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大型犬の種類とは?初心者に飼いやすい犬もご紹介

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はじめに

存在感のある大きな体に、穏やかな性格から一度は飼ってみたいと、憧れをもっている人も多い大型犬ですが、一方で、飼育が大変そうというイメージがあります。

今回は、そんな大型犬の魅力や、大型犬の多様性、代表的な大型犬種、初心者向けの犬種についてご紹介します。 

さらに、大型犬を飼う前に考慮する点や、大型犬の飼育に注意すべきポイント、飼い主にとってのメリットやデメリット、大型犬を飼う前の準備と注意点についても解説しますので、是非参考にして下さい。

大型犬の魅力とは?

欧米では、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパードなど、大型犬が人気犬種の上位を占めていますが、国内でも大型犬は人気です。

ここでは、大型犬の魅力についてご紹介します。

大きな体で存在感がある

大型犬のどっしりとした大きな体は、迫力と存在感、包容力に満ち溢れています。その大きな体をぎゅっと抱きしめたときの感覚は、周囲の人々に安らぎを与えてくれ、大型犬の魅力の一つです。

一般的には、25kg以上の犬が大型犬と分類されています。

周囲の人々を癒す存在

大型犬は知能が高く、忠実で、しつけや飼育が全体的にしやすい傾向です。

また、性格も穏やかで、優しく、人懐っこいことから、周囲の人々を癒す存在となってくれます。

さらに、大型犬は安心感や癒やしを与えてくれるだけではなく、運動能力が高いため、アウトドアやスポーツなど一緒に楽しむことができるパートナーとなってくれることも魅力の一つです。

迎え入れたいと思う人も多い

このように、大型犬の聡明で、穏やかな性格、存在感と包容力が感じられる体格から、家族として迎え入れたいと思う人が多くいます。

また、特に体を動かすことが好きな人からは、アウトドアやスポーツを一緒に楽しむことができるパートナーとして大型犬はとても人気なのです。

犬種の多様性と大型犬

大型犬には「使役犬」として活躍していた犬種が多いため、本来従順で賢く、穏やかな性格のイメージがあります。

そんな大型犬ですが、犬種により性格や気質、外見も異なるのです。

大型犬にはさまざまな犬種が存在

一概に大型犬といっても、さまざまな犬種が存在し、JKC (ジャパンケネルクラブ)で「牧羊犬・牧畜犬」に分類されている犬種には、ジャーマンシェパード、ビアデッドコリー、ホワイトスイスシェパード、ラフコリー などの大型犬種がいます。

また、「使役犬」に分類されている犬種は、グレートデーン 、グレートピレニーズ 、セントバーナード、ドーベルマン 、ニューファンドランド 、バーニーズマウンテン、ボクサー 、マスティフ 、ロットワイラーなどです。

アイリッシュセター、イングリッシュセター、ワイマラナー 、ゴールデンレトリーバー 、フラットコーテッドレトリーバー、ラブラドールレトリーバーなどの犬種は、鳥猟犬に分類されています。

さらに、「ハウンド(猟犬)」に分類されているのは、ダルメシアン、アフガンハウンド、サルーキ、ボルゾイなどの犬種です。

さらに、秋田犬、サモエド、キースホンド、シベリアンハスキー、チャウチャウなどの犬種は、「原始的な犬・スピッツ(口元や耳が尖った犬種)」に分類されています。

その他にも、国内ではスタンダードプードル、ボルドーマスティフなどが代表的な大型犬種です。

性格や外見の特徴も個々に異なる

全体的に知能が高く、穏やかな性格といわれている大型犬ですが、犬種や個体によって性格や外見の特徴も異なります。

まず、それぞれの犬種の性格は、その犬種が従来担っていた役目に由来するところが大きいのです。

例えば、「牧羊犬・牧畜犬」に分類されているジャーマンシェパード、ビアデッドコリーなどの犬種は、家畜の群れを誘導・保護する役目を担ってきました。そのため、忠実で、理解能力が高く、根気強い性格が特徴です。

また、グレートピレニーズ 、セントバーナード、ドーベルマン 、ボクサー といった「使役犬」に属する犬種は、番犬、警護や作業をする犬など、人のために働く役目を担っていました。ですので、利口で物覚えが早く、人との関係を築ける従順さ、根気強さがあるのが特徴です。

