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歯磨きガムはどう選べばいいの?注意点や活用法についても合わせてご紹介

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はじめに

愛犬の健康を守るためには、歯や歯茎のケア(デンタルケア)の習慣が重要となります。

しかし、歯ブラシを使ってワンちゃんの歯みがきをしてあげたくても、嫌がられてしまって難しいことも少なくありません。そんな時は、噛むことで歯の汚れである歯垢を取り除くことができる「歯みがきガム(デンタルガム)」をおすすめします。

本記事では、デンタルガムの選び方や正しい与え方について解説します。

歯磨きガム(デンタルガム)の選び方

ペット用デンタルグッズの中でもおすすめなのが、噛むことで歯の汚れである歯垢を取り除くことができる「歯みがきガム(デンタルガム)」です。

デンタルガムにはさまざまな大きさや素材がありますが、ワンちゃんの体や口の大きさにあったものを選ぶことでデンタルケアを適切に行うことができます。

硬さや形、味の種類に注目

一言でデンタルガムといっても、商品によってさまざまな硬さや形、味の種類のものがあります。

まずは、ガムの硬さについて注目しましょう。あまりにも硬いガムは、噛んだ時に犬歯や臼歯が欠けるケースもあるため注意が必要です。

また、噛んで砕けた時に大きな塊になりやすいものはワンちゃんが丸飲みしてしまう恐れがあります。デンタルガムの丸飲みは、窒息や腸閉塞など命に関わります。万が一の事態を防ぐためにも、デンタルガムを選ぶときは砕けにくいものを選んでおくと安心です。

さらに、愛犬が気に入っている味のデンタルガムを選ぶと、積極的に噛んでくれます。ワンちゃんにデンタルガムを与えてもイマイチ反応が薄い場合は、違う味の物に変えてみるのも良いでしょう。

デンタルガムは、棒型の物からおもちゃの形をした楽しげな物までさまざまな形状の物が販売されています。どの製品も、ワンちゃんが噛んだ時に歯の奥まで届くように作られているようです。

安全性が高いものを選ぶ

デンタルガムを選ぶときは、安全性についても注目しましょう。

ワンちゃんが誤って飲み込んでしまうもの・喉に詰まりやすいほど小さいサイズのもの・消化不良になりやすい原料で作られたものは避けることが大切です。また、原材料にアレルゲンが含まれていない商品を選ぶことをおすすめします。

特に、「VOHC認定マーク」が表記されているデンタルガムは、米国獣医口腔衛生協議会によって歯垢を取り除くために有効な商品と認定されていることを指しています。VOHC認定マークは厳しい条件の臨床試験をクリアしたものしか表記できないため、デンタルガム選びの基準にしておくと安心です。

デンタルケア効果を期待できるものを選ぶ

デンタルケア効果の高いガムを選ぶと、短期間でも愛犬の健康維持に十分役立ちます。

最近では、歯ブラシメーカーが開発したデンタルガムなど、デンタルケア効果を重視した商品も多数発売されています。効率よく愛犬の歯の健康を守りたい方は、デンタルケア効果を期待できるものを選びましょう。

歯磨きガム(デンタルガム)の効果的な与え方

歯みがきガム(デンタルガム)は、正しい与え方を守ることで効果的なデンタルケアに繋がります。

ただし、ワンちゃんにガムをただ噛ませるだけで自然に歯垢が取れるという訳ではありません。飼い主さんが手で支えながら噛ませると、口の中全体のケアが行えるほか、ワンちゃんとのスキンシップにも役立ちます。

ここからは、デンタルガムを与えるタイミングや正しい与え方についてご紹介します。

食事後に与える

デンタルガムは、フードやおやつと違って栄養目的で与えるものではありません。そのため、多くても1日1本を目安と考えましょう。

また、歯垢ができるのは食事から数時間とされているため、食事後に与えると高いデンタルケア効果が期待できます。

デンタルガム自体のカロリーは低く設定されていますが、たくさんあげたときはフードの量を調節することをおすすめします。

与える時間を設定する

決まった時間にガムを与えるようにすると、ワンちゃんのデンタルケアを毎日の習慣にすることができます。ワンちゃんによっては、時間になるとデンタルガムを自分から噛んでくれるようになるでしょう。

人間の場合は歯垢が歯石になるまでの期間が25日程度とされていますが、犬の場合は3~5日ととても早いのです。そのため、たまにデンタルガムを与えるだけではすぐに歯石が溜まってしまいます。

