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はじめに
愛犬が下痢をすると、飼い主さんは心配になってしまいます。「食事をあげてもいいの?」「何かの病気かな?」、と、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
犬は日常の些細な事が原因で、下痢をしてしまうことがあります。
愛犬が下痢になった時、考えられる原因や対処法を理解しておくと安心です。
この記事では、犬の下痢の原因や家で出来る対処法、動物病院に行く目安もご紹介します。愛犬の健康に、ぜひお役立てください。
愛犬の下痢の原因を考えよう
犬は、環境の変化や食事の変化、ストレスなど、日頃の些細なことが原因で下痢になってしまうことがあります。
いつもと変わらず元気なのに下痢をしている場合、以下のことが原因かもしれません。
まずは、日常生活の中で犬の下痢に繋がりやすい原因を考えてみましょう。
環境の変化による下痢
引っ越しや家族構成の変化、季節の変わり目など、環境の変化が下痢の原因になることがあります。
特に、おうちに新しく迎え入れたときは、慣れない場所と人にストレスを感じ、下痢になってしまうこともあるでしょう。
愛犬のいるおうちに、新しくペットを迎え入れる時も注意が必要です。
また、旅行やペットホテル、トリミングなどに預けたあと、下痢や軟便気味になってしまう犬もいます。
預けられるのが苦手な愛犬は、出来るだけ控えたりそばにいてあげたりするといいでしょう。
環境が変化したあとに下痢になってしまった場合は、少し様子を見ても問題ない場合がほとんどです。
愛犬が早く安心出来るように、工夫して環境を整えてあげましょう。
ストレスが原因の下痢
犬は、雷や花火、工事の音など、人間にとっては些細なことでもストレスを感じ、それが下痢の原因になることもあります。
怖がっている様子があれば、なるべく安心出来るようにしてあげたり、可能であれば音が聞こえない場所に移動したりしてあげましょう。
他にも、以下の事などがストレスになっているケースもあります。
- いつもより多くの犬や人が集まる場所に出かけた
- 長時間のお留守番をした
- いつもは留守番が長いのに、家にずっと人がいるようになった
- 飼い主さんの生活リズムが変わり、散歩の時間や食事の時間が変わった
特に、子犬や小型犬、老犬はストレスに弱い傾向があるため、些細なことでも下痢の原因になってしまう可能性が高いです。
ストレスで起こっている下痢の場合は、ストレスの原因を取り除いてあげるだけでも治る場合が多いでしょう。
食事の変化が下痢の原因になることも
愛犬がいつも食べ慣れている食事を変えてしまうと、下痢の原因になることがあります。
新しいドッグフードや人間の食事を与えるときは、注意が必要です。
ドッグフードを変えるときは、急に新しいフードに変えるのは避けるようにしましょう。
最初はいつものフードに少量ずつ新しいものを混ぜて与えるようにします。
その後、徐々に今までのフードを減らし、新しいフードの量を増やしていくように変えていくようにしてください。
徐々に変えていくことで急な変化が起きず、お腹の調子も安定しやすくなります。
もし愛犬が好んでいるフードがあれば、なるべく変えずに同じものを与えてあげるのが安心でしょう。
下痢対策におすすめの食事
環境の変化やストレスのない状況で愛犬が下痢をしてしまったら、食事を見直してみましょう。
食事内容だけでなく、与え方も大切です。
胃腸に負担がかからないような食事を心掛け、回復を待ちましょう。
下痢対策におすすめの食事や与え方をご紹介します。
消化しやすい食材を選ぶ
食事が原因と思われる下痢の場合は、胃腸に負担がかからないよう、消化しやすい食材を与えてあげましょう。
油分が多いものや固いものは消化吸収が悪く、胃腸に負担がかかってしまうため、避けるようにしてください。
次のような食材がおすすめです。
- 鶏ささみや鶏むね肉
- 白身魚
- さつまいも、かぼちゃなど食物繊維が豊富な野菜
ただし、急に初めての食材を与えるのは止め、食べ慣れているものを与えるようにしてください。
小さく切ったり、柔らかく煮たりしてあげると、消化しやすくなります。