さらに、アイリッシュセター、ゴールデンレトリーバー 、ラブラドールレトリーバーなどの犬種は、鳥猟犬として活躍し、獲物を見つけると静止して、その存在や位置をハンターに知らせる役目を担っていた歴史があります。ですので、猟犬とはいっても荒い気質はなく、むしろ人の手伝いや人との共同作業が大好きで、人と意思の疎通がしっかりでき、人の気持ちを汲み取ることにも長けている犬種です。

ダルメシアン、アフガンハウンドなどの犬種は、「ハウンド(猟犬)」の役目を担っていました。猟犬で獲物を追って捕えていたことから、勇敢で、意思が強く、独立心を持った性格が特徴です。

次に、同じ大型犬でも、それぞれの犬種による外見の特徴で、印象はがらりと変わります。

長毛で飾り毛がある、ボルゾイ、イングリッシュセッター、アイリッシュセッター、アフガンハウンド、フラットコーテッドレトリバーなどの犬種は優雅な印象です。

一方、サモエド、グレートピレニーズ、ニューファンドランド、セントバーナード、チャウチャウ、秋田犬、ビアデッドコリー、バーニーズマウンテン、ラフコリーなどの毛量が多い犬種は、体格がさらに大きく感じ、存在感や迫力があります。

また、足の長さが特徴のダルメシアン、ワイマラナー、サルーキ、アフガンハウンド、ボルゾイなどは、気品溢れる印象です。

飼う前にしっかりと理解する必要がある

犬種によっては、性格や習性などの問題でしつけや飼育が難しいこともあるため、飼う前にしっかりと理解しましょう。

「牧羊犬・牧畜犬」に分類されている犬種は、ドッグランなどでただ走り回っているだけでは体の充足感しか得られないため、遊びに知的なアクティビティーを入れ、知的精神の充足感も得られるようにしてあげることをおすすめします。

また、鳥猟犬に分類されている犬種は、人と協力して作業することが大好きです。特に、レトリバーは獲物を回収するレトリーブ(回収)の作業も担っていたことから、ストレス発散にボールやフリスビーを使った「取ってこい遊び」を取り入れてストレスを解消してあげましょう。

「ハウンド」に属する犬種は、猟犬でさまざまな場面に応じて自分で判断することが求められていたため、意思が強く、頑固な一面があり、気長に根気強くしつけやトレーニングを行う必要があります。

代表的な大型犬種とその特徴

ここで、代表的な大型犬種とその特徴について見ていきましょう。

ラブラドールレトリバー: 忠実で優しい性格

ラブラドールレトリバーは、聡明で社会性が高いため、補助犬としても活躍しており、大型犬のなかでも人気の高い犬種です。ブラック、イエロー、チョコレートの被毛のタイプがあり、筋肉質のがっしりした体型をしています。また、穏やかで優しく、人懐っこい性格で飼いやすい犬種です。ただ、遊びの一環として噛む子が多いため、子犬の頃から噛み癖を防止するトレーニングが必要になります。

ラブラドールレトリバー

ジャーマンシェパード: 知識を求める忠実なパートナー

日本で警察犬として有名なジャーマンシェパードは、ピンと立った耳と、がっしりとした骨格で筋肉質な体型が特徴です。ジャーマンシェパードは知的で、精神的能力が高く、責任感が強い性格をしています。ただ、運動量が多く、活発な犬種であるため、きちんとしつけやトレーニングを行う必要があり、しつけにもコツがいるため、初心者が飼うにはやや難しい犬種です。

ジャーマンシェパード

ゴールデンレトリバー: 友好的で遊び好きな性格

ゴールデンレトリバーは、大型犬のなかで1位2位を争う人気の高い犬種で、盲導犬としても活躍しています。フサフサで毛量が多いゴールド、クリーム、ホワイトの被毛が特徴です。また、賢く、穏やかで、洞察力があり、人懐っこい性格をしています。レトリバーは、人との共同作業が大好きなので、一緒に運動するような遊びなどをして、ストレスを発散させることがおすすめです。

ゴールデンレトリバー

飼いやすさを考慮する

大型犬を飼育したい場合、飼い主自身が大型犬の飼育に必要な条件を満たしているか、適切な飼育環境を準備できるかを考慮しておきましょう。

犬種の性格に合わせた飼育環境が必要

大型犬は小型犬と違い、不意に人や物にぶつかるだけでも、人に怪我をさせたり、物を倒して壊してしまう危険性があるのです。そのため、活発な性格の犬種では、生活動線の周囲にかなり余裕を持ったスペースが必要になります。このように、犬種の性格に合わせた飼育環境を準備することが大切です。