犬の口に歯石ができると、家庭では除去できないため動物病院で処置を受ける必要があります。厄介な歯石ができる前に、デンタルガムを使ったケアを行いましょう。

正しい与え方を守る

デンタルガムを与えるときは、ワンちゃんにあげっぱなしにせず飼い主さんが手に持って与えましょう。

効果的な与え方のコツは、上顎の奥で噛ませることです。上顎の奥歯近くには唾液腺があるため、唾液中のカルシウムが沈着して歯石が付きやすい場所となっています。ワンちゃんが左右の顎でしっかりと噛ませるように与えて、まんべんなく歯垢を除去できるようにサポートしてあげましょう。

デンタルガムをあげるときは、ワンちゃんが噛んで引っ張り合うような形で遊びながら与える方法もおすすめです。デンタルガムを喜んで噛んでくれると、飼い主さんも安心できます。

歯磨きガム(デンタルガム)の活用法

歯みがきガム(デンタルガム)は、噛むことで唾液の分泌が促進されて口の中の汚れを落とす効果があります。デンタルガムによるケアを習慣化することは、歯の健康だけでなくワンちゃんの全身の健康を守ることに繋がります。

ここからは、デンタルガムの活用法についてみていきましょう。

口臭ケアに活用する

デンタルガムは、口臭のケアに有効なデンタルグッズとされています。

歯垢を放っておくと、歯垢の中にある細菌から口臭が発生します。歯垢が原因の口臭は卵が腐ったような臭いといわれています。愛犬からこうした臭いがしたら、デンタルケア不足を疑った方が良いでしょう。

歯石予防に活用する

犬は人間のような虫歯が発生することは基本的にありません。しかし、歯垢が歯石に変わるスピードが人間より早いため、歯石が溜まりやすいとされています。

歯石を放っておくと、歯茎に炎症が発生する歯肉炎が引き起こされます。歯肉炎が悪化すると歯周病に繋がり、歯が抜け落ちてしまうケースも少なくありません。歯が抜けてしまうとフードを咀嚼できなくなり、十分な栄養を摂ることができなくなってしまいます。

愛犬の栄養状態の悪化を防ぐためにも、デンタルガムで歯垢を除去して歯石の発生を防ぐことが重要です。

歯の健康維持に活用する

人間と同じように、犬も歯周病が発生します。歯周病は、歯茎の炎症が進行することで引き起こされるため、デンタルケアを欠かさず行いましょう。

歯周病が悪化すると歯周病菌が歯茎から全身に渡り、心臓や肺の病気を発生させる場合もあります。

このように、デンタルガムによるケアは全身の健康を維持するため重要なポイントとなるのです。

歯磨きガム(デンタルガム)の注意点

デンタルガムを与えておけば、ワンちゃんが勝手に噛んでくれると思ってしまいます。

しかし、ガムの与え方が間違っていると、歯垢が取れている歯と取れていない歯の差が激しくなったり、ワンちゃんの口に傷が付いてしまったりするため注意が必要です。

ここからは、デンタルガムを与えるときの注意点についてご紹介します。

正しい与え方を守ることの重要性

ワンちゃんがデンタルガムをよく噛んでいる歯が偏っている場合、一方の歯の汚れや歯垢は取れていきますが、それ以外の歯の汚れや歯垢が取れていない可能性があります。特に、前歯や犬歯を使ってガムを噛まないことが多いため、デンタルケアに偏りが出ないように観察してあげましょう。

デンタルガムをワンちゃんに噛ませるときは、噛んでいる歯が偏らないよう飼い主さんが手で動かしながら支えてあげるのも効果的です。最近では、ワンちゃんが遊びながらデンタルケアができるガム付きのおもちゃも販売されています。ワンちゃんがデンタルガムに興味を持たない場合は、こちらも試してみてください。

適切なサイズの歯磨きガムを選ぶ

デンタルガムを選ぶ際は、愛犬にマッチした大きさの物を選ぶようにしましょう。

ガムが大きすぎるとワンちゃんの口の中が傷付いたり、小さすぎるとガムを丸飲みしたりする恐れがあるため注意が必要です。デンタルガムをあげるとすぐに飲み込んでしまう場合は、サイズが小さい可能性があります。

