パグの平均寿命はどのくらい?長生きのコツを解説

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はじめに

大きな瞳とペチャっとした鼻が愛嬌たっぷりなパグ。素直で明るい性格から、根強い人気のある犬種です。

本記事ではこれからパグを迎えたいと考えている人や、現在パグを飼育している人に向けて、パグの長生きの秘訣やかかりやすい病気について紹介していきます。またパグを飼う上で気をつけたいポイントや、健康維持に効果的な方法についても詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

パグの平均寿命とは?

パグを迎えるにあたって、彼らの寿命はどれくらいかが気になる人も多いはず。本章ではパグの平均寿命についてお話ししていきます。

ただし、寿命は個体差や飼育環境によっても異なりますので、あくまでも目安程度に考えて、愛犬が1日でも健康に長生きできるよう、飼育環境のサポートや定期的な健康診断を行なうことは怠らないようにしましょう。

パグの一般的な寿命は何歳なのか?

アニコムが調査した「家庭どうぶつ白書2022」によると、パグの平均寿命は12.6歳です。犬全体の平均寿命とされる14.1歳や、パグを含む小型犬の平均寿命である14.2歳に比べると、パグの平均寿命は短めであることがわかります。

パグの寿命にはどのような要素が関与しているのか?

パグは他の犬種に比べ、平均寿命が短い傾向にあります。しかし、決して長生きをしない犬種ではありません。ギネス記録によると、南アフリカで飼育されていたパグのスヌーキーは2018年に27歳という大往生な犬生を遂げました。

パグの平均寿命が他の犬と比べて短いのは、理熱中症やパグ脳炎などにより、若くして命を落とすというケースが多いことが考えられるようです。

パグの長生きの秘訣

大切な家族の一員である愛犬には1日でも健康に長生きをしてほしいもの。ここでは、パグが長生きするために必要なケアや、健康維持に効果的な方法について紹介していきます

難しい準備や多額な出費なく、明日からでも試せる方法をまとめましたので、パグを飼育している人は実践してみてください。

パグを長生きさせるためにはどんなケアが必要か?

食いしん坊でムッチリとした体型が愛らしいパグは、体重管理が難しい犬種といわれています。しかし、肥満は短頭種気道症候群や外鼻孔狭窄といった、パグがかかりやすい呼吸器系の病気を悪化させる要因のひとつになってしまいがちです。

パグを長生きさせるコツとしては、適切な体重を維持して管理することが重要になってきます。パグの体重管理を行なう方法を大きく3つに分けて紹介していきます。

適度な運動を行なう

パグはおっとりとした見た目に反して活発で、お散歩やボール遊びが好きな子も多いです。肥満を予防するためには、これらの特徴を踏まえて適度な運動を心がけましょう。

目安としては、1日2回30分程度の散歩が理想です。ただし、パグは気温の変化に弱く、その体高の低さからも、地熱の温度により熱中症になる危険があります。夏は散歩をする時間を気温の低い早朝や夜などに行うと良いでしょう。また短毛種のため、冬の寒さも苦手です。暑い夏やさむい冬は散歩にでる時間帯を調整したり、散歩のかわりに室内でボール遊びやノーズワークを行なったりと工夫しましょう。

適切な量の食事を与える

パグは食いしん坊な子が多く、フードを食べたあともおかわりを欲しそうにこちらをじっと見つめ、飼い主の食事をおねだりするケースも珍しくありません。パグの大きくてウルウルした瞳に見つめられると。つい「ひとくちだけ…」とあげたくなってしまいますが、ここはぐっと堪えましょう。

またフードの適正量は、フードの種類やパグの個体差によって変わりますので、適正量の見極め方を学び、まずフードの裏面や側面に記載されている体重あたりの適正量を参考に与えましょう。標準体型のパグの場合、7〜10日ほどフードを与え続け、体重が増加しているようであればフードが多すぎる、減少しているようであれば少なすぎる可能性があります。体重の増減に合わせてフードの量を調整してください。

食べ物の原材料を見直す

健康的な体重を維持するためには、フードやおやつに使用されている原材料にも着目しましょう。パグはガッチリとした筋肉質な体型が特徴のため、筋肉を維持し体調を整える高タンパク・低脂質な肉や魚を主原料とした食べ物がおすすめです。

パグの健康維持に効果的な方法とは?

