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はじめに
愛犬との散歩は、飼い主にとって大切な時間となります。しかし「いつから子犬は散歩を始めていいの?」とお悩みの方は多いようです。この記事では、子犬の散歩はいつから始めるべきなのか、また散歩デビューに向けた準備や注意点などをご紹介します。
子犬の散歩はいつから始めるべき?
子犬が家族になったら「すぐに散歩に行ける!」と思っている方もいるかもしれません。しかし、そうでないケースもあります。子犬の時期は身体が未発達で、病気への免疫がない可能性もあり、そのような状態で外出するのはとても危険です。散歩デビューが可能な時期を必ず把握しておきましょう。ここから、子犬の散歩はいつから始めるべきなのかについて解説します。
適切なタイミングはいつか?
子犬が散歩をスタートできるのは、必要な回数のワクチンを受けたあとになります。子犬を迎える際は、ワクチン接種の状況を確認することが重要です。
生後2カ月ごろに接種する1回目のワクチン後では、まだ免疫が不十分といえます。生後45日~90日くらいの子犬は母親から受け継いだ免疫が残っていますが、それ以降はさまざまな感染症にかかるリスクが発生します。
確実な免疫にするためには、生後16週以降までに2~4週間隔で追加ワクチン接種を行う「3回接種」がおすすめです。
16週を過ぎた月齢の子犬であれば、基本的にワクチン接種が終わっています。最後のワクチンが完了したら「即お散歩デビューができる」と勘違いされる方は多いです。しかし、安心してお散歩を開始できるのは、もう少し後のことになります。
外出しても子犬の免疫が問題ないレベルになるためには、最終ワクチンを接種してから2週間~3週間ほど必要です。
年齢や体力に注意する
生後1年に達していない子犬の場合、骨や筋肉はまだまだ成長の途中です。身体の負担になってしまわないように、散歩の距離や時間を調節することが必要になります。
また、普段は1日2回お散歩していても、その日の体力によって1回に減らしたほうがいい場合もあります。愛犬の体調をみながら、適切な回数を選ぶことが重要です。
獣医師のアドバイスを聞く
子犬はいつから散歩を始めてもOKかについては、さまざまな見解があります。その理由は、地域や獣医師によって、ワクチンを接種する種類が異なるためです。
感染症からの保護のために健康を重視するか、子犬の社会性を重視するかによって、散歩を始める時期は違ってきます。愛犬を担当する獣医師と相談したうえで決めるのがベストな選択です。
散歩デビューに向けた準備
ワクチンプログラムが完了したら、いよいよ子犬の散歩デビューとなります。その時期が来る前に、以下の準備をしておくとスムーズです。
首輪やリードの準備
首輪やリードは散歩に不可欠なアイテムです。しかし、犬によっては首や身体に何かを巻き付けることを嫌がるケースもあります。首輪やリードを装着することに抵抗がある場合は、散歩を楽しんでくれないため、散歩デビュー前に装着する練習を行うことが必要です。
どうしても首輪が苦手な場合は、柔らかいリボンやバンダナなど、ひも状のものを犬の首に軽く巻いて練習する方法がおすすめです。慣れてきたらリードも付けて、室内やベランダなどを歩く練習をすれば、散歩本番でも上手く歩いてくれるようになります。
散歩コースの確認と整備
子犬が散歩に慣れないうちは、危険を排除したコースを選ぶのが最適です。子犬の散歩は、まず公園など整備された安全な場所で行うことが大切なポイントとなります。
あらかじめ、車の交通量は多くないか、子犬にとって困難な段差はないかなどをチェックしておくことが重要です。
必要な用具やおやつの準備
排泄物を入れるトイレグッズや、携帯可能な給水器は、犬の散歩のマストアイテムです。散歩用のトイレグッズは、ゴミ袋・スコップ・ティッシュなどが揃っていれば、排泄物をスムーズに処理できます。水に関しては、飲み水としてはもちろん、マーキングのニオイを消すのにも活躍します。
また、散歩中におやつを持参していれば、愛犬を褒めたいときに与えることができ、愛犬とより深いコミュニケーションが取れます。
