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- はじめに
- アボカドは犬にとって安全な食材なのか?
- 犬がアボカドを食べてしまった場合の対処方法
- 犬に代わりにアボカドを与える安全な方法とは?
- アボカドを含む製品の選び方と使い方
- アボカドと犬の関係を正しく理解しよう
- まとめ
はじめに
犬には、与えてはいけない食べ物があることを知っていますか?
特にアボカドは、犬に与えることをおすすめできません。
アボカドに含まれているペルシンという成分に、毒性があると考えられているからです。
今回は、もしも犬がアボカドを食べてしまった時に、起こりうる症状や対処法を紹介します。
犬を飼っている方も、これから飼う予定の方も、今後起こる可能性があるのでしっかり確認してください。
アボカドは犬にとって安全な食材なのか?
アボカドは、犬にとっては安全とは言えない食材です。
安全ではないと言われる要因を紹介します。
要因 | 症状・特徴 |
ペルシンという有毒成分 | 主な症状は嘔吐・下痢です。 アボカドに含まれているペルシンという成分は、アボカドの葉・皮・種・果肉に含まれており、殺菌作用があります。 人間には無害だけど、犬には有害と言われてるので注意が必要です。 |
高脂肪・ハイカロリー | アボカドは、100gあたり脂質が17.5g・カロリーは178kcalです。 高脂肪・ハイカロリーなので、急性膵炎になる可能性があります。 |
種の誤飲 | アボカドの種はとても硬くて大きいです。 種を丸呑みしてしまうと窒息の恐れがあります。 うまく呑み込めても胃まで腸まで達してしまうと、腸に詰まってしまい腸閉塞になる危険があるので注意しましょう。 |
免疫機能の過剰反応 | アボカドの摂取でまれにラテックスアレルギー症候群によりアレルギー反応を9起こしてしまう場合があります。ラテックスアレルギーは天然ゴムに含まれるタンパク質を抗原としたアレルギーですが 、アボカドに含まれるタンパク質がラテックスに似ているため、上記のようなアレルギーを起こすことがあります。 |
人間にとっては健康に役立つ安全食材でも、犬にとってはアボカドは危険な食材なので、絶対に食べさせないようにしましょう。
中毒症状の報告例とは?
犬に、アボカドを与えたことによる中毒症状の報告例はありません。
ナイロビ大学が1994年に2匹の犬にペルシン摂取したところ、心筋障害や肝障害などの重い障害を起こしたという報告がありました。
アボカドには、ペルシンという成分が入っているため中毒症状が出てしまう可能性が考えられています。
犬にアボカドを与えるリスクとは?
犬にアボカドを与えてしまった場合、吐き気や下痢・腹痛など痛みに苦しんだり、呼吸困難などで愛犬が苦しんでしまうリスクがあります。
中毒症状が出るだけでなく、最悪の場合死に至るケースもあるので、飼い主はアボカドを与えないでください。
皮や葉、種も果肉と同じようにペルシンが含まれていたり、誤飲の危険もあるので、ごみの処理にも注意しましょう。
現時点では犬にアボカドを食べさせない方が良い理由とは?
アボカドの毒性について、ハッキリとした確証はまだ判明されていません。
人間にとっては栄養価が高いこともあり、少量なら犬に与えても大丈夫と言っている方もいます。
しかし、犬の重症例や犬以外の動物の死亡例があるので、現時点ではアボカドは犬に与えるべきではないです。アボカドオイルなども避けるほうが無難でしょう。余談ですが、アボカドは鳥類に強い毒性を持っています。文鳥、インコなどの鳥類を飼育している方は特に注意したほうが良いでしょう。
犬がアボカドを食べてしまった場合の対処方法
もしも愛犬がアボカドを食べてしまった時は、すぐに対処してあげることが大事です。
最悪の場合、命を落とす危険性もあるので、起こる可能性のある症状や対処法は必ず確認しておきましょう。
どのような中毒症状が起こる可能性があるのか?
アボカドを食べてしまった時に、起こる可能性のある中毒症状を紹介します。
- 下痢・軟便
- 嘔吐
- 腹痛
- 呼吸困難
- 痙攣発作
- 乳腺炎
- アレルギー症状
など、早期発見すれば治療が可能な症状から重い症状まで、アボカドには食べてしまったら起こる可能性のある中毒症状があります。
特に種を誤飲してしまった時は、種がのどに詰まることによって呼吸困難や意識がなくなってしまう症状が突然現れるので注意が必要です。
早期発見のために注意すべきサインとは?
愛犬が苦しまないように早期発見をするためには、サインを見落とさないようによく見てあげてください。
それぞれの症状が出た時のサインを解説するので、しっかり確認しておきましょう。
嘔吐・下痢・軟便 | 嘔吐や下痢を繰り返す。 1~3日後に症状が出ることが多い。 |
腹痛 | 苦しそうにしている・元気がない・呼吸が浅く早い。腹部を触ると痛がる。抱き上げた時にキャンと泣いていたがることがある。 |
呼吸困難 | 喉を掻いている・咳をして吐き出そうとしている・苦しそうにしている・舌が白くなる。泡を口から出している。 最悪の場合、意識を失う可能性がある。 |
痙攣発作 | 痙攣して苦しそうにしている。 |
乳腺炎 | 触ると痛がる・元気がない。 授乳中のメスは注意が必要。 |
アレルギー症状 | 皮膚を痒がる・目が充血する・湿疹ができる アナフィラキシーになると呼吸困難になったり意識をなくしたり嘔吐する可能性がある。 |
上記の様なサインがあった場合や普段の様子と違うと感じた場合は、すぐに動物病院に連絡して指示に従いましょう。
そして早急に動物病院に連れて行き、獣医に診てもらってください。
獣医師への連絡や治療方法について知っておくべきことは?
