フレンチブルドッグの飼い方がわからない...。飼い方・性格を徹底解説

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はじめに

フレンチブルドッグといえば、潰れた鼻にしわくちゃな顔が魅力的な犬種です。日本で飼育されている犬の登録、血統書を発行しているJKC(ジャパンケネルクラブ)によると、2022年に犬籍登録されたフレンチブルドッグは11,846頭と日本国内では第6位にランクインする人気を集めています。

本記事では、そんなフレンチブルドッグの性格や特徴、飼育する際の注意点を解説。フレンチブルドッグの理解度を深め、家族として正しい飼い方を学びましょう。

フレンチブルドッグの性格や特徴は?

犬の性格を知ることは、一緒に暮らす上で欠かせません。まずは、フレンチブルドッグの性格、特徴を理解しましょう。

性格

フレンチブルドッグは、社交的かつ遊び好きな性格をしています。「スキンシップを多く取りたい」「さまざまな場所に連れて行きたい」といった人にはぴったりの犬種といえるでしょう。

ただし、甘えん坊な性格のため、1匹で過ごす留守番は好きではありません。家を空けてしまいがちな家庭では、ストレスが溜まりやすくなってしまうため、遊ぶ時間の確保や留守番中に退屈しないような対策をとってあげましょう。

特徴

フレンチブルドッグの体は筋肉質で、小型犬でありながらも力強い特徴があります。顔の特徴は、つぶれた鼻にしわくちゃな顔、クリッとした丸い目が印象的です。愛らしい顔を見せる一方で、潰れた鼻は呼吸がしづらく体温調整が苦手な面も持っています。

可愛らしい顔のフレンチブルドッグですが、愛らしい部分が欠点となることもあります。しっかりと特徴を理解し、ケアしてあげましょう。

室内飼い?外飼い?

犬は本来、「ハァハァ」と口を開けて速く呼吸する「パンティング」で体から熱を逃がし、体温を下げます。しかし、短頭種であるフレンチブルドッグの場合は上手く体内から熱を逃がすことができません。そのため、他の犬種よりも熱中症にかかりやすく、夏場に車内で放置することは絶対にNGです。

夏に限らずフレンチブルドッグは冬の寒さも苦手です。1年中適温で過ごすためにも、外飼いよりも室温を調整できる室内飼いが良いでしょう。

フレンチブルドッグのしつけ方は?

犬を飼う上で、人間社会のルールを覚えさせることは飼い主のマナーです。フレンチブルドッグをしつける上で、注意点はあるのでしょうか。

した方が良いこと、してはいけないことの2点から解説します。

した方が良いこと

基本的にフレンチブルドッグは好奇心が強く物覚えが良いため、しつけ自体は難しいものではありません。遊びの中にトレーニングを取り入れたり、楽しみながらできるトレーニングを行ったりすることでマナーを身につけさせましょう。

してはいけないこと

フレンチブルドッグに限らず、しつけを行う上で体罰や叱ることは避けましょう。トレーニング自体を嫌がるようになってしまい、飼い主との信頼関係構築にも影響を及ぼします。

楽しみながらのトレーニングが基本ですが、フレンチブルドッグは興奮しやすい特徴を持っています。テンションが上がりすぎると体の熱が上がりすぎてしまうため、テンションが上がり始めたら一旦中断して落ち着くまで待機しましょう。落ち着くまで待つことも、一種のトレーニングです。「はしゃぎすぎると遊んで貰えない」と覚えることで、日常生活でも落ち着いた行動ができるようになるでしょう。

必要なケア

フレンチブルドッグと暮らす上で、必要なケアはどのようなものがあるのでしょうか?1つずつ確認していきましょう。

ブラッシング

フレンチブルドッグは皮膚病を起こしやすい犬種です。アレルギーや菌による皮膚炎を起こしやすく、日頃からブラッシングを習慣にしておく必要があります。「毛が短いから必要ないのでは?」と思ってしまいますが、毛穴が大きく皮脂が多いフレンチブルドッグの体は菌にとって最高の住処です。皮膚炎や肌荒れを防ぐためにも、ブラッシングは毎日欠かさずに行いましょう。

また、ブラッシングは被毛・皮膚を清潔に保つだけでなく、愛犬とのコミュニケーションにもつながります。ブラッシングで体の状態を把握しておくことで、異常に気付きやすくなるメリットもあります。

