

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はじめに

これからコーギーを家族に迎えたいと考えているみなさんのために、犬種の性格・特徴・誕生した歴史的な背景について解説します。コーギーについて、より知識を深めたい人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

コーギーとは?

コーギーは、胴体に対して足が極端に短く、ふっくらと丸みを帯びたお尻が特徴の洋犬です。正式には「ウェルシュ・コーギー」と言い、体毛の色の違いにより、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・カーディガン」の2種類に分類されます。日本国内で登録頭数が多いのは、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、レッド、ファーン、ブラック&タン、セーブルの4色の毛色に限定されているのに対し、ウエルシュ・カーディガンはカラーバリエーションが豊富です。

コーギーの歴史

コーギーはスピッツ系犬種を祖先としますが、その歴史については諸説あります。また、ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークとウエルッシュ ・カーディガンでは、誕生秘話が異なることも特徴的です。最初に、日本で飼育している人が多い、ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークの歴史について紹介します。

コーギーの歴史1 : ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークの誕生秘話

ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークの歴史は、12世紀頃にまで遡ります。当時、ヨーロッパのフローレンス地方から、イギリスウェールズ地方に移動して来た織物職人の犬と地元のキャトルドッグが交配した結果、誕生したと言われています。

ただし、この説が真実であるかは怪しい部分です。というのも、北欧からの侵略者が連れて来た犬とダックスフンドの交配種が、ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークの起源とする説もあるためです。

コーギーの歴史2 : ウエルシュ・カーディガンの誕生秘話

ウエルシュ・カーディガンは、コーギー・ペンブロークほどは深い誕生説はありません。イギリスウェールズ地方でダックスフンドとの交配の結果、誕生した犬種です。

2種類の犬種ともに家畜犬として愛される

コーギーは寸胴で背丈が低い小柄な体型が家畜を誘導しやすいと、古くからは家畜犬

として重宝され続けてきました。生まれて間もなく、尾を切り落とすのも、牛から身を守るためです。

一方、時代の変化とともに、牧草地を柵で囲む農家が減少したことにより、コーギーは家畜犬としての役目を終えます。その結果、もともと頭数の少ないウエルシュ・カーディガンは、絶滅の危機に瀕したとのことです。

王室の愛犬となり再び脚光を浴びる

1933年に故エリザベス女王の父ジョージ6世が、1匹のコーギーを迎え入れます。この歴史が、コーギーがロイヤル犬として愛されるようになったはじまりです。ジョージ6世とエリザベス女王自身が、ブリーダーとなり、コーギーの繁殖に熱心に取り組んだそうです。その結果、コーギーはロイヤル犬として、イギリス国民達から今尚も愛され続けています。

体重・平均寿命

コーギーの平均体重は9〜12kgで、オスとメスで体重はそれほど大きく変わりません。平均体高は25〜30cmと低めではあるものの、個体によっては平均体重が10kgを超えるコーギーもいます。そのため、小型犬と中型犬のどちらに分類するべきか判断に迷う部分です。

コーギーの平均寿命は13.3歳ですが、20.2歳まで生きた事例もあります。飼い方や遺伝的な体質、体の大きさによっても寿命は変わります。

コーギーの特徴や性格について

コーギーは好奇心旺盛で、活発な性格です。古くから牧羊犬として人に使われてきただけのことはあり、飼い主に忠実です。人懐っこい性格で、頭も良いため、家庭用のペットに向いています。社交的でコミュニケーション能力が高く、他の犬とも率先して仲良くしようとします。

一方で、牧羊犬としての本能が働いてしまうことが、飼育する際のデメリットな部分です。きちんとしつけをおこなわないと、他の犬や猫などを見たときに、吠えたり、追いかけ回したりするかもしれません。

オスとメスの違い

コーギーのオスとメスとの性格の違いについては、個体差があるため一概には断言できません。一方で、オスはメスに比べて、ヤンチャで活動的な個体が多い傾向にあります。オスの中には、反抗的な個体も見られるため、飼いづらく感じるかもしれません。

