ポメラニアンの価格相場はいくら?飼い主に向いている人の特徴は....?

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はじめに

ポメラニアンはドイツ原産の小型犬種です。もふもふした愛らしい見た目から、ヴィクトリア女王やニュートンなど著名人にも愛されてきました。また日本では、ポメラニアンは2008年以降、プードル、チワワ、ダックスフンドに次ぐ犬籍登録数四位の頭数を誇る人気な犬種でもあります。この記事では、ポメラニアンを飼うにあたっての知識や心構えをまとめてあります。ポメラニアンのこと、犬を飼うことを少しでも学んでいただけたら幸いです。では、早速見てみましょう。

ポメラニアンの値段の相場は?

ポメラニアンは小型犬に分類されますが、価格という点ではそんなに手ごろな価格ではありません。引き取るときの一般的な犬の月齢である生後2か月なら、ペットショップでの相場は30~50万円といわれています。都会では60~70万円になることもざらにあります。命を預かるとはいえ、経済的には大きな出費です。

ポメラニアンの価格の幅広さ

ポメラニアンは個体の要素や購入する場所によって価格がとても変動する犬種です。たとえば、2か月の子は上記の通りですが、月齢が3~4か月になると、もう少し値段が下がる傾向にあります。ペットショップよりはブリーダーから引き取るほうが少し安くつくかもしれませんが、個体によっても値段が変わってきます。ドッグショーのチャンピオン犬の系統だと、100万円近くになることもあります。

どの要素が値段に影響するのか?

ポメラニアンの値段の特徴として、鼻のとがっているタイプよりも鼻がひしゃげたタイプ、オスよりメス、小さめの個体のほうが、人気で値段が高くなる傾向にあります。また、コロナ禍での全体的なペット価格の値上がりや、2022年に再設定された動物愛護法により犬の出産回数、出産頻度の制限が厳しくなったことで、犬の値段はこれからも全体的に値上がりしていくと予想されています。

人気の色と値段の関係

ポメラニアンはカラーバリエーションが豊かなことで知られています。ペットショップで見かけるメジャーな色はオレンジやクリームなどが多く、ほかにも灰色や黒が混じった個体、眉毛の色が他と違う個体、全身がブラックの個体などさまざまです。人気なのはオレンジやクリームといった色の個体ですが、繁殖させるのが難しいブラックやホワイト、また、レアカラーのブラックタン、セーブルなどは、出てくると高額になることが多いです。

ポメラニアンを飼うのに向いている人は?

ポメラニアンは活発で元気な犬種です。たくさん遊んで愛情を注いであげられる人、また、良くも悪くも頭がよく物覚えが早い犬なので、しつけをきちんとしてあげられる人が向いています。

またポメラニアンは、抜け毛がとても多いという特徴があります。床や家具から抜け毛が…なんていうことはしょっちゅうで、抜け毛とともに生活していくことになります。大量の抜け毛掃除をいとわない人、または、抜け毛なんて気にならない!という人でないと、ポメラニアンと一緒に生活するのは難しいかもしれません。また、あの美しいもふもふを保つためには定期的にブラッシングが必要になります。

あまり知られていないことですが、若いポメラニアンにはサル期という、毛が極端に少なくなり猿のように見える時期があります。その時の抜け毛は特に掃除が大変なので、覚えておきましょう。

ポメラニアンの性格と飼い主の相性

ポメラニアンの性格には、活発、陽気、注意深くオーナーへの忠誠心が強い、などがあげられます。もともと大型犬から品種改良された犬種なので、小型犬といえど、走り回るのが大好きなやんちゃな子が多いです。(もちろん個体種はあります。)また、家族思いで、仲間意識が高い犬種でもあります。

