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犬が寝言を言うのは普通?理由や注意点を徹底解説

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はじめに

 愛犬が寝言を言う姿は、思わず動画を撮ってしまうほど愛おしいものです。

スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていると思ったら、走っているように足をピクピクさせたり、突然唸ったり、ご飯を食べているように口をモゴモゴさせたりと、見ているだけで癒されます。

 眠っている間に無意識に発する言葉を、一般的に「寝言」と呼び、睡眠時異常行動の一つです。人間が寝言を言う原因は様々で、夢、ストレス、病気などが関わっているとされています。

 一方で、犬はどうして寝言を言うのでしょうか。今回は犬がどうして寝ている間に寝言を言うのかを解説していきます。同時に注意するポイントなども一緒に解説していきたいと思います。

犬が寝言を言う理由

 犬が寝言を言う理由は様々です。理由は大きく分けて2つあります。

疲れの回復

 犬も人間と同じように休息が必要です。犬の寝言は休息をとっているサインでもあります。ですので、犬が寝言を言っていたら、起こさないように見守ってあげましょう。人間も寝ることでその日の記憶や出来事を整理しています。犬も体を動かしたり、頭を使ったりと1日のうちでたくさんのエネルギーを使っています。眠ることで体の疲れを取ると同時に脳を休めています。寝言も脳の疲れをとる大事な一つの作業なのです。

睡眠時間が長いため

 犬は睡眠時間がとても長い生き物です。子犬で18時間~19時間程度、成犬になると12時間~14時間程度睡眠時間をとっています。7歳を迎えるシニア犬も成犬より回復に時間がかかるため、シニア犬もどんどん睡眠時間が長くなっていきます。また、大型犬は小型犬よりも体が大きいため、たくさんのエネルギーを使っています。大型犬の方が睡眠時間が長い傾向にあります。

 睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠とは、眠りの浅い状態の睡眠のことです。レム睡眠では脳が活発に動いており、記憶や感情の整理が行われています。つまり、体は休んでいる状態ですが、脳だけが動いている状態ということになります。反対にノンレム睡眠とは、眠りの深い状態のことです。脳も体も休んでいる状態のことです。夢を見るのは、脳だけが活発に動いているレム睡眠の時だけです。犬も人間と同じように眠りの浅いレム睡眠の時に夢を見ています。夢を見ている時間は、寝言を言うことも多くなります。

犬の脳の活動と夢の関係

 犬の脳の活動と夢にはどんな関係があるのでしょうか。

現在、犬が夢を見ているかのように眠っている間に足をばたつかせたり、吠えたりすることは明確には解明されていません。しかし、これらの夢を見ているかのような行動は、レム睡眠の時に起こるとされています。人間の場合は、レム睡眠の時に脳でその日の出来事や過去の記憶の整理、感情の整理をしています。そのため、犬も人間と同じようにレム睡眠の時に日々の生活での出来事や記憶の整理、感情の整理をしているのかもしれません。

 

ストレスや不安が原因の可能性

 「夢を見ているのかな?」と思う愛犬の行動はたくさんあります。まるで飼い主さんとのお散歩を楽しんでいるかのように足をばたつかせたり、誰かに訴えているかのように吠えていたりと、様々な動きをします。

 ですが、中にはまるで何かに追いかけられているかのように激しく吠えたり、痛みを我慢しているかのように表情が苦しそうだったりという行動が見られる時があります。寝ている時にそのような行動が毎日続くようでしたら、それは愛犬のストレスや不安の表れかもしれません。特にお留守番が長く、愛犬が1人の時間が多かったり、引っ越しなどで環境がいきなり変わったりすると、犬はストレスや不安を感じてしまう敏感な生き物です。愛犬の寝相が変だと感じたら、何か愛犬がストレスを感じてしまうようなことはなかったか、思い返して見てください。

犬の寝相の悪さの理由

 「愛犬の寝相が悪い」そう感じている飼い主さんはいませんか。実は、愛犬の寝相がものすごく激しい、イビキが酷い場合はいくつか理由があります。

体調不良や痛みによる影響

 愛犬の寝相は、体調不良や痛みによるものの可能性があります。体が激しく痙攣していたり、あまりにも苦しそうな表情が続く場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。発作や呼吸器・循環器の異常の可能性があります。人間の激しいイビキも呼吸器に異常があり、症状がひどくなると、無呼吸症候群になることもありますが、犬のあまりにも激しいイビキも喉や呼吸器系に異常がある可能性があります。特に短頭種(鼻が短い犬)は注意が必要です。

外部刺激や環境の変化による影響

 体調不良や痛みによる影響の他にも外部からの刺激や環境の変化による影響でも寝相が変化することがあります。冬場、小刻みに震えている様子で眠っていたら、それは部屋が寒くて体温調節ができていない可能性があります。また、愛犬が四肢を開いた横向きの姿勢、開口呼吸をしている、少し息が早い様子などがあれば、部屋が暑くて体に溜まった熱を逃がそうとしています。

犬が寝言を言ったり、寝相が悪かったりするのは普通?

