犬にみかんを与えても大丈夫?与え方の注意点や量を解説

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

 冬が近づくと、スーパーなどに多く並び始める果物といえば、みかんです。

よく箱でみかんを購入する人を多く見かけます。みかんにはたくさんの栄養が詰まっています。ビタミンCが多く含まれているので、美容に良い食べ物としても知られています。

 家のこたつでみかんを食べていると、甘酸っぱい香りに誘われて愛犬がおねだりに来る…そんなご家庭も多いのではないでしょうか。 しかし、犬にみかんを与えても大丈夫かなと気になるところです。

今回は犬にみかんを与えても問題ないか、また与える際はどんなことに気を付けるべきか、解説していきます。

みかんを犬に与える際の注意点とは?

与えても大丈夫な理由とは?

 結論から言うと、犬にみかんを与えても大丈夫です。

みかんを与えたことで起こる中毒症状などもありません。みかん以外にも柑橘系の食べ物は多くありますが、柑橘類は犬にとっても栄養があり、安心して美味しく食べられるものです。愛犬たちへの嗜好品としてはピッタリでしょう。

 

みかんの栄養素と犬の体への影響

 みかんの栄養素で誰もが思い付くものと言えば、ビタミンCです。みかんにはこのビタミンC以外にも多くの栄養素が含まれているのをご存知でしょうか?

 また、その栄養素は犬にとってどのような影響があるのかも知っておきたいところです。

みかんにはどのような栄養素が含まれているか、それが犬の健康面にどのような影響を与えるか見ていきましょう。

ビタミンC

 ビタミンCは別名アスコルビン酸と呼ばれている成分です。

五大栄養素の一つであり、生きていくには欠かせない栄養素でもあります。

ビタミンCには抗酸化作用があり、様々な病気やウイルスに対しての免疫力向上効果が期待できます。また、がんの予防効果も期待されており、様々ながんの発生リスクの減少との関係も認められています。その他、薬の副作用軽減の効果もあります。

 私たち人間は、ビタミンCを食事などによって体外から取り込む必要がありますが、犬は自分の体の中でビタミンCを生成することができる生き物です。

ですが、生活環境や年齢、病気などの影響によっては体内で生成するビタミンCだけでは不足してしまう犬もいます。ビタミンCは肝臓で作られているため、肝臓に病気を抱えている犬はサプリなどでビタミンCを摂取させてあげましょう。

クエン酸

 クエン酸はみかんやデコポンなどの柑橘類に含まれるすっぱい成分のことです。

主に疲労回復効果が期待できます。体内に入ってきた糖分をエネルギーに変えて、カルシウムやミネラルなどの栄養素の吸収を手助けしてくれる重要な栄養素です。また、犬が気をつけなければならない病気にストルバイト結石という尿のPHがアルカリ性に傾くことで起こりやすくなる病気があります。クエン酸はそのストルバイト結石予防にも効果が期待できます。ストルバイト結石になりやすい犬種であるミニチュア・シュナウザー、シー・ズー、コッカー・スパニエル、ビション・フリーゼの飼い主さんは要チェックです。

ペクチン

 ペクチンは食物繊維のひとつです。お腹の調子を整えてくれる効果があります。

お腹が弱く、よく下痢になってしまう犬は積極的にとっておきたい栄養素です。特に食欲旺盛で食べ過ぎでお腹を壊してしまう若い犬、環境のちょっとした変化のストレスで下痢になってしまう犬の飼い主さんは気にかけてあげてください。

セルロース

 食品をはじめ、様々な用途に使われており、名前は聞いたことがあるけど、何かはわからないという人も多いと思います。セルロースは食物繊維のひとつです。食物繊維のなかでも水に溶けない不溶性食物繊維として分類されています。腸内環境を整えてくれる働きがあり、便秘解消にも効果が期待できます。

カリウム

 カリウムは全身の細胞が正常に機能するために必要なミネラルのひとつです。カリウムを多く含む果物としてはバナナがありますが、みかんにも含まれています。

高血圧予防にもなり、むくみ改善にも効果が期待できます。このカリウムが不足してしまうと、うまく歩行できない、食欲不振、元気が無くなるなどの症状があらわれます。

カルシウム

 カルシウムは骨と歯を形成するのに重要な成分です。骨格を支えるための成分です。その他にもたくさんの働きをしてくれています。血液凝固を助ける働き、ホルモンの分泌など体の健康を支える縁の下の力持ちです。

ヘスペリジン

 ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、かつてはビタミンPとも呼ばれていました。骨関節機能の低下をサポートする働きや、毛細血管の強化する働きがあります。

与える際に気をつけるべき量と頻度

 ここまでみかんには多くの栄養素があり、犬にも与えて問題ないと記述してきました。

しかし、当然与える量には気をつけなければいけません。みかんには水分が多く含まれています。また、犬があまり消化を得意としてない食物繊維も含まれています。そのため食べ過ぎてしまうと、体を冷やしてしまったり、下痢を引き起こすこともあります。初めて与えるときは少しずつ下痢が起きていないか観察しながら、規定量以上は与えないようにしましょう。

  • 体重4キロ未満

0.5個

  • 体重10キロ以下

1~1.5個

  • 体重25キロ未満

2~2.5個

  • 体重25キロ以上

3.5個

ここでいう1個はMサイズみかんのことです。

この量を目安にして与えましょう。また、犬にとってあくまでみかんは嗜好品です。主食にしてはいけませんし、あげすぎは禁物です。

犬に与えてはいけないみかんの種類とは?

