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はじめに
愛犬との生活において欠かせない散歩。散歩は犬の健康やストレス解消のためだけでなく、犬同士の社会性を育み、飼い主との大切なコミュニケーションの時間でもあります。
そんな毎日の日課の散歩だからこそ、飼い主さんの中にはお悩みを抱えている方も多いはず。そんな毎日の散歩について詳しく解説していきたいと思います。
散歩の時間帯
散歩の時間帯は飼い主さんの生活スタイルによって変わりますが、季節や気候に合わせて愛犬に負担がかからない時間を選ぶ必要があります。季節毎の散歩時間の目安を見てみましょう。
朝の散歩の適した時間帯
朝晩の気候が安定する春と秋は、早朝から朝10時ごろまでの時間で気持ちよく散歩できるでしょう。最近は4月下旬ごろにはかなり気温も高くなることもあるので、その場合は朝8時ごろまでに行っておくのがおすすめです。残暑が続く9月下旬も同様です。気温の高い夏はアスファルトも非常に高温になり、被毛に覆われている犬達にとってはかなりの負担になります。そのため、太陽が出てしまっている時間帯は避けてあげて下さい。朝の散歩は日の出前から遅くても朝6時台。昨今の夏は非常に暑いため、事前にアスファルトを触って温度を確認するなど、暑さ対策をしっかり行ってください。寒い冬は、地域によっては早朝だと路面凍結の危険があります。太陽が昇り始める朝7時以降がおすすめです。日の当たっていない場所などは要注意です。
夕方の散歩の適した時間帯
夕方の散歩は日が長く暑さが厳しい夏季には行けません。そのため、夕方に愛犬とお散歩に出かけられるのは、春・秋・冬の時期になります。時間は15時から18時頃。飼い主さんの生活リズムや愛犬のごはんの時間などに合わせて調節してください。
夜の散歩の適した時間帯
飼い主さんの生活リズムによっては夕方のお散歩に間に合わない、ということもあるかと思います。また、夏季のアスファルトが非常に熱くなる時期には夜の散歩が必須となります。
夜は19時から22時頃までがおすすめです。あまりにも遅い時間は治安の面の心配や、郊外では野生動物との遭遇などの危険もあります。
小型犬の散歩
トイ・プードルの適切な散歩時間と運動量
トイ・プードルは小型犬でありながら活発な子も多い犬種です。1日2回の散歩で、1回につき15分から30分程度。体力がある活発な子は、散歩時間をもう少し長くしてあげたり、短時間でも散歩の回数を増やしてあげるといいでしょう。
チワワの適切な散歩時間と運動量
チワワは犬の中でも最も小さい体つきですが、1日2回の散歩で1回10分から30分程度の運動量を必要とします。1時間以上の散歩は体に負担がかかることもありますので、長時間の散歩はやめておきましょう。
中型犬の散歩
柴犬の適切な散歩時間と運動量
柴犬は体格差が大きくありますが、分類としては中型犬になります。1日2回、1回45分から1時間程度の散歩時間が必要です。1日の運動量の目安としては、体重(㎏)と同じ位の散歩距離が適切だと覚えておきましょう。(例:8㎏の場合は8km)運動不足などによるストレスで問題行動をしてしまう場合もありますので、毎日の散歩でしっかりとストレス発散してあげることが大切です。
ビーグルの適切な散歩時間と運動量
ビーグルは狩猟犬として活躍していた犬種で、好奇心やパワーも中型犬の中でも非常に活発といえます。1日2回、1回30分から1時間以上の散歩時間が必要。嗅覚が優れているビーグルは探検心も活発なので、散歩でしっかりと欲求を満たしてあげる必要があります。
ボーダー・コリーの適切な散歩時間と運動量
ボーダー・コリーは牧羊犬として活躍してきた犬種で、中型犬の中でもトップクラスの運動量が必要です。1日2回、1回1時間から2時間の散歩時間でしっかりと運動をさせてあげましょう。とても賢く、運動神経も非常に優れていますので、散歩以外の運動も大いに取り入れてあげましょう。頭を使いながら飼い主さんとコミュニケーションがとれるディスクドックや障害物競争などは、ボーダー・コリーの作業欲求を満たせるのでおすすめです。
大型犬の散歩
ゴールデン・レトリバーの適切な散歩時間と運動量
