ペキニーズの平均寿命・最高寿命はどのくらい?長生きのコツを解説

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

ペチャッとつぶれた鼻にクリクリの目、首周りに生えたたてがみのようなフサフサの被毛が魅力的なペキニーズ。愛らしいその見た目からペキニーズを飼ってみたい、またはすでに飼っているという方も多いのではないでしょうか。

しかし犬は人間と比べて寿命が短い動物。一緒に過ごせる時間はあっという間に過ぎていきます。そこで今回はペキニーズの平均寿命や最高寿命、長生きさせるためにも知っておきたい、かかりやすい病気について詳しく解説していきます。

後半にはペキニーズの死因ランキングや、健康を守るために気をつけたいポイントも「飼育環境」「お手入れ」「食事」「運動」とジャンル別にまとめていますのでぜひ最後までご覧ください。

ペキニーズの平均寿命とは?

世界中で愛されるペキニーズの平均寿命は何歳なのでしょうか?

ペキニーズの飼い主さんにとって気になるポイントですね!

結論からいうと、ペキニーズの平均寿命は12〜15歳です。

一般的に犬の平均寿命は小型犬になるほど長くなる傾向にありますが、一般社団法人ペットフード協会が行った「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」では、犬の平均寿命について以下のような結果となりました。

犬の大きさ平均寿命
超小型犬(ペキニーズ・チワワなど)15.31歳
小型犬(シーズー・芝犬・パグなど)14.28歳
中・大型犬(ゴールデン・レトリーバーなど)13.81歳
犬全体14.76歳

犬全体の平均寿命とペキニーズが分類される「超小型犬」の平均寿命とでははで0.55歳「超小型犬」の方が寿命が長いという結果になりました。

犬全体の平均寿命が14.76歳だったことから見ても、ペキニーズの平均寿命12〜15歳は特別短命というわけではなさそうですね。

しかしながらペキニーズは「短頭種」という頭蓋骨に比べて鼻の長さが短い犬種であることや、「軟骨異栄養性犬種」という遺伝的に「椎間板ヘルニア」を発症しやすい犬種であることから、かかりやすい病気があるのも事実。

ペキニーズにできるだけ長生きしてもらうには、ペキニーズの特性やかかりやすい病気、そしてその予防方法を正しく理解し実践することが大切です。

最高寿命を知りたい方必見!

ペキニーズの最高寿命はどのくらいなのか気になりますよね?

長生きできる秘訣についても解説します。

公式な記録は見つかりませんでしたが、YouTubeチャンネル「ティーちゃんねる☆T Channel」で公開されている「【ふぅ〜太朗と海の家】18歳ペキニーズのおじいちゃん♡」という動画を発見しました。

こちらが事実であれば、18歳まで長生きしているペキニーズがいることになります。もちろん個体差はありますが、飼育環境を整えることで平均寿命よりも長生きできる可能性は十分ありそうです。

ペキニーズを長生きさせるためには?

ペキニーズを長生きさせるための秘訣とは?

健康と幸せな生活のために必要なケア方法をお伝えします。

一口に犬と言ってもその大きさや身体的特徴、そしてかかりやすい病気には個体差があるもの。ペキニーズであればはじめに紹介した「短頭種」「軟骨異栄養性犬種」であることや、垂れた耳、豊かに生えた被毛などが身体的特徴に当てはまります。

ペキニーズに長生きしてもらうためにも、ペキニーズ特有のかかりやすい病気や身体的特徴を正しく理解し、対策をしながら飼育していきましょう。

ではまず、ペキニーズのかかりやすい病気にはどんなものがあるのでしょうか。次項で解説していきます。

ペキニーズのかかりやすい病気とは?

ペキニーズがかかりやすい病気について知っておきましょう。

早期発見と予防のポイントもお伝えします。

ペキニーズがかかりやすい病気には以下のものがあります。

  • 短頭種気道症候群
  • 椎間板ヘルニア
  • ドライアイ(乾性角結膜炎)
  • 幽門狭窄
  • 白内障

短頭種気道症候群

「短頭種気道症候群」とはペキニーズやパグ、シーズーをはじめとする頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い「短頭種」がかかりやすい病気の総称です。

「短頭種気道症候群」には肺へ空気を送る器官が潰れてしまう「気管虚脱」や、鼻の穴が狭くなってしまう「鼻腔狭窄」、さらには上顎の肉が垂れて呼吸がしにくくなる「軟口蓋過長」などがあります。

症状としてはいびきがひどくなったり鼻や喉が「ブーブー」、「グーグー」となる、または呼吸がしにくいことで呼吸音が「ハァハァ」「ぜいぜい」と激しくなる傾向があります。少しでも気になった場合にはすぐに獣医師に相談するようにしましょう。

