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- はじめに
- ゴールデン・レトリバーの平均寿命とは?
- ゴールデン・レトリーバーの長生きの秘訣とは?
- ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい病気
- ゴールデン・レトリーバーの健康維持のために気をつけたいポイント
- まとめ
はじめに
大きな体躯に穏やかでやさしい性格のゴールデン・レトリーバーは、番犬としても、子供たちの友としても、家族としてかけがえのない存在の犬種になっています。
「いつまでも健康で長生きして欲しい!」、そんな思いを叶えようと思ったときに、こんな疑問が沸いてきませんか?
「平均寿命はどのくらい?」
「長生きの秘訣ってあるのかな?」
「気を付けなければならない病気は?」
「健康に過ごすためのケアポイントは?」
このような疑問を解消するには、ゴールデン・レトリーバーに関する情報を知り、健康に過ごすための正しいケアを行うことで、愛犬の寿命を延ばすことができるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、ゴールデン・レトリーバーに関する、健康で長生きするための情報について解説していきます。ぜひ、参考にしていただき、愛犬との素敵な時間を少しでも長く過ごしてください。
ゴールデン・レトリバーの平均寿命とは?
ゴールデン・レトリーバーの平均寿命は10歳から13歳とされています。人間の年齢に換算すると50代から60代にかけてとなります。
大型犬種は、小型犬や中型犬と比べて、寿命が短いとされていますが、大型犬種であるゴールデン・レトリーバーは、他の犬種と比べて寿命がどのくらい違うのか、寿命に与える影響について解説します。
レトリーバー犬種の中での寿命比較
ゴールデン・レトリーバーの寿命を考えるうえで、性格や特徴が似ている同じレトリーバー犬種の寿命と比較してみます。
- ゴールデン・レトリーバー
10歳から13歳
- ラブラドール・レトリーバー
10歳から13歳
- フラットコーテッド・レトリーバー
8歳から14歳
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
10歳から12歳
- ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー
10歳から14歳
- カーリーコーテッド・レトリーバー
9歳から14歳
最も寿命の幅があるフラットコーテッド・レトリーバーの寿命が8歳から14歳であることを考えると、ゴールデン・レトリーバーの寿命は安定しています。また、レトリーバー犬種の中では標準的な寿命です。
平均寿命に影響を与える要素
寿命に影響を与える要素は、先天的な要素を除くと以下のようなものが考えられます。
これらの要素は愛犬の寿命を延ばすうえで、改善できるポイントです。
飼育環境
室内飼いをすることにより、、衛生的であるうえに、温度と湿度調整が管理された快適な環境で過ごすことができます。
また、屋外の騒音によるストレスが少ないこともメリットになってきます。ストレスの軽減として最適です。
このような点からも、外で飼うよりも心身への負担を極力抑えた健康的な生活ができます。
食事
ゴールデン・レトリーバーの体質を考慮し、栄養と摂取量を考えた食事を与えることは、健康な体を維持するうえで大変重要です。
成長過程に合わせて、フードの量や質、食事の頻度なども考慮すべきです。
運動
1時間以上の散歩やドッグランなどで適度に運動することは、大きな体躯の大型犬であるゴールデン・レトリーバーの肥満防止だけでなく、ストレス解消にも効果的です。また、家族以外の人や犬に触れることによって社会性の学習にもなり、メンタルの安定にもつながってきます。
屋外での運動量を適度に確保することは、心身ともに健康的な生活を送るうえで欠かせません。
医療
動物病院で受けるワクチンやフィラリア予防薬の処方、定期的な健康診断(ドッグドック)などにより、病気の予防や早期発見が可能です。病気に対する備えを行うことは、長寿や健康維持につながります。
また、家庭におけるシャンプーや爪切り、歯磨きなども同様に大切なケアです。
ゴールデン・レトリーバーの長生きの秘訣とは?