 犬が寝言を言ったり、寝相が悪かったりするのは普通のことなのでしょうか。

これは、愛犬の性格であったり、犬種、年齢などによっても違いがあります。

犬種や個体差による違い

 犬の寝相は犬種や個体によって違いがあります。

チワワやトイプードルなどの小型犬は、大型犬よりも体温調節が上手くできないので、温度の変化にものすごく敏感です。小型犬は寒さ・暑さに注意して眠る環境を整えてあげてください。

  また、イビキをかきやすい犬種はフレンチ・ブルドック、チワワ、シー・ズー、パグなどの口の周りから鼻先にかけての部分が短い短頭種です。これらの犬種は呼吸器や循環器の問題を抱えやすく、その症状の一つとして呼吸音の異常やいびきが出てくることがあります。多少のイビキだけなら問題はありませんが、ひどくなると呼吸困難を起こすことがあります。

年齢や性格の影響も考慮

 また年齢や性格でも寝相が変化してきます。

通常シニア犬になると、子犬の頃のように睡眠時間が長くなります。ですが、睡眠時間が極端に短くなったり、いきなり起きて吠えるなどの行動が見られた時は注意が必要です。認知症の可能性があります。

 また、犬の寝相はその子の性格にも影響します。臆病な性格の子ですと怯えたように震えて眠っていることもあります。活発な子ですと、夢でも運動しているのか四肢をばたつかせていることが多いようです。

犬の寝言や寝相の注意点

 犬の寝言や寝相での注意点はあるのでしょうか。どんな様子であれば注意すべきかお教えいたします。

 まずはどのような姿勢で寝ていたら、注意するべきでしょうか。

祈りのポーズ

 祈りのポーズは犬が腹痛を感じているときにするとされているため、正確には寝相とは違います。祈りのポーズは、伏せの状態で前足を伸ばし、腰をあげて後ろ足を立たせた状態のことをいいます。まるで、ストレッチをしているような格好です。伸びをするときもこの祈りのポーズをする犬が多いので、一見大丈夫そうですが、よくこのポーズをする場合は注意が必要です。

四肢を開いて横を向いている

 横向きの姿勢は犬にとってとても楽な姿勢です。しかし、四肢も開いて横向きに寝ている時は暑さによる不快感からストレスを感じている可能性があります。呼吸が早かったり、横向きで寝ているのにそわそわして落ち着かない様子だったりしたら、室温を見直してみてください。エネルギーを多く使う大型犬やシニア犬、子犬などは室温には十分に注意してあげてください。

長時間の鳴き声や激しい動きには注意

 寝ている間にあまりにも長時間にわたり鳴いている場合や激しく動いている場合、痙攣をおこしている場合には注意が必要です。病気が隠れていたり、体の痛みに耐えていたり、愛犬の健康に関わることがあります。愛犬の寝相で少しでも異常を感じたら、起きている間も注意深く様子を見ていてあげてください。

 

睡眠の質に影響を与える可能性も

 犬は1日のほとんどを睡眠にあてています。体も脳も休めることのできる睡眠の質が下がってしまうと、ストレスを感じてしまいます。人間も日々の不安でうなされて起きてしまったり、痛みで起きてしまったりすると、全く疲れがとれません。犬も同様に、寝ている間にうなされていたり、痛みを感じていると、睡眠の質に影響を与えてしまいます。愛犬の睡眠の質を向上させるためにも、飼い主さんが注意深く見ていてあげましょう。

犬の寝言や寝相に対する適切な対処法

 犬の寝言や寝相に対して飼い主さんはどのような対応をすべきでしょうか。

それは、無理に起こさないことです。愛犬の睡眠を阻害してしまうのは、愛犬のストレスにもなります。苦しそうな表情をしていたり、激しく吠えている場合ではない時の寝言は特に問題がないことが多いです。また、足などがピクピク動いているくらいの寝相も、問題ないことが多いですし、愛犬がストレス発散ができている証拠です。激しく吠えていたり、痛がっているような苦しい表情ばかりしている場合は、動画をとっておきましょう。動画をとっておくことでかかりつけの獣医師さんに相談することができます。