よくポメラニアンに言われるのは、ほえやすい、ほえる声が大きいなどといったほえることに対してのネガティブな意見です。たしかに神経質で、警戒心が強く、ほえる子は多いのですが、それはペットショップや飼い主の影響であることも多いです。見た目がかわいいポメラニアンは、飼い主が犬の言いなりになってしまいやすい犬種でもあるからです。ほえをやめさせるためだけに犬の望むことをするのではなく、徹底したしつけが大切になってきます。散歩をすることはポメラニアンにとっては健康管理だけでなく、ほかの犬と交流して、社会のお勉強をするという意味でも大事になります。

忙しい人でも飼えるポメラニアン

ポメラニアンの祖先はサモエドという大型のそり犬です。彼らは厳しい寒さの中、仲間、家族と一緒ではありながら、自立心と判断力をもって行動してきました。ポメラニアンは甘えん坊ではありながらも、見た目以上に自立していて度胸のある犬種です。幼少期からケージが安全だというしつけをして、帰宅時に大げさに褒めてあげることを繰り返せば、ケージの中での留守番もへっちゃらです。ただ、どの犬でもいえることですが、最低でも一日一回は外に連れ出してお散歩をさせてあげましょう。ずっと家にいるとストレスをためてしまうため、運動は欠かせません。

子供と一緒に暮らすならポメラニアンは?

ポメラニアンはサモエドの血を引いていることもあり、自立心がありながら協調性も強く、誰とでも仲良くなれる性格をしています。よほど子供が意地悪をしない限り、ポメラニアンは子供との相性も良く、時には守ろうとするようなしぐさをすることもあるでしょう。また、子供と一緒に公園で走ったりボール遊びをするのも大好きです。

注意点:ポメラニアンは骨が弱く脱臼や骨折をしやすいので、大切に扱ってあげましょう。当たり前のことではありますが、人間が見落としてしまいそうな段差や、ボールを当ててしまった!などという軽い衝撃でも、ケガをしてしまうことがあるからです。

ポメラニアンの生涯にかかる金額

犬を飼うのってお金がかかる!というのはよく耳にするかと思います。ここでは、実際にポメラニアンを飼ううえで、なににどれくらいのお金がかかるのかを探っていきたいと思います。

飼育費用の内訳とは?

初期費用:どの犬種でも、犬を家族に迎えるにあたって初期費用が掛かります。

まずは、犬を家族に迎えて90日以内に自分の市区町村に飼い犬を登録し、交付された鑑札を犬につけてあげることが義務となっています。登録料は約3000円ほどです。

初期費用はケージ、おもちゃ、水飲み、ブランケット、ハーネス、エサ皿、キャリーやトイレなどにかかり、犬が家庭で快適に過ごすのにかかせません。これらのアイテムは、全体で30000円超くらいでしょう。ポメラニアンを飼うにあたり特筆しておきたいのはブラシとシェーバーです。(ブラシ:2500円、シェーバー:5000円程度)ポメラニアンは抜け毛の多い犬種なので、丁寧にブラッシングをしてあげないと、毛が絡まってしまったり、その下の皮膚病に気づけないなどの危険性があるからです。

また、初期費用の中にワクチンも含まれます。通常、子犬はブリーダーから家族に迎え入れられる以前、母乳からもらった免疫が薄れるころに、一回目のワクチンを受けています。その約一か月後に再接種(二回目)、十六週齢ごろに三回目のワクチンを受けます。これらはコアワクチンとよばれる混合ワクチンで、義務ではありませんが、受けることが強く推奨されています(ワクチンのカバーする病気の数により、一回4000円~10000円ほど)。

コアワクチンに対して、狂犬病ワクチンは厚生労働省によって接種が義務化されています。犬がかかると致死率がほぼ100%といわれ、人間にも感染する恐ろしい病気です。生後三か月以上の犬は、年に一度の狂犬病ワクチンが義務付けられています。(一回4000円ほど。)また、飼い主の任意で受けさせることのできるノンコアワクチンもあります。ワクチンを接種し終わったら、550円程度の手数料で市区町村からワクチン注射済票が交付されます。

