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はじめに
犬が自分の手をなめる理由がわからない方は多いかと思います。
ただ、犬が自分の手をなめるのは体や心の不調を訴えるサインの場合があるため注意が必要です。
不調のサインを見逃してしまっていると、犬の体調悪化に繋がってしまいます。
この記事では、犬が自分の手をなめる理由や犬の心情・病気との関連性について解説します。
犬が手をなめる際の対処法についても詳しく解説しますので、愛犬の健康のためにもぜひ参考にしてください。
犬が自分の手をなめる理由
まず、犬が自分の手をなめる理由を詳しく解説します。
犬が手をなめる理由は、心的原因と身体的原因の2つです。
それぞれ詳しく解説しますので、愛犬が自分の手をなめる原因はどちらに当てはまるかチェックしましょう。
犬が自分の手をなめる心的原因とは?
犬が心的原因で自分の手をなめる場合は、下記の2つの理由があります。
- 不安やストレス
- 不満やイライラ
具体例もまとめていますので、詳しい原因を探す際に参照してください。
不安やストレス
まず考えられるのが、不安やストレスで犬が自分の手をなめるケースです。
犬は、不安やストレスを感じた時、自分自身を落ち着かせるために、自分の手をなめる場合があります。
人が落ち着かない時に、自分の爪を噛んだりする行動と同じです。
この場合は、最近環境に変化がなかったか確認する必要があります。
具体的には、引っ越しする・家族が増える・動物が増える・飼い主が家にいない日が増える・騒音がするなどです。
犬にとって大きな環境の変化がある場合は、手をなめる原因の1つとして不安やストレスを考えましょう。
不満やイライラ
次に、犬が自分の手を舐める原因として考えられるのが、不満やイライラです。
犬は自分の不満やイライラを解消するために、自分の手をなめている場合があります。
人がイライラしている時に貧乏ゆすりするのと同じような行動です。
具体的には、おもちゃがなくなった・ご飯が変わった・叱られることが増えた・家具の配置が変わったなどが考えられます。
最近犬にとって変化した内容があれば、不満やイライラが手をなめる原因になっていないか確認しましょう。
犬が自分の手をなめることと体調不調の関係性
次に解説するのは、犬が自分の手をなめることと体調不良の関係性についてです。
犬は下記の4つの体調不良の時に自分の手をなめる場合があります。
- 痛み
- かゆみ
- 吐き気
- しびれ
それぞれ詳しく解説しますので、自分の犬はどれかに当てはまるかチェックしましょう。
痛み
まず、犬は手足が痛む時に自分の手をなめるケースがあります。
具体的には爪が割れている・骨折・打撲・トゲが刺さっているなどです。
最近手足を怪我した場合は、痛みが手をなめる原因の1つとして考えてください。
かゆみ
次に犬が自分の手をなめるケースは手足がかゆい時です。
犬は自分の手足がかゆい時に手をなめたり、掻きむしったり、噛んだりしてしまいます。
かゆみの原因は、皮膚炎やアレルギーなどが考えられます。
愛犬がアレルギーを持っていないか、散歩後によく手をなめていないかチェックしましょう。
吐き気
3つ目に、犬は吐き気がある時に自分の手をなめる場合があります。
吐き気が理由で犬が自分の手をなめている時の特徴は、よだれを垂らしている点です。
また、手足だけでなく床やカーペットをなめる場合もあります。
食事の後に手をなめている時は、吐き気を原因の1つに考えましょう。
しびれ
最後に考えられるのは、手足がしびれる時に自分の手をなめる場合です。
しびれは神経が麻痺しているときに発生し、犬は手足がしびれると足先の感覚がなくなります。
そして、自分の体ではないと認識し、なめたり噛んだりしてしまうのです。
犬の手足にしびれが生じていて自分の手をなめている時は、しびれを原因として考えましょう。
犬が自分の手をなめる心境
次に、犬が自分の手をなめる時の心境を説明します。
犬がどのような心境で手をなめているかを確認し、犬の心境に寄り添った対応を取れるようにしましょう。
犬が自分の手をなめる時の心境とは?
