犬にチョコを与えてはだめ!食べたときの症状と対処法は?


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はじめに

 皆さんは自分の愛犬が口にしてはいけない食べ物をご存知でしょうか。
人間が食べてもなんの異常もなく、美味しい食べ物でも、犬が口にすると中毒や最悪の場合死にいたる食べ物もあります。
 今回は犬が食べてしまうとダメな食材、チョコレートについて解説します。今では、チョコレートを使ったお菓子は数多く存在します。しかし、チョコレートは犬が食べてはいけない代表的な食べ物のひとつです。
 なぜ、犬が口にしてはいけないのか、食べてしまった時の対処法などをご紹介いたします。

チョコレートは犬にとって危険な食べ物

なぜ犬にはダメなのか?

 なぜ犬にはチョコレートがダメなのでしょうか。
それは、チョコレートの量にもよりますが、中毒症状を起こし、最悪の場合死にいたるからです。チョコレートは犬にとってはそれだけ有害な食べ物なのです。チョコレートに含まれるテオブロミンという成分が危険で、少しの摂取量でも症状が現れるケースも少なくありません。
 また、チョコレートにはこのテオブロミンという成分だけではなく、チョコレートに含まれる脂質、糖質も犬にとっては多すぎます。人間にとってもカロリーが高いものですので、犬にとってはもっとカロリーが高く、危険な食べ物なのです。
 さらに、微量ではありますが、チョコレートにはカフェインも含まれています。カフェインについては後ほど詳しく記載してありますが、カフェインも犬にとっては有害な分解しにくい成分となっています。
 チョコレートには犬にとって有害なテオブロミン、多すぎる脂質・糖質、カフェインが含まれますので、絶対に犬に与えてはいけません。

犬がチョコレートを食べたときの症状とは?

 チョコレートを食べたからと言って、すぐには症状には現れません。
犬がチョコレートを摂取してから4時間〜6時間ほど経過してから、様子に異変が現れます。
犬のチョコレート中毒の初期症状としては以下の通りです。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 粗相
  • 落ち着きがなくなる

さらに上記から症状が深刻化すると、以下の症状があげられます。

  • 全身の震え
  • 痙攣
  • 頻脈

早期の対処法は何か?

 愛犬がチョコレートを食べてしまったら、すぐに吐かせなければと焦ってしまう飼い主さんもいるでしょう。まだ口に残っている状態であれば、犬の口から取り出してください。その時に焦ってはいけません。飼い主さんが焦って取り出そうとすると、慌てて飲み込んでしまう犬もいます。落ち着いて優しく口から取り出してあげてください。もうすでに飲み込んでしまった場合は、自宅でできるような応急処置は基本的にありません。インターネットで検索すると、オキシドールや食塩水などを飲ませて無理矢理吐かせる方法も出てきますが、おすすめできません。自己判断で吐かせようとすると、かえって喉を傷つけてしまう、症状を悪化させてしまうので、早めにかかりつけの動物病院に連れていきましょう。
 その際には食べてしまったチョコレートの量・種類などを獣医さんに伝えられるようにしておくと良いでしょう。食べてしまったチョコレートの量や種類によっても中毒の危険性が異なります。また、動物病院に行く前に電話して今の犬の状態を伝えましょう。動物病院を予約していなくとも、急患であれば、すぐに対応してくれる動物病院がほとんどです。

チョコレートの危険成分とは?

カカオに含まれるテオブロミンとは?

 テオブロミンという成分はどのような成分なのでしょうか。
テオブロミンとは、カフェインの一種でカカオ豆特有のほろ苦い香り成分のことです。
主にチョコレートやココアに多く含まれる成分となっています。
 テオブロミンという成分はアルカロイドという塩基性の化合物のひとつです。タバコに含まれるニコチン、コーヒー・紅茶に多く含まれるカフェイン、ニコチンなどと同じところに分類される化合物です。人間であれば、多くの利点がある成分ですが、これらを分解できない犬にとってはテオブロミンは有害な成分なのです。

テオブロミンが犬に与える影響とは?

 テオブロミンが犬にどんな影響を与えるのでしょうか。このテオブロミンという成分は、犬にとって分解と排泄にとても時間がかかります。テオブロミンは犬にとって上手く分解できない成分ですので、体に蓄積してしまい結果として毒になってしまいます。テオブロミンの量が体の許容量を超えやすく、中毒症状を起こしてしまうというわけです。犬にとっては死のリスクもある危険な成分です。

小さな量でも危険な理由は?

