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はじめに
お肉を食べている時、匂いにつられて愛犬が寄ってきたという経験をした飼い主さんも多いはずです。お肉はドッグフードにも含まれており、愛犬に与えている飼い主さんも多くいるでしょう。
しかし「お肉だからと種類問わず与えても良いのかな」、「お肉を与えるときの注意点を知りたい」と多くの疑問が浮かぶはずです。そこで今回は、人間にとってお手軽で栄養価も高い豚肉に注目して犬に与える際の注意点や適切な与え方について解説します。愛犬の健康を保つために、食事に関する正確な情報をしっかりと理解しましょう。
豚肉を犬に与える際の注意点とは?
結論からいうと、豚肉は犬に与えても大丈夫です。犬にとっても栄養価が高い豚肉は、ドッグフードにも多く使用されています。しかし、与えても良いからといって量や頻度を考えずに与えるのは不適切です。ここからは、豚肉を犬に与える際の注意点について解説していきます。
与えても大丈夫な理由とは?
豚肉はタンパク質やアミノ酸が豊富に含まれているため、犬に与えても良いとされる食材です。また、夏バテ予防効果や疲労回復効果も含まれているため、犬の体調を整える効果も期待されています。
また、犬用のおやつとして豚耳や豚鼻、豚軟骨など多くの豚肉が使用されています。味に関しても、ドッグフードやおやつにも豚肉は含まれていることから多くの犬は豚肉の味をよく好むといえるでしょう。
豚肉の栄養素と犬の体への影響
カリウム
ナトリウムとのバランスを取り、血圧を調整する効果があります。犬の細胞内の水分バランスも調整するので、脱水症状を防ぐ効果もあるでしょう。
筋肉の収縮機能の調節にもはたらきかけるカリウムは、不足してしまうと犬の筋肉に悪影響を及ぼし、筋肉の痙攣や筋力低下に繋がる恐れがあります。しかし、腎臓に疾患があったり弱っている場合は心臓に負担がかかってしまうこともあるため、摂取量には十分注意してください。
タンパク質
身体作りに必要不可欠なタンパク質は、人間はもちろん犬にとっても重要です。筋肉だけでなく血液成分、細胞の構築、免疫機能や良質な被毛を作るためにも重要です。一般的なドッグフードには適量のタンパク質が含まれていますが、穀物がメインとなるドッグフードにはタンパク質が欠如している可能性があります。
お肉の中でも豚肉はタンパク質を多く含んでいるため、特に運動量の多い犬や成長期の犬には与えるようにしましょう。一方、タンパク質を摂り過ぎてしまうと腎臓や肝臓に負担がかかってしまうため注意してください。
ビタミンB群
豚肉には多くのビタミンB群が含まれており、疲労回復効果や夏バテ予防効果があるとされています。代謝を促したり粘膜や皮膚を健康な状態に保つほか、糖質をエネルギーに変換するのを促す効果が期待される栄養素です。
ビタミンB群は非常に壊れやすいため、ドッグフードには含まれていないことが多く見られます。豚肉を犬に与えることで、積極的にビタミンB群を摂ることができます。不足してしまうと貧血や脱毛といった症状が現れる可能性や、心臓に障害が現れる場合があるので気をつけましょう。
脂質
あまり良いイメージがない脂質ですが、犬の被毛や皮膚を健康に保つうえで非常に重要な栄養素といえます。健康な皮膚を保つことは感染症を防ぐだけでなく、被毛を光沢のある美しい状態にさせることに繋がるでしょう。
犬も人間と同様、脂質の摂り過ぎは肥満に繋がってしまうので適量を与えるように心がけてください。また、犬の個体差によっても適切な脂質の量も異なってくるので、獣医師と相談しながら犬の年齢や健康状態に応じた脂質を摂取させてあげましょう。
ナイアシン
ナイアシンもビタミンの1種でありタンパク質や脂質、糖質等の代謝を促す作用があります。犬が摂取した食べ物をエネルギーに変換する重要な栄養素であるので、日常的な活動や活発な運動を行う上で必要不可欠です。
ナイアシンが不足してしまうと、ナイアシン欠乏症を起こしてしまったり皮膚の炎症や下痢、認知症に繋がる恐れがあります。犬が高齢期に入ると体調を壊したり、毛並みが悪くなってしまう可能性があるので注意しましょう。
アルギニン
犬の身体にとって必要不可欠な必須アミノ酸であるアルギニンは、免疫細胞の活性化を助ける効果が期待されており免疫システムをサポートする働きがあります。感染症や病気に対する抵抗力向上に関係する重要な栄養素です。
