ビションフリーゼの平均寿命・最高寿命はどのくらい?長生きのコツを解説

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はじめに

「白くてふわふわなビションフリーゼを飼いたいけど、あまり長生きできないって本当?」「ビションフリーゼの平均体重より重いけど、太りすぎなのかな?」

人気が高いビションフリーゼですが、どれくらい一緒に暮らせるのか、健康維持の方法など初めて犬を飼う場合は特に気になりますよね。今回は、ビションフリーゼの寿命や健康管理を詳しく解説していきます。

ビションフリーゼの平均寿命と最高寿命について

まずはビションフリーゼの寿命や愛犬がストレスを溜めない飼育の仕方など、詳しくみていきましょう。

平均寿命とは?

ビションフリーゼの平均寿命は12歳から15歳ほどで、小型犬の中では平均的な長さです。しかしビションフリーゼはストレスを溜めやすい犬種として知られています。ストレスを溜めない過ごし方が重要です。

ビションフリーゼの最高寿命は?

ビションフリーゼでの最高寿命は21歳です。「(ビションフリーゼの年齢+4)×4=人間の年齢」の式に当てはめれば、人間の100歳と同じくらいと言えます。人間でも100歳まで生きると長寿なので、21歳まで生きたビションフリーゼがどれだけすごいか、が分かります。

寿命に影響を与える要素は何か?

ビションフリーゼの寿命に影響を与えているのは、食生活・運動量・飼育環境の3点です。例えば散歩が面倒だからと週1回しか行かないと、愛犬にとってはストレスになります。ストレスを溜め続けると、胃潰瘍や皮膚炎などの病気を発症してしまいます。さらに運動不足による肥満で、関節の病気になるリスクも高いです。犬だから大丈夫とは思わず、犬らしい生活を過ごせるよう意識しましょう。

ビションフリーゼを長生きさせるための秘訣

ビションフリーゼに限らず、犬にとってストレスなく幸せに生涯を全うするために必要な、食事と栄養の知識、適切な運動量、必要なワクチンや健康チェックについて解説していきます。

適切な食事と栄養

ビションフリーゼは、肥満を原因とした膝蓋骨脱臼になりやすいため適切な食事量と栄養摂取が大切です。ビションフリーゼの健康的な食事量目安は”(30×【体重】+70)×【係数】=1日の必須カロリー”で求められます。係数は以下を参考にしてください。

  • 仔犬・痩せすぎている:2.0
  • 不妊・去勢していない:1.8
  • 不妊・去勢済み:1.6
  • 肥満ぎみな成犬・高齢:1.4
  • 減量中:1.0

※あくまでも目安のため、実際の給餌量は一頭一頭に合わせて調整してください。

さらに年齢ごとに必要な栄養摂取ができないと、涙やけが悪化したり、被毛が保てない皮膚トラブルを発症したり、膝蓋骨脱臼になりやすくなったりします。

日常の体調管理や動物病院での健康診断などを元に、その子その子にあったドッグフードを選んでください。基本的には総合栄養食を選ぶことが重要ですが、総合栄養食も品質が様々なので、獣医師や愛玩動物看護師などプロの方のアドバイスをもらいながら選ぶと良いでしょう。

適度な運動と体重管理

ビションフリーゼは過去に多芸犬として活躍したくらい、運動神経抜群なので1日2回合計10〜30分程度の散歩で動き回りストレス発散させてあげるのがおすすめですしかしダブルコートでふわふわな被毛を持つビションフリーゼは、暑さに弱い特徴があります。太陽が照り付けている時間帯の散歩は避けて、夕方や朝の涼しい時間帯に散歩へ行きましょう。

さらにビションフリーゼは体重の個体差や性別差が大きく、肥満や痩せのような健康状態に問題があると分かりにくい犬種です。BCS(ボディコンディションスコア)を目安に体重管理を行うと安心でしょう。

  • BCS1:痩せ:骨の凹凸が目で見てわかる
  • BCS2:やや痩せ:肋骨が触れられる
  • BCS3:理想:無駄な脂肪がないが肋骨に触れられる。背骨の出っ張りも触れられる。腰のくびれがある。
  • BCS4:やや肥満:くびれが分かりづらい・脂肪を感じる。肋骨や背骨もわかりづらい。
  • BCS5:肥満:肋骨に触れられない・腰や尻尾にも脂肪がありお腹が垂れている

定期的な健康チェックと予防接種

愛犬であるビションフリーゼと日常的なコミュニケーションで愛犬の健康状態に変わりがないかを観察しましょう。愛犬の病気に気付けるのは、一緒に過ごす時間が長い家族である場合が多いからです。「ザー」という心雑音に気づき、僧帽弁閉鎖不完全症が発覚したケースもあります。動物病院での定期検診はもちろん大切ですが、普段から愛犬の様子を気にかけてあげるとより安心でしょう。