製品に表示されているサイズを必ず確認して、ワンちゃんの口に合ったサイズのガムを購入しましょう。

使用中に異常を感じた場合の対処法

もしデンタルガムの使用中に異常を感じたら、すぐに動物病院に受診してガムの丸飲みや口の中が傷付いていないか見てもらうことが大切です。

特に、子犬や普段から丸飲み癖のあるワンちゃんの場合は、トラブルを防ぐためにデンタルガムを飼い主さんが持った状態で噛ませてあげましょう。

歯磨きガムと歯ブラシの比較

デンタルガムは奥歯(臼歯)の歯垢や歯石の除去効果が高いとされています。ワンちゃんの口の奥は歯ブラシが届きにくいため、普段歯ブラシを使っている場合はデンタルガムを組み合わせて使うと、デンタルケアの効果をアップさせることができます。

ここからは、歯磨きガム(デンタルガム)と歯ブラシのデンタルケア効果についてみていきましょう。

歯ブラシと組み合わせて使うことのメリット

デンタルガムは、歯垢除去や口臭予防などの効果がありますが、これだけでは歯の汚れを確実に落とすことはできません。

時間に余裕があれば、デンタルガムと歯ブラシの両方を使って本格的なデンタルケアを目指したいものです。

例えば、歯ブラシによる歯みがきが終わったら、ご褒美としてガムを与えるという方法もあります。デンタルガムの楽しみがプラスされることで、ワンちゃんが歯ブラシに少しずつ慣れてくれるでしょう。

歯磨きガム(デンタルガム)単体でのデンタルケア効果の比較

デンタルガム単体でも、ワンちゃんがガムをしっかり咀嚼することで、歯垢を除去し、唾液の分泌をサポートすることができるでしょう。

しかし、デンタルガムを使って口全体のデンタルケアを行うのは意外に難しい物です。できれば、ガムと合わせて歯ブラシを使ってあげましょう。

デンタルガムは歯ブラシが届きにくい奥歯のデンタルケアに役立つといわれています。デンタルガムを与える時は奥歯で噛ませてあげて、他の歯の汚れは歯ブラシで取るように使い分けるとより効果的です。

ワンちゃんの歯みがきをするときは、先の小さな歯ブラシを使用するとみがきやすくなります。歯ブラシはデンタルガムよりも前歯や犬歯の歯垢を落としやすいので、この部分に歯垢が溜まりやすいワンちゃんはなるべく歯ブラシを使ってあげましょう。

ただ、ワンちゃんは歯ブラシを嫌がることも少なくありません。その場合は、まずは濡らしたガーゼを使って、指で歯を触られることに慣れさせていきましょう。

歯を触らせてくれない場合は、デンタルガム単体でも大丈夫です。無理をして歯ブラシを使おうとするとデンタルケア自体を嫌がるようになってしまうため、十分注意しましょう。

毎日の歯磨きは飼い主さんにとっても苦痛になってしまいます。歯ブラシができないときはデンタルガムを使ってあげると、ワンちゃんと飼い主さんお互いにとってプラスになるでしょう。

歯磨きガム・デンタルガムの正しい保管方法

デンタルガムはワンちゃんの口に入る物なので、フードやおやつと同じように日光や気温の影響を受けてしまいます。

デンタルガムを保管するときは、直射日光、高温多湿の場所を避けることが大切です。特に、開封後はなるべく早く使い切るようにすると品質の低下を防ぐことができます。

ここからは、デンタルガムの適切な保管方法について解説します。

適切な保存方法を守ることの重要性

デンタルガムは、ワンちゃんが食べてしまっても問題ない原料で作られています。そのため、適切な方法で保存しないと、味や硬さが変質してしまう可能性があるため、注意が必要です。

特に、開封後のデンタルガムは日光や気温の影響を受けやすいため、保管方法には十分気を付けましょう。開封したら、できるだけ早めに使ってしまうように心掛けておくと安心です。

開封後の保管方法についての注意点

デンタルガムを保管するときは、直射日光、高温多湿の場所を避けることが大切です。開封後は、開封口を必ず閉じて、なるべく早めに使い切るようにしましょう。

また、デンタルガムは犬以外に与えるようにはできていないため、お子さんが食べてしまうと思わぬ事故に繋がる可能性があります。保管場所は小さいお子さんの手に届かないところを選びましょう。

まとめ

歯みがきガム(デンタルガム)や歯ブラシを使ったデンタルケアは、毎日の習慣にすることが重要なポイントです。特に、デンタルガムは歯ブラシが苦手なワンちゃんでも安心して使ってくれるため、歯のケアのファーストステップとして役立ちます。

また、歯のケアで気になることがあれば、動物病院で歯の定期健診を受けることも大切です。口臭が気になる・いつもよりフードを食べないなどの異変を感じたら、なるべく早めに受診させるようにしましょう。

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