それ以降:その他の内訳としては(医療費は後述)、食べ物、おやつ(年に1~30000円)、おもちゃ(年に1~30000円)、その他の消耗品(ペットシーツ、シャンプー、ウェットティッシュなど、年に2万円程度)があります。食べ物の種類によっても予算は大きく異なりますが、ドライフードだと一年に20000円程度、ウェットフードだと一年に数十万円という食費がかかってきます。

医療費・トリミング費用の予算

医療費:毎年固定の医療費は、狂犬病を含む予防接種(年13000円程度、ワクチンの内容により変動)、健康診断(5000~20000円程度、地域や内容により変動)、フィラリア(蚊によって媒介される線虫)予防の薬(年10000円程度)、ノミ・ダニ予防薬(年13000円程度)などがあります。

ただ、万が一のための医療費も予算に入れておくことに越したことはありません。犬猫保険業界トップのアニコム損保がだしたデータによれば、ポメラニアンが含まれる小型犬の年間でのケガや病気の治療費は約57200円。データの平均年齢も5.1歳なので、老犬ばかりのデータでもないんです。ちなみにペットの保険料は年間45500円となっており、月4000円ほどの保険が主流です。

トリミング:ポメラニアンは二重の毛皮を持ち、ある程度の長さになると毛が抜け落ちます。毛が伸び続ける犬種ではないので、トリミングは必要ありません。ただし、爪切りなどのグルーミングは必要です。動物病院などで爪切りだけお願いできる病院もあります。ブラッシングを適度にしてあげていれば問題はありませんが、おしゃれでトリミングに行く場合は一回5000~10000円程度が相場といわれています。また自宅でカットするポメラニアンも多いです。ただ、トリミングに行くとシャンプーやブラッシングなどもやってくれるので、神経質な子はプロに任せてしまった方が、飼い主も楽かもしれません。

年齢ごとの費用の変化

しつけ:ポメラニアンはしつけがとても大事な犬種です。子犬のうちにパピースクールなどのしつけ教室に通わせる家庭もあります。(年間8000円ほど)

飼い主が自分の犬の繁殖を望まない場合、将来の病気の予防目的でオスは去勢、メスは避妊させることも選択肢としてあります。ただし、避妊、去勢は必ずしないとならないものではありません、病院によっては必ず避妊、去勢を進められる場合もありますが、飼い主のワークライフバランスの選択肢にゆだねられます。

(オス:17000円程度、メス:27000円程度)

医療費:どの犬種にもいえることですが、子犬のころと老犬のころはさらに医療費がかさみます。

ポメラニアンに特にみられる病気も、子犬か老犬にもっとも症状が出やすくなります。例えば、ポメラニアンの子犬に多いのは前肢骨折、原因不明の脱毛、股関節や膝関節の形成不全や亜脱臼で、0-1歳前後の子に多く見られます。特に骨折の出費は年間で10万円ほどになり、かなりの出費です。ポメラニアンの老犬に起こりやすいのは僧帽弁閉鎖不全(心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁(血液を送り出すために開いたり閉じたりする機能を持つ弁)が、なんらかの原因で変性し、閉鎖不全が起こるもの)です。進行性の症状で、咳をするようになったり運動を嫌がるようになると投薬治療も必要となります。

ポメラニアンの値段と飼い主についてのまとめ

ここまでで、ある程度の経済力と覚悟がないとポメラニアンを飼うのは難しい、ということはご理解いただけたと思います。ここでは、ポメラニアンを飼ううえでの飼い主の、経済的な心得、ヒントをお教えします。

ポメラニアンの値段を考慮した飼い主の選び方

アニコム損保のデータでは、ポメラニアンを含む小型犬の年間支出は約333400円。単純計算で、その子が15年生きたら5001000円(500万円超)。この値段は生活費であり、もちろんここに犬自身の値段や初期費用は入っていませんから、それを足すと…日本に住む私たちの大多数にとっては、簡単に出せる金額ではないでしょう。ですから、飼い主はその費用を払う覚悟のある人、ということになりますね。

ただ、その金額が出せれば誰でもポメラニアンの飼い主になれるわけではありません。愛情を持ち、環境をできる限りととのえて遊んであげられる飼い主であってこそ、犬は幸せな一生をおくることができるのです。

経済的な負担を考えるならば?

