ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
小型犬と超小型犬の違いをご存じでしょうか?
一般的に小型犬とは体重が10kg以下の犬を指し、そのなかでも体重4kg未満の犬を超小型犬と呼んでいます。たとえば、体重3kgほどのチワワと体重8kgほどのフレンチブルドックを同じ「小型犬」の括りにしてしまうと大きさや特徴がかなり異なるため、サイズごとに分けて考えるのがおすすめです。
そこで、今回は【超小型犬】と【小型犬】の特徴や代表的な犬種について詳しく比較していきます。
超小型犬と小型犬の特徴
運動量とエネルギーレベルの違い
超小型犬と小型犬の運動量の違いは犬種によって異なる
超小型犬でもチワワやヨークシャーテリアのようなタイプは、一日15〜30分程度の散歩が必要です。それに比べてミニチュア・ダックスフンドやトイプードルは一日の散歩時間が30〜60分と長時間の散歩が必要だといわれています。その違いは、昔どのように暮らしていたかの犬種による(猟犬、番犬、牧羊犬等)理由が主です。
超小型犬よりも小型犬の方がエネルギーレベルも高い
一般的に超小型犬と小型犬の代謝エネルギー量の計算方法は同じであり、1kgあたり100kcalです。このことからも、3kgの超小型犬と8kgある小型犬のエネルギーレベルは300kcalと800kcalになるので違いがわかると思います。
攻撃性の有無に注意
超小型犬よりも小型犬の方が攻撃性は低い
一般的に、小型犬よりも大きな犬になるにつれて大人しい性格の犬が多く、攻撃性が低い犬が多いです。つまり、チワワのような超小型犬に比べフレンチブルドックのような小型犬の方が攻撃性も低く、大人しい性格である場合が多いと言うことです。しかし犬の性格にも個体差があるので大きな犬でも怖がりな性格でその恐怖心から攻撃性が高い犬もいます。
家庭に合うかを確認する重要性
超小型犬は犬種により飼いやすさは異なる
超小型犬は犬の種類によって飼いやすさが異なります。例えばチワワは実は勇敢で警戒心が強く、子供がいる家庭では飼うのが難しいタイプの犬種です。しかし、同じ超小型犬でもトイプードルは頭が良く賢いのでしつけもしやすく、室内飼いに初めてチャレンジする方でも飼いやすいタイプになります。このように、超小型犬の括りで決まるのではなく、元々もっている犬の習性や性格が家庭に合うかを確認することがポイントです。
小型犬は飼いやすいタイプが多い
超小型犬に対して小型犬は比較的人懐こく大人しいタイプの犬種が多いため、初めて犬を飼う方でも楽しみながらしつけが出来ます。
超小型犬の犬種
ここでは、超小型犬の性格や見た目・体格についてご紹介します。
チワワ
チワワは、潤んだ瞳が特徴的な超小型犬の代表とも言える犬ですが、実は保守的で警戒心が強くよく吠えるため、難しい犬種です。体長は15~23cm程度で、体重は1.5kg〜3kgと軽いです。また、超小型で一度に量を食べることが出来ないため低血糖を起こしやすく、特に子犬の頃はこまめに餌を与えないといけないのでより繊細な管理が必要です。
ミニチュア・ダックスフンド
ミニチュア・ダックスフンドの体長は体高の2倍の長さがあり、垂れ耳が特徴的です。胸囲は30cm〜35cmで、体重は3.5kg〜4.8kg程度あり、日本で1番メジャーなダックスフンドと言われています。陽気で好奇心旺盛だが賢いのでしつけもしやすいタイプです。また、短足で体長が長いため椎間板ヘルニアになることも多いので日頃からの散歩を徹底し、足の筋肉を衰えさせないことがポイントです。
ヨークシャーテリア
ヨークシャーテリアは、【ヨーキー】の愛称で親しまれ、美しい被毛と潤んだ瞳が特徴的な世界的に人気の高い犬です。体長は18~23cmあり、体重は3.2kg以下ととても小柄であり、毛色は種類にもよりますが生涯で7回程度変わると言われています。身体が小さいため気温の影響を受けやすいので寒さや熱中症にならないように適度な室温を保てる部屋で飼うことが大事なポイントです。なお、勇敢で気が強い一面もあるため根気強くしつけが出来る方に向いています。
トイプードル
トイプードルは、飼いやすさや見た目の愛らしさから日本で飼育されている数が1番多い犬種と言われています。体高は24〜28cmで、体重は〜4kgと4種類あるプードルの中では1番小さなプードルです。人懐っこく頭が良く、身体能力も高いのでしつけやトレーニングも難なくこなすので初めて犬を飼う方にも挑戦しやすいタイプですが、四肢が長めなのに対して肢の骨が細いので骨折しやすい点に注意が必要です。寂しがりで留守番が苦手なので長時間自宅を空ける際は、ドッグホテルや犬の幼稚園に預けると安心です。