また、「牧羊犬・牧畜犬」や「ハウンド」に分類される犬種は、その特性から俊敏な動きをするため、すべりやすい床材は避け、絨毯やカーペットを敷くなどの工夫をしましょう。

さらに、「ハウンド」や「鳥猟犬」に属する犬種では、鳥や小動物を見ると追いかけたくなる本能があるため、先住の小型犬や小動物がいる場合には飼育環境に配慮する必要があります。

運動量やしつけの難易度も考慮

大型犬は運動量が多く、充分な運動ができないでいると、ストレスから「噛み癖」や「無駄吠え」「破壊行動」などの問題行動に繋がるのです。さらに、大型犬は力が強いため、散歩のトレーニングが完了していない場合などは、興味があるものに寄っていこうとリードをグイグイと強い力で引くため、飼い主自身にも相当な体力が必要となります。そのため、大型犬と暮らすためには、飼い主が散歩の時間を捻出できるか、体力に自信があるかは重要なポイントです。

また、聡明な犬種が多い大型犬ですが、きちんとしつけをしていないと、体が大きく力も強いため、物を壊したり、周りの人に怪我をさせたりといったトラブルに繋がります。そのため、飼い主さんの命令に反応できるよう、子犬の時から動きをコントロールするための訓練をすることが重要です。

特に、「ハウンド」に分類される犬種は、猟犬でさまざまな場面に応じて自分で判断することが求められ、意思が強く、頑固でしつけやトレーニングが難しい場合があります。

このように、運動量やしつけの難易度を考慮して、大型犬を家族に迎えられるか、どの犬種にするかを検討することは重要です。

初心者に飼いやすい犬種も存在

初心者にとって大型犬はハードルが高いイメージですが、性格が穏やかで、しつけがしやすく、いざという時に飼い主が制御できるサイズの犬種であれば、初心者でも飼うことができます。

人懐っこい性格のゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリバー、フラットコーテッドレトリーバー、穏やかな性格のバーニーズマウンテンドッグやスタンダードプードルなどが初心者におすすめの犬種です。ただし、バーニーズマウンテンドッグの成犬では体重40?50㎏と超大型犬サイズになるため、飼育できるかよく考えてから迎え入れましょう。

大型犬の飼育に注意すべきポイント

ここでは、大型犬の飼育に注意すべきポイントについてご紹介します。

十分な運動量を確保する必要がある

大型犬は運動量が多いため、小型犬と比べ散歩時間を多くとる必要があり、朝晩それぞれ1時間以上の散歩が理想的です。また、時には自由に運動する機会も与えてあげることも大切なため、休日はドッグランなどに連れて行ってあげましょう。さらに、雨の日でも室内で運動量を確保できる小型犬とは違い、大型犬の場合は必ず散歩に行く必要があります。

食事や健康管理にも注意が必要

フードは、大型犬用の総合栄養食を選ぶようにしましょう。また、成犬用のフードはパピー用と比較すると、カルシウムが低く、ローカロリーのため、肥満リスクを軽減するためにも必ず切り替えが必要です。

健康面において、雌ではとくに初回発情前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発症を予防できると報告されています。避妊・去勢手術については時期も含め、かかりつけの獣医師とよく相談して決めましょう。 

さらに、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなどの犬種でよくある病気として、股関節形成不全という病気があります。股関節形成不全は、遺伝により股関節が正常に形成されない、あるいは肥満や激しい運動により股関節が変形する病気です。予防のため、肥満にならないための体重管理や、激しい運動は避けるように注意しましょう。

心地よい生活環境を提供する必要がある

体が大きいため、大型犬を飼うにはそれなりのスペースが必要となります。大型犬の体の大きさに合わせて、Uターンや方向転換が自由にできる広い空間を作るとなると、大体一部屋分の広さが理想的です。食事・トイレ・寝る場所も分ける必要があるため、それぞれの場所で大型犬がリラックスして過ごせる十分なスペースを確保しましょう。

また、犬は人に比べて、体温調節が上手くできず、熱中症になりやすいため、クーラーなどの空調設備を備えておく必要もあります。

飼い主にとってのメリットとデメリット

大型犬を飼ううえでの、飼い主にとってのメリットとデメリットを解説していきますので、迎え入れる際の参考にしてください。

大型犬ならではの存在感や癒し効果

大型犬との暮らしは何かと大変なこともありますが、きちんとしつけを行えば、今までにない楽しみを与えてくれます。

大型犬のどっしりと大きな体は包容力を感じさせ、抱きしめたときの感覚は安心感や癒し効果抜群です。また、性格も優しく、穏やかで、人懐っこいため、周囲の人々を癒してくれます。