 わずかな量でも命の危険になる理由があります。中毒になるチョコレートの量というのは、犬の体格や体重により異なります。
具体的なテオブロミンの致死量というのは、体重1kgに対して約100〜200mgです。軽度な異常でも体重1kgに対して約20mgでみられはじめます。体重が5kg以上の中型犬や大型犬などは比較的中毒を起こしにくいですが、体重が2kg以下の小型犬では体重あたりのテオブロミンの摂取量が多くなってしまい、中毒を起こしやすいとされています。
 また、このテオブロミンの量というのは、チョコレートの種類やメーカーなどにも違いがあります。

  •  ココアパウダー…5〜20mg
  •  ミルクチョコレート…1〜2.5mg
  •  ダークチョコレート…5mg
  •  ホワイトチョコレート…0.05mg

これはあくまでおおよその量です。
体重が5kg以上の大型犬でも板チョコ状のダークチョコレート半分で症状がみられる可能性があるということです。
また、近年では高カカオのチョコレート商品も多く出回っています。高カカオということは、それだけテオブロミンの量も多いということです。ほんのひとかけらでも中毒症状が起こってしまいますので、食べてしまったのが少量だとしても愛犬を放っておくことのないようにしてください。動物病院に指示を仰ぎましょう。

チョコレートの摂取後の症状と対処法

犬がチョコレートを食べたらどんな症状が出るのか?

 中毒症状はさまざまです。犬の大きさやチョコレートの摂取量によっても違いが出てきます。軽度なものですと、水を飲む量が異常に増える、トイレの回数が多くなるなどです。これは、普段一緒にいる飼い主さんでないと気付けないことです。普段から、愛犬の水の飲む量、トイレの回数などを気にしてみてあげてください。そうすればすぐに愛犬の異変に気付くことができるはずです。
 また、なんだかフラフラしている、いつもより興奮している、暑くないのに息が荒いなども症状が現れ始めるサインです。症状が進行してさらに悪化してしまうと異常な体の震え、痙攣、嘔吐、下痢などの症状が現れます。

すぐに動物病院に連れて行くべき症状は?

 どんな症状が出たら、動物病院に連れて行かなければならないのでしょうか。
 嘔吐、下痢、体の震えなどの症状が現れたら、すぐにかかりつけの動物病院に診てもらいましょう。犬がチョコレートをぺろっと舐めた、食べてしまったのがものすごく小さいカケラだったのであれば、中毒症状が全く出ないこともあります。
 しかし、食べた量とチョコレートの種類を確認して、テオブロミンの量が体重1kgに対して20mgを超えるのであれば、たとえ中毒症状が出ていなくとも、動物病院に連れていきましょう。食べてしまったら、可能な限り約60〜90分以内に動物病院に連れていきましょう。60〜90分の間が食べ物が腸に吸収されずに残っている時間です。すぐに連れて行くことができれば、胃の中の物を吐かせる薬で済むことがほとんどです。
 愛犬に辛い思いをさせる前に早めに動物病院に連れていきましょう。

応急処置としての吐かせ方は?

 基本的に飼い主さんが自宅で吐かせることはしないでください。インターネットで検索すると吐かせる方法として、水を大量に飲ませたり、オキシドールや食塩水を使って吐かせるというのがあります。また、人間が自身で吐く時に喉の奥に指などを入れて嗚咽で胃の中の物を無理矢理に出すという人もいます。同じ方法で犬の喉に手を入れて吐かせようとする飼い主さんもいるようですが、絶対にやめてください。獣医の専門家ではない素人が行うことは困難です。逆に喉を傷付ける可能性や健康に害を及ぼす可能性がありますので、自宅で無理に吐かせようとしないでください。食べてしまった時の応急処置で飼い主さんができることはありません。

チョコレート以外の犬に危険な食べ物

他の人間の食べ物でも危険なものはある?

 さて、ここまではチョコレートに注目してきましたが、チョコレート以外にも犬が口にしてはいけない危険な食べ物は多く存在します。
 私たち人間と一緒に暮らす中でおねだりされたからといって与えてはいけないもの、料理をするときや食べる時に犬が食べないように気を付けなければいけないものをご紹介します。自分の愛犬が食べても大丈夫なもの、食べてはいけないものをしっかり把握して、危険から守ってあげましょう。これは、自分だけでなく、他に同居している家族にも共有して、みんなで愛犬を守りましょう。

犬に絶対にあげてはいけない食べ物は?