しかし、オスのコーギーは基本的にフレンドリーな性格なので、コミュニケーションをしっかりと取って、関係を深めていけます。

一方のメスのコーギーについては、オスと比較して、おっとりした個体が多めであることが特徴です。ただし、飼い主によっては、性格がきつい、冷たいと感じる人もいます。

発情期には本能的に情緒不安定になる傾向はあるものの、それ以外の時期は穏やかなため、オスよりも扱いやすいです。

毛色

一般社団法人ジャパンケネルクラブが、公式に「スタンダード色」に認定している毛色は、以下の4種類の単色です。

  • レッド・・・赤茶色
  • セーブル・・・ベースの赤茶に黒色が混色
  • フォーン・・・黄色味を帯びた淡色
  • ブラック&タン・・・黒と黄褐色の混色

上記の単色の他に、足や額、胸などの部分に白い模様が入るパターンも「スタンダード色」に含まれます。

コーギーを飼育する楽しみのひとつが、成長段階に応じて毛色の変化を感じられることです。赤茶色だった毛色が、さらに深みを帯びたり、逆に色素が薄くなり淡い色に変わる楽しみがあります。

また、場合によっては。セーブルの特徴である黒色がほぼ消えて、ベースの赤茶色だけになる個体もいます。そのため、個体によっては、子犬の頃と成犬になってから見た目が全く異なる可能性もあり、コーギーとの生活がより一層思い出深いものになるでしょう。

コーギーのしっぽはいつ切られるの?

コーギーの中には、尻尾がない子もいますが、生まれつきではありません。本来は、生まれながらに他の犬種と同じく、尻尾が生えており、人間が意図的にしっぽをカットしています。

そこで、コーギーのしっぽは誕生してから何歳で切られるのか、さらに尻尾をカットする理由について解説します。

生後すぐ

コーギーのしっぽは、生後間もない個体は神経が未発達なため、麻酔を使わずに尻尾を切り落とせるという理由により、生後5日までにカットされるのが一般的です。また、誕生して間もない個体に、全身麻酔を使用するのはリスクが大き過ぎるなどの理由もあります。

しかし、痛みに関する根拠については、科学的には明確に実証されていません。痛みは感じているものの、生後間もないために、コーギーが自分の感情を表現できないだけとの見方もあるようです。

また、生まれたときに、体力の消耗が激しい個体については、生後8週齢を過ぎて、全身麻酔に耐えられる時期を迎えてから、しっぽをカットします。

切断方法

コーギーのしっぽを切断する方法には2種類あります。1つ目の方法は、日本国内で一般的な獣医師による外科的な処置です。外科手術用のメスを用いて、尾の付け根から切断します。

2つ目の方法が、ブリーダーやペットショップなどで取り入れている、しっぽの付け根をゴムやひもでギュッと結び、血流を止めて組織を壊死させる方法です。壊死し腐ったしっぽは、自然と落下します。

コーギーのしっぽを切った方が良い理由

なぜ、コーギーのしっぽを人工的に切断することになったかについては、さまざまな学説があり、見解が分かれます。また、断尾については、風習を重んじる日本人と、時代の流れを大切にする西洋諸国では、考え方に違いが見られることも特徴的です。

そこで、コーギーのしっぽを切った方が良い理由と、日本と西欧諸国の断尾に対する見識のズレについて解説します。

牧羊犬

コーギーがしっぽを切った方が良い理由として、牧羊犬であったことが挙げられます。牧羊犬として、牧場を走り周り羊や牛の群れを追い、牧場の見張り番としての仕事を全うするうえで、長い尻尾は邪魔です。

また、コーギーよりもはるかに大きく、重量の大きい家畜に、尾を踏まれ怪我を負うようなことになれば、命さえも脅かされます。牧場主としても、片腕であるコーギーを失えば、牧場の経営に支障が出ます。

そこで、牧場主達はアイディアを出し合い考えて、コーギーの命を守り、さらに牧羊犬として効率よく動き回れるように、意図的に尻尾をカットすることを決意したそうです。

さらに、コーギーが牧羊犬として飼育されていた時代のイギリスでは、尻尾のある動物が課税対象であったことも、コーギーの尻尾を断尾する習慣と関連しています。

きつねと間違えないようにするため

コーギーはピーンと立った耳、黄褐色のフサフサとした毛が、キツネに似通っているため、狩猟の獲物に見間違えてしまう可能性があります。狩猟者達がコーギーとキツネを見間違えて、銃を発砲する危険性があり、断尾に至りました。

衛生的な理由

コーギーが牧羊犬として活躍していた頃は、現代のように医学が進歩していませんでした。牧羊犬という職業上、しっぽのちょっとした傷口に泥や糞尿が付いて感染症を起こしてしまえば、コーギーが死んでしまう確率が高かった時代です。