ほかにも、飼い主の電話番号などを明記した「迷子札」を付けていれば、万が一犬が迷子になってしまった際、犬を保護した人が連絡してくれることがあるので安心です。
子犬の散歩中に気を付けること
子犬にとって外の世界は目新しい刺激ばかりです。無理をして散歩をすると疲れてしまうので、最初のうちは短時間からのスタートがおすすめです。
子犬が散歩に慣れてきたら、少しずつ距離を伸ばしていきます。散歩コースは、交通量や人通りが少ない場所や時間帯を選び、子犬の安心感を優先することがポイントです。
また、散歩中は子犬の「拾い食い」に気をつけてください。なぜなら、子犬の視線は地面に近く、特に子犬は何にでも興味を示すからです。散歩中は子犬から目を離さないことが重要になります。
他の犬や人との接触に注意
子犬は、飼い主以外の人間や他の犬に吠えることがあります。これは警戒心の表れです。興奮して吠え続ける場合は、子犬の背中を撫でて落ち着かせることが大切です。子犬が散歩に慣れてくると社会性が身につき、過度に吠えることは少なくなります。
また、人によっては動物アレルギーを持っていたり犬が苦手だったりする場合もあります。トラブルを避けるためには、細心の注意が必要です。子犬が他人に興味を持った際は、まず相手に声をかけて、大丈夫であることを確認してから近づくことがマナーです。
外部環境の刺激に慣れさせる
犬によっても異なりますが、警戒心が強い性格の子もいます。外の世界は車の騒音や他の犬の匂いなどの刺激が多いため、子犬が怖がってしまうこともあります。
子犬は生後4ヶ月を過ぎると、初めての刺激に慣れにくくなるという特徴があります。この期間を過ぎてから怖い思いをしてしまうと、成犬になっても恐怖心が強くなってしまうことは多いです。
生後3ヶ月ごろから散歩をスタートしていると、さまざまな外部刺激に対して順応しやすくなります。本格的な散歩をスタートする前に、抱っこをして外へ連れ出す回数を重ねていき、外部環境に慣れさせておくことが重要です。
抱っこをした状態の散歩は地面を歩かせる必要がないため、ワクチンプログラムが終了していない子犬でも、病気になるリスクが少ないことがメリットとなります。
子犬は自分で歩かなくても、外に出ることによって、匂いや音などの刺激を受けることができます。
暑さや寒さへの対策を考える
子犬は身体の高さが低いため、地面の温度を感じやすくなっています。また、上手に体温調節できないことがあり、特に夏は熱中症に注意が必要です。子犬の散歩は、季節によって過ごしやすい時間帯を選ぶことが適切な対策方法になります。
また、悪天候での散歩は子犬にとって負担が大きいものです。大雨の日や強風の日は、散歩を控えることをおすすめします。
特に以下のような散歩シーンは、犬に負担がかかりやすいため注意が必要です。
●暑い日
暑い日に散歩をする場合、地面に近い犬は散歩中に照り返しの熱気と路面の温度を直接受けます。そのため、真夏の昼間に出歩く行為は大変危険です。子犬の肉球は地面の温度にとても敏感であり、夏場の地面を歩くとヤケドの恐れもあります。夏の散歩は比較的涼しい時間帯の朝や夕方を選び、水分をよく摂らせることが重要です。
●寒い日
寒い日の散歩は、暖かい時間帯を選ぶことをおすすめします。基本的に犬は、寒さに強い動物です。しかし、急に寒い屋外に出ると身体に負担がかかります。また、寒い時期には霜が張って足が冷たいときもあります。外で歩き慣れていない子犬の肉球はとても柔らかく、傷つきやすいです。そのため、痛みを感じて歩けなくなるケースがあります。気温が低い時期には、犬用の服や靴を着せてから出発すると安心です。
●雨の日
激しい雨の日には、無理に散歩をさせる必要はありません。家の中で遊んであげることをおすすめします。どうしても散歩が必要な場合は、犬に雨具を装着させた後、水たまりに入らないように歩かせます。皮膚トラブルを避けるため、帰宅後はドライヤーなどで足を乾かしてあげることが大切です。
散歩の頻度と時間の管理
最適な散歩の頻度や時間は、犬の種類や年齢によって異なります。犬の身体に負担がかからないように、愛犬に合わせて散歩の頻度や時間を調整することが重要です。
適切な散歩の頻度と時間は?