また、タンパク質を分解することでできたアンモニアを尿素に変え、エネルギーの生産を促すことで疲労回復効果が期待されています。しかし、過剰摂取してしまうと消化器系の異常や下痢などの症状が現れる可能性があるので気を付けましょう。
与える際に気をつけるべき量と頻度
犬に与えても良いものだからといって、何でも大量に与えても良いとはいえません。では、犬の健康にも良いとされている豚肉ですが、犬にどれくらいの量と頻度を与えたら良いのでしょうか。
ご飯へのトッピング、おやつ、間食としてあげる場合は、1日の最適カロリー量の10%程度が目安となります。
犬が食べてもいい豚肉の量の目安は以下の通りですので参考にしてみてください。
おやつの場合
犬の体重 | 目安量 |
~1kg | 4g |
~3kg | 8g |
~5kg | 12g |
~10kg | 27g |
~20kg | 34g |
ごはんの場合
犬の体重 | 目安量 |
~1kg | 25g |
~3kg | 60g |
~5kg | 80g |
~10kg | 150g |
~20kg | 250g |
豚肉の調理方法の注意点
犬に豚肉を生のままではなく、必ず火を通して与えるようにしましょう。生のままだと、細菌や寄生虫が潜んでいる可能性があり非常に危険です。また、アレルギーを持っている犬もいるので初めて与える時には、少量から犬の様子を見ながら食べさせるようにしてください。
部位にもよりますが、豚肉は脂身が多いお肉です。脂身は犬の消化器官に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ避けて与えるようにしてください。また、噛む力が弱い小型犬や顎の小さい犬は豚肉を噛み切れず、喉に詰まらせてしまう可能性があります。必ず食べやすい大きさに切って、食べさせましょう。
豚肉の適切な与え方とは?
ここからは犬に豚肉を適切に与える方法について解説します。豚肉を上手く日常の食事に取り入れ、犬の健康と安全を守るようにしてください。
豚肉の調理方法と犬への与え方
犬に豚肉を与える際は、「茹でる」「焼く」といった調理法が挙げられます。犬に豚肉を与えるときにおすすめな調理法が、茹でることです。茹でることで犬が消化しやすく、余分な脂肪分も減らすことができます。茹でる時は脂身を取り除き、食べやすい薄切りの肉を与えましょう。
ロースやバラなどの脂身が多い部位は、焼くことで脂質を落とすことができるのでおすすめです。豚肉を焼くことで、美味しさや香ばしさが引き立つので犬が好んで食べるでしょう。
豚肉を調理して犬に与える時は、火傷をしないように必ず冷まして食べさせてください。
豚肉を食事に取り入れる方法
人間と比べて消化器官が小さい犬は、食材1つから栄養素を全て吸収するのは難しいといえます。そのため、豚肉は犬にとって栄養価が高い食材とはいえ豚肉のみ与えていては栄養が偏ってしまうでしょう。
犬の主食であるドッグフードをメインとして、おやつとして豚肉を与えるようにしてください。ドッグフードに豚肉をトッピングしたり、豚肉の茹で汁をドッグフードに混ぜると愛犬も喜んで食事を取ってくれるでしょう。
豚肉のメリットと注意点まとめ
豚肉には犬にとって多くのメリットを与えますが、与える際には注意しなければならない食材です。ここからは、犬が豚肉を食べるメリットや注意しなければならない点を解説します。良い点だけではなく、豚肉の注意すべき点をしっかり把握しておくことが重要です。
豚肉の栄養素と健康への効果
豚肉はタンパク質やビタミンB群、カリウムといった犬にとって必要不可欠な栄養素を多く含んでいます。お肉から摂取しやすいタンパク質は、筋肉の元となるので犬が毎日元気に過ごす上で非常に重要です。成長期の犬や運動量が多い犬は、体作りにタンパク質が必要となるのでより良い筋肉を作るうえで効果的でしょう。
また、あまり良いイメージが沸かない脂質も適切な量を取り入れることで被毛や皮膚の健康を保つことができます。また、脂質は消化が遅いので食事のコントロールに繋がり犬が過食するのを防ぐことに繋がるでしょう。
与える際に気をつけるべきポイントのまとめ
加熱して与える
