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はじめに
ボーダーコリーといえばハリウッド映画の「ベイブ」で主人公のベイブ(豚)が牧羊豚になる為にサポートする役として一躍有名になった犬種です。
映画の中でのボーダーコリーの存在はとても大きく、牧羊犬として活躍すること以外にも家族を大切にする姿はまさにボーダーコリーの性格を忠実に表現しています。
ボーダーコリーの起源は8世紀から11世紀にかけてバイキングがスコットランドに持ち込んだとされています。
そのため、ボーダーとは「国境」という意味であり、イングランドとスコットランドの国境地方では、岩場が多く天候も悪い環境で生活をしていました。
人が牧畜をまとめるのが難しい環境だったためボーダーコリーが活躍したとされています。
ボーダーコリーの魅力はなんと言っても賢さとスタミナの高さです。
牧羊犬として長年、飼い主の命令を忠実に守る姿勢やその場の状況判断の高さから、とても賢い犬種とされています。
また、羊を追いかけるスタミナや瞬発力の高さもボーダーコリーの魅力の一つです。
ボーダーコリーの性格
ボーダーコリーの魅力は飼い主の命令を理解し、忠実に実行するところです。
作業する事が大好きで、何事にも意欲的な所が魅力的な犬種です。
特に人と共同で行う作業には目を輝かせて行います。
思慮深い
ボーダーコリーは全犬種の中でもトップクラスに頭が良い犬種といえます。
頭が良い以外にも観察力が高く、臨機応変な対応が取れます。
曖昧な指示を出した場合、飼い主よりも自分の判断を優先して行動してしまう点があるので、なるべくしっかりとした指示表示をしてあげてください。
また、警戒心が強いので、知らない人には威嚇したり、吠えたりする側面があります。
子供のうちにトレーニングをして人に対しての警戒心を和らげる必要があります。
頭が良いので、生後2〜3ヶ月ごろからトレーニングが可能です。
幼い頃からトレーニングをして、飼い主との信頼関係を築くことが重要です。
牧羊犬として飼い主の高度な指示にも的確に理解し、行動に起こした歴史があるので頭を使った遊びが大好きです。
飼い主に忠実
飼い主には一途すぎるくらい忠実です。
生後2〜3ヶ月ごろからトレーニングができます。
飼い主とのコミュニケーションをとることで、信頼関係を築け、社交性のある犬へ成長していきましょう。
また、犬は人の気持ちを理解するのが得意です。
特にボーダーコリーは牧羊犬として常に飼い主と共に生活し、人の出す指示には喜んで実行する歴史があります。
人との距離が近く、賢い犬なので人の気持ちが理解できるのです。
飼い主に忠実な反面、警戒心は他の犬種より強い傾向があります。
警戒心が強いがゆえに「吠え癖」がつく犬も見かけます。
吠え癖は1歳ごろから始まりますが、ちゃんとしたトレーニングをしていけば吠え癖も直せます。
明るく活発
昔から人との関わりが強い犬種なので、人と遊ぶ事が大好きです。
運動神経が高く、外遊びがとにかく大好き。
スタミナ豊富なボーダーコリーは人との信頼も強いので、フライングディスクやアジリティなどのドッグスポーツにぴったりな犬種です。
また、ボーダーコリーは働く事も大好きな犬種です。
ボーダーコリーは牧羊犬以外にも麻薬探知犬や盲導犬、災害救助犬として活躍しています。
物覚えが良く、2011年アメリカの心理学者のジョン・ピリー博士が飼っていたメスのボーダーコリーのチェイサーは1,022個の単語を理解する程賢かったです。
介助犬に関しては約50個の指示を聞き分けて仕事をするので、ボーダーコリーは人間のよき仕事仲間となります。
オスとメスでの性格の違い
人懐っこく、賢いボーダーコリーですが、オスとメスによって性格が異なっています。
上記で紹介したハリウッド映画「ベイブ」でもオスとメスのボーダーコリーの性格の違いが特徴的で、参考になります。
性別による性格の違いを理解してより良い関係性を築いていきましょう。
オスの性格と特徴
オスは基本的に甘えん坊です。
成犬になっても飼い主にべったり甘えたり、一緒に遊んだりします。
甘えん坊の反面、縄張り意識が強く初対面の犬や人には威嚇する傾向があります。
遊びが激しくなると興奮して暴れたりしてしまう場合があります。
メスと比べて体格が良いので、トレーニングをして落ち着かせましょう。
メスの性格と特徴
