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はじめに
ピンと尖った三角形の耳、つぶらな瞳、骨太でコロコロとした体型の豆柴は、国内から海外まで大変に人気がある犬種です。
実は豆柴は正式な犬種名ではなく、小さな柴犬同士の組み合わせから生まれ小柄な体型のまま育った柴犬を、豆柴と呼ぶようになりました。
今回は豆柴の性格や特徴、飼うときのコツやポイント、オスとメスの違いや豆柴のなかでも人気の毛色などを紹介します。
豆柴の性格とは?
独立心と警戒心が強い
豆柴は飼い主さんには忠実ですが警戒心の強い一面があり、知らない人に対してすぐに気を許したり、懐いたりしない犬種です。
飼い主さんや家族に対しては従順で言うことをよく聞き、深い愛情も示してくれます。
しかし独立心があり、輪の中に入って遊ぶよりも自分の好むものに没頭することも多く、飼い主さんが呼んでも聞こえないくらい夢中になってしまうこともあるようです。
そのため、ひとりでいることに慣れている場合は、長時間の留守番でもストレスを感じずに過ごすこともできます。
ただし、その犬の個体差があり、飼い主さんの姿が見えなくて不安になることもあります。
放っておいたままにはしないで、長めに散歩をする、おもちゃで遊んであげるなど適度な触れ合いを心掛けることが必要です。
甘やかしてしまうと吠えるようになってしまう
子犬の頃からふっくらとした愛らしい見た目の豆柴は、どんな仕草をしてもかわいらしく、つい甘やかしてしまいます。
豆柴は警戒心の強さから、物音にも敏感に反応し一度吠えたら止まらないこともあるため、子犬のうちからしっかりとしつける必要があります。
犬が要求してくることを、全て聞き入れてるように育ててしまうとわがままになり、成犬になっても飼い主さんの言うことを聞かず取り返しがつきません。
おやつが欲しくて吠えておねだりする犬につい与えてしまうと、吠えればおやつがもらえるとインプットされて毎回吠える癖がついてしまいます。
吠えておねだりをされたら、飼い主さんは反応しないで無視することが一番です。
決して大声で怒鳴りつけて黙らせようとしたり、体罰を与えるしつけの方法は避けましょう。
犬が理解するまで辛抱強く寄り添うことが大切です。
遊び好きな一面
豆柴は飼い主さんと遊ぶことが大好きです。
特に体を使って元気に走り回る遊びを好み、飼い主さんにボールを投げてもらって取りに行くようなシンプルな遊びも夢中になって楽しみます。
本来、猟犬として活躍してきた柴犬の特徴を豆柴も持っているため、動くものを追うことは本能から起こす行動です。
柔らかくて噛み応えのあるボールを投げてあげれば、飼い主さんの元へ持って帰りやすく犬の満足感にもつながります。
ほかにも、飼い主さんと紐を綱引きのようにひっぱりあって力比べをすると、噛む力を発揮できて喜ぶようです。
また、豆柴は知育玩具も好み、鼻で押すとおやつが出てくる仕掛けや、足でボタンを押すと音が鳴るなど頭を使って遊ぶことも良い刺激になり、ストレス発散につながるでしょう。
豆柴の特徴とは?