歯磨き

犬の歯磨きは、基本的に人と同様に毎日必要です。歯磨きをすることで歯垢の蓄積を防ぎ、歯石を防止します。歯磨きの習慣がないと溜まった歯垢が歯石となり、歯周病になってしまうと将来的には全身麻酔を用いた歯石取り(スケーリング)をしなければなりません。

フレンチブルドッグのような短頭種は長頭種に比べて歯が密接に生えているため、歯垢や歯石が蓄積しやすく、口腔内の病気も発症しやすい犬種です。手術となれば手術費用が必要になることはもちろん、犬自身も食事が取りづらくなったり口臭がきつくなったりするケースも考えられます。

「いつまでも愛犬に美味しいごはんを食べてほしい」と考えるのであれば、子犬の時期から歯磨きの習慣をつけておき、毎日の歯磨きを行うようにしましょう。歯石に気付いた場合は、少ない内に除去することで重症化を抑えられます。

シャンプー

フレンチブルドッグの皮膚は皮脂が多く、特に顔のしわには汚れが多く溜まります。梅雨時期や湿度の高い季節では必要に応じて週に1回程度、乾燥する冬場は月に1〜2回程度を目安にシャンプーすることで、臭いや体のべたつきを防げるでしょう。

顔回りは、ドッグフードの食べかす、目ヤニやほこりなどの影響で、すぐに汚れてしまいます。臭いの原因や菌の繁殖を防ぐためにも、できれば毎日しわを伸ばし、拭き取るようにケアをしてあげましょう。

爪切り

犬の爪は切ってあげなければ、伸び続けてしまいます。最終的には巻き爪となり、爪が折れてしまったり、肉球に食い込んでしまったりする可能性もあるため、月に1〜2回を目安に爪切りをしてあげましょう。

爪切りを行うタイミングとしては、フローリングを歩く際に「カチカチ」と音がしたタイミングです。爪がフローリングに当たっている音であるため、そのような音が聞こえた際は爪の伸び具合を確認してあげましょう。

爪切りの際は、血管を避けてカットしてあげなければなりません。短く切りすぎると血管を一緒に切ってしまい、流血してしまうことがあります。痛みを与えてしまうと爪切りを嫌がるようになってしまうこともあり、飼い主にとってもトラウマになってしまいます。不安な場合はトリミングサロンや動物病院で切ってもらうことも検討しましょう。

耳掃除

さまざまな疾病にかかりやすいフレンチブルドッグですが、耳に関してのトラブルは垂れ耳の犬種に比べると少なめです。

立ち耳であるため、耳の通気性は良く、耳掃除は週に1〜2回、コットンにイヤーローションを染み込ませて汚れを拭き取ります。拭き取る際に、耳垢に変化が見られたり痒みがみられたりする場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

肛門腺しぼり

肛門腺しぼりとは、肛門嚢と呼ばれる袋状の器官をしぼることで分泌物を排出させることです。分泌物は、犬や猫にとって自分を知らせるための役割を持っていますが、臭いはかなり強烈です。

肛門腺が溜まるにつれて、臭いはきつくなり、溜まりすぎてしまうと肛門腺が破裂してしまいます。本来であれば、分泌物はうんちと一緒に排出されますがフレンチブルドッグは他の犬種よりも肛門腺が溜まりやすく、飼い主が排出を手伝ってあげなければならないケースもあるでしょう。

肛門腺しぼりの目安としては月1回程度、尻尾を持ち上げて肛門の左右(時計でいうと4時、8時の位置)を肛門に向けて押し出すように絞りだします。分泌物は臭いがきついため、しっかりとティッシュに染み込ませ、ビニール袋にいれて臭いが漏れないように処分しましょう。

難しい場合は、トリミングサロンや動物病院でも行って貰えるため、依頼するのも1つの手段です。

フレンチブルドッグの餌はどうすれば良い?

フレンチブルドッグは皮膚が弱く、筋肉質な特徴を持っています。そのため、アレルギーの原因になりやすい原材料が入っているものは避け、筋肉や関節・骨の健康を維持できるようなタンパク質やコラーゲンを多く含むドッグフードを選ぶと良いでしょう。

おすすめのドッグフードは下記のサイトで詳しく掲載されています。

年齢別のおすすめのドッグフードの種類

犬の食事はライフステージによって、種類は異なります。人であれば、生まれたては母乳やミルクを飲み、徐々に固形の食事へと変化します。犬も同様で、子犬用・成犬用・シニア用とドッグフードは変化していき、それぞれのライフステージに適したドッグフード選びが重要です。