さらにビションフリーゼを飼う際は「狂犬病ワクチン」を必ず接種しなくてはいけません。「混合ワクチン」の接種は任意ですが、愛犬の命を守れたり、家族や他の人間に危害を加える危険性を防げたりします。接種に迷った場合は、動物病院に相談するのがおすすめです。

ビションフリーゼのかかりやすい病気と予防方法

ビションフリーゼは、皮膚疾患・消化器疾患・耳の疾患の順で保険請求割合が高く注意が必要な犬種です。

皮膚疾患とアレルギー

ビションフリーゼは「ホットスポット」別名「急性湿性皮膚炎」にかかりやすいです。ホットスポットは被毛内での雑菌繁殖やアレルギーが原因の皮膚炎。

ビションフリーゼは被毛が密集しているため、気温が高い夏や梅雨は被毛内が蒸れ雑菌が繁殖しやすいです。「急性」とあるように、発症から進行が早いため、愛犬が体を掻きむしったり、舐めたりする行動が多いと思ったらすぐに動物病院へ連れていきましょう。

【ホットスポットの予防方法】

  • 梅雨・夏は被毛を短めにカットしておく
  • 被毛をこまめにブラッシング
  • 普段から、皮膚トラブルがある犬はしっかりと診断を受けておく
  • 肥満による体温上昇を防ぐための健康管理
  • 普段と違う動作をしていないか、スキンシップを取る

骨・関節の問題と運動制限

ビションフリーゼは骨や関節が弱く、膝蓋骨(パテラ)脱臼になりやすいです。膝蓋骨脱臼とは、膝のお皿が正常な位置から内側・外側にずれてしまい膝関節を伸ばせなくなる病気です。

重症になるとうずくまるように歩き、治療には外科手術や運動制限、生活環境改善等が必要になります。愛犬に痛い思いをさせないためには、日常的に適切な運動や食事管理をして、筋肉量を維持したり、関節に負担をかけない生活をさせてあげることが大切です。

【ビションフリーゼの関節に負担をかけない管理方法】

  • 肥満を予防できるドッグフードを選ぶ
  • フローリングで滑らないように犬用カーペットを敷く
  • 高い所からジャンプさせないよう、犬用ステップを設置する
  • 激しい回転運動をさせない
  • 散歩ではクッション性のある場所を選ぶ(芝生の上など)
  • 1日2回合計10〜30分程度の散歩にする

目の病気と正しいケア方法

ビションフリーゼは顔まわりの被毛が目への刺激となり、涙やけにかかりやすいです。涙やけは、涙が必要量以上に分泌されて、雑菌が繁殖したり紫外線に当たったりして被毛を変色させる疾患。

ビションフリーゼは被毛が白い分、涙やけが目立ちやすいです。涙やけを予防するためには、目ヤニを定期的に落とすこと、涙やけの原因と対策を知っておくことが大切です。

【目周辺の正しいケア方法】

目ヤニ:指先に水をつけて湿らせ、ふやかしてから取る

涙やけ:専用ローションで拭く

【涙やけの原因】

  1. ハウスダストアレルギーを持っている
  2. 結膜炎・角膜炎などの眼病になっている
  3. 鼻涙管が狭く涙を溜めておけない
  4. ゴミや目周りの被毛が目に入って刺激になっている
  5. 水分や運動不足
  6. 逆さまつげがある

【涙やけ対策】

  • 目の周りの被毛を定期的にカット
  • 涙やけ専用ケアグッズで拭き取る
  • 涙やけケアができるドッグフードを取り入れる

特に着色料や保存料が多いドッグフードは、鼻涙管と呼ばれる涙の通り道に老廃物を溜めてしまいます。ドッグフードを選ぶ際には、以下3点を意識してください。

【涙やけ予防用ドッグフードの選び方】

  • アレルギー誘発成分が含まれていない
  • 乳酸菌・オリゴ糖・食物繊維配合

※帝京科学大学生命研究学部アニマルサイエンス学科「イヌの涙やけ改善に関する研究」にて、涙やけ改善に効果が見られやすいドッグフードには乳酸菌・オリゴ糖・食物繊維が含まれていることがわかったためです。

涙やけ事態は、大きな疾患ではありません。

ですが眼病の予兆や健康状態のバロメーターになるので、症状が確認できたら動物病院を受診しましょう。

ビションフリーゼの死因ランキングと予防策

続いてはビションフリーゼが死に至りやすい病気と、その予防策を解説します。

ビションフリーゼの死因ランキング

  1. 癌・悪性腫瘍
  2. 心臓病
  3. 腎不全・腎臓病

ビションフリーゼを含む、犬の死因ランキング1位は癌などの悪性腫瘍。そして2位は、心臓病などの心疾患、3位は年齢にもよりますが腎臓系の疾患や脳・神経系の病気による発作などです。またビションフリーゼは、白い被毛を持つ犬特有の病気にかかるリスクもあります。