散歩に適した時間は、犬の特徴や年齢によってさまざまです。成犬の場合は、一般的に大型犬ほど必要な時間が長くなります。
【サイズによる散歩時間の目安】
- 大型犬:1回30分を1日2回
- 中型犬:1回20分を1日2回
- 小型犬:1回15分を1日2回
散歩デビューをして間もない子犬の時期は安心して過ごしやすい時間帯を選び、5分~10分程度で1日2回を目安にしてください。
犬のエネルギーが余っている場合は、散歩以外にもドッグランを利用して走らせてあげることもおすすめです。
子犬の成長に合わせて調整する
子犬が外部環境に慣れないうちは、思うように進んでくれず、歩かないこともあります。そんなときに散歩を強要された子犬は、散歩嫌いになってしまうことがあるため注意が必要です。
散歩デビューして間もない時期は、短時間で無理なく行うことが重要です。もし、犬が道路を歩くことを嫌がるのであれば、静かで安全な場所で、まずは恐怖心を取り除くことが大切になります。子犬の成長に合わせて、散歩の時間や距離を設定するのがおすすめです。
日常のルーティンに散歩を組み込む
基本として、犬の散歩をするタイミングは食前がおすすめです。食後すぐに歩かせると、胃捻転の発生や胃が拡張するリスクがあるため、エサをあげたら散歩まで1時間~2時間ほど時間を空けるべきです。
また、毎日同じ時間に散歩に行っていると、時間に遅れた際に犬は違和感が生じて、要求吠えをするケースもあります。そのような場合は、散歩に行く時間をわざとずらしてランダムにするという解決策もあります。
日常のルーティンに散歩を組み込んでも、犬が散歩を嫌がるのであれば無理はさせずに、別日に行っても問題ありません。無理矢理リードを引っ張ったりしないで、犬が自分で歩き出すまで待つことも大切です。
子犬の散歩のメリットと注意点
子犬にとって散歩が欠かせない理由としては、運動以外にもさまざまなメリットがあります。ここから、子犬の散歩のメリットと注意点についてご紹介します。
子犬の社会化に役立つ
散歩は子犬にとって社会性を身につける勉強の場となります。子犬の病気が心配だからといって、いつまでも散歩に出さないのは考えものです。
生後3週から16週ごろまでの間は犬の「社会化期」と呼ばれています。これは、犬が社会で暮らしていくため、周囲の環境に慣れるのに適した時期です。この時期を逃してしまうと、後々社会性を身に付けるのは難しくなります。そして、ほかの犬や飼い主以外の人間と接するのが苦手になってしまうことがあります。
散歩中は、ほかの犬や人間とコミュニケーションをとったり、車やバイクなどを見たりする機会が増えます。このような体験が、犬の社会性を育てることに繋がるのです。
犬の心身の健康に良い影響を与える
犬が散歩をすると、運動不足が解消されるだけでなく、筋力アップや肥満予防にも効果があります。肥満は、心臓病や糖尿病などさまざまな病気を引き起こす恐れがあるので、特に注意が必要です。
また、散歩は犬のストレス解消にも貢献します。室内犬は1日のほとんどの時間を家で過ごすため、刺激が少ないことからストレスがたまりやすい傾向にあります。そのため、外に出て散歩をすることは良いストレス発散になるのです。
そして、散歩によって食欲が増え、子犬の成長にも繋がります。さらに、四季を感じながら散歩することによって、ホルモン調整にも良い影響を与えるのです。
散歩中のリスクや危険を避ける
子犬の免疫力が弱い状態で、他の犬と仲良くしたり外を駆け回ったりするのは、病気になるリスクが高いため避けるべきです。子犬のワクチン効果が安定しない間は、飼い主さんが抱っこして散歩してあげることをおすすめします。抱っこしながら自宅周辺を歩くだけでも、子犬はさまざまな刺激を得ることができるからです。
また、抱っこ散歩の場合でも万が一の事態に備えて、必ずリードやハーネスをつけてから散歩をする必要があります。
散歩デビューまでの準備手順
子犬の散歩デビューを迎えるにあたって、いくつか準備が必要です。しっかりと準備をしておくことで、散歩に関する多くの心配事は解消できます。ここから、子犬の散歩デビューまでの準備手順をご紹介します。
トレーニングや社会化の重要性
散歩デビュー直後、子犬は警戒心が強いために、他の犬や人に怯えたり吠えたりしてしまうことがあります。しかし、子犬のうちに多くの犬や人とコミュニケーションをとることによって、社会性が育まれるのです。次第に落ち着いて触れ合えるようになるので、他の犬や人と触れ合う機会を、散歩で積極的につくることをおすすめします。
また、子犬を迎えた後、友人が自宅に遊びに来る機会があるかもしれません。家族以外の人間と触れ合うことは、子犬にとって良い刺激になります。人間に慣れさせるためのトレーニングにもなるので、犬の心身に負担をかけない程度に来客を招くことも有益です。
歩行能力を確認する
散歩の前に、犬の歩行能力を確認しておきましょう。室内で遊んだり、庭に出したりしてみてください。犬の歩き方に異常がなく、活発に動けていれば問題ありません。
いくら歩行能力が上がってきたといっても、子犬の時期は突然疲れて歩かなくなることもあります。そのため、最初の散歩は何かあったらすぐに家へ帰れるように、家の周りを一周するだけの簡単なコースが最適です。
健康状態やワクチン接種の確認
子犬を迎える際には、「ワクチン接種済みかどうか」「何種混合のワクチンをいつ接種したか」などの確認が必要です。ペットショップで犬を購入した場合、一般的に2種以上のワクチンを接種していることがほとんどです。
また、子犬を迎え入れたあとに、動物病院で健康診断してもらうことも大切です。すでに接種済みのワクチン情報を獣医師に伝えて、今後のワクチン接種スケジュールを組んでもらうことをおすすめします。
まとめ
この記事では、子犬の散歩はいつから始めてOKなのか、また散歩デビューに向けた準備や注意点などをご紹介しました。子犬の散歩は3回目のワクチン接種完了後、2週間は体調を見てデビューをすると安心です。
日々の散歩で子犬と多くの経験を積んで、健やかな成長を見守ることは、飼い主にとって貴重な時間になります。