犬が自分の手をなめる時の心境は下記の3つです。
- ストレスや体調不良を解消したい
- 飼い主の気を引きたい
- 常同行動
ストレスや体調不良を解消したい
まず、犬が自分の手をなめる時は、ストレスや体調不良を解消したいと考えている可能性があります。
犬が解消したい症状は、心的なものと身体的なものの両方です。
例えば、心的なものはイライラ、身体的なものは痛み・かゆみなどがあげられます。
犬は症状が解消するまで自分の手をなめるので、飼い主はいち早く犬の症状に気づき、解消するための対応を行いましょう。
飼い主の気を引きたい
2つ目に、飼い主の気を引きたい時に犬は自分の手をなめる場合があります。
例えば、犬は遊んでほしかったり、構ってほしかったりすると自分の手をなめる時があるのです。
飼い主が自分の手をなめる時に叱っていると、犬は手をなめると遊んでもらえる、構ってもらえると考えるようになります。
犬が自分の手をなめている様子をチェックした時に、犬が喜ぶような行動をしている場合は、飼い主の気を引きたい可能性が高いです。
犬が手をなめる時に構うのではなく、他の行動で構ってあげて行動に変化が現れるかチェックしてください。
常同行動
最後に、犬は常同行動で自分の手をなめている場合があります。
常同行動とは、同じ行動が続く状態であり、一種の癖です。
例えば、手足にかゆみがあった時やストレスがあった時に、自分の手をなめて症状が解消できた場合、犬は自分の手をなめると気分が楽になると考えます。
そのため、犬は頻繁に自分の手をなめるようになり、手をなめる行為が習慣化してしまうのです。
また、犬は退屈していると自分の手をなめる時もあります。
犬が自分の手をなめ始めた時期が、退屈している時や病気になった時からだった場合は、手をなめる行為が癖になっていると考えましょう。
これらの行為が日常生活に支障をきたすレベルになると常同障害と呼ばれます。
犬が自分の手をなめることの意味とは?
犬が自分の手をなめることの意味は、自分の気持ちを落ち着かせる点です。
犬は精神的な負担や身体的な負担がかかると自分の手をなめます。
なぜなら、自分の手をなめると気持ちを落ち着かせられるからです。
ただ、自分の手をなめてしまうと雑菌が発生しやすくなったり、自傷行為に発展したりする可能性があります。
犬に負担がかかっていると気付いて、症状に合わせた対応をすぐに取りましょう。
考えられる病気との関連性
次に解説するのは、犬が自分の手をなめる行動から考えられる病気との関連性です。
犬が自分の手をなめる行動は病気のサインの可能性があり、見逃してはいけません。
自分の手をなめる行動から考えられる病気を知り、愛犬が当てはまっていないかチェックしましょう。
犬が自分の手をなめることと病気の関係性とは?
犬が自分の手をなめることとの病気の関連性は、犬の手足の症状を見るとわかります。
犬がなめる手に何も異常がない場合は、単に癖で自分の手をなめている可能性が高いです。
ただ、犬がなめる手の皮膚が赤くなっていたり、毛が抜けたりしていると病気との関連性が高くなります。
愛犬の手に症状は出ているかチェックしましょう。
犬が自分の手をなめることが示す病気とは?
犬が自分の手をなめることが示す病気は、下記の3つがあります。
- 皮膚炎
- 椎間板ヘルニア
- 血栓塞栓症
それぞれ詳しく解説しますので、症状に当てはまるものがあるか確認してください。
皮膚炎
まず、犬が自分の手をなめることが示す病気の1つに皮膚炎が挙げられます。
犬に起こる皮膚炎は、主に急性湿性皮膚炎・肢端舐性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎の3つです。
急性湿性皮膚炎は、高温多湿な環境だったり、犬の被毛が長かったりすると起こりやすい皮膚炎で、かゆみ・赤み・傷が足に見られます。
肢端舐性皮膚炎は、ストレスから犬が自分の足をなめる癖によって起こる皮膚炎です。
アレルギー性皮膚炎は、ノミ・ダニ・食べもの・ほこり・菌・花粉などでかゆみが生まれ、炎症が起こります。
犬の手足に炎症や脱毛がある場合は、皮膚炎の可能性を疑いましょう。
椎間板ヘルニア
次に、椎間板ヘルニアも犬が自分の足を舐める行動が示す病気の1つです。
椎間板ヘルニアは、加齢・激しい運動・事故などで脊髄が損傷すると発症し、神経の麻痺によるしびれで手足を上手く動かせません。
そして、犬はしびれで手足の感覚がなくなり、自分の手足と認識せずに自分の手をなめてしまうのです。
愛犬が手足を上手く動かせない場合は、椎間板ヘルニアの発症を疑いましょう。
血栓塞栓症
最後に、血栓塞栓症も犬の行動が示す病気の1つです。
血栓塞栓症とは血液の異常・血流の停滞・血管壁の傷によって起こる病気で、血液の中で血の塊である血栓が発生します。