呼吸器系の病気や皮膚の病気にかかりやすいパグにとって、日々のお手入れが健康維持に効果的です。ブラッシングや歯磨きなど、日々のお手入れを通してスキンシップを取ることで、小さな変化や異変にも気付けます。

また動物病院での定期的な健康診断もパグの健康維持には大切です。血液の数値や内臓の状態など、見た目では分からない変化や病気が、健康診断によって発見されるケースは珍しくありません。健康な成犬の場合は1年に1度、体調が気になる犬やシニア犬の場合は半年に1度を目安に健康診断を行ないましょう。

パグのかかりやすい病気

病気の早期発見・早期治療を行なうためには、パグがかかりやすい病気を把握しておくことが重要です。ここではパグがかかりやすい病気や、健康を守るための予防法について解説していきます。

現在パグを飼育している人はもちろん、これからパグを迎えたいという人もパグのかかりやすい病気について理解し、参考にしましょう。

パグがかかりやすい病気とは?

愛らしく優しい大きな瞳とペチャっとした鼻が魅力のパグですが、そのパグの個性的な体型は、他の犬種を比べて気をつけなければならないポイントでもあります。ここではパグが他の犬種よりもかかりやすい病気を5つ紹介していきます。

少しでも違和感や気になる箇所があれば、動物病院を受診しましょう。

軟口蓋過長症

軟口蓋過長症は、犬の喉の手前上あたりにある柔らかい部分である「軟口蓋」が通常より長く、呼吸に障害がでる病気です。パグやフレンチブルドッグなど短頭種に多くみられ、原因のほとんどが先天的なものとされています。

症状としては軽度の場合、寝ている時にイビキをかく、興奮するとガーガーと喉がなるなど、緊急性はない場合がほとんどです。また重度となるとチアノーゼや呼吸困難、失神などを起こす場合もあります。先天的な病気のため予防法はなく、避妊・去勢手術の際に一緒に手術を行なうケースが多いようです。

肥満細胞腫(皮膚)

犬の皮膚悪性腫瘍のなかで最も多いとされている肥満細胞腫。パグは皮膚にできる肥満細胞腫の発生が非常に多い犬種です。症状としては初期の段階ではほとんどなく、赤みのようなものや、イボのようなものなどさまざまなため、見た目で判断するのは難しいでしょう。

また予防法はなく、早期発見・早期治療が大切なポイントになってきます。肥満細胞腫は悪性度によってグレード1〜3に分けられています。グレード1のものを早期の段階で取り除くことができれば完治も可能です。

乾性角結膜炎

乾性角結膜炎は「ドライアイ」とも呼ばれ、パグなどの目が大きな犬種がかかりやすい病気です。涙の量が減り、角膜や結膜の水分量が足りなくなることによって、炎症などが引き起こされる状態をさします。

点眼薬での治療がポピュラーで、目が乾かないように1日3〜5回程度の点眼が必要です。また原因としては、遺伝で発症するケースもありますが、一度なった結膜炎が慢性化し生涯に渡り治療が必要になるケースもあります。目に異常を感じた際は早急に動物病院を受診しましょう。

毛包虫症

毛包虫症は本来犬の皮膚に常在しているニキビダニやアカラスなどと呼ばれるダニの一種が、何らかの理由により過剰に増殖した状態を指します。症状としては脱毛がほとんどで、初期の段階ではかゆみや炎症が起こることはほとんどありません。ただし症状が悪化すると細菌感染によりかゆみやただれが見られる場合もあります。

原因はさまざまですが、主に宿主の免疫力が低下することにより発症します。予防法としては、愛犬の免疫力が下がらないようにフードや生活環境に気をつけ、愛犬の体を清潔に保つことが大切です。

マラセチア皮膚炎

マラセチア皮膚炎は、本来犬の皮膚や外耳道などに常在しているマラセチアと呼ばれる酵母様真菌の一種が、何らかの理由により過剰に増殖した状態を指します。症状としては皮膚が脂っぽくベタつき、かゆみや赤みがみられます。また外耳道にマラセチアが増殖すると茶色っぽい耳垢が多くみられ、独特な酸っぱいニオイを発します。

原因としては皮膚のバリアが低下している場合や、高温多湿の梅雨の時期に発症しやすいです。定期的にシャンプーをする、濡れた時はしっかりと乾かすなど清潔に保つことが予防に繋がります。

パグの健康を守るために注意すべき病気の予防方法とは?