癌とがんの早期発見

ビションフリーゼの癌に早く気づくには、日頃の観察やスキンシップが重要です。また、動物病院での定期的な健康診断も重要です。

「この前までは何もなかったのに赤くなっている」「前よりもご飯の量が減った気がする」といった小さな変化で、癌や愛犬の病気に気づける可能性が高いからです。

癌と言っても、腫瘍ができる臓器ごとに初期症状は異なります。もし以下のような症状があれば、一度動物病院で検査をしてもらいましょう。

【消化管の癌】

  • 下痢・嘔吐・血便
  • 食欲不振・体重減少

【眼の癌】

  • 眼球の大きさが左右で違う
  • 目が赤くなる

【脳・神経系の癌】

  • 全身の痙攣などのてんかん発作が起こる
  • 性格が変わる

【乳腺腫瘍】

  • 乳腺にしこりがある

心臓疾患と定期的な検査

ビションフリーゼの心臓疾患に気づくには、心雑音がないかの日常的なチェックと動物病院での定期的な検査の2つが有効です。愛犬との抱っこ中に、愛犬から「ザー」や「シャー」と普段とは違う音が聞こえて「僧帽弁閉鎖不完全症」に気づいた飼い主もいます。自宅で愛犬の心臓疾患に気づくために、以下7つの症状がないかをチェックしてみましょう。

【愛犬が心臓疾患かも?と思ったら確認したい7つのこと】

  1. 動物病院で聴診を含む診察を受け、心雑音の有無を確認する
  2. 心拍数が多すぎないか:成犬の小型犬60〜80回/分・大型犬40〜50回/分、子犬で200回異常なら危険
  3. 呼吸数が多くないか:30回/分超で黄色信号・40回/分超で赤信号
  4. 咳をしているか
  5. 食欲減退・体重減少をしていないか
    :好きなものを食べなくなる、1〜2週間で好みが変わる
  6. 被毛や皮膚が乾燥していないか:お腹や背中に脱毛があれば進行度が高い
  7. 疲れやすくないか:散歩には行くが途中で休んでしまう

心臓病に早く気づき、適切な治療を受けるためには、身体検査・血液検査・血圧測定・レントゲン検査・心電図検査・心エコーを年2回検診受診しましょう。犬の心臓病に気づくのは大概、心雑音が聞こえた時。ですがそれでは遅いです。愛犬が直接伝えられない分、愛犬からのサインを見逃さないために、定期検診をおすすめします。

脳・神経系の病気と予防方法

白い被毛の犬がなりやすい神経系の病気「ホワイトシェイカードッグ症候群」にもビションフリーゼは注意が必要です。原因はさまざまあります

考えられる原因は小脳系や免疫系の疾患、ストレスなど諸説あり、特定できていません。3歳以下の発症率が高く、原因なく体が震え出すため動物病院に連れて行っても治療ができない点が厄介です。しかしビションフリーゼの人好きでナイーブな性格を考えると、お留守番やひとりぼっちの時間が長いのは危険でしょう。

ビションフリーゼの健康に気をつけたいこと

最後にビションフリーゼ特有で、気をつけたい3つのことを簡単に解説します。

過度な運動と怪我の予防

ビションフリーゼは関節が弱く、高いところからのジャンプは足腰に負担がかかるため控えましょう。ただし、適切な散歩で筋肉量を維持する必要はあるため、一頭一頭に合わせた適切なお散歩を実施してあげることが重要です。

寒暖差に注意する

ビションフリーゼは寒さに強く暑さに弱いため、室温25〜26度をキープしたり冷却マットを敷いたりしましょう。ただし、湿気や季節によって適温が変わることもあるため、あくまでも目安として考えてください。さらに夏場の散歩は、アスファルトが熱くない朝や夕方を選び、芝生や土の上など、クッション性のある場所を選ぶと熱中症のリスクを下げられます。

ストレスを軽減する方法

ビションフリーゼを飼う際は、お留守番や1人にする時間を極力短くしてストレスを溜めない工夫をしましょう。ビションフリーゼは人懐っこくフレンドリーな半面、ナイーブな性格でストレスを溜めやすい犬種です。特に「ビジョン・フリッツ」と呼ばれる、唐突に走り回り出したら、ストレスが溜まっているサイン。

お留守番の時間を減らしたり、ドッグランで走り回らせたりと愛犬のストレスを軽減できるように努めましょう。

まとめ

ビションフリーゼが長く、健康的に生きるには肥満を予防できる食生活、関節に負担がかからない程度の散歩、健康チェックが重要です。全てを完璧にするのはなかなか難しいもの。気負いせず、愛犬とのコミュニケーションをふんだんに取るようにしてみましょう。愛犬の異変に気付けるはずです。

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