さらに、大型犬は運動能力が高いため、一緒に公園でフリスビーをしたり、スポーツやアウトドアに出かけたりと、体を動かすことが好きな人には、とても楽しい日々を与えてくれるのです。

飼育に必要なコストや労力の面も考慮

大型犬は小型犬と比較し、コストや労力の面などで飼い主の負担が大きくなる傾向があります。

大型犬の平均的な飼育コストは、1カ月あたり15,000~30,000円といわれており、小型犬と比較し、食費や日用品代、医療費、トリミングやペットホテル、ドッグランなどの利用料が高額になります。

また、高齢で足腰が弱り、寝たきりになってしまうと、床ずれを起こさないよう、こまめに体勢を変えてあげるなどのケアが必要ですが、体重が重いためかなりの労力が必要です。体調を崩して病院に行く際にも、体を持ち上げて移動させるなど、力を要する場面も出てきます。このように、介護などによる飼い主の労力や負担は小型犬とは比較になりません。

初心者におすすめの大型犬種

ここで、初心者におすすめの大型犬種をご紹介します。

ゴールデンレトリバー: 飼いやすく優しい性格

ゴールデンレトリーバーは、優しい性格で学習能力も高く飼いやすいため、国内では大型犬で1番人気の犬種です。聡明で穏やかな気質から、盲導犬としても活躍しています。

伏せているゴールデンレトリバーt

ボクサー:活発で元気なパートナー

ボクサーは飼い主に従順で、理解力も高いため、しつけやすい犬種です。また、活発で運動能力も高いため、公園や広い場所でフリスビーで一緒に遊ぶなど素敵なパートナーとなってくれます。大型犬の中でも小さめのボクサーは、中型犬に分類されることもあります。

ボクサー犬

ラブラドールレトリバー:明るく人懐っこい性格

ラブラドールレトリバーは、明るく、人懐っこい性格をしており、飼い主にも従順なため、初心者でも飼いやすいと国内で人気の犬種です。また、聡明で、社会性も高いため、補助犬としても活躍しています。

ジャンプするラブラドールレトリバー

大型犬を飼う前の準備と注意点

ここでは、大型犬を飼う前の準備と注意点について解説しますので、是非参考にしてください。

家庭環境の整備が必要

大型犬を飼うためには、家庭環境の整備が必要です。

上でもお伝えしたような部屋の広さや設備以外にも、コード類などの噛むと危険な物や、壊れやすい物、倒れやすい物は愛犬の怪我に繋がるため、片付けたり大型犬の生活スペースに置かないようにしましょう。

また、大型犬を飼育するうえで、体調が悪くなり病院に連れて行かなくてはならなくなった場合には、車があると便利です。愛犬が高齢になって足腰が弱り、寝たきりになってしまった場合にも、病院に行く際などには車があったほうがよいでしょう。

犬種の特徴と飼育に必要な知識の習得

全体的に能力が高いといわれている大型犬ですが、それぞれの犬種の性格や気質を理解しながら、犬種に合ったしつけやトレーニングをしていくことが大切です。

また、短毛や長毛、毛量が多いなど外貌の特徴によってもお手入れの仕方が異なったり、必要な運動量も犬種によって違ってくるため、飼育に関する知識の習得も必要となります。

犬とのコミュニケーション方法の学習

犬にとっての一番のストレス解消法は、飼い主とのスキンシップやコミュニケーションです。しかし、飼い主自身が正しいコミュニケーション方法を学習していないと、愛犬と意思疎通ができず、ストレスを溜めることになってしまいます。

また、正しいコミュニケーション方法を分かっていないと、愛犬を上手くコントロールできず、トラブルに繋がることもあるのです。

犬とのコミュニケーション方法はどのようなものか、一人で全てを勉強することはなかなか難しいと思います。ですので、そのような時には、動物病院や専門のトレーナーさんに相談をしてみましょう。

まとめ

大型犬を飼うのは難しいイメージがありますが、それぞれの犬種の特徴を知ったうえで、自分に合った犬種を迎え、適切な飼育やしつけを行えば、いいパートナーとなってくれるでしょう。

この記事の内容を是非参考にして、大型犬を迎えることを検討してみてください。

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