椎間板ヘルニア

「椎間板ヘルニア」は背骨の間にある椎間板が変形することで、脊髄の上にある神経を圧迫して足や腰に痛みが起こる病気です。

本来は激しい運動や老化、事故、肥満などが原因で起こることが多いですが、ペキニーズは「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれる犬種のため、遺伝的にも椎間板ヘルニアを発症しやすいです。遺伝的な要因で「椎間板ヘルニア」を発症する場合は、若くても起こる可能性がありますので「うちのペキニーズはまだ若いから… 」などと油断することなく、兆候を見逃さないようにしてください。

初期症状としては階段やソファの登り降りをしなくなる、歩きたがらない、背中をさわると痛がるなどがあります。重症化すると自力で排泄できなくなったり半身不随になることもあるので、日頃から腰に負担をかけない環境を作ってあげましょう。

ドライアイ(乾性角結膜炎)

ペキニーズやチワワなどの元々目が大きく、眼球が外に飛び出している犬種に起こりやすい病気です。涙の分泌量が少なくなり目が乾いてしまうことで、目の表面に傷がつきやすくなったり角膜に炎症が起こったりします。その結果ドロドロとした目やにが多く出てきてしまい、目が開けられないほどになってしまうことも。

よく目をこすっている、目やにが出ている、眩しそうにすることが増えた、などの症状が見られた場合は早めに獣医師に相談してください。

幽門狭窄

「幽門狭窄」とは胃の出口(幽門部)に異常が起こり、胃に入った食べ物を十二指腸に送りにくくなる病気です。「幽門狭窄」の原因は明らかになっていませんが、先天性と後天性があり、ペキニーズは後天性の「幽門狭窄」が多いです。内科的処置で治ることはほとんどなく、治療には外科手術が必要になります。

白内障

「白内障」とは目のレンズの役目をする水晶体が白く濁る病気です。初期症状では以前より眩しく感じる、目が白くかすんで見えにくくなるなどがあり、重症化すれば失明の恐れもある恐ろしい病気です。

通常は加齢によって起こりますが、ペキニーズは遺伝的に「白内障」を発症しやすく、若い頃から注意しておく必要があります。よく物にぶつかる、投げたボールを見失うことが増えた、暗い場所での散歩を嫌がるなどの兆候が見られたら獣医師に相談しましょう。

「白内障」は自然には治ることはないので、完治を目指すのであれば外科手術が必要になります。

ペキニーズの死因ランキングをチェック!

ペキニーズの死因ランキングは気になりますよね。

飼い主さんが知っておくべきポイントを解説します。

調べたところペキニーズの死因の統計をとったものは見つかりませんでした。しかし令和4年に「日本獣医師会雑誌」が発表した「動物病院カルテデータをもとにした日本の犬と猫の寿命と死亡原因分析」では、ペキニーズと同じ「短頭種」「軟骨異栄養性犬種」であるシーズーの死因が発表されています。犬全体の死亡原因ランキングと併せてご覧ください。

シーズーの死亡原因ランキング          犬全体の死亡原因ランキング

順位病名順位病名
1位循環器系の疾患1位腫瘍
2位腫瘍2位循環器系の疾患
3位泌尿器系の疾患3位泌尿器系の疾患
4位肝臓・胆嚢・膵臓系の疾患4位肝臓・胆嚢・膵臓系の疾患
5位呼吸器系の疾患5位神経系の疾患

上記の表を見てみると、「犬全体の死亡原因ランキング」に呼吸器系の疾患が入っていないのに対し、「シーズーの死亡原因ランキング」には呼吸器系の疾患がランクインしていました。

シーズーやペキニーズなどの「短頭種」は呼吸器系の疾患を発症しやすいので、呼吸音に異常があったり苦しそうにしている場合はすぐに獣医師に相談するようにしましょう。

ペキニーズの健康管理に気をつけたいこと

ペキニーズの健康を守るために気をつけたいポイントをまとめました。

飼い主さんとの信頼関係を築くためにも必要な情報です。

飼育環境

ペキニーズは短頭種であることや長い被毛に覆われていることから、体内の熱を逃しにくく暑いのは苦手。夏場は熱中症の危険も高まるので、エアコンなどを使い室温を25度程度に保つようにしましょう。

またペキニーズは空調管理もとても大切です。感染を起こして鼻の中が炎症を起こすと、気道が狭くなって余計に呼吸がしづらくなりますし、部屋の湿度が50%以下になるとドライアイの症状も進行してしまいます。特に冬の室内は乾燥しやすいため、空気清浄機や加湿器を使用して、常に清潔で居心地の良い住環境を提供してあげましょう。