みかんの中でも避けた方が良い種類

 みかんの中でも避けた方が良い種類というのはありません。

ですが、熟していない青いみかんは要注意です。青いみかんにはオレンジ色のみかんにはない「アルカロイド」という成分が含まれています。アルカロイドは植物由来の成分でよくサプリメントとして活用されていますが、植物毒でもあります。これを犬が摂取してしまうと中毒を引き起こすことがあるので、青い色の熟していないみかんには注意が必要です。

また、犬が避けた方がいい柑橘類も存在します。それはレモンとゆずです。

 レモンは犬に中毒を起こさせるような毒性はありません。ですが、酸味が強過ぎて嘔吐や下痢などを引き起こす可能性があります。

 ゆずに含まれる「ソラレン」という成分は、皮膚に炎症を起こしたり、胃が不調になったりします。

 みかんと同じ柑橘類であれば、与えても大丈夫と思いがちですが、レモンとゆずは与えないようにしましょう。

みかんの調理方法の注意点

 みかんの皮にも中の白い皮にも中毒成分は入っていませんが、消化のしにくい部分です。

特に外側の皮には、農薬やツヤだしワックスのようなものが塗られている場合があります。

みかんの中の白い皮には食物繊維が多く含まれています。よく親や先生などに「白い部分には栄養があるから取らずに食べてね」と一度は言われたことがある人も多いと思います。私たち人間にとっては食物繊維は体に良いとされていますが、犬にとっては消化のしにくい成分です。少量であれば問題ありませんが、多量に摂取してしまうと下痢や嘔吐を引き起こす原因となります。また、みかんの中の種も消化しにくい部分です。

 みかんの外側の皮と、白い皮、スジ、中の種は避け、できるだけ果肉部分だけを取り出して調理するようにしましょう。

みかんの適切な与え方とは?

 みかんの適切な与え方をご紹介します。

与え方を誤ってしまうと、犬の健康に悪い影響を与えることもあります。正しい与え方を頭に入れておきましょう。

みかんの調理方法と犬への与え方

 熟したみかんは糖分が豊富なので、砂糖などは入れずにそのままのみかんを使いましょう。外側の皮と中の白い薄皮はできるだけ取り除くようにしてください。調理方法としてはみかんの果肉部分だけを取り出し、ミキサーにかけて、みかんジュースにしましょう。そのほかにも、犬が食べられるサツマイモと一緒に混ぜてあげても喜んでくれます。

みかんを食事に取り入れる方法

 みかんは栄養は豊富ですが、ドックフードなどの総合栄養食にはかないません。おやつとして取り入れるようにしましょう。みかんは水分量が多いので、あまり水を飲んでくれない子におすすめです。

 また、いくらみかんが栄養豊富だからといっても、市販のみかんの加工品は与えないでください。加工品は、糖分が非常に多く含まれています。カロリー過多で肥満の原因になります。

みかんのメリットと注意点まとめ

 みかんを与えることで得られるメリットとみかんを犬に与える際の注意点を紹介していきます。食べ物は愛犬の健康に直結します。注意点をしっかり頭に入れてから、与えるようにしてください。

みかんの栄養素と健康への効果

 みかんは栄養豊富なイメージがあります。

私たち人間にとっても栄養豊富な食べ物ですが、犬の体にとっても、是非とも取り入れて取り入れてほしい栄養素ばかりです。 

みかんのカロリーは1個でわずか46キロカロリーしかありません。おやつとして最適です。 みかんには健康維持に役立つ栄養が豊富に入っています。あまり水を飲むのが得意ではない子の水分補給にもなります。

 みかんに含まれるビタミンCには老化を防ぐアンチエイジング効果、免疫機能のアップにも繋がります。ドッグランなどに行った帰りや長めのお散歩をした後、何か強いストレスを感じた時は体内のビタミンCは減少します。犬は自分の体内でビタミンを生成することができますが、不足した時は食べ物から補ったほうが良い場合もあります。