普段食べているドッグフードがドライタイプであれば、柔らかくふやかしてあげるのも良いでしょう。
少しずつこまめな食事を心がける
下痢をしている時に、一度にたくさんの食事を与えてしまうと胃腸に大きな負担がかかってしまいます。
1回の量を少量にし、回数を増やしてあげるようにしましょう。
こうすることで消化しやすくなり、胃腸に負担がかかりづらくなります。
また、必要な食事量は犬によってそれぞれ違うため、愛犬の様子を見ながら、少しずつ与えてあげてください。
下痢をしていても食欲があり元気なようであれば、そのまま様子を見ても大丈夫な場合がほとんどです。
下痢が治まってきたら、少しずつ元の食事に戻していきましょう。
葛湯や消化促進のためのサプリメントを検討する
胃腸の回復を助けるために、本葛をお湯に溶かした葛湯(くずゆ)やサプリメントを取り入れるのもおすすめです。
葛湯は消化も良く、胃の粘膜を保護してくれたり、水分補給が同時に叶ったりと嬉しい役割が期待できます。
下痢以外に症状がなく、元気な時に少しずつ与えるのがおすすめです。
葛湯の作り方
①水200ccに本葛大さじ1杯を入れ、しっかりと溶きます。
②中火で火にかけ、鍋にこびりつかないように注意しながら透明になるまでかき混ぜます。
③与える時は、犬が火傷しないように人肌程度まで冷ますようにしてください。
また、軟便や下痢をしやすい犬は、日頃からサプリメントで腸内環境を整えておくのもいいでしょう。
消化促進や腸内環境を整えるには、以下の成分が配合されているサプリメントがおすすめです。
- プロバイオティクス
- プレバイオティクス
- 乳酸菌
愛犬の状態や体質に合わせて選んであげてください。
食事以外の対処法も紹介
犬が下痢になってしまったとき、食事以外でも対処法がいくつかあります。
食事の見直しと併せて取り入れてみてください。
ただし、様子を見ても良くならない場合や他にも症状が見られる場合は、動物病院で相談するようにしましょう。
水分補給の重要性
犬にとっても水分補給はとても重要です。
特に下痢になってしまっているときは、便と一緒に体内の水分も排出しやすくなっています。
脱水症状を引き起こさないよう、こまめに水分補給をするようにしてあげましょう。
ただし、与える水が冷たすぎたり、1回分の量が多すぎたりすると逆効果です。
体調を悪化させないように、水の温度や量には充分注意してください。
常温の水を、こまめに分けて与えるといいでしょう。
定期的な運動で腸の動きを促す
愛犬の下痢対策として、日頃から定期的な運動をさせて腸の動きを促しましょう。
犬は運動不足で体力低下やストレスを感じてしまうと、下痢をしやすくなってしまいます。
普段から、適度な散歩やボール遊びなどの運動は欠かさないようにしましょう。
ただし、下痢になっているときは激しい運動は控え、散歩も少なめにしてあげると安心です。
動物病院に相談する
愛犬が下痢になってしまったとき、元気がなくいつもと違う様子であれば、速やかに動物病院に相談しましょう。
病院で診察を受ければ適切な処置が出来るため、回復も早くなり、犬も飼い主さんも安心です。
病院に行く際は、便の状態や回数、食欲などをしっかりと報告出来るようにしておきましょう。
可能であれば便を持参したり、写真を撮っておくと状態が把握しやすくなりますので、おすすめです。
特に、以下の症状がある場合は、早めに病院へ連れて行くようにしましょう。
- 誤飲の可能性がある
- 元気がなくぐったりしている
- 血便が出ている
- 嘔吐している
- 便が水状やゼリー状になっている
また、愛犬が普段から下痢や軟便をしやすく悩んでいる場合も、一度獣医師に相談すると安心です。
下痢の再発を防ぐための生活改善
愛犬には、出来るだけいつも元気でいて欲しいものです。
下痢の再発を防ぐためには、日頃の生活を見直してみましょう。
簡単に出来る生活改善で、愛犬との健やかな毎日を過ごしてください。
食事の安定化を図る
犬がお腹を壊さないように、食べるものは出来るだけ慣れたものを与えるようにしましょう。
食事内容が頻繁に変わるのは、下痢の原因になってしまいます。
愛犬に合ったフードを与え、新しいものを与える時は、時間をかけて徐々に切り替えていくようにしましょう。