他にもペキニーズは遺伝的に「椎間板ヘルニア」を発症しやすい犬種です。滑りやすいフローリングは膝や関節に負担がかかるので、滑らないようジョイントマットやカーペット、滑り止めワックスなどで対策をしましょう。ソファやベッドの横にはペット用ステップを置いてできるだけ段差の少ない環境を作ってあげるのもオススメですよ。

ちなみに二本足で立たせたり、縦抱きをするのも背中に負担がかかりやすいです。抱っこの際にはお尻をしっかりと支えて、床と背中が平行になるように抱っこするのがいいでしょう。

お手入れ

被毛が多く、ライオンのような見た目が魅力的なペキニーズ。しかしその豊かな被毛の中は大変蒸れやすく、皮膚トラブルを起こしやすいです。被毛のせいでノミやダニなどの寄生虫の発見が遅れてしまうこともあるので、お手入れの際は毛をかき分けて皮膚状態をチェックしながらブラッシングをするといいでしょう。垂れ耳で「外耳炎」にもなりやすいので、耳の中も忘れずチェックしてください。

またペキニーズは顔のシワが多く、汚れが溜まりやすいです。放っておくと皮膚炎などのトラブルに発展してしまうので、定期的にしっかり絞った濡れタオルでシワの間まで拭くようにしましょう。その際、拭いた部分が濡れたままになると逆に皮膚炎の原因になってしまうので、必ず水分が残らないようにしてください。

食事

ペキニーズに限らずですが、食事には必ず栄養素のバランスが取れた「総合栄養食」と記されたものを与えましょう。犬は年齢や体重ごとに必要な食事量が異なるので、与える際には必ずパッケージに記載された食事量の目安を参考にしてください。

太り過ぎは関節に負担をかけて「椎間板ヘルニア」を発症しやすくなりますし、気道を狭くして「短頭種気道症候群」の症状を悪化させる原因にもなります。摂取目安は必ず守り、おやつも与えすぎないようにしましょう。

また「椎間板ヘルニア」を発症しやすいため、コラーゲンが豊富な手羽元や手羽先、豚肉などを与えるのもいいでしょう。コラーゲンの合成に必要なビタミンCを豊富に含むジャガイモ、ブロッコリー、キウイなどをおやつとして与えるのもオススメです。与える際は調味料などは使わず、骨は取り除いておくよう注意してください。また、おやつを与える際は、おやつの分のカロリーを考慮して、ドッグフードの量を調節してください。

運動

ペキニーズは小型犬なので室内の遊びだけでも運動量は十分です。とはいえずっと室内ではストレスが溜まってしまうので、気分転換程度の散歩は必要です。毎日10〜15分程を目安に軽めのお散歩をするのがいいでしょう。

ただ元々あまり運動が得意な犬種ではないので、嫌がる場合には無理にさせなくてOKです。また、暑さには弱いので夏の散歩は朝夕の涼しい時間帯がオススメです。

以下にペキニーズの健康を守るために気を付けたいことをまとめています。

どれだけできているかチェックしてみましょう。

飼育環境

  • エアコン、空気清浄機、加湿器を使って清潔で心地良い室内環境を作る(目安:室温25度程、湿度50%以上)※夏場の多湿は注意
  • 「椎間板ヘルニア」防止のため、室内の段差を減らしたり滑りやすいフローリングには対策をする
  • 二本足で立たせない
  • 抱っこの時はお尻を支え、背中と床が平行になるように抱っこする

お手入れ

  • 顔のシワの間を硬く絞った濡れタオルでこまめに拭く
  • 被毛の中が蒸れやすく皮膚トラブルを起こしやすいので定期的にチェックする
  • 垂れ耳で耳の中が蒸れやすいので、定期的に耳の汚れやニオイをチェックする

食事

  • 太らせないよう食事やおやつの与えすぎに注意する
  • 「椎間板ヘルニア」防止のため、コラーゲンやビタミンCを積極的に与える

運動

  • 毎日10〜15分程度の軽めの散歩をする
  • 嫌がる場合には無理に散歩しない
  • 暑さに弱いので夏場は朝夕の涼しい時間帯に行う

まとめ

今回の記事ではペキニーズの平均寿命や最高寿命、長生きのコツについて紹介しました。ペキニーズは「短頭種」「軟骨異栄養症性犬種」であるため、呼吸器系の病気や「椎間板ヘルニア」には気を付ける必要があります。

また豊かな被毛のせいで暑さに弱く、皮膚病にも注意が必要です。本記事を読んでペキニーズと1日でも長い時間を過ごせるよう参考にしてみてください。

RECOMMEND
あわせて読みたい関連記事
RANKING
人気記事ランキング