また、その他ビタミンAは別名「目のビタミン」と呼ばれており、白内障予防など目の健康の維持にも役立ちます。

 カリウムには細胞を正常に機能させることを促す効果があります。それだけでなく、心臓や神経系、筋肉の動きにも作用する成分です。

 温州みかんに特に多く含まれるというβクリプトキサンチンは、骨粗相症予防や肝臓機能の向上に役立ちます。

 カルシウムは歯や骨の形成のほか、血液凝固、筋肉の収縮などの体のバランスを整えています。

与える際に気をつけるべきポイントのまとめ

 栄養豊富なみかんですが、もちろん犬に与える際に気をつけるべきポイントがいくつかあります。まず、自分の愛犬のアレルギーの有無です。みかんアレルギーをもつ犬もいます。はじめて与える時は、少量から与えてください。万が一、下痢や嘔吐、口元を痒がるなどした場合は、早めに動物病院に相談しましょう。

 与える際には与える量に注意してください。みかんは水分が豊富です。食べ過ぎは下痢を引き起こしてしまいます。

 また、みかんには消化がしにくい成分も入っています、消化器官が発達してない子犬には与えないでください。また、シニア犬などに与える際は成犬よりも少なめに与えてください。与える際は、できるだけ果肉部分だけを与えるようにしましょう。

みかんの外側の皮には、虫がよって来ないように農薬が塗られてあったり、見栄えをよくするためのツヤだしワックスが塗ってあります。人間では害のない濃度程度の農薬やワックスでも、体重の少ない犬には有害になってしまう場合もあります。さらに、中毒症状が出るソラレンという成分が入っていますので、外側の皮はしっかり取り除いてあげましょう。みかんの中の白い皮には毒性のある成分は入っていません。食べてしまってもそのまま便として体外に排出されますが、消化がしにくい部分ですので、中の果肉部分だけを与えるようにしてください。

 犬は与えられたものを丸呑みしてしまう子が多くいます。愛犬にドッグフードを与えて、あまりにも食べるのが早いと驚いたことが一度はあると思います。それはよく噛まずに丸呑みしているからです。みかんを与える際も喉に詰まらせることのないように小さくカットして与えるようにしましょう。

 薬を服用している犬は要注意です。柑橘類に含まれる「フラノクマリン」という成分は特定の薬の効果を弱めてしまったり、副作用のリスクを増大させてしまうおそれがあります。現時点で犬ではどのような影響がどのくらい出るかはっきりとはわかっていません。何か薬を服用している犬に与える際は、かかりつけの動物病院の獣医師に相談してから与えるようにしてください。

 薬を服用している犬はもちろんですが、特病を持っている犬も注意が必要です。みかんはカロリーは少ないですが、糖分が多く含まれています。肥満と診断された犬や、糖尿病を患っている犬などは糖分の摂取を控えなくてはいけません。また、みかんにはカリウムが含まれています。これはむくみ解消など健康に役立つ成分ですが、腎不全などでカリウム制限をしている犬も摂取量に注意しましょう。獣医師から持病を指摘されている犬には与えないほうが無難でしょう。

 また、いくらみかんが体に良いからと言って、あげすぎにも要注意です。ビタミンCの過剰摂取は「シュウ酸カルシウム結晶」という尿結石のリスクを高めます。クエン酸の章でお話しした「ストルバイト結晶」とはまた別の種類の尿結石です。好発犬種や過去に経験がある犬は注意が必要です。みかんはあくまで嗜好品です。おやつとして与えましょう。

みかんを食べるときの犬の反応と注意点

 私たち人間がみかんを食べていると、愛犬はどんな反応をするのでしょう。

みかんを食べている時の反応とその意味をご紹介していきます。

犬がみかんを食べるときの反応と意味

 飼い主さんがみかんを食べている時の愛犬の反応は様々です。飼い主さんが美味しそうに食べていれば、「僕も欲しい!」と近寄ってきておねだりをする犬もいます。みかんは美味しいですが、同時に柑橘類特有の強い匂いがします。この強い匂いを嫌がる犬もいますので、匂いを嫌がるようでしたら、目の前で食べるのは少し避けてあげたほうがいいでしょう。

食べる際に気をつけるべきこと

 私たちがみかんを食べる際に気をつけるべきことは、剥いた皮の管理です。上記でも記述した通り、みかんの外側の皮には農薬やツヤだしワックスが塗ってあります。テーブルから目を離した隙に愛犬が食べてしまわないように、剥いた皮はしっかりゴミ箱に捨てましょう。

まとめ

 私たちが普段食べているみかんは愛犬も一緒に食べられるということがわかりました。ですが、その与え方や量などには十分注意して与えてあげてください。主食ではなく、あくまでおやつとして与えるようにしてください。

 みかんには健康に役立つ栄養素が豊富に含まれています。

 愛犬と一緒にみかんを食べて健康に過ごしましょう。

RECOMMEND
あわせて読みたい関連記事
RANKING
人気記事ランキング