家族の一員である愛犬には健康な体で可能な限り長く生きてほしいと願うことは、どの愛犬家にとっても共通の思いなのではないでしょうか。
そこで、ゴールデン・レトリーバーを長生きさせる秘訣について、食事、運動、医療の3つの面から解説していきます。
適切な食事と栄養摂取
適切な食事とは、大型犬であるゴールデン・レトリーバーにとって必要な栄養素を過不足なく取るということです。
必要な栄養素が配合されたドッグフードを与えられる現代と比べて、家庭の残り物を与えていた時代の犬の寿命は短いものでした。このことからも、与えるフードの危険性と必要な栄養素を過不足なく取ることが、長生きの秘訣であることが分かります。、
では、ゴールデン・レトリーバーにとって必要な栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか。以下、解説していきます。
良質な動物性タンパク質
ゴールデン・レトリーバーに限らず、元来犬は肉食系の動物です。、肉類に入っているタンパク質は、彼らの体を作るうえで最も大切な必須栄養素です。
良質なタンパク質が主原料に使われているドッグフードや、とり肉のささ身などを湯がいた物がお薦めです。
また、消化の良く添加物の少ない肉や魚を選ぶことで、腸内環境を健康に保つことが可能です。このようなフードを選ぶことが、免疫力の維持向上となり、ゴールデン・レトリーバーに多い病気である皮膚炎や外耳炎の予防にもなります。
オメガ3脂肪酸
炎症をおさえる働きがあり、ゴールデン・レトリーバーが痛めやすい関節、皮膚や心臓に良い効果も期待できます。また、オメガ3脂肪酸は代謝されやすいため、肥満の心配が少なく、エネルギー源となる栄養素です。
ドッグフードの原材料表記ではDHAやEPAと記載されている場合が多いため、これらを多く含んだものを選びましょう。
関節サポート成分
グルコサミン、コンドロイチン、MSMなどに代表される成分であり、軟骨の再生や修復、柔軟性の維持、関節痛の緩和などの効果があります。それぞれ関節の働きを助け、シニアになっても元気に歩くために役立つ栄養素です。
ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい病気である股関節形成不全の発症予防として、関節ケアの栄養素を取る食生活は効果的だと思います。
これらの栄養素を考慮したフードを選ぶことが長寿の秘訣になります。
また、与えてはいけない食材への理解も必要です。ゴールデン・レトリーバーに限らず、どの犬種にも当てはまるねぎ類やチョコレートなどは、少量でも与えてしまうと命を落とす危険性があるため、絶対に与えてはいけません。
適度な運動と適切な体重管理
適度な運動はゴールデン・レトリーバーのストレスを解消し、肥満を防ぐ効果があります。
運動が足りないとストレスが溜まり、問題行動の原因にもなります。また肥満になると、骨や関節、内臓へ負担が大きく、健康へのダメージが大きいです。
ただし、激しい運動は体が大きいゴールデン・レトリーバーの関節や心臓に負担を与えるため、適度な運動を行うことが大切です。
成犬では毎日2回、1回あたり2kmから4kmほどの散歩が適度な運動量です。体重を管理しながら、毎日の運動量を保つことが肥満防止に役立ちます。
成犬のゴールデン・レトリーバーの平均体重は、オスで29kgから34kg、メスで25kgから29kgです。個体差があるため、この平均体重を目安に肥満とならないように日々の運動量を調整しましょう。
定期的な健康チェックアップと予防接種
定期的に動物病院で健康チェックアップ(ドッグドックなどの健康診断)を受けておくと、愛犬の年齢による体の変化や健康な生活を送るうえでの注意点が明確になります。病気の予防や早期発見につながり、寿命を延ばすうえでも必要です。
また、愛犬の健康状態を知ることで飼い主も安心できます。最低でも1年に1回は健康チェックアップを受けるようにするとよいでしょう。
健康チェックアップと並び、多くの感染症から愛犬を守るためにも予防接種が必要です。
義務付けられている狂犬病予防接種の他に、任意で受ける混合ワクチンは多くの感染症を予防することができます。
ただし、シニア期に入った場合、狂犬病の予防接種や混合ワクチンは、かえって体の負担になる可能性があるため、獣医と相談しながら摂取するかを決めましょう。
ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい病気
犬種によってかかりやすい病気はさまざまです。自分の愛犬がかかりやすい病気を知り予防することは、寿命を延ばすうえで大切です。
ゴールデン・レトリーバーのかかりやすい先天性疾患と遺伝性疾患、また加齢による病気について解説します。
先天性疾患とその予防策
先天性疾患とは、生まれたときから体の機能に異常がある病気のことをいいます。
ゴールデン・レトリーバーの先天性疾患には以下のものがあります。
股関節形成不全
股関節に緩みがあるために、成長とともに股関節を形成する骨格に異常が発生して、痛みや歩行異常の症状がでる病気です。
激しい運動は避けて、体重を管理しながら股関節に負担をかけずに適度な運動を行うことで予防します。関節を強化するためにグルコサミン、コンドロイチンなどを与えるのも有効であるとされています。
遺伝性疾患とその予防策
遺伝性疾患とは、遺伝子が変異することによって引き起こされる病気のことで、変異した遺伝子である疾患原因遺伝子が、子へ引き継がれることによって遺伝していきます。
ゴールデン・レトリーバーの遺伝性疾患には以下のものがあります。
進行性網膜萎縮症(PRA)
眼球の網膜が次第に萎縮し、最終的に失明してしまう目の病気です。