パグは呼吸器の病気、目の病気、皮膚・被毛の病気にかかりやすい傾向があります。ここでは、それぞれの部位の注意すべきポイントと予防法について説明しますので、ぜひ参考にしてください。

呼吸器系の病気

短頭種であるパグは呼吸器の病気にかかりやすい傾向にあります。呼吸器の病気を予防するためには、呼吸器官に負担をかけないよう配慮しましょう。

例えば、首輪ではなくハーネスを使用する、脂肪で呼吸器官を圧迫しないように体重管理に気をつけるなどがあげられます。また呼吸をする際に「ガーガー」や「ヒューヒュー」といった音がなる場合は、呼吸器官に異常のある可能性が高いため、速めの動物病院での受診がおすすめです。

目の病気

他の犬種に比べてパグは頭蓋骨にある目のくぼみが浅く、瞳が大きくみえるため愛くるしい印象を与えますが、その特徴が反って目による病気を引き起こすといったことになりがちです。くぼみが浅いことによる目の病気に注意が必要です。

とくに目が飛び出しているため、散歩中の草木や他の犬と遊んでいる際に目に傷がつく可能性が高く、そこから他の目の病気へ発展する可能性もあります。草むらには顔をつっこませない、他の犬と激しい遊びをさせないなど、飼い主がセーブするように心がけましょう。

皮膚・被毛の病気

パグの顔にあるシワや、身体のたるみはケアを怠ると細菌が繁殖しやすいです。遺伝的にも皮膚・被毛の病気になりやすいため、毎日のケアが大切です。また食物アレルギーにもなりやすく、アレルギーの種類によって治療方法が異なります。

パグの身体に痒みや赤みが見られる場合は、動物病院の指示のもと原因を特定し、適切な治療を行なうことが健康を守るポイントです。

パグの死因について

犬を迎えるにあたって、愛犬の看取りは誰もが経験しなければなりません。心の準備をするために、ここでは犬の最も多い死因やパグの寿命を延ばすために注意したい死因について紹介していきます。

犬の死因については個体差があるため、データはあくまでも参考程度にし、愛犬の普段の様子を事細かく観察し、健康診断の結果などから体調管理を行ないましょう。

パグは要注意!最も多い犬の死因とは?

日本アニマル倶楽部が調査した「犬の死亡原因病気TOP10」によると、犬全体の死因のなかで最も多い病気は「悪性腫瘍(ガン)」です。なかでもパグは「肥満細胞腫」ができやすい傾向にあるため注意しましょう。

肥満細胞腫は放っておくとリンパ節や脾臓・肝臓などの臓器に転移し、命に関わる危険があります。しかし、早期に発見しすぐに切除を行なえば完治が可能な病気でもあるため、定期的な健康診断が大切になってきます。

パグの寿命を延ばすために注意すべき死因とは?

短頭種であるパグは熱中症になりやすく、熱中症が原因で若くして命を落とすケースも珍しくありません。また暑い日や激しい運動後などのパンティングで呼吸器に負担をかけすぎると、呼吸器の状態が悪化して将来的に寿命を縮める原因となる可能性もあります。

パグの寿命を延ばすためには、体温管理に気をつけましょう。猛暑が続く真夏はもちろん、人間が暑さを感じない気温である梅雨の時期も熱中症になる可能性が十分にあります。エアコンを活用し、常にパグが快適に過ごせるような温度・湿度を心がけることが大切です。

パグを飼育する上での注意点

これからパグを迎える人がパグと楽しく生活するためには、一体どのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここではパグを飼育する上で気をつけたいポイントと、健康を守るために必要なポイントについてお話ししていきます。

パグを飼う上で気をつけるべきポイントとは?

明るく優しい性格のパグは他の犬はもちろん、子どもとも仲良くできる友好的な性格の持ち主です。また、噛み癖や吠え癖もつきにくく、初心者でも飼いやすい犬種といえるでしょう。

しかし、パグは繊細で頑固な一面を見せることもあります。そのためパグを飼う際は褒めるしつけをメインにしつつ、飼い主がリーダーシップを取るのがポイント。どうしてもしつけが上手くいかない場合、プロのトレーナーを頼るのも方法のひとつです。

パグの健康を守るために必要な注意事項とは?

パグの特徴のひとつである顔のシワは、手入れをしないとすぐに汚れが溜まるため注意が必要です。シワの汚れを放っておくと細菌が繁殖し、悪臭や皮膚炎の原因になります。

ペット用のウェットティッシュや、暖かい蒸しタオルなどで顔全体のシワの間をやさしく拭いてあげることが大切です。

まとめ

いかがでしたか。個性的な魅力がたっぷりのパグには、それに合わせたお手入れや健康チェックが必要なことがわかりました。今回はペットショップでは説明されない病気や死因についてもお話しましたが、家族の一員に迎える上で病気や死は避けては通れません。

これからパグを迎えたいと検討している人は、病気になってもお金や時間をかけてケアができるかを家族で話し合い、パグのお迎えを検討しましょう。また現在パグを飼育している人は、本記事を読んで愛犬の健康を考えるきっかけになれば嬉しいです。

ぜひ、パグとの楽しく幸せな時間が長く過ごせるよう、彼らの特徴を良く知り、ケアをし続けてください。

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