小型犬の犬種
ここでは、小型犬の種類ごとに特徴や性格・体格についてご紹介します。
フレンチブルドッグ
フレンチブルドックは、胴体がガッシリとした筋肉質で短いしっぽが特徴的で、しっぽはほとんど動かせないと言われています。体長は26cm〜31cmで、体重は10kg程度です。フレンチブルドックの魅力のひとつである大きな耳は【バット・イヤー】と呼ばれています。人懐っこく穏やかな性格であることから、初めて犬を飼う方にもおすすめです。なお、体温調節が苦手なタイプなので散歩をする時間帯や部屋の温度管理に気をつける必要があります。
パグ
しわくちゃにしたような顔に、鼻ぺちゃが特徴的なパグは、体高は約25cm〜28cmであり、体重は6kg〜9kg程度であることが多いですが、個体差が出やすい犬種でもあります。パグの体はガッシリとした筋肉質であり小型犬の中でも比較的平均寿命が長く、あまり吠えない上に賢くしつけもしやすいため初心者でも飼いやすいタイプです。しかし、パグは顔のシワに汚れが溜まりやすいため、優しく丁寧に拭き取る等こまめなお手入れが必要です。
ボストンテリア
ボストンテリアは、特徴的なボストンカラーと筋肉質でありながら小柄な体が人気です。体高は28cm〜38cmで、体重は7kg〜9kg程度あります。人懐っこく誰にでも愛想良く振る舞うことが出来るので、犬と一緒に様々な時間を過ごしたい方にもピッタリです。しかし興奮しやすいタイプが多いため、飼い主がしっかりとしつけをして「待て」を上手く使いこなし落ち着かせる訓練が必要になることもあります。
パピヨン
気品のある大きな蝶のような耳が特徴的なパピヨンは個体差が大きな犬種であり、体高は28cm以下で、体重は2kg〜4kg程度です。人懐っこく明るい性格であり、社交的な面もあるので比較的飼いやすいタイプです。また、パピヨンは寒さに弱いので冬に散歩をさせる際には洋服を着せる事で対策しましょう。寂しがり屋な一面もあるので飼い主とコミュニケーションを取れないとストレスを溜めてしまう事もあります。存分に構ってあげることが重要です。
超小型犬と小型犬の見た目の特徴
体型と体の大きさ
超小型犬は4kg以内・小型犬は10kg以内の体型
上記でも説明しましたが、超小型犬は4kg以内である事に対して小型犬は10kg以内です。つまり、超小型犬は小型犬の中でも特に小さな犬種のことを指しています。
超小型犬は30cm以内・小型犬は大きな犬だと40cm近い大きさもいる
超小型犬の体長は20cm前後である事が多く大きくても30cm以内である事に対し、小型犬は大きな犬だとボストンテリアのように40cm近くまで成長する犬もいます。小型犬は個体差のある犬種も多いです。
毛色と被毛の種類
毛色は超小型犬・小型犬ともに犬種によって異なる
超小型犬や小型犬での違いはなく、犬種により毛色が異なります。
- ブラック&タン
- ブラック&ホワイト
- ブラウン
- トライカラー
- クリーム
- ホワイト
- ブラック
- ベージュ
- レッド
- ブルー
このような毛色があり、また何色かの色の組み合わせを持つ犬もいます。
被毛は超小型犬・小型犬ともに犬種によって異なる
超小型犬・小型犬どちらも犬種により被毛は異なります。例えば超小型犬でもチワワのように【ダブルコート】である犬種もいれば、トイプードルのように【シングルコート】である犬種もあるので様々です。【シングルコート】とは換毛期がなく1年を通して生え変わる毛のことで、【ダブルコート】とは春と秋に換毛期により2度生え変わる毛のことを言います。
顔の形と表情
超小型犬は顔の形も小さい
超小型犬は全体的に顔の大きさが小さなタイプが多いです。それに対して小型犬は、フレンチブルドックのように顔の形が大きなタイプもいます。
超小型犬・小型犬は目の表情に注目
超小型犬や小型犬は、目の表情が豊かです。飼っている期間が長くなればなるほど、「犬の目を見れば何を言いたいのかがわかる」という飼い主が増えます。それほど、犬の目の表情には感情がこもっています。
超小型犬と小型犬の性格の特徴
社交性と人懐っこさ
社交性や人懐っこさが多いのは小型犬
超小型犬の中にもトイプードルのような人懐っこい犬種もいますが、超小型犬と小型犬と比べたところ、小型犬の方が比較的社交性が高く人間に懐くタイプが多いといわれています。中でもチワワは見た目に反して警戒心が強いタイプが多いので社交性が低い個体が多いようです。