人間と同じように、犬にも豚肉を与える際は必ず加熱して与えるようにしましょう。生の豚肉には細菌や寄生虫が潜んでいる可能性があり、犬の健康に悪影響を及ぼす危険性が考えられ、最悪の場合命の危険も考えられます。
生肉だからといって栄養価が高く、身体に良いということはありません。犬が細菌に感染してしまったらその影響が人間にも及ぶ可能性があるので、必ず焼いたり茹でるといった調理を加えて与えるようにしましょう。加熱した後は、犬が火傷をしないように十分冷ましてから食べさせるようにしてください。
アレルギー反応に注意
稀に豚肉にアレルギー反応を起こす犬も存在します。そのため、初めて犬に豚肉を与える際は少しずつ与え、犬の様子に変化はないか確認するようにしましょう。豚肉はアレルギー反応が出にくい食材とされていますが、可能性が無いわけではないので注意してください。
犬が嘔吐したり、目の充血、元気が無いといった症状が現れた場合はすぐに豚肉を与えるのを中止し、すぐに動物病院を受診しましょう。動物病院ではアレルギー検査も行っているため、気になる場合は受けることをおすすめします。
食べやすい大きさに切る
顎が小さい犬は噛む力が弱く、細かく嚙み砕くことが難しいので豚肉を喉に詰まらせてしまう可能性があります。大きい塊の豚肉をそのまま丸のみしてしまうと、消化不良を起こす場合があるので注意が必要です。
喉に詰まらせることの予防や消化器官の負担軽減のためにも与える前には細かく刻み、犬が食べやすいようにする工夫を施しましょう。
脂身はできるだけ避ける
豚肉には多くの脂身が存在しますが、できるだけ取り除いて犬に与えるようにしましょう。脂身は消化器官に負担を与えるだけでなく、肥満の原因ともなるので注意が必要です。
加熱することで脂身を少し取り除くこともできるので、必ず火を通し脂質を減らしましょう。また、毎日脂身の多い豚肉を与えていては肥満に繋がってしまうので、適量を考えドッグフードのトッピング程度に抑えておいてください。
骨付き肉は注意
骨についた豚肉をかじって食べることが好きな犬も多いはずです。豚肉にも骨付きは存在しますが、犬が骨を飲み込んでしまう可能性があるので注意してください。また、力を加えて噛むことで歯が折れてしまう危険も考えられるでしょう。
万が一噛み砕いて骨を食べてしまっても、消化器官を損傷してしまうケースがあります。犬が骨を食べていないか、目を離さないようにしてくことが大切です。
豚肉を食べるときの犬の反応と注意点
初めて豚肉を食べる犬はアレルギー反応や好き嫌いが考えられるので、特に注意が必要です。ここからは豚肉を犬が食べた時の反応と気を付けなければならないポイントについて解説します。
犬が豚肉を食べるときの反応と意味
豚肉を与えた際、犬が不審がらずに食べ続けていると喜んで食べているという意味を持っているでしょう。豚肉は多くの犬が好むとされているので、嬉しい気持ちを表現することが多いと考えられています。
豚鼻や豚耳など犬用のおやつとしても人気な豚肉は、味わい深く犬にとって魅力的な食材です。ただし、愛犬の喜んでいる顔を見たいからといって豚肉の与え過ぎには注意してください。
食べる際に気をつけるべきこと
中には豚肉のアレルギーを持っている犬もいます。食べている時は嬉しそうにしていても、食後はアレルギー反応により目の充血や湿疹、嘔吐などが見られる可能性があるので愛犬に異常がないかよく観察しましょう。
特に初めて豚肉を食べる犬に与える際は、少しずつ食べさせ必ず様子を見るようにしてください。万が一、異常が見られた場合はすぐに豚肉を与えるのを中止し、動物病院に相談しましょう。
また、豚肉には脂肪分が多く含まれているので子犬や高齢の犬など消化器官が弱い犬が食べると嘔吐や下痢を起こす可能性があります。消化吸収力が弱い犬に豚肉を与える際は脂身が少ない部位を少量与えるか、与えるのを控えるといった工夫が必要です。
まとめ
人間にとって美味しいと感じる豚肉を、愛犬にも食べさせてあげたいと思う飼い主さんも多いはずです。豚肉は犬にとって栄養価も高く、好みの味であるとされていますが危険な点もいくつか存在するので注意しましょう。安全な豚肉だからといって適切な情報を理解しないまま愛犬に与えてしまうと、最悪の場合命に関わる場合もあります。愛犬の安全と健康をいつまでも保つためにも、食べ物に関して十分に配慮するように心がけてください。