柴犬はどうやって飼うのが正解なの?性格や特徴・日々のお世話を徹底解説

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はじめに

誰もが知る柴犬は、「犬の人気ランキング」で毎年上位に入るほど愛されている犬種です。飼い主に対してはとても忠実ですが、元々は狩猟犬であったため警戒心が高く、知らない人には攻撃的になることもあります。

このようなトラブルを避けて、人と柴犬がより良い関係で暮らしていくためには、まず飼い主が柴犬の基本知識を知ることが重要です。

この記事では、柴犬の基本的な性格や特徴をはじめ、しつけの仕方や日常のお世話、飼育費用、かかりやすい病気などを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

柴犬の性格や特徴は?

柴犬は凛とした顔立ちとクルリと巻いた尻尾が愛くるしい犬です。その姿とはうらはらに、古くから猟犬、番犬として活躍してきたほど勇敢で自立心の強さも持ち合わせています。日本犬(柴犬・秋田犬・甲斐犬・紀州犬・四国犬・北海道犬)で唯一の小型犬でもあり、1936年(昭和11年)には国の天然記念物に指定されています。

性格

柴犬は古くから猟犬や番犬として活躍していたため、利口で勇敢な性格です。また、自立心が強く少しくらいの時間ならば、留守番も問題なくこなす我慢強さも持ち合わせています。

もともと柴犬は番犬だったこともあり、飼い主や家族に対してはとても忠実で、「忠犬」と呼ばれているほどです。しかし、感覚鋭敏のためその反面、警戒心が強く「他人に対しては警戒してよく吠える」こともあります。

飼い主と他人の見分けがついていると思えば嬉しい限りですが、知らない人に対して吠えたり、噛んだりするなどのトラブルが起きないように、早い段階から人慣れさせておくことが大切です。好奇心旺盛な性格を生かし、子犬のうちから外の世界や人に触れ合う機会をたっぷりと作り、社会性を育んであげましょう。 

特徴

柴犬は三角の耳とクリクリッとした丸い目、そして筋肉質な体とクルリと巻いた尻尾が特徴的です。

  • 体高は約36.5〜39.5cm
  • 体重は約8〜10kg

個体差はありますが、一般的にオスのほうがメスよりも一回り大きくなる傾向です。

小柄ながらもがっしりとした体には、ダブルコート(二重構造)の硬めの毛が生えていて寒さには強い犬種です。そのかわりに、春や秋の換毛期には驚くほど大量の抜け毛が発生します。毛玉や皮膚トラブル予防のためにも、ブラッシングでしっかりとケアしてあげましょう。

室内飼い?外飼い?

柴犬はもともと猟犬だったこともあり、室外で飼うイメージがありませんか?最近では住宅事情や飼育に関する考え方が変わり、室内飼いが主流となりつつあります。室内、室外でもそれぞれの場所で注意しておきたいポイントさえ抑えておけば、どちらでも飼育は可能です。

柴犬は忠実な反面、頑固で自分のテリトリーを大切にする性格のため、あまりベタベタされたり、構い過ぎるのが苦手な性格をしています。そこで、室内飼いをする時に用意しておきたいのが「ケージ」です。 静かで落ち着ける場所にケージを設置し、柴犬がいつでも好きな時にリラックスできるテリトリースペースにしておきましょう。

室外飼いの場合の注意点は、暑さ対策とフィラリア予防です。柴犬に限らず、犬は自己で体温を下げて調整できないため、暑さに弱く熱中症になる可能性が考えられます。犬小屋の設置場所は特に注意が必要です。熱がこもり熱くなるコンクリートの上は絶対に避け、土の上や夏は日陰や風通しの良い場所に設置してください。

もう一点、室外飼いではフィラリア予防は必須です。以前はフィラリアが室外飼いの犬の死亡原因トップになっていたほどですが、今では予防薬や注射で予防ができます。大切な家族を守るため、ノミ・ダニ予防と合わせて投与することをおすすめします。

柴犬のしつけ方は?