小柄な体型
通常の柴犬の体重が10kg前後、体高35㎝前後に対して、豆柴の適正体重は5kg前後、体高は30㎝前後という小柄な体型をしています。
小柄ながら骨格がしっかりとした骨太な体つきで、子犬のときはコロコロとした丸みが大変かわいらしいです。
小柄な体型のため、広い庭のない家庭でも飼いやすく近年ではマンションで飼う方も増えてきました。
しかし豆柴は本来、柴犬のなかでも小さな体型の犬の呼び名としてつけられたもので、子犬のときは小さくても成犬になると通常の柴犬サイズになる可能性があります。
豆柴を扱う業者によっては、小さく生まれた子犬を豆柴と名付けて販売するケースもあるので、飼う前に子犬の両親の体型やサイズをよく確認することが必要です。
子犬を選ぶ際には、毛のツヤ、目の輝き、栄養が十分に摂れているかなど健康状態も十分にチェックしましょう。
骨太で病気になりづらい
豆柴は骨太でがっしりとした筋肉質体型で、病気に強く長生きをすると言われています。
丈夫な豆柴ですが、注意したほうがよい病気もあるので、普段より犬の様子をよく観察するようにしましょう。
豆柴は特にアトピー性皮膚炎やアレルギー物質に弱い傾向があるため、体を激しく痒がる、かきこわして皮膚に傷がつくなどの症状が見られたら、すぐ獣医さんへ相談しましょう。
日頃から食事やケージを清潔にするなどの対策が必要です。
短い毛並み
豆柴の短い毛並みは、硬くて太い直毛の上毛の下に、柔らかく密集した下毛という二重の構造になっています。
保温性が高いため寒さに強く、雪のなかを元気に走り回ることができるのです。
春と秋の季節の変わり目は、体毛の入れ替わりがあり大量に毛が抜け落ちるので、小まめなブラッシングが必要です。
また、豆柴の毛並みと健康状態は関係していると言われ、パサパサとしてツヤがない場合はストレスを感じているか栄養不足も考えられます。
十分に運動をさせてストレスを解消させることや規則正しい睡眠時間を確保するなど、生活を整えてあげましょう。
栄養面では、動物性たんぱく質やアミノ酸が多く含まれるドッグフードを選ぶことをおすすめします。
また、飼い主さんが愛情をこめて撫でてあげることも、犬にとってはストレス軽減につながります。
豆柴の飼い方のコツ
適切な運動量の確保
小型犬に分類され室内で飼う方も多い豆柴ですが、毎日適切な運動量を確保してあげましょう。
運動量が少ない豆柴はストレスを溜めてしまい無駄吠えやイタズラが増えたり、肥満や病気を招く原因になります。
豆柴に必要な運動量は、1日30分の散歩を2回ほど行うことが理想です。
時間帯は季節によって変わり、春夏は朝・夕方、秋冬は日中など気温が過ごしやすい時間帯を選びましょう。
また、屋外を散歩させると他犬と交流する機会も増え、社交性を身につけることができます。
何より一緒に散歩をすることで、飼い主と愛犬の信頼関係がより深まるきっかけになります。
ほかにも、屋外の景色や匂い、草花の感触などのさまざまな刺激は愛犬のストレス解消に大変役立つでしょう。
美味しい食事の提供
豆柴のつぶらで生き生きとした瞳やツヤのある毛並みを守るためには、美味しいごはんを用意することも大事なポイントです。
犬の主食になるドッグフードは一度に栄養が摂れる便利な商品ですが、値段や成分など種類によって内容が違うため、よく確かめて選びます。
小柄な豆柴には小粒の形状をしたドッグフードが最適です。
内容は良質な動物性たんぱく質を主成分にしたものを選び、豆柴に必要な必須アミノ酸などの栄養素が補えるものを選びましょう。
動物性たんぱく質は豆柴の健康維持と体毛にツヤを与えてくれます。
また添加物が多く含まれたドッグフードは、体内に悪影響を及ぼす可能性があるため、天然由来成分の原材料を扱った、無添加の商品を選ぶことをおすすめします。
定期的なトリミングの実施
短毛な豆柴は、毛をカットすることはほとんどありませんが、毛の抜け変わる換毛期には小まめなブラッシングや耳や爪の手入れなどが必要です。
そのため、定期的なトリミングを必ず行ってあげましょう。
豆柴は皮膚が弱く、荒れるとかゆみの原因になるのでシャンプーは頻繁に行わないほうが良いようです。
またシャンプーも刺激の弱い成分の商品を使用して、すすぎも十分に行います。
ただし皮膚病の治療では、頻繁にシャンプーを行うこともあるため、獣医師の指示に従うようにしてください。
耳掃除も月に一度、専用のクリーナーで優しく手入れをし、耳垢がひどい場合は無理に取ろうとせず獣医師に診てもらいましょう。
涙やけで目のしたが変色するのを防ぐため、目やにが出ている場合はコットンを湿らせて拭き取ってあげます。
歯のブラッシングも子犬のころから慣れさせることが大切です。
食事を終えたら専用の歯ブラシやコットンで歯を丁寧にブラッシングすると、歯石が付きにくく歯周病の予防になります。