頭の良さと訓練のしやすさ
頭が良くしつけの訓練がしやすいのは小型犬
超小型犬に比べて比較的しつけがしやすいのは小型犬です。学習能力が高くしつけも楽しみながら覚えてくれる犬種が多いので、犬を初めて飼う方にも飼いやすいと言えます。
子供との相性と遊び方
子供との相性が良いのはトイプードルやバグ
トイプードルは超小型犬の中では一番子供との相性が良いので飼いやすいです。なぜなら、人懐こい上にムダ吠えが少ないためおとなしく、抜け毛も少ないため世話がしやすいからです。
パグは、社交性が高く人間と関わることが好きなので子供とも相性が良いです。また、攻撃的ではなくあまり吠えないため、小さな子供でも怖がらずに仲良くなれます。
トイプードルやパグとの遊び方
トイプードルとの遊び方でおすすめなのは、トイプードルの宝物を隠して宝物探しをする事です。トイプードルは自分のお気に入りのものを隠されると一生懸命探すので可愛い姿を見る事が出来ます。
パグとの遊び方でおすすめするのは、【音が鳴るおもちゃ】を飼い主と一緒に遊ぶ事です。パグはおもちゃは勿論好きですが、遊び方を工夫して飼い主と様々な遊び方をする事でより楽しませることが出来ます。
超小型犬と小型犬の飼育に必要なポイント
適切な運動量とフィットネス
超小型犬・小型犬は犬種により20分~30分、30~60分程度の運動量が必要
冒頭でも説明しましたが、超小型犬、小型犬に関係なく犬種により一日20〜30分程度、30〜60分程度の運動量が必要なため、最低でもそれ以上散歩をする必要があります。 運動不足になると体が弱ってしまうため適切な運動量を守る事が大事です。
超小型犬と小型犬にもフィットネス
最近では人間だけではなく、犬専用のフィットネスがある事をご存じでしょうか。ドッグフィットネスを行うと、バランス感覚が良くなり自信を付けさせることが出来るので、健康面だけではなく性格面も鍛える事が出来ます。犬自身も楽しみながら鍛える事ができるので、おすすめです。
食事と栄養の管理
超小型犬・小型犬専用の食事を用意しましょう
超小型犬には超小型犬専用の餌を、小型犬には小型犬専用の餌を用意することが必要です。また、子犬〜シニア犬によっても一日に必要な食事の回数は異なります。
時期 | 食事の回数 |
離乳期 | 4~5回 |
生後2ヵ月 | 3~4回 |
生後4ヵ月 | 3回 |
生後6ヵ月 | 3回~2回 |
成犬期 | 2回 |
シニア期 | 2回から3~4回 |
超小型犬は112~374kcal程度、小型犬は428~630kcal程度の栄養管理が必要
ドッグフードによってカロリーが異なるので、一日何グラム餌を与えるのかは一概には言えません。計算したところ、成犬であれば超小型犬は112〜374kcal程度、小型犬は428〜630kcal程度必要だということが分かりました。
詳しい計算方法は
(体重kg×30)×【係数】=一日に必要なkcal
計算方法に出てくる【係数】とは下記の表を見て計算してください。
時期 | 係数 |
子犬(0~4ヵ月) | 3 |
子犬(4~12ヵ月) | 2 |
避妊・去勢していない成犬 | 1.8 |
避妊・去勢している成犬 | 1.6 |
避妊・去勢していないシニア犬 | 1.4 |
避妊・去勢しているシニア犬 | 1.2 |
必要なケアと健康管理
超小型犬・小型犬に必要なケアはブラッシング・爪切り・歯磨きの3点
超小型犬・小型犬に必要なケアは両方とも変わらずブラッシング・爪切り・歯磨きを徹底することです。ブラッシングを定期的にする事で毛並みが整い、爪を切る事により怪我を防ぎ、歯磨きをする事により歯周病対策をすることが出来ます。その他にも耳や目ヤニのケアをする事で綺麗が保たれて病気になるのを未然に防げるのでおすすめです。
超小型犬・小型犬の健康管理は7つのポイントに注目すべき
超小型犬・小型犬の健康管理には特に注目するべき点があります。
- ワクチン接種
- 避妊・去勢手術
- 適度な運動
- 体重管理
- 定期的な健康診断
- 最低でも週1~2回の歯磨き
- 食事量
以上の7つのポイントに気を付けることが健康管理する上で必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、超小型犬と小型犬について比較しながら詳しく解説しました。
同じ括りにされる事も多い超小型犬と小型犬ですが、実はこんなにも異なる点が多いのでぜひ犬をお迎えする際のご参考にしてみてください。