柴犬は頑固で警戒心が高く、「しつけ」をするのは難しい犬種と言われています。しつけとは、人と犬が一緒に暮らしていくうえで必要なルールを身に着けさせることです。しつけができていないと飼い主と犬の関係が悪くなるだけでなく、今後、一緒に暮らしていくなかでも困難なできごとが起きるかもしれません。特に生後3週齢〜12週齢は犬の「社会化期」であり、この時期にどのような経験をするかが今後の生活に大きな影響を与えます。

した方が良いこと

しつけをする際は、メリハリを付けて分かりやすく、上手にできたら「褒める!」が基本です。自立心が強い柴犬には、中途半端なしつけはNGです。柴犬は頭がよく飲み込みが早いため、褒められたことは「やっても良いこと」と認識して覚えます。色々なことに興味を持つ社会化期には、初めて見る物、音、人、環境などにできるだけたくさん触れる機会をつくり、慣れさせておくと、病院やトリミングなどに行く際のストレスや負担も軽減されます。

してはいけないこと

「リーダーは飼い主」と主従関係をはっきりとさせるため、声のトーンや表情にメリハリを付けるのは良いのですが、失敗したからといって犬を叩く蹴るなどの体罰は絶対にやめましょう。体罰により人に対して恐怖心をもたせてしまい、警戒心から人を噛む、むやみに吠えるなどの問題行動を起こす可能性がでてきます。

また、一度決めたルールを、その時の都合でコロコロと変えると犬が混乱するため注意してください。

必要なケア

柴犬を健康で長生きさせるために日常のケアは欠かせません。お手入れすることで柴犬の健康状態をチェックしたり、汚れていたらお風呂に入れたり、毛をとかすなどして清潔を保つこともできます。ここでは、愛犬とのコミュニケーションもとれる日常のケアを紹介していきましょう。

ブラッシング

大量の抜け毛が出る柴犬にとって、ブラッシングは必要なケアです。短毛種ですがダブルコートのため普段から抜け毛が多く、週に2〜3回(10〜15分程度)はブラッシングを行いたいものです。特に換毛期には被毛の抜け替えで抜け毛が増えるため毎日のブラッシングは欠かせません。放置すると毛玉や皮膚病になる恐れがあるため、ブラッシングで抜け毛対策を行いましょう。

歯磨き

犬の口の中はアルカリ性で雑菌が繁殖しやすく歯石が溜まりやすい状態です。歯周病を防ぐためには歯磨きが有効ですが、口の中に指を入れられることを嫌がる犬もいます。この場合は無理に行わず、指にガーゼを巻きつけて歯の表面の汚れを拭き取ってあげるなど、毎日少しずつ継続しておこない徐々に習慣づけてあげましょう。

お風呂

柴犬はダブルコートのため、臭いが強い子もいます。できれば月に1〜2回はお風呂に入れて皮膚と被毛をキレイに洗うのが効果的です。しかし、柴犬は肌が弱い犬種でもあり、肌の状態などによっては換毛期であってもシャンプーのし過ぎは禁物です。

また、柴犬は本能的に水に濡れるのを嫌がる子が多く、自宅のお風呂に入れるのは一苦労ということも少なくありません。自宅でお風呂に入れたあとは濡れたままだと風邪をひいたり体調を壊してしまうため、しっかりと体の水分を拭き取りドライヤーで乾かしてください。

爪切り

爪が伸びたままでは歩きづらいだけでなく、絨毯などにひっかかって折れて怪我をすることがあり危険です。定期的に犬の爪をチェックして、伸びているようであればカットしましょう。

カットする時には爪を明かりに当てて、透けて見える神経と血管を確認し、これらを傷つけないように数ミリ手前でカットします。自分でカットするのが困難な場合は無理せずとも、動物病院で有料でカットしてもらえます。

散歩

狩猟犬であった柴犬は多くの運動量が必要なため、1日のうち朝と夕方の2回の散歩が望ましいです。柴犬の性格はご紹介した通りで、社会性を育み、ストレス解消のためにも、散歩することで早い時期から外の世界に慣れさせておくことができます。

柴犬の餌はどうすれば良い?

運動量が多い柴犬は高タンパクな食事が必要で、「動物性タンパク質」が不足すると筋肉量が減少して元気が無くなり毛艶が悪くなります。一緒にいられる時間を健康でいてもらうためには、柴犬のライフステージに見合った餌と量、回数を知ることがとても大切です。

年齢別のおすすめのドッグフードの種類

年齢別に摂取したい栄養素やカロリーが異なるため、愛犬の年齢に応じたドッグフードを選んで与えるようにしましょう。

《子犬・1歳くらいまで》

子犬のドッグフードは、栄養価が高く食べやすい小粒サイズがおすすめです。子犬時期は体が急激に成長する時期で多くのエネルギーを必要とするため、パピー用のフードや栄養価の高い全年齢対応フードを与えます。

