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はじめに
犬は人間よりも歳を重ねるスピードが早いといいますが、実際に「うちの犬が人間の年齢に換算すると何歳なのだろう」とお考えの飼い主さんも多いのではないでしょうか。
子犬の頃はそれほど気になることも少ないかもしれませんが、歳を重ねてくれば年齢に合わせた飼い方をする必要があります。
愛犬の年齢を人間の年齢で知っておくことで、ライフステージに合わせたケアに関してもイメージしやすくなるでしょう。
当記事では、犬の年齢についての計算式や早見表、年齢ごとのケアのポイントについてくわしく解説いたします。
犬の年齢早見表
小型犬・中型犬の2歳は人間でいうところの24歳となり、そこから毎年4歳ずつ歳を重ねていきます。
2歳以上の小型犬・中型犬の年齢を、人間に換算するときは計算式を用いて算出します。
「24+(犬の年齢-2年)×4」に当てはめて計算をします。
例えば犬の年齢が6歳だとすると、24+(6-2)×4=40歳となります。
大型犬1歳は人間でいうところの12歳となり、そこから毎年7歳ずつ歳を重ねていきます。
大型家の年齢を人間に換算する場合の計算式は以下になります。
「12+(犬の年齢-1年)×7」に当てはめて計算をします。
例えば犬の年齢が6歳とすると、12+(6-1)×7=47歳となります。
犬の年齢を人間の年齢に換算すると、遊び盛りの若く元気な状態なのか、シニアに差し掛かってきているのか、愛犬の状態をイメージしやすくなります。
この計算式を用いた年齢早見表をまとめたものをご紹介します。
小型犬|年齢早見表
小型犬・中型犬の年齢 | 人間に換算した年齢 |
1歳 | 17歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
大型犬|年齢早見表
小型犬・中型犬の年齢 | 人間に換算した年齢 |
1歳 | 12歳 |
2歳 | 19歳 |
3歳 | 26歳 |
4歳 | 33歳 |
5歳 | 40歳 |
6歳 | 47歳 |
7歳 | 54歳 |
8歳 | 61歳 |
9歳 | 68歳 |
10歳 | 75歳 |
11歳 | 82歳 |
12歳 | 89歳 |
13歳 | 96歳 |
14歳 | 103歳 |
15歳 | 110歳 |
1歳以下の犬のケア
犬は生後12ヵ月くらいまでが成長期で、いわゆる「子犬」と呼ばれる時期です。
成長もかなり早く、日を追うごとに大きく成長していきます。
社会性に関してもこの時期をどう過ごすかによって、今後の飼い主との関係性や、犬の性格などに大きく影響を及ぼすといってもよいでしょう。
1歳以下のケアに関して、以下でさらにくわしく解説いたします。
食事と栄養
この時期は骨格や筋肉などの成長のスピードがとても速いため、みるみるうちに大きくなっていきます。
成長に必要なビタミンやミネラルの摂取はもちろんですが、特に体の成長に欠かせないタンパク質は成犬よりも子犬の頃の方が、より多く必要となります。
成長期にたんぱく質を豊富に摂取できれば、しっかりとした骨格や筋肉の発達につながります。
生後2ヵ月くらいまではミルクや離乳食でかまいませんが、3ヵ月以降は子犬にとって必要な栄養素をしっかりとカバーしている子犬用のドッグフードに切り替えていきましょう。
また、子犬の食事は与え方にも注意が必要です。
最初は乳歯が生えそろっておらず、消化器官も未熟なため固いドライフードをそのままあげるのは避け、ぬるま湯などでふやかしてあげるようにしてください。
3~
3~4ヵ月頃までには乳歯も生えそろうので、少しずつ水分を減らしながら、時間をかけてドライフードに切り替えましょう。
生後3〜5ヵ月までは食事回数は1日3〜4回、生後6ヶ月からは1日2回程度にして、できるだけ決まった時間に与えるようにしてください。
パピー期のトレーニング
パピー期のトレーニングをおこなうことは、犬の生涯に大きな影響を及ぼすと言ってもよいくらい大切なことです。
そのため、成犬に比べてたくさんのトレーニングが必要となります。
まずは自分が飼い主であることを、きちんと認識させることから始めましょう。
このときに、体のあらゆる部分に触れることに慣れさせておくと、はじめて接する人に触れられたり、病院での診察でも嫌がって逃げたりすることも少なくなります。
次に、家の中の生活音などを含むいろいろな音に慣れさせます。
音に慣れていないと、少しの物音でびっくりしてしまい、食事を途中でやめてしまったり、散歩などで逃げたり、急に走り出してしまうおそれもあるからです。
いきなり大きな音を立てて驚かせてしまうと、臆病な性格になってしまうこともあるので、小さな音から徐々に慣れさせてください。