この病気は両側の目で起こり、初期の段階では暗い場所でのみ視力が低下します。明るい場所では見えているため、飼い主が気づきにくいことがあります。
視力の低下により、不安な様子や物にぶつかるなどの症状があります。
この病気の予防策はないため、視力低下による症状が見られた場合には動物病院で検査を受けて早期に治療を始めましょう。
加齢による病気とその予防策
加齢によって老化すると、さまざまな病気にかかりやすくなります。
心臓病、腎臓病、歯周病、認知症、腫瘍などがシニア犬に多い病気です。
予防策として大切なのは、定期的な動物病院での健康チェックアップ(健康診断)です。病気を早期に発見し、治療することで、愛犬の体への負担も少なくなります。
シニア期では体調の変化や異常が出やすくなるため、受診間隔も狭め半年ごとに定期的に行うことが推奨されます。
そのほか、年齢に合わせたドッグフード、生活環境や運動量を変えていくことも必要です。
散歩は筋力維持のために必要ですが、体への負担を考えて無理のない距離やペースで行うようにしましょう。
また、適度に飼い主と遊び、スキンシップを楽しむことは認知症の予防にもつながります。
ゴールデン・レトリーバーの健康維持のために気をつけたいポイント
愛犬の健康を維持するためには、毎日の飼い主のケアと細かい観察が必要です。その中でも気をつけたい歯と耳のケア、睡眠とストレスの管理について解説します。
毎日の生活のルーティンとして習慣づけ、ぜひ行っていきましょう。
歯のケアと歯石除去
歯の病気は口の中だけでなく、悪化することで体全体に影響を与える怖い病気です。また、歯石除去の治療には、全身麻酔などのリスクを伴います。
しかし、こまめにしっかりと歯のケアを行うことで、これらのリスクを軽減することができます。
歯のケアのポイントは、子犬のころから歯磨きに慣れさせることです。
多くの犬は口の中を触られることを嫌がるため、飼い主にとって歯磨きは悩みの多いケアです。このため、子犬のころから歯磨きに慣れさせることによって習慣化してしまうことが大変重要になります。
犬が歯磨きを嫌いにならないように、歯ブラシをおもちゃとして与えたり、無理なく口の中に指を入れることから始めてみましょう。慣れてきたら指で歯をこすって汚れを取り、段階的に犬用の歯ブラシで磨けるように慣らしていきましょう。
歯ブラシによる歯磨きが基本ですが、歯磨き用のガムなどを併用するのも効果があります。
歯磨きが十分にできず磨き残しがあると歯垢が溜まり、これが原因となり歯石ができます。
歯石が原因で歯茎が腫れたり、出血したりする初期の状態が歯肉炎です。この段階で治療すれば回復しますが、放置して悪化すると歯にダメージを与える歯周炎になってしまいます。
歯石除去の治療には、全身麻酔を行う方法と無麻酔で行う方法があります。
全身麻酔は犬の体に負担となり、大きなリスクがあるものです。持病があったり高齢だったりする場合は特にそのリスクが高くなります。
無麻酔の場合は麻酔のリスクはありませんが、歯石除去中に犬が動くことで犬が怪我をするリスクが発生します。また、歯周炎まで悪化していると十分な効果が得られません。
歯石の除去には以上のような高いリスクが伴うため、歯石を作らせない歯のケアが重要になってきます。
耳のケアと感染予防
ゴールデン・レトリーバーのように耳がたれている犬種は、耳の通気性が悪いため雑菌が繁殖しやすいといった欠点があります。雑菌が繁殖すると外耳炎になる恐れがあるため、耳のケアをしっかり行いましょう。耳を清潔な状態に保つことで、耳ダニ感染症の予防にもなります。
耳のケアは汚れのチェックを週1回の頻度で行い、汚れがある場合は軽く拭き取ります。
このほか、月に1回から2回の頻度でしっかりと耳掃除を行ってください。
耳掃除には犬用のイヤークリーナーなどを使い、目で見える範囲の汚れを拭き取ります。この時、耳の皮膚を傷つけないように優しく拭き取るようにしてください。
犬の耳は弱いため掃除のやり過ぎにより耳を痛めてしまうことがあります。また、自ら浄化する能力があるため、無理して耳の奥まで掃除しなくても大丈夫です。耳掃除のやり過ぎに注意しましょう。
良質な睡眠とストレス管理
ゴールデン・レトリーバーは大型犬のため、小型犬に比べて多くの体力を消耗します。消耗した体力を回復するために良質な睡眠を取ることがとても大切です。
良質な睡眠とは、安心できる快適な環境で必要な分しっかり眠ることです。
睡眠には薄暗く静かな場所、適切な温度と湿度の管理、睡眠中に体に負担を与えないための柔らかいベッドなどを用意することが良質な睡眠につながります。
良質な睡眠が取れずに睡眠不足になると、ストレスがたまりやすく健康への悪影響につながる恐れがあります。睡眠もストレス管理のひとつであることを理解し、愛犬が良質な睡眠を取れるように注意してあげましょう。
まとめ
本記事ではゴールデン・レトリーバーという犬種の性質といった視点で、、健康で長生きするためのポイントを解説しました。
ゴールデン・レトリーバーの平均寿命は10歳から13歳とされていますが、、日本だけではなく世界を見渡すと、20歳を超えても元気に暮らしているゴールデン・レトリーバーの例もあります。
本記事でお伝えした長生きのポイントを実践するのは、飼い主であるあなた次第です。
犬は体に不調があっても、言葉にして飼い主に伝えることができません。飼い主のあなたが常に愛犬の様子を観察し、いち早く異常に気づいてあげることが何よりも大切になってきます。
また、これらの長生きのポイントを実践するだけでなく、、愛犬への深い愛情が長生きの秘訣となったりします。、ぜひ、愛犬とのかけがえのない素敵な時間を少しでも長く過ごせるよう、これらのポイントを参考にしつつ、楽しい時間を過ごしてください。