ゴールデン・レトリバーは活発な子が多い大型犬です。1日2回、1回1時間から2時間程度の散歩時間が必要です。好奇心旺盛で遊ぶことが大好きな犬種なので、散歩以外でも広い公園やお庭などでたくさん遊ばせてあげることが最適です。
ラブラドール・レトリバーの適切な散歩時間と運動量
ラブラドール・レトリバーは盲導犬などの使役犬として活躍する犬種で、人との関わりが大好きです。散歩時間は1日2回、1回30分から1時間ほど。散歩以外でも、飼い主さんと一緒に楽しめるボール遊びや水遊びなどを取り入れてストレス発散をしてあげましょう。肥満になりやすい犬種ですので、日常的に運動を取り入れてあげましょう。
ドーベルマンの適切な散歩時間と運動量
筋肉質なドーベルマンは散歩時間も長めになります。1日2回、1回1時間から2時間ほどのしっかりとした運動量が必要。筋肉質で走ることが大好きなため、広い場所でロングリードなどを使ってたくさん運動させてあげましょう。
ロットワイラーの適切な散歩時間と運動量
ロットワイラーは筋肉質で非常に力が強い犬種です。そのため、1日2回、1回1時間以上の散歩は必須です。筋肉質ゆえに運動不足になると太りやすいため、毎日の散歩以外にも積極的にドッグランなどを活用して運動をするようにしましょう。
子犬の散歩
子犬の散歩に適した時間帯
子犬の散歩をする時間帯は、成犬と大きく変わらず、季節ごとの気候や外気温に合わせてあげることが最適です。
子犬の適切な散歩時間と運動量の目安
生後1年未満の子犬の場合は、骨の成長段階ということもあり、長時間のお散歩は控えましょう。1日2回、1回につき30分未満が目安。散歩以外での運動量も1日で30分程度。一気に時間をかけるより、短い時間で回数を分けて飼い主さんとのコミュニケーションを交えながら遊んであげましょう。人との触れ合いを通じて社会性を身に着けていく時期ですので、遊びながらも楽しくトレーニングを取り入れると効果的です。
子犬の散歩の注意点
子犬の散歩における注意点は、まずは無理をさせないことです。最初から外の世界を楽しめる性格の場合もありますが、怖がってしまう場合も多いため、慣れるまで少しずつ時間をかけて慣れさせてあげましょう。また、最初から車通りや人通りの多い場所は音や匂いに敏感なワンちゃんにとって大きな刺激となりますので、なるべく避けた方が無難です。毎日一歩一歩でも距離を伸ばし、おやつなどを使って褒めながら”お散歩は楽しいもの”だと教えてあげましょう。慣れてくると、他のワンちゃんとの触れ合いも少しずつはじめる必要がありますが、体格差や性格などの相性もありますので、飼い主さんがしっかりとコントロールできる範囲で慣れさせてあげましょう。
老犬の散歩
老犬の散歩に適した時間帯
老犬の散歩をする時間帯は、成犬と大きく変わらず、季節ごとの気候や外気温に合わせてあげることが最適です。
老犬の適切な散歩時間と運動量の目安
シニア犬であっても散歩は大切な運動です。体調や身体への考慮は必要ですが、筋肉量の維持や脚の関節をほぐしたり、ストレス発散、認知症予防に効果的です。シニア期になると、体力は落ちていきますので、30分以上の散歩は身体の負担になってしまいます。途中で疲れてしまい、散歩を嫌がるようになってしまう場合も考えられますので、1日2回から3回に分けて、1回10分から15分の短時間で済ませるようにしましょう。
老犬の散歩の注意点
シニア犬の散歩での注意点は、体力の消耗が激しい気温の高い中での散歩は控えること。水分補給はまめに行い、無理のない範囲でお散歩に行きましょう。途中で歩けなくなった場合のことも考え、ペットカートを利用するのもおすすめです。また、お散歩後にマッサージを行うのも効果的ですので、1日でも長く愛犬と散歩するためにもしっかりとケアをしてあげましょう。
散歩の正しい方法
散歩の前の準備
散歩に行くにあたって最初に準備すべきものは、体型に合った首輪や胴輪とリードです。劣化などにより金具が破損していたり、切れかけていたりしていないかどうかも日々確認しておきましょう。また、散歩には伸縮性のあるリードは不向きです。伸縮性のあるリードは公園やドックランなど広くて走り回れるスペースのある場所で使用するようにしましょう。その他用意しておくものは、排泄物を入れるためのエチケット袋、排泄物で道路等が汚れた場合に流す用の水、飲み水、水を飲むための器、ティッシュペーパーが挙げられます。車通りの多い道を散歩する場合は、反射材のついた衣服を身に着けたり、愛犬の首に光る首輪をつけてあげたりして、安全対策をしましょう。街灯の少ない道を散歩する場合は、懐中電灯を持参するのがおすすめです。