メスの性格は大人しく、他の動物にも優しいです。
母性本能が備わっているので、小さい動物には優しく接してくれます。
メスは成長スピードがオスより早いので、しっかり者という印象です。
基本的には大人しく、攻撃性は低いです。
また、メスには生理があるので、生理期間前後は情緒不安定になったりする場合があります。
ボーダーコリーの特徴
ボーダーコリーといえば白と黒のハチワレ顔にピンと立った耳が特徴的です。
大きさは中型犬とされており、フワフワの毛に長いシッポを持っています。
筋肉質ではありませんがスマートな足腰をしており、活発で遊びが大好きな見た目です。
体つきがしっかりしている
ボーダーコリーの基本情報は下記の表になります。
犬種名 | ボーダーコリー |
英語表記 | Border Collie |
原産国 | イギリス(イングランド) |
サイズ | 中型犬 |
体高 | オス:53cm メス:オスより少し低い |
体重 | オス:18〜23kg メス:16〜20kg |
平均寿命 | 10〜15歳 |
中型犬の中でも大きめなボーダーコリーは完全室内飼いに不向きな犬種です。
毎日の散歩は必須です。朝と夕方に1時間以上の散歩が理想的です。
他にもドックランや頭を使った遊びを取り入れる事をオススメします。
運動能力が高い
ボーダーコリーの運動能力は他の犬種に比べて高く、積極的に体を動かす事が大好きな犬種です。
ボーダーコリーは細身ではありますが、しっかりとした筋肉を備えています。
牧羊犬として活躍していた歴史があるので、持久力や瞬発力はピカイチです。
活発なボーダーコリーはお家で遊ぶよりも外で走り回る事でストレスを発散させましょう。
ボーダーコリーの飼い方のコツ
ボーダーコリーは動く事が大好きな犬種です。
スタミナ豊富なボーダーコリーはお家でゆっくり過ごすことはストレスになります。
外で遊ぶことはボーダーコリーにとって健康に生活するうえで必須になります。
また、お家の中も少し工夫するだけで、悪天候で外で遊べない場合もストレスを軽減できます。
日常の運動と散歩の重要性
日常の運動と散歩はボーダーコリーにとって大切です。
中型犬のボーダーコリーですが、大型犬並みの運動量を備えています。
日々の満足のいく運動や散歩が欠けるとストレスになり自傷行為や体調不良に繋がります。
散歩の目安として、個体差はありますが、1日1時間の散歩を2回行うのが良いでしょう。
飼い主と楽しく外で遊ぶことが飼い主と犬にとってストレスなく続けられる秘訣ではないでしょうか。
ボーダーコリーは持久力と瞬発力の高さの他に、責任感があり、聡明で頭の回転の良さから様々なドッグスポーツで活躍する犬種です。
『ボーダーコリーが活躍する主なドッグスポーツ』
- 人が投げたディスク(フリスビー)を犬がキャッチして得点を競う「ディスクドック」
- 主要な動きを取り入れながら曲にあわせて人と一緒に踊る「ドッグダンス」
- ハードルやトンネルなどをの障害物をよけてタイムを競う「アジリティー」
ドッグスポーツの種目には必ずと言って良いほどボーダーコリーがいます。
ドッグスポーツは少し荷が重い場合はボールやおもちゃを投げて取りに行かせる遊びを取り入れても良いかもしれません。
他にもドッグランで走らせたり、フリスビーで遊ぶこともボーダーコリーにとって楽しく運動ができるのでオススメです。
食事や健康管理の注意点
食事方法の注意点
ボーダーコリーにオススメする食事方法は以下の3点になります。
- 高タンパク、低カロリー&低脂肪
- オメガ3脂肪酸が含まれている
- 骨、関節軟骨成分が含まれている
高タンパク質は主に肉や魚、卵などに含まれている成分です。
活動のエネルギー源になる成分で、動く事が大好きなボーダーコリーに必要な栄養素です。
オメガ3は被毛を美しく保つ効果がある成分です。
ボーダーコリーはダブルコートの犬種なので、日々の被毛の手入れが必要です。
オメガ3はマグロやサーモンなどの魚や亜麻仁油に含まれています。
骨や関節軟骨成分が含まれている成分は「グルコサミン」「コンドロイチン」になります。
ボーダーコリーは股関節の病気にかかりやすい犬種です。
原因ははっきりしませんが、日々の食事摂取方法や運動量から病気を予防していきましょう。
ボーダーコリーがかかりやすい病気
ボーダーコリーがかかりやすい病気は主に下記になります。
- コリー眼異常
- 股関節形成不全
- グレーコリー症候群