 犬に絶対にあげてはいけない食べ物はいくつかあるので、ご紹介いたします。
ここではチョコレート以外をあげていきます。

タマネギ、ニラ、にんにく

 ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という香味成分が危険です。
タマネギ1/4程度、長ネギで1/3程度の量で中毒を起こしますので、例え少量でも与えないように気を付けましょう。

ブドウ・レーズン

 ブドウやレーズンなどの何が中毒を引き起こしてしまうか、実はいまだに解明されていません。ブドウを育てる際の殺虫剤や農薬、またカビなどが疑われており、ブドウの実より皮の方が危険であると言われています。

アボカド

 「ペルシン」という成分は犬にとっては毒です。さらに、アボカドは森のバターと言われるほど脂質、カロリーともに高いです。少量でも中毒を起こしやすい食べ物のひとつとなっています。

キシリトール

 ガム、歯磨き粉などに含まれているキシリトールは食べて30分程度で嘔吐、急性肝不全を引き起こす可能性があります。実際に死亡事例も出ていますので、十分に注意しましょう。

銀杏

 「ギンコトキシン」という成分が犬に中毒を起こしてしまいます。銀杏は散歩コースに落ちていることも少なくありません。銀杏が落ちる時期の散歩は拾い食いに注意しながら、お散歩を楽しみましょう。

ナッツ類

 ナッツ類は一粒の中に入っている脂肪分が多い食べ物です。犬にとっては消化しにくい食べ物ですので、与えないようにしましょう。中毒を起こすことのないナッツも中にはありますが、犬にとっては必要のないものです。ナッツ類の中でも、マカダミアナッツが特に危険で、3粒ほどで中毒症状が出ます。ナッツ類の成分の何が中毒を起こす原因なのか、まだ解明されていません。

アルコール

 犬は人間のようにアルコールを分解することができません。少量でも、下痢や嘔吐の症状があらわれるので、お酒を飲む際は気を付けてください。また、犬を飼っている家は、ウエットシートなどはノンアルコールのものを使用するといいでしょう。

カフェイン

 コーヒー、紅茶などに含まれるカフェインは下痢や嘔吐、異常な興奮を引き起こします。目を覚ますために朝コーヒーを飲むという方が多いと思いますが、犬にとっては少量でも興奮を引き起こすものです。
 犬が口にしてはいけない食べ物をざっと紹介しましたが、食べ物以外にも、犬が口にすると中毒を起こしてしまう観葉植物もあります。家の中によく飾る観葉植物にポトス、アロエ、ドラセナなどがあります。しかし、それらも犬が食べてしまうと中毒になるものもあるので、自宅に観葉植物を飾る場合はしっかりと調べてから飾るようにしましょう。 

犬の食事には何に気をつけるべきか?

 では、一体犬の食事には何に気をつけるべきなのでしょうか。
飼い主さんが与える食べ物が愛犬に大きな影響を与えます。犬の健康を考えると、総合栄養食のドッグフードを主食として与えるのがベターでしょう。総合栄養食のドッグフードは、犬の健康を考え、作られたものです。犬に必要な栄養素がバランスよく入っています。さらに、ドッグフードは0ヶ月から12ヶ月の子犬用、12ヶ月から7歳用の成犬用、7歳からのシニア犬用などのその犬の成長にあったご飯を与えることができるのも大きなメリットです。
 もちろん、飼い主さんの手作りご飯でも問題はありません。しかし、犬に必要な栄養素は大きく分けて5つあります。タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミン・炭水化物の5つです。このバランスを考えて毎日手作りするのは困難だと言えます。犬に手作りご飯を与える際は、ドッグフードを主食にして、手作りご飯はおやつ程度で与えましょう。
 また、食事以外でも、いつでも新鮮な綺麗な水を飲めるように環境作りにも配慮しましょう。

まとめ

 人間にとっては害のない美味しい食べ物だとしても、犬にとっては中毒になり最悪の場合死に至る食べ物が多く存在します。犬が食べても良いもの、食べてはいけないものをしっかり家族で把握しましょう。一緒に暮らしている家族が管理することで、愛犬の健康・長生きに繋がります。
 もし不注意で食べてはいけない物を愛犬が食べてしまったら、自己判断せずに動物病院に連れていきましょう。

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