子犬期(生後2~4か月)ドライフード+ミルクもしくはお湯徐々に形を残していく
成犬期(生後10~1年)ドライフード
シニア期ドライフード・食べムラがある場合は、ささみや赤身肉を与える
・必要に応じてお湯でふやかす

それぞれ対象となる年齢は指定され、それぞれの年齢に適切な栄養量を配合しています。そのため、シニアになっても成犬用であると栄養が多すぎて肥満になるケースや、子犬がシニア用の低カロリーフードを食べることで痩せすぎてしまうケースがあります。ドッグフードの対象年齢は必ず確認するようにし、ライフステージに合った食事を選んであげましょう。

1日の食事頻度

食事の頻度は、子犬期は3〜4回に分け、少しずつ栄養を吸収できるように与えましょう。成犬になれば、1日2回に分けます。

飼い主の食事前に与える、散歩の後に与えるなど、ある程度ルーティーンを決め、同じような時間帯に与えるように心がけましょう。

フレンチブルドッグを飼うといくらぐらいかかるの?

もしも、フレンチブルドッグをペットショップで迎え、寿命まで面倒を見るとどの程度の費用が必要になるのでしょうか?

個体差にもよるため一概には言えませんが、フレンチブルドッグを飼い始め、新たに環境を整えることを考えると、迎え入れた始めの年は50〜100万円程度必要となります。毎月かかる費用と合わせて詳しくみてみましょう。

フレンチブルドッグの価格相場

フレンチブルドッグの価格相場は44万円です。オスよりもメスの方が価格は3万円程度高く、毛色によっても6万円程度差が見られます。

他の犬種に比べても、フレンチブルドッグの価格は高い傾向があります。理由としては、骨盤の狭さから自然分娩が難しく、帝王切開になるケースが多いためです。自然分娩よりも、帝王切開は出産のリスクが高いため、価格も上がってしまいます。

飼う際に打っておいた方が良いワクチン

犬を飼う際には、法律で接種が定められているワクチンと、任意のワクチンがあることを理解しておかなければなりません。法律で定められているワクチンとしては狂犬病ワクチンが挙げられ、年1回接種することで狂犬病の発症を予防します。飼い主の義務であるため、接種を受けさせなかった場合は20万円以下の罰金が科せられます。狂犬病接種の費用は3,000円程度必要になるでしょう。

一方で任意のワクチンとしては混合ワクチンが挙げられ、こちらも年1回接種することでさまざまな感染症から愛犬を守ってくれます。混合ワクチンは2種や8種など、どこまでの感染症に対応するかで種類や価格は異なります。大体3,000〜10,000円程度で設定されていることが多いです。

住んでいる地域によって流行している感染症は異なるため、家族として迎え入れた際はどこまでワクチン接種が完了しているか、今後どのようなワクチンを接種するべきかを確認の上、接種計画を立てましょう。

ドッグフードの月間費用

ドッグフードの種類は多く、一般的なホームセンターで売られているドッグフードにするのか、素材にこだわったドッグフードにするのかで大きく値段が異なります。平均を取るのであれば大体1kg2,500円程度のものが多く、小型犬であれば1か月で2kgを消費します。単純計算で月5,000円程度必要と考えておきましょう。

ただし、あくまでこの費用は平均値をとった費用であるため、この価格より抑えることも可能です。今後食べ続ける必要があるため、どの程度の価格帯であれば飼い主として負担が少ないかも検討しましょう。

保険の月間費用

犬や猫は大切な家族ですが、万が一病気にかかったり怪我をしてしまったりした際には、人とは違い保険が適用されません。治療によっては高額な治療費が必要となるケースもあるでしょう。

そのような万が一の事態に備えて、近年ペット保険に加入している家庭は増えています。ペット保険は、年齢が上がるにつれて保険料も高くなり、成犬である5歳として考えると、保険料は3,000円前後が目安です。どのような保険があっているか、加入の有無を踏まえて検討しましょう。

トリミングの月間費用

フレンチブルドッグは短毛種でありながらも、抜け毛が多い犬種です。日頃からブラッシングは欠かせませんが、トリミングサロンを利用することで、シャンプーや爪切り、耳のケア、肛門腺しぼりまでを一括で行って貰えます。家庭でのケアが難しい場合は月に1回程度利用することで、飼い主の負担も少なく済むでしょう。

費用は、トリミングサロンによって異なりますが、3,500〜9,000円程度が目安です。家庭でできるようになれば、トリミングサロンへ連れて行く必要はありません。費用を抑えたい場合は、家庭でできるように練習してみましょう。

日用品の月間費用

フレンチブルドッグを飼うのに必要なものは、他にも多くあります。どのような飼育方法を取るのかで異なりますが、トイレシーツやブラシ、ウェットティッシュなどのケア用品、おもちゃなどを揃えると月に1,500円程度は必要です。飼い始める際には更に費用が必要となり、日用品の故障の際には修理・買い替え費用も必要です。

フレンチブルドッグの運動頻度は?