コリー眼異常はコリー犬種にかかりやすい目の遺伝性の病気です。
病気が進行すると視覚障害が発生し、最悪の場合失明する可能性のある病気です。
股関節形成不全は股関節が発育途中の段階で骨の変形によって股関節がかみ合わないために起こる病気です。
約70%が遺伝的要因といわれておりますが、残りの30%は環境的要因とされています。
肥満や極度の運動によって足腰に負担がかかり、病気を発症するとされています。
成長期に太らせたり過度な運動をさせないように注意しましょう。
グレーコリー症候群は周期性好中球減少症といわれ、グレーやシルバーの特定の毛色のコリーにみられる症状です。
先天的な病気で、白血球の好中球が減少することにより死亡する恐ろしい病気です。
主に生後2〜6ヶ月ごろに発症し、発熱、結膜炎、関節炎などの症状が見られます。
決定的な治療法がまだ見つからない病気です。
感染した場合は早急に動物病院へ診察へいきましょう。
快適な居住環境の提供
ボーダーコリーは個体によっては大型犬並に大きくなるので、家で共同生活をする場合は工夫が必要です。
遊びが大好きな犬種なので、「遊びの時間」と「ゆっくりする時間」を理解するのが大切です。
家で一緒に生活をする場合は、人の生活リズムに併せて生活します。
夜中に吠える事や家の中で走り回る時は、人はしっかりと駄目だと理解させましょう。
ボーダーコリーは賢い犬種なので、生後2〜3ヶ月頃からトレーニングが可能です。
飼い主との信頼関係を築き、社会性や上下関係を教えましょう。
ボーダーコリーは頭のいい犬種なので、指示を出す時は毅然とした態度で行いましょう。
指示が曖昧な場合は犬自身が判断し、行動してしまいます。
犬を家で飼う上で犬にとって負担のかからない環境づくりも必要です。
ボーダーコリーは関節の病気にかかりやすい犬種です。
室内はどうしてもフローリングで硬く、犬が歩く際に股関節に負担がかかります。
犬の活動範囲にマットを敷いて歩きやすくしたり、関節をサポートする成分が入ったドッグフードを与えたり工夫をしましょう。
ボーダーコリーの被毛は抜けやすく、毎日のお手入れが必要です。
特に季節が変わる時期は夏毛と冬毛の変わり目の「換毛期」なので、大量の抜け毛が発生します。
毎日のブラッシング以外にも定期的にシャンプーをすることをオススメします。
また、室内に抜けた毛は滑り易いので、床の掃除は必須です。
ボーダーコリーは被毛の多い犬種なので、冬の寒さには強いけど、夏の暑さは苦手です。
室内飼いの際は空調管理を心がけましょう。
目安として室内温度は25℃前後を保つようにしましょう。
ボーダーコリーのおすすめの購入方法
愛嬌たっぷりのボーダーコリーと一緒に生活をしたい場合は色々な方法で購入が可能です。
家庭環境にあった場所からボーダーコリーをお迎えしましょう。
ブリーダーからの購入
ブリーダーとは血統書がついている動物を後世に残すことを目的とした繁殖を専門的に行っている人をいいます。
インターネットでは飼いたい人とブリーダーを繋げるみんなのブリーダーが有名です。
このサイトではボーダーコリーも取り扱っています。
お迎え方法はサイトから予約をして、直接会いに行きます。
その後、検査や説明を受けてからお迎えをします。
ペットショップからの購入
ペットショップでもボーダーコリーを取り扱っているお店はあります。
事前にインターネットで調べて会いに行きましょう。
ペットショップからお迎えする方法もブリーダーからの購入方法とほぼ同じです。
レスキューやシェルターからの譲渡
ボーダーコリーレスキューネットワーク(BCRN)はボーダーコリーを専門に扱っている非営利ボランティア団体です。
「幸せなボーダーコリーを1匹でも多く増やすためにできることを」をテーマに今のボーダーコリーがおかれている現状の紹介や支援活動や譲渡を行っています。
犬猫の保護団体と飼いたい人とを繋ぐマッチングサイトとしてOMUSUBIもあります。
このサイトはボーダーコリー以外の犬種も扱っており、飼いたい人と犬種との相性を判断してくれます。
まとめ
ボーダーコリーは賢く活発な犬種なので、外で遊ぶのが大好きなご家庭にはぴったりな犬種です。
個体の性質や特徴を理解し、適切な対応を心がけてお互いがストレスなく楽しい生活を送りたいものです。
今、ボーダーコリーと生活している人も、これからお迎えを予定している人も、充実した生活を送ってください。