《成犬・1歳〜10歳くらいまで》

成犬は子犬期のように高カロリーのフードは必要なく、皮膚トラブルやアレルギーを抑えるため、添加物が少なめで栄養バランスが良いフードを選びます。

《シニア犬・10歳以上》

シニア期に入ると体の機能が衰えてくるため、老犬に必要な栄養素が補えて、シニア期の悩みをサポートする「シニア用フード」をおすすめします。

1日の食事頻度

《子犬》

1歳ぐらいまでの子犬の消化器官はまだまだ未熟で、一度に多くの量が食べられないため、月齢に合わせ1日数回に分けて与えます。

  •  生後2ヶ月〜3ヶ月  4回
  •  生後4ヶ月〜5ヶ月  3回
  •  生後6ヶ月〜7ヶ月  2〜3回
  •  生後8ヶ月〜9ヶ月  2〜3回
  •  生後10ヶ月〜12ヶ月 2〜3回

 ※いずれも目安です。

《成犬》

1歳の誕生日を迎える頃には消化器官も成熟してくるため、給餌の回数も1日2回と安定します。

《シニア犬》

シニア期に入ると消化機能が衰えて1度に食べられる量が減少するため、1日3〜4回に分けて少量ずつ与えるのが理想です。歯が抜けて噛むことができず、飲み込む力も弱くなってきた場合は、ドライフードをお湯でふやかしたり、ミキサーで細かくしてから食べさせるなど、愛犬の状態に合わせて与えるようにします。

ドッグフードは多くの種類があり、どれを選べばよいのか迷うほどです。下記のサイトでは、犬の栄養管理士とペットフード安全管理者が選んだ「柴犬におすすめのドッグフード」を紹介しています。こちらも、ぜひ参考にお読みください。

犬種別に確認できるドッグフード2023年最新ランキング

柴犬を飼うといくらぐらいかかるの?

柴犬を飼うと決めたら、気になるのが飼育にかかる費用です。迎え入れるにあたって準備しなければならないケージやトイレ用品、毎日の餌代、おやつ代など、ほかにもさまざまな費用がかかります。「こんなにもかかるとは思っていなかった」とならないためにも、柴犬の飼育にかかる費用を確認しておくことが大切です。

柴犬の価格相場

柴犬は知り合いから譲ってもらう、または里親になる以外では、ペットショップかブリーダーから迎え入れます。

柴犬の価格は月齢や被毛の色、性別、性格、時期、血統書の有無などで8万円〜98万円と大きな差があり、平均22万円が相場です。

一般的に月齢が浅いほど高価で、3ヶ月を越えると価格は下がり、スタンダードな柴犬よりも豆柴や小豆柴のほうが高価となる傾向です。

飼う際に打っておいた方が良いワクチン

子犬を迎えたら、まずはワクチン接種について考えなければいけません。犬のワクチン接種は大きく分けて2種類あり、1つ目が「狂犬病ワクチン」、2つ目が「混合ワクチン」です。

《狂犬病ワクチン》

犬を飼うと接種義務があるため年に1度接種します。

《混合ワクチン》

混合ワクチンは任意接種ですが、子犬を感染症から守るためには接種しておきたいワクチンです。混合ワクチンには「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」があり、11種類のワクチンの中から必要とされるワクチンを組み合わせて子犬に接種します。

  • 費用は5,000円〜8,000円
  • 接種回数は3回

1回目は初乳からの免疫が減少する生後2ヶ月目頃に接種し、2回目以降は生後16週目までに2〜4週ごとに追加接種します。成犬になると1年に1回の追加接種が必要です。

任意接種ではありますが、家族として迎え入れた子犬を感染症から守るためにも、混合ワクチンの接種が推奨されています。病院によって混合ワクチンの組み合わせが異なるため、接種前に確認しておくと安心です。

ドッグフードの年間費用

ドッグフードは種類が多く、ランクによっても価格が違います。どのフードを選ぶかにより年間費用は異なりますが、柴犬を飼っている人の多くが「3〜4kgあたり4,000円〜5,000円」ほどのフードを選んでいます。1ヶ月あたり5,000円+αとして、年間で8万円前後の費用が必要です。

柴犬の年齢や食べる量にもよりますが、この金額におやつ代を加えるともう少し費用がかかります。

保険の年間費用

ペットには公的制度が無く、病気や怪我をしたときの病院代は飼い主の負担です。

保険無しで病院で治療をすると、数千円〜数万円、手術や入院となれば数十万円かかる場合もあります。

高額な治療費をカバーし、病気になっても安心して病院に連れていけるよう備えるのがペット保険です。保険代は月額2,000〜3,500円ほど、年間で4万円前後かかります。