まずは犬の安心感を与える

 犬に安心感を与えましょう。私たち人間も安心できるところではないと熟睡はできません。家ではぐっすり眠ることができても、旅行先のホテルや旅館などでぐっすり眠ることができないことがあると思います。愛犬も眠る環境が整っていなかったり、不安要素が多いとそれがストレスに感じ、安心して眠ることができません。

 では、愛犬が安心して熟睡できている時はどのような姿勢で眠っているのでしょうか。

仰向け

 お腹を無防備にさらけ出している状態はものすごくリラックスできている状態です。おへそを上に向けていることから別名「へそ天」とも呼ばれているこの寝方は、安心しきってくれています。体の熱を外に放出できる姿勢でもあるので、夏によくみられる姿勢です。野良犬がへそ天で眠っていることはほとんどありません。

ドーナツ型

 体を丸めて眠るこの姿勢は寒い冬によくみられる寝方です。アンモナイトのように丸まっていることから最近では「ワンモナイト」と呼ばれています。一般的な犬の寝方です。体の熱を逃さずに眠ることができます。しかし、温度が高く、暑い場所でもこの姿勢で寝ている場合は、急所であるお腹を隠しているため、少し緊張状態であると言えます。

横向き

 仰向け同様に、横向きで寝ている場合も瞬時に動くことができない姿勢なので、安心して眠っている証拠です。犬にとって、この横向きの姿勢はとても楽な姿勢です。この姿勢の時は熟睡している時がほとんどです。

体をくっつけて寝ている

 飼い主さんに体をくっつけて寝ているという甘えん坊な子も多いのではないでしょうか。体をくっつけて寝ているのは、飼い主さんを信頼しきっている証拠です。大好きな飼い主さんの体温を感じて、大好きな飼い主さんの匂いに包まれて眠ることで安心して熟睡できる子もいます。

環境や生活リズムの整備が重要

 犬の睡眠には眠る場所の環境を整えること、生活リズムの整備が重要となってきます。

愛犬の健康維持にも睡眠が重要となってきますので、愛犬が安心してゆっくり眠ることができる環境を整えていきましょう。まずは、愛犬が安眠できるベッドを用意しましょう。ベットは愛犬の体のサイズに合わせて購入しましょう。また、犬の適正温度は22度~25度です。部屋の温度が常に22度~25度くらいになるようにしてください。

犬の寝言や寝相に関する悩みを解決するために

 犬の寝言や寝相に関する悩みを解決するためにはどうすればいいでしょうか。

あまりにも激しく吠えたり、激しく動いていたりすると心配になります。病気の可能性もあるので、まずはかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。また、いびきがひどい場合や睡眠中の呼吸が荒い場合も獣医師の診察を受けることをお勧めします。

 また、今は他の飼い主さんの意見をきけるインターネットサイトやSNSも多く存在します。他のベテランの飼い主さんの意見を参考にすることも大事でしょう。しかし決して鵜呑みにはしてはいけませんよ!

獣医師の相談や検査を受けることを検討

 愛犬は人間のように言葉を話すことはできません。何か体に異常があっても、言葉で伝えることはできません。そのため、いつも一緒に生活している飼い主さんが愛犬の少しの行動の変化や鳴き方の違いに気づいてあげることが病気の早期発見の近道です。愛犬の睡眠が少しでも異常だと感じたら、愛犬の様子を動画に撮り、獣医師の相談や検査を受けることを検討しましょう。

犬の健康管理と十分な運動を心掛ける

 犬の寝言や寝相の悪さはストレスが原因のことがほとんどです。日々の生活で愛犬がストレスを感じることのないように愛犬の健康管理と十分な運動を心掛けましょう。

まとめ

 愛犬の寝言や寝相を思い返してみましたか?

愛犬の寝相や寝言は心理状態や健康状態を表すサインです。

人間と同じように快適な睡眠は愛犬の健康維持に繋がっていきます。愛犬の寝ている姿は可愛くてついついちょっかいを出したくなりますが、愛犬の睡眠を邪魔してしまうと、それがストレスになってしまいます。寝ている間はそっと見守り、少しでも異常があればかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。

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