社会性を身につけることもこの時期の大切なトレーニングです。
まずは人に慣れさせるためにも、家族や友人など飼い主以外の人にたくさん触ってもらったり、おやつをもらったりして人への恐怖心を取り除いてあげると、警戒心が強すぎる攻撃的な犬に育つことはないでしょう。
音にも人間にも慣れたら外に連れ出して、外の音や景色を体験させてあげてください。
外に慣れていないと散歩に連れ出しても一歩も歩かない子もいます。
最初は抱っこでも構いませんので、外に慣れさせて少しずつ距離を伸ばしていけば、うまく散歩もできるようになります。
散歩に行くようになると、ほかの犬に出会う機会もあります。
この段階をクリアすると、ようやく環境にも慣れて社会性が身に付いてきます。
怖がって吠えたりする場合は、無理に接触させず、別の機会にチャレンジしてみるとよいでしょう。
定期的な獣医の診察
成長期の子犬は食事をうまく食べられない、食べても吐いてしまうことや下痢になってしまうなど、未発達な分だけ心配なことが起きやすい時でもあります。
また子犬はワクチン接種などもあるため、可能ならば、月に1回は獣医の診察を受けることをおすすめします。
日々変わる体の状態をチェックしてもらう以外にも、病院に慣れさせる意味合いもふくめて、定期的に獣医の診察を受けるようにしましょう。
2歳から5歳の犬のケア
2歳から5歳の犬は成犬期であり、もっとも活発に活動できる時期ともいえます。
体もしっかりとできあがり、精神的にも落ち着いてくるので、子犬の頃のように新しい経験を積ませて社会性を身につけさせるというよりも、心身ともに健康的な習慣の確立が大切になります。
適切な食事と運動量
食事は成犬用のドッグフードを中心として与えてください。
子犬の頃のように高カロリーの食べ物を与え続けると、肥満になるおそれがあります。
成犬用の「総合栄養食」と表示されているフードであれば、成犬に必要な栄養素がバランスよく配合されているため、それ以外のものを与えているとカロリーオーバーになってしまいます。
ほかの食べ物を与える場合には、おやつ程度にとどめてください。
運動に関しても、活発なこの時期は犬種によっては短い時間の散歩だけでは足りない場合があります。
運動や遊びを十分にさせることで、筋力の維持につながり、ストレス解消にもなります。
運動が不足すると肥満やストレスによる問題行動を起こす場合があるので、注意が必要です。
対策として、休日にドッグランなどで自由に好きなだけ走らせてあげるとよいでしょう。
心身の健康維持のための定期的な獣医の診察
成犬になると、ワクチン接種やフィラリア予防以外ではあまり動物病院にかかることは少なくなりますが、少なくとも年に1回は血液検査などの健康診断を受けるようにしましょう。
毎年受けていれば、健康状態の変化を把握できます。
一見なにも問題なさそうに見えても、目に見えない体調の変化があるかもしれません。
そのためにも定期的に獣医の診察を受けることはとても大切です。
心理的な刺激と遊びの提供
散歩やドッグランはあくまで運動です。
そこで大切になってくるのは、犬の本能を刺激するような遊びの提供です。
犬はもともと狩猟本能があるため、動くものを追いかけたり、獲物を咬んで振り回すような動きをさせることで精神的な満足感を与えることができます。
犬の本能を刺激するグッズも販売されているので、これらを使用して遊ぶとよいでしょう。
具体的には、ロープのおもちゃを床に這わせて追いかけて咬ませたり、ボールを投げて持ってこさせる遊びなどがあります。
遊びによっては室内でおこなうことも十分に可能なので、雨などで散歩にいけないときなどのストレス解消にもぴったりです。
6歳から9歳の犬のケア
6歳から9歳の犬は、活発に活動する成犬からシニア期に移行してくるタイミングなので、変化のサインを見落とさないように気を付ける必要があります。
小型犬、中型犬では7歳くらいまで、大型犬では6歳くらいまでは気持ちや行動も安定している大人の犬として過ごす時期です。
まだ十分なエネルギーがあり活発な状態ともいえるでしょう。
7歳から8歳を過ぎると少しずつですが行動に変化がみられてくることがあります。
肉体面では、走ることが少なくなり、精神面では不安そうに吠えることが増えたり、今までよりも飼い主に甘えてきたりすることが増えます。
そのため、あらゆる面で、徐々に飼い方を変えていかなければならない時期に差し掛かってきます。
1つずつ解説します。
食事と栄養の調整
これまでのように、栄養価の高いフードから加齢によるダメージより体を守り、健康を維持していくための食事に切り替えていく必要があります。