保障内容は保険会社によって違いますが、どこまで保障してくれるのか、一定の年令になると保障は変わるのかなどは、きちんと確認しておきましょう。

トリミングの年間費用

柴犬は基本的にカットの必要がない犬種ですが、お尻周りや夏のサマーカット、大量の抜け毛にギブアップして、シャンプーのみサロンにお任せする人もいます。

シャンプーは1ヶ月に1回程度で、4,500円〜8,000円程度、年間で9万円前後はかかる計算です

サロンにお任せする場合は、場所やサービス内容、信頼できるスタッフがいるかなどを判断材料にして選んでください。

日用品の年間費用

柴犬の飼育には日々の生活に欠かせない日用品にかかる費用があります。

  • ペットシーツ、トイレシート
  • おもちゃ、犬用グッズ
  • 消臭スプレー
  • シャンプー、デンタルケアなどの消耗品

1ヶ月あたり2,000円〜6,000円ほど、年間で25,000円〜72,000円程になります。

(各家庭により必要なものが異なるため大きな差があります)

柴犬の運動頻度は?

活発で遊びも運動も大好きな柴犬は、1日2回(30分〜45分程度)、もしくは運動量が足りなければ3回の散歩が必要です。運動量が不足すると筋肉量の低下や、ストレスによって性格が攻撃的になり、むやみに吠えたり噛み付くなどの問題行動につながるからです。

夏は朝夕の涼しい時間帯、冬は暖かい日中が散歩に適しています。近くにドッグランのような思い切り走り回れる場所があれば、柴犬が好きなボール遊びなどをしてストレスを発散させてあげるのもおすすめです。

柴犬がかかりやすい病気

ここでは柴犬がかかりやすい病気について紹介します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、柴犬がかかりやすい代表的な病気の1つで、室内棲息のダニや花粉などの環境中のアレルゲンが原因です。症状は痒みにより、愛犬が耳や口、目の周り、脇、股などを掻きむしるような仕草をします。病状が悪化していくと皮膚に赤みや発疹、脱毛などが表れるため、早めに動物病院を受診しましょう。完治することはありませんが、薬やサプリメント、スキンケアで痒みを抑えることは可能です。

白内障

白内障はレンズの役割である「水晶体」が白濁する目の病気です。原因は年齢的なものと遺伝的なものがあり、1度白くなると元には戻りません。「ぶどう膜炎」を併発している場合は緑内障に移行し、失明する可能性があるため要注意です。柴犬に歩いていて物にぶつかる、つまずくなどの行動が見られたら、必ず動物病院を受診しましょう。

外耳炎

外耳炎は耳介から鼓膜までの部分の皮膚に炎症が起きた状態です。柴犬が首を振ったり、傾けたり、耳を引っ掻いたりするなどの行動をした場合、外耳炎の可能性があります。ほかにも耳垢の増加や悪臭がする、あきらかに腫れているなど、目に見える症状があれば、すぐに病院を受診してください。

膿皮症

膿皮症は皮膚病の1種で、皮膚のバリアが破られて細菌が増殖した状態です。皮膚がジュクジュクして、ひどい痒みを伴います。表面性、表在性、深在性の3種があり、目に見えているよりも深い部分まで症状が出ている可能性もあるため、病院で治療を行いましょう。

認知症

人と同じく犬にも認知症の症状が現れます。認知症とは脳の神経細胞が壊れ、記憶・認識・判断などに能力障害が起きる病気です。夜泣きをするようになった、トイレを粗相する、飼い主を認識できないなど、今までと違う様子が見えたら、やはり病院を受診することをおすすめします。認知症予防のためにも、散歩に連れて行く、一緒に遊ぶなど、日々の生活に刺激を与えてあげてください。

柴犬の可愛い写真

かわいい柴犬の画像

柴犬は遊びが大好き、好奇心旺盛で何でもおもちゃにして遊びます。

かわいい柴犬の画像

子犬の頃からたっぷりと外の世界に触れさせて社会性を養います。

かわいい柴犬の画像

噛みグセがつかないように、噛んでも良いおもちゃを与えるなどしてストレスを発散させます。

かわいい柴犬の画像

寒さに強い柴犬は、雪の上でもへっちゃらです!

かわいい柴犬の画像

コロコロとした可愛い子犬の時期。たくさんの刺激に触れさせて社会性を養いたい時期です。

まとめ

飼い主に従順な性格の柴犬が、その反面、頑固で警戒心が強く、自立性の高さも持ち合わせているため、子犬の時期から社会性を身につけさせることが大切です。

柴犬を飼うにはさまざまな費用がかかりますが、それ以上の癒やしと幸福感を私達に与えてくれます。

日々の散歩やお世話で柴犬とのコミュニケーションをはかるだけでなく、万が一の病気や怪我に備えてペット保険にも入っておきましょう。

柴犬と深い信頼関係を築き、柴犬と暮らす生活を楽しんでください。

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