散歩中の振る舞いとマナー
散歩中のマナーとして、まずは必ずリードを着けて散歩をしましょう。小型犬でも、人に慣れている犬でも、ノーリードで外を歩かせるのは危険です。通行人の中には犬が苦手な人がいる場合もあり、車やバイクなどが飛び出してきたり、急な状況で愛犬が驚いたり興奮して走り出す危険性も十分にあります。ノーリードで散歩させるメリットはありませんので、必ずリードは着用しましょう。次に、他の散歩中の犬とすれ違う場合も注意が必要です。犬同士の相性が合わなかった場合にはお互いケガをする可能性があるため、慎重に愛犬の反応を見ましょう。相手の飼い主さんが嫌がる様子が なければ、挨拶をゆっくりさせましょう。その際の飼い主同士の声掛けによるコミュニケーションもマ ナーの一つです。最後に、散歩中に愛犬が排泄をした場合には、水で流したり、エチケット袋で回収して持ち帰ることは最低限のマナーとなります。他人の家の前にある電柱やお店の前などでは排泄をさせないようにしましょう。
散歩の後のケアとリラックス
散歩の後は愛犬のケアをしてあげましょう。足を洗う前にブラッシングでホコリや毛の絡まりを解き、その際にノミやダニなどが地肌についていないかどうかを見てあげると良いです。街中を散歩したあとでもノミなどはどこにでも生息しているため、注意が必要です。足を洗うか、濡れたタオルなどで拭き、肉球が乾燥している場合には肉球クリームやワセリンを塗ってあげると肉球トラブルの予防になります。その他にも犬種によっては涙やけやよだれのケアが必要な場合もあります。お散歩後のケアのタイミングで清潔にしてあげるのがおすすめです。お散歩後はリラックスの時間。夏季以外でもしっかりと水分補給をさせてあげましょう。特にシニア犬は関節に負担がかかっているため、脚のマッサージなどをしてあげましょう。お散歩後の飼い主さんとのリラックスタイムは愛犬にとっての安らぎの時間です。
散歩の効果とメリット
散歩の健康効果
散歩は愛犬の健康のために欠かせないものです。犬にとっての運動不足は、さまざまな病気のリスクを高める要因になってしまいます。運動不足は筋肉量の低下を招き、骨や関節のトラブルを引き起こします。散歩で歩くことによって、体全体にいきわたる血液の循環が愛犬の健康を維持してくれます。また、愛犬にとっての肥満は非常に不健康です。食事制限である程度の肥満は予防できますが、やはりこれも運動による予防が最善といえます。
散歩のストレス解消効果
散歩は愛犬のストレス解消のための大きな役割も果たしています。そもそも犬は社会性のある生き物です。他の犬や人間と関わりを持つことに喜びを感じます。その社会性に対する欲求が満たされていないと、必然的にストレスを感じてしまいます。また、運動不足によるストレスも愛犬の不健康に繋がります。ストレスが溜まると、家での問題行動が増えたり、飼い主さんとの快適な生活に支障が出てきてしまいます。そのため、愛犬との楽しい生活のためにも散歩は不可欠なのです。
散歩による愛犬との絆の深め方
散歩の時間の愛犬とのコミュニケーションは、愛犬との絆を結ぶタイミングでもあります。散歩は愛犬にとって非常に楽しい時間であり、その楽しさを飼い主さんと共有できた喜びこそが、社会性のある犬にとっては絆といえます。愛犬が散歩中にアイコンタクトを向けた際には、愛犬の目を見て撫でながら褒めてあげましょう。日々の散歩時間で培った絆があれば、飼い主さんにとっても愛犬の躾がしやすく、愛犬との生活がより快適になります。
まとめ
愛犬との散歩についてここまでお話をさせていただきました。ご理解いただけたでしょうか。犬は散歩が大好きな生き物です。散歩が面倒な日もありますが、愛犬たちにとっては日常の大きな楽しみの1つだということを覚えておいてください。みなさんがお友達との約束などを楽しみに待つのと同じように、愛犬も毎日楽しみに待っています。愛犬は飼い主さんに無償の愛情を与えてくれています。そんな愛犬が1日でも長く健康に生きられるように、家族の一員として大切にしてあげてください。