また、食べすぎも胃腸の負担が大きくなり、下痢の原因に繋がってしまいます。
食事内容や量はあまり変えないようにし、愛犬に合ったごはんを毎日安定して与えてあげましょう。
ストレスを軽減する方法を探す
犬にとってもストレスは大敵です。
頻繁に場所が変わったり、一緒に生活する人が変わったりすることは大きなストレスになってしまいます。
大きな音など、怖がってしまうことがあれば、出来るだけ取り除いてあげると良いでしょう。
また、運動不足もストレスの原因になるため、適度な散歩や遊びはとても大切です。
飼い主さんが可愛がってあげることも、犬にとって大きな安心感につながります。
日頃から撫でたり遊んだりしてスキンシップを取り、愛犬が安心する環境作りを心掛けましょう。
規則正しい生活リズムを保つ
規則正しい生活リズムは、愛犬の健康を保つためにもとても大切です。
出来るだけ散歩やごはんを決まった時間にし、生活リズムを作ってあげると体調も整いやすくなります。
また、犬は本来夜行性で、人間よりも睡眠時間が長く必要です。
しかし人間と同じ生活リズムで暮らす飼い犬は、日中はどうしても刺激を受けやすく、眠りが浅くなりがちになってしまいます。
睡眠不足になるとストレスが溜まってしまい、下痢など不調の原因になってしまうため、眠りやすい環境を作ってあげるといいでしょう。
愛犬が好きな場所にお気に入りの寝床を置いてあげたり、眠りやすいように暗がりを作ってあげたりするのがおすすめです。
下痢が続く場合は専門家に相談しよう
愛犬が下痢になってしまい、2〜3日様子を見ても良くならない場合は、速やかに専門家に相談しましょう。
一時的な下痢は心配が必要ない場合が多いですが、中には病気が隠れているケースも考えられます。
愛犬の様子をよく観察し、適切な処置を受けることが大切です。
動物病院での診察の重要性
人間と違い言葉が話せない犬は、飼い主に自分の症状を適切に伝えることが出来ません。
そのため、体内で何か起こっていたとしても、一見しただけでは分かりづらい場合があります。
特に犬がぐったりしている、食欲がなく嘔吐しているなどいつもと違う様子の場合は、早めに診察を受けることが重要です。
動物病院で診てもらうことで、愛犬の健康状態をきちんと把握でき、適切な治療を受けられます。
適切な治療を受けることで、回復も早くなり安心です。
愛犬も飼い主も辛い状態を長引かせないよう、何かおかしいと感じたら動物病院を受診しましょう。
検査や検査結果の解釈について
下痢症状があるときの動物病院での検査は、基本的に問診・触診・聴診・糞便検査を行うことが一般的です。
さらに、必要に応じて血液検査や直腸検査などを行う場合もあります。
検査結果で診断した原因に合わせて治療を開始します。
原因の特定にはおうちでの様子も大事な情報となりますので、病院に行く際は次のポイントを報告出来るようにしておきましょう。
- いつから下痢になったか
- 1日に下痢をする回数
- 食欲の有無など下痢以外の症状
- 与えているフード
- 誤飲の可能性
- 環境の変化などはあったか
- 便の状態(写真を撮っておくのがおすすめです)
問診や診察時の状態をもとに、必要な検査が行われます。
愛犬が下痢になったときは、おうちでの様子をメモするようにしておくといいでしょう。
適切な治療を受けるためにも重要なポイントです。
まとめ
愛犬が突然下痢をすると、飼い主さんは心配になり、慌ててしまうこともあるでしょう。
犬は、環境の変化や食事の変化など、人間が気づきにくい些細なことがストレスになり、下痢をする原因に繋がってしまいます。
食事は食べ慣れているものや量を安定して与え、日頃から愛犬が安心できる環境作りを心掛けてあげましょう。
犬の下痢は、一時的なものであれば心配ない場合がほとんどです。
しかし、対処法を実践して2日〜3日様子を見ても治らない場合や、いつもと様子が違う場合は、速やかに動物病院へ行きましょう。
病気がないか診察してもらい、適切な治療を受けることで大切な愛犬の健康を守れます。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、下痢になってしまったときは慌てずに対処することが大切です。