フレンチブルドッグを運動、散歩させる目安は1日に1〜2回、30分程度が理想です。家の周りを散歩するだけでも運動になりますし、家の中でボール遊びをすることでも運動はできます。特に、夏場のフレンチブルドッグは熱中症になりやすいため散歩の時間を朝方や夕方に変更しなければなりません。

時間的に難しい場合は、自宅でできる運動を検討し、運動不足にならないように配慮してあげましょう。

フレンチブルドッグがかかりやすい病気

皮膚が弱いことは前述した通りですが、フレンチブルドッグがかかりやすい病気は他にもあります。どのような病気のリスクが潜んでいるのかを理解し、予防や早期発見に努めましょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼(通称:パテラ)は、犬の関節疾患です。小型犬に発症しやすく、膝蓋骨(膝にある皿形の骨)が正常な位置から内側・外側に外れてしまう状態です。

先天的に膝蓋骨脱臼になりやすいケースもあり、交通事故の後遺症により後天的に膝蓋骨脱臼になりやすくなってしまうケースもあります。

根本的な治療を望むのであれば外科手術を行い、痛みがない場合は運動制限やダイエットによって症状を和らげる方法があります。

弁膜症

弁膜症とは、肺から心臓、心臓から肺へ血液を送る区画を分ける「弁」に異常がみられることです。

弁があることで、血液の循環がスムーズに行われますが、弁が加齢によって伸びたり閉じきらなかったりすると、血液が多く流れてしまったり、血液が滞ってしまったりする事態に陥ります。

血液の循環がスムーズに行われなければ、血液を循環させるために心臓が大きくなり、咳や呼吸のしづらさが症状として現れます。

弁膜症は、定期的に健康診断を受けることで早期発見が可能です。加齢による病気であるため、完全な予防は困難ですが、早期に治療ができるよう、毎年の健康診断は欠かさず受診しましょう。

気管虚脱

フレンチブルドッグのような小型犬や短頭種でよく見られるのが気管虚脱という病気です。フレンチブルドッグは、呼吸のしづらさから、いびきをかきやすい犬種ですが、いびきのような荒い呼吸や乾いた咳が見られるのであれば、気管虚脱を引き起こしている可能性があります。

空気を肺に運ぶための管が何らかの原因で、外れたり潰れたりしてしまうことが原因です。重症化すると外科手術を必要とするケースもあり、軽い場合は投薬により症状を和らげます。

はっきりとした原因は判明されていませんが、サイズが合わない首輪を付けない、散歩時にリードを引っ張るような動きをしないというように、首に負担をかけない行動で気管虚脱を防ごうという考えもあります。

フレンチブルドッグの可愛い写真

ここからは、フレンチブルドッグの魅力が伝わる写真を紹介します。フレンチブルドッグの魅力を堪能しましょう。

眠っているフレンチブルドッグの画像

まるで人間のように、布団をかぶって眠っているフレンチブルドッグです。

今にも寝息が聞こえてきそうです。

道に座るフレンチブルドッグの画像

白と黒のツートン模様のフレンチブルドッグです。

毛色によっても、店頭価格は左右されます。

ボールで遊ぶフレンチブルドッグの画像

遊び好きで好奇心旺盛な性格が現れている1枚です。

小型犬でありながらも、がっしりとした体型であることが分かります。

笑っているフレンチブルドッグの画像

笑っているような表情のフレンチブルドッグです。

一緒に暮らすのであれば、毎日楽しく過ごせる環境を用意してあげましょう。

こちらを見つめるフレンチブルドッグの画像

フレンチブルドッグのしわに魅力を感じる人は少なくありません。

顔のしわは毎日清潔に保ってあげましょう。

まとめ

今回はフレンチブルドッグの性格や特徴、飼育する際の注意点を解説しました。

しわくちゃな顔が愛らしいフレンチブルドッグですが、しわの手入れやブラッシングは念入りに行う必要があります。また、出産時のリスクからペットショップでは高値で取引されています。

家族として迎え入れるのであれば、今後生活するための費用を十分確保できるか、寂しい思いをさせることはないかを検討した上で迎え入れるようにしましょう。

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