オスとメスの性格の違い
オスの活発さと好奇心
オスは本能から行動する性質が見られ、活発で好奇心旺盛な性格です。
縄張り意識も強く室内でも自分の場所に侵入されると威嚇したり、外で他の犬に敵意を表すことがあります。
子犬のころよりスキンシップを大切にきちんとしつければ、家族に対して素直で従順な豆柴に育つでしょう。
また、遊び好きなためドッグランで放すと、飼い主さんが呼んでも戻ってこないくらい夢中になって走り回るパワーを持っています。
スタミナがあるため、十分に運動させないとストレスから問題行動を起こす可能性があるので、思う存分走らせてあげることが重要です。
去勢手術を受けると性格がガラリと変わり、穏やかでおとなしくなることが多いのもオスの特徴です。
メスの穏やかさと優しさ
メスの豆柴はオスに比べると元から穏やかで優しい性質を持っています。
観察力に優れ、飼い主さんや家族の様子を見ながら行動することができるため飼い主さんが犬に対して不安がらせるような態度を取ると、ストレスを受けてしまうことがあります。
やきもち焼きな面もあり、多頭飼いの場合はまんべんなく愛情を注いであげることが大事です。
メスは一度不信な気持ちを持つと根にもつような繊細な面もあるため、しつけるときも乱暴に扱わず丁寧に根気強く行いましょう。
オスよりも自立心の強い部分があり、飼い主さんから構われるよりも自分の甘えたいときに甘えさせて欲しいという傾向が見られます。
適切な運動量を与えれば、ストレスも感じにくいためアパートやマンションなどの室内飼いにも向いています。
両方の魅力を楽しむ方法
オスとメスそれぞれに魅力があり、その犬の個体差によっても性質は違います。
手に負えないくらい元気だったオスが、去勢手術を受けたらおとなしく飼いやすくなる場合もあるため、オスだから飼いにくいとは決められません。
ただし、飼い主さんの住環境によってオスとメスのどちらが向いているか合わせると、より飼いやすくなります。
広い庭や運動する場所が近くにあり飼い主さんも一緒に遊ぶ時間と体力がある場合はオス、マンション住まいで騒音も気になったり多頭飼いをしている方はメスなど、それぞれの性質を参考にしてもよいでしょう。
どちらの性別でも、幼い頃からきちんとしたしつけや、適切な運動と食事、信頼関係を築くためのコミュニケーションなど、きめ細かに目を配り育てることが大切です。
毛色で性格が違う?
豆柴のなかでも人気のある、代表的なレッド・クリーム・ブラックの3色の特徴を紹介します。
毛色によって大きな性格の違いはなく、いずれも豆柴の特徴を持ち合わせています。
どの種類もかわいらしく魅力に溢れている豆柴から、お好みの毛色を選んでみてはいかがでしょうか。
レッド豆柴
レッドは豆柴のなかでも一番ポピュラーで人気のある毛色です。
レッドという言葉から赤みの強い毛色を思わせますが、実際はキツネのような明るいオレンジよりの茶系で、顔周辺とお腹やしっぽの内側は白い配色になっています。
子犬のときは口の周りが黒く感じますが成長すると薄まっていきます。
色の濃さには個体差があり、子犬から成犬になるにしたがい濃淡に変化が表れ、シニア犬になると白みがかった薄茶になる豆柴もいるようです。
クリーム豆柴
クリーム色の豆柴は優しそうで穏やかな印象から大変人気があります。
レッドの豆柴に比べると、クリームの豆柴が生まれてくる確率も低く頭数が少ないため希少価値の高い種類です。
体毛は汚れが目立ちやすいので、小まめな手入れが必要です。
個体差はありますが年齢を重ねていくと鼻が黒からピンクに変化する場合もあります。
全身がクリーム色一色なので、濃い毛色の豆柴より目の表情や口元がはっきりと見えるところも人気の理由でしょう。
ブラック豆柴
ブラックな毛色を持つ豆柴もクリーム色と同じくらい頭数が少ない種類です。
墨色や鉄さび色とも呼ばれています。
漆黒の毛に覆われた端正な見た目で、都会的な印象があり大変な人気です。
最大の魅力は、目のうえにある白くて丸い眉のような配色の毛色で通称「まろ眉」と呼ばれています。
まろ眉と黒い瞳が重なった目元は愛嬌がありかわいらしく、足元が白いソックスをはいているような配色も人気を集めています。
まとめ
豆柴とは、柴犬のなかでも小柄な体型の犬を指しています。
子犬のころは成犬になってから、どのくらいの大きさに成長するか分からないので、必ず両親のサイズを確認しましょう。
オスもメスもそれぞれに魅力があり、どのような住環境で育てるかを考慮して決めるのも一つの方法です。
毛色によって性格の違いはありません。
その犬の個体差に合わせて、子犬のころから必要なしつけ、おいしい食事や十分な運動をさせ豆柴が元気に育つよう見守っていきましょう。