ポメラニアンに限らず、犬を家族に迎えるというのは少なからず経済的な負担と責任が伴います。それを考えたときに、できることは何でしょうか。

まずは、犬を飼う前にリサーチをしっかりするということです。犬を飼うことがどのようなことなのか、どのようなリスクがあるのか、犬を引き取ろうとしている施設や近所の獣医師さんの評判や相場など、リサーチで出費を予想することはある程度は可能だからです。そのうえで、経済的負担を考えるポイントを3点あげておきます。

信頼するブリーダーを選ぶ。

ブリーダーさんからペットを飼うことは倫理的ですが、今の日本ではペットショップからわが子をお迎えする人も少なくないでしょう。保護施設から犬を迎える人もいるかもしれません。あなたが見る値段には、その子の色や見た目の特徴だけでなく、持病なども考慮されている可能性が高いです。ブリーダーさんやペットショップの店員さん、施設のスタッフさんとコミュニケーションをとり、自分の犬に納得してから飼いましょう。そうすることで、値段に惑わされずに犬をお迎えできますし、想像と違った!と犬を手放すことも少なくなります。場所によっては、ペットもローンで払うことが出来るところもあります。

保険に入る

保険に入るか、入らないか、はいつも議論の的になりますよね。病気がちの子、健康な子、元気な子、おとなしい子、犬にも性格がありますから、個体によっても変わってきますが、月に3000~4000円の保険に入る子が多いようです。かなりの出費になりますが、万が一の時の出費がかさまないというのはありがたいと思います。

健康的な生活と環境に投資する

質の良い健康的な生活にはお金がかかりますが、病気になって医者にかかることを考えれば、健康的な生活や、環境に投資することは良いアイデアです。たとえば、良質な食べ物を与えてあげることや、肥満防止やストレス解消のためにたくさんお散歩して遊んであげること、皮膚病予防のためにこまめにブラッシングをしてあげること。骨折の多い犬種なので、滑りにくいフロアや低い段差を用意してあげること。少しでも異常があったら早いうちに獣医師さんに連れて行ってあげることなど。時間とお金はかかりますが、犬の健康と幸せのためにする投資は飼い主に返ってきます。日々のケアを怠らないことが、かさむ医療費をかけなくてすむ第一歩なのです。

ポメラニアンへの愛情と責任

ポメラニアンの寿命は12~15歳前後といわれています。その間、家族として迎え入れるための時間的、精神的、経済的、環境的余裕はあるでしょうか。やむを得ない事情もあるかもしれませんが、家族の一員として最期まで愛情と責任をもってお世話をする覚悟を決めてから犬を迎え入れるのが当たり前であり、原則です。そうでないと、飼い主にも犬にも負担がかかるからです。お金もケアもわが子のようにかかるかもしれませんが、覚悟を決めたうえで犬をお迎えした後には、たくさんの癒しと喜びを与えてくれる家族の一員となります。

まとめ

ポメラニアンという犬種と、ポメラニアンを飼うにあたっての留意点、いかがでしたでしょうか。ポメラニアンは本当に愛くるしく活発な、でもとっても家族思いの犬種です。ポメラニアンを家族に迎え入れることは簡単ではありませんが、それ以上に犬と過ごす時間は私たちに幸せや安らぎをくれるものです。

この文章を読んで、ポメラニアンを家族として迎え入れることを決断した皆様がいらっしゃれば、幸せな時間をポメラニアンと共有できることをお祈りしております。

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