破傷風などの感染症からコーギーを守るために、可哀想に感じながらも、断尾をおこなっていた時もありました。また、当時はコーギーの尻尾を切り落とすと、狂犬病から愛犬を守れると人々の間で語り継がれていたそうです。

西欧諸国と日本の違い

日本では、コーギーのしっぽを断尾することが当然であると考えられています。しかし、本来、断尾の習慣は、牧羊犬という職業に起因しているはずです。

実は、一般家庭のペットとして飼育されているコーギーは、美容目的でしっぽを断頭されています。動物を虐待する者を法律で罰していることを考えると、矛盾した話です。

その背景には、私達日本人の国民性が大きく関連しているようです。日本人は保守的な思考が強く、「コーギーのしっぽはカットすべき」という固定観念が根強く残っています。また、古くから伝わってきた風習・習慣を大切にする国民性も、コーギーの断尾と関連していると言えるでしょう。

確かに、コーギーがペットとして飼われている今尚も、断尾する行為はお尻の周りを衛生的に保てる点では、飼い主にとってメリットです。しかし、コーギーにとっては、体幹を保ち、感情を表現する尻尾を切断されることは、デメリットでしかありません。

西欧諸国はしっぽを切らない?

西欧諸国では、コーギーを家畜犬として飼育していた時代は、「断尾が犬の命を守る行為」と捉えられていましたが、時代の移り変わりとともに、人々の考えが変わりつつあります。

現在では、「動物の命を尊重し、人間が苦痛を与える行為は自粛するべし」という動物愛護の考えに基づき、コーギーなどの動物の断尾を法律で禁止する国が増えている現状です。

日本国内においても、そのような西欧諸国の動きを真摯に受け留めて、断尾をおこなわない方法に変わりつつあります。

他にもしっぽを切る犬種

コーギー以外にも、断尾をおこなう犬種が存在します。どのような犬種が断尾の対象になるのか紹介します。

小型犬

まずは、小型犬から断尾の対象になる2つの犬種について解説します。

トイプードル

トイプードルの発祥の地、西欧の国々では節税・狂犬病予防の目的で、断尾を実行していた歴史があります。そのような歴史的背景により、トイプードルは尾が短い犬種という考えが定着し、根強く過去の風習が続いている現状です。

シュナウザー

シュナウザーも生後まもない時点で断尾をおこなうため、しっぽが短いです。その歴史的背景は、トイプードルと同様に、節税・狂犬病予防に関連しています。ただし、現在では美的目的で断尾をおこなうことが一般的です。

大型犬

次に、大型犬の中で断尾をおこなう代表的な犬種を紹介します。

ドーベルマン

ドーベルマンは護衛用や警察犬、軍用犬を代表する犬種です。そのため、長い尾があると、業務に支障を及ぼす可能性があります。そこで、少しでも弱点を取り除き、実用化しやすくする目的で、断尾及び断耳を実施しています。

ボクサー

ボクサー犬は、もともとは狩猟犬として飼育されており、今では警察犬となる個体もいます。そのため、ドーベルマンと同じく、実用化しやすいように、古くから断尾がおこなわれていました。

コーギーの可愛い写真

可愛いコーギーの画像1

上を向いてゴロンと横になるコーギー。なにか考えごとをしているようです。「退屈だな」それとも「疲れた」と感じているのでしょうか。

可愛いコーギーの画像2

飼い主さんの言いつけを守って、「伏せ」をしているコーギー。ご褒美のおやつはもらえるかな?

可愛いコーギーの画像3

お友達と仲良くかけっこをするコーギー。どっちが早くゴールにたどり着けるかな。

可愛いコーギーの画像4

飼い主とお散歩に来て、リバーサイドでひと休みするコーギー。

可愛いコーギーの画像3

小首をかしげて、考え事をする愛らしいコーギー。「きょうのおやつはまだかな……?」

まとめ

コーギーを飼う前に知っておきたい、特徴・性格・歴史的背景・断尾の理由などを中心に解説させていただきました。コーギーと親睦を深めるには、犬種特有の性格を深く理解することが前提となります。

コーギーは人や他の動物が大好きな犬種のため、初めてペットを飼う方でも飼育しやすく、扱いやすいです。これからペットを迎えようと考えているなら、コーギーを検討してみてはいかがでしょう。

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