血栓は血の流れを止めてしまうため、犬は手足が麻痺して自分の手足だと認識せずに自分の手をなめてしまうのです。
愛犬の手足にしびれが見られる場合は、椎間板ヘルニアだけでなく血栓塞栓症を発症しているか医師に相談しましょう。
犬が自分の手をなめる対処法
次に、犬が自分の手をなめる時の対処法について解説します。
実際の対処法とポイントまで詳しくまとめていますので、参考にしてください。
犬が自分の手をなめる行動を抑える方法
犬が自分の手をなめる行動を抑えるには原因に合わせた方法を取りましょう。
ストレスが原因の場合は、ストレスの原因となる環境・食べ物・動物・人を特定し、問題の解消が必要です。
痛みが理由なら、エリザベスカラーを装着して、犬が自分の手をなめられないようにしましょう。
かゆみが原因の場合は、手足を清潔に保つことと、適切に治療を受けるようにしてください。
また、原因として吐き気が考えられるなら、直前に与えていた食べ物をやめましょう。
しびれで犬が自分の手をなめている場合も犬のなめる部位の保護が必要です。
犬が飼い主の気を引きたくて自分の手をなめている場合は、日中の活動量を見直してみてください。
散歩の時間を増やしたり、フードが出るおもちゃなどを利用したりして日中の活動を促すようにしましょう。
犬とのふれあいや活動時間を増やすことで欲求不満を解消できます。
常同行動の可能性があるときは、原因を探し適切に対処する必要があります。
行動学を専門とする動物病院や獣医師に相談するようにしましょう。
犬が自分の手をなめることへの対処法のポイント
犬が自分の手をなめることへの対処法は、1つの原因で考えるのではなく、複数の原因を考えるのがポイントです。
犬が自分の手をなめる原因は1つだけではない可能性があります。
複数の原因があるのに1つの原因への対処だけ行っていると、問題の解消に時間がかかってしまうのです。
例えば、かゆみだけが原因だと考えてかゆみだけへの対処を行っていると、実際は内側の病気が進行しているのに気づかない場合があります。
犬が自分の手をなめている場合、飼い主は様々な対処法を試しましょう。
飼い主が犬の気持ちを汲み取ってあげよう
飼い主は、犬が自分の手をなめる時に犬の気持ちを汲み取る必要があります。
犬の気持ちを汲み取るために必要なのは、犬が自分の手をなめる意味の理解と手をなめる行動への適切な対応です。
それぞれ詳しくまとめていますので、犬の気持ちを汲み取れているか確認してください。
犬が自分の手をなめる意味を理解するために
犬が自分の手をなめる意味を理解するためには、犬が自分の手をなめる時はどのような状況か詳しくチェックしましょう。
状況をチェックするには、時間・場所・犬の身体の3点の確認が必要です。
例えば、時間から犬が自分の手をなめる意味を考える場合、犬は自分の手をいつからなめ始めたのか・頻度はどのくらいか・どの時間帯になめるのかを確認しましょう。
また、どこで犬が自分の手をなめるのか場所の確認も重要です。
そして、犬の身体に炎症・かゆみ・しびれが発生しているか確認すると、さらに状況の理解が深まります。
時間・場所・犬の身体の3点から状況をチェックして、まずは犬が自分の手をなめる意味を理解しましょう。
犬の手をなめる行動に対する飼い主の対応
犬が手なめる行動に対する飼い主の適切な対応は、原因を特定してすぐに獣医師に相談することです。
先述したポイントをチェックすれば、犬が手をなめる主な原因はわかります。
ただ、実際に想定した原因が正しいか飼い主は判断できません。
病気などの場合、気づかないうちに病気が進行してしまう可能性もあるのです。
そのため、原因がわかったとしても、原因は正しいのか、他に病気を抱えていないか確認する必要があります。
様々な観点から犬が自分の手をなめる原因を考え、傷の兆候がなくてもすぐに獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬が手をなめる行動には、ストレスなどの心的な原因と、痛み・かゆみ・吐き気・しびれなどの身体的な原因があります。
また、犬は飼い主の気を引きたかったり、癖がついていたりして、自分の手をなめてしまう場合があるのです。
犬が自分の手をなめる場合、皮膚炎や椎間板ヘルニア・血栓塞栓症などの病気の可能性があります。
飼い主は犬の気持ちを汲み取って適切な対処をしましょう。
犬の気持ちを汲み取るためには、犬に置かれている状況を詳しくチェックして原因を考え、すぐに問題を解消することが必要です。
また、気づいていない病気が進行している可能性があるため、獣医師への相談をおすすめします。
犬が自分の手をなめる意味を理解し、犬にとって心地よい環境を作ってあげましょう。