シニアの始まりでもあり、中高齢期でもあるため、犬の年齢に適した栄養バランスを考慮したフードを選ぶようにしましょう。
運動量も減り、太りやすくなるため、必要な食事以外に過剰なおやつのあげすぎなどに注意してください。
適度な運動とリラックスの時間
運動も食事同様に、健康な肉体をこの先もできるだけ長く維持していくための準備と考えてください。
激しい運動は避けつつも積極的に外に連れ出し、短い時間でも構いませんので、体力が衰え始めても散歩に行く習慣を欠かさないようにしてください。
歩く習慣がついていれば、足腰の衰えを最小限に防ぐことができるでしょう。
また、運動と同時に、ゆっくりとリラックスする時間を設けてあげることも必要です。
7歳を過ぎた犬は、いままでと比べ、じっとしていることが多くなります。
できるだけ静かで落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。
健康状態のモニタリングと定期的な獣医の診察
活発だった犬が少しずつ変化を見せ始めたら、まずは一度、動物病院への受診をおすすめします。
ライフステージの変化により、今までと違ったケアが必要になるので、獣医からアドバイスをもらうためです。
元気な成犬で、ワクチン以外に動物病院を受診してこなかった場合でも、6歳を過ぎたら頻度を増やして定期的な健康診断を受けてください。
愛犬の健康状態や日々の変化を獣医と共有することで、適切なケアでシニア期へ向かうことができるようになります。
10歳以上の犬のケア
10歳を過ぎると、明らかな行動変化が見受けられます。
大型犬の場合は、10歳を過ぎると歩行が困難になってくる場合もあるでしょう。
小型犬や中型犬でも、今までできていた行動ができなくなることも増えてきます。
飼い主も、これまでよりも世話をする時間も増え大変ですが、犬も同じようにできていたことができなくなることによる戸惑いをみせます。
愛犬に安心して過ごしてもらうためにも、少しでも長く、健康でいられる時間を増やすためにも、正しいケアをおこなう事が重要になってきます。
高齢犬向けの食事と栄養
高齢犬の食事は、健康を維持するだけでなく、弱ってきた関節の働きを助けたり、低下してきた免疫力を高めたりするために、適切な栄養が備わっている10歳以上の高齢犬用のフードを与えてください。
食欲が落ち、あまり食べなくなっても栄養を摂らなければ、さらに弱ってしまいます。
少しでも食べやすくするために、お湯でふやかすと匂いが強く出て食欲を刺激し、歯が弱った犬でも食べやすくなるのでおすすめです。
もし、市販のドッグフードがうまく食べられなくなった際には、動物病院で療法食を出してもらうのもよいでしょう。
心身の健康管理のための定期的な獣医の診察
この時期になると、飼い主の負担も大きく増えることが考えられます。
そのためにもかかりつけの動物病院をみつけて、老犬とのくらしや介護について正しいアドバイスを受けられるような体制を整えておきましょう。
犬も人間と同じように、歳を重ねることで病気にかかりやすくなります。
可能ならば月に一度は獣医のもとを訪れて、日々変わる現状を共有しておくと、いざ愛犬になにかあった場合でも、適切な処置を施せます。
快適な環境と心理的なサポートの提供
高齢犬と暮らすためには環境面でさまざまなことに気をつけなければなりません。
じっとしている時間も増えてくるので、クッションやベッドなど居心地のよい空間を用意してあげましょう。
視力の低下により、物にぶつかることも想定して、犬の立ち入る場所に不要な物を置かないことが望ましいです。
滑りやすいフローリングなども転倒防止のために、カーペットを敷くなどしておくとよいでしょう。
高齢になると、若いころのように自分からじゃれてきたりすることも減ってきます。
しかし、決して飼い主と接することや遊ぶことが嫌いになったわけではありません。
1日のなかで、飼い主の方から犬と積極的にスキンシップをとる時間を作ってあげてください。
その際に、体に触れることでどこか痛がったりしていないか、など体の不調を見つけられることもあります。
不安が強くなった愛犬にまめに話しかけたり、撫でてあげたりと、飼い主が近くにいることを教えてあげると、安心してリラックスしてくれます。
まとめ
犬の年齢を人間に換算すると、現在のライフステージがイメージしやすくなったのではないでしょうか。
6歳といえば、まだ若いと思いがちですが、人間に換算すると40歳を超えた中高齢期に入っています。
このイメージを持つことで、まだ若い犬を飼っている飼い主の方でも、今後に備えて早い段階でご紹介したケアについての準備ができるでしょう。
当記事を参考に、愛犬が可能な限り長く健康でいられるよう取り組んでみてはいかがでしょうか。