上記で紹介してきた中毒症状が現れた場合は、早急に動物病院に連絡して指示に従い診てもらいましょう。食べた量・時間も確認しておくと良いです。来院する際は食べてしまったアボカドの残りを持っていくことをお勧めします。
舐めただけなど少量の場合で、中毒症状が何も出ない時は急いで動物病院に連れていく必要はありません。
しかし、1~3日の間は急に症状が出る可能性があるため、しっかり愛犬の様子を観察してあげてください。
治療法は、症状によって様々ですが飼い主の判断で無理に対処するのは、大変危険なので必ず動物病院で治療してもらいましょう。
動物病院で行われる治療法の例はこちらです。
- 点滴・投薬
嘔吐や下痢が長く続く場合は、脱水状態になっている可能性が高いため、点滴による水分補給が必要になります。また、催吐処置後には点滴を行うことが多いです。犬は皮下と筋肉の間に空間があるのでこの部分に点滴の液を注射する「皮下補液」を行うことが多いです。
10~20分程度の処置で済むため、入院の必要はありません。
また軽い症状の場合は、食事の繊維量を増やして便量を増やし、異物の排出を促す治療を行うことがあります。また、整腸剤などの投薬治療で様子を見ます。
- 催吐処置、摘出処置
アボカドの種を誤飲してのどや食道に詰まらせてしまった場合や、中毒量のアボカドを口にしてしまった場合は、催吐処置や摘出処置が必要です。
ピンセットで取る・麻酔をして内視鏡で取る・薬で吐かせるなど、方法はその犬の状態により変わります。
異物の位置を特定するために、レントゲンや、造影検査、腹部エコーを使うこともあります。
- 重症の場合は入院
脱水症状が重度の場合や、内臓にダメージを受けていて命の危険がある場合は入院して治療を受けてください。
種が腸で詰まって腸閉塞を起こしている場合は、開腹手術を行う可能性があります。
なるべく重症にならないようには、早期発見・適切な対応が必要なので、誤食に気が付いたときはすぐに動物病院に連絡しましょう。
犬に代わりにアボカドを与える安全な方法とは?
アボカドは、人間にとっては栄養価が高い食材ですが、犬に与えることは危険です。
しかし、愛犬には栄養価の高い食材を与えたいと思う飼い主の方は多いと思うので、アボカドの代わりになる食材や、犬の健康や栄養補給について解説します。
今犬を飼っている方も、これから飼いたいと思っている方もぜひ参考にしてください。
アボカドの代替食材としておすすめの選択肢とは?
犬に与えるアボカドの代替品として、おすすめな食材は枝豆です。
アボカドの代替品として知られている食材には、青バナナ・枝豆・アスパラガス・クリームチーズなどがあります。
その中でも枝豆は、中毒を起こすような成分が含まれていません。
また、タンパク質やビタミンCなど様々な栄養素が含まれているので、健康にも役立ちます。
一つ気を付けてほしいのは、生では決して与えないないことです。
生の枝豆にはタンパク質の分解を妨げる成分が含まれており、下痢や嘔吐などの症状を起こしてしまう可能性があります。
加熱すると消失する成分なので、犬に与える時は茹でてから喉に詰まらないように細かく刻んであげるのがおすすめです。
アボカドによる栄養補給を考える際の注意点とは?
どうしてもアボカドで栄養補給をしたいと考えられている方は、おすすめはしませんが注意するべき点を解説します。
まずは、中毒症状やアレルギー症状を起こしていないかの確認が必要です。
基本的に症状が出るのはアレルギー症状の場合は摂取して15分から1時間以内、その他の症状の場合は1時間~3日以内と言われているので、愛犬に変わった様子がないかをしっかり観察しましょう。
摂取量についてですが、ハッキリとした安全な摂取量は個体差があるため断定ができません。
安全な摂取量がわからないということは、何が起こるかわからないのでどんなに少量の場合でも愛犬の体調の変化には気を付けて見てあげてください。
犬の健康に配慮した食事プランニングのポイントは?
愛犬の健康管理の基本は、食事のプランニングにあります。
市販のドッグフードや手作り食など、愛犬に与える食事は飼い主により様々です。
愛犬のために、食事のプランニングのポイントを確認しましょう。
犬種により食事を変える
犬種によって出身地やルーツが違うため、食生活にも違いがあります。
愛犬のルーツをたどって、最適な食事を知って与えてあげることも大事です。
市販のドッグフードの中には、犬種で分けられている物もあるので気になる方は試してみてください。
体重により与える量を変える
食事の与えすぎ・栄養の摂りすぎによる肥満も、食事量が少なすぎ・低栄養による痩せすぎは愛犬の健康を害してしまいます。
ドッグフードでしたら、パッケージに適正量が記載されているため確認して正しく与えてください。
同じ犬種でも体重の変化を見て、与える食事量は変えてあげましょう。
年齢に合わせた食事にする
子犬から高齢犬まで、同じ栄養素は必要としていません。
子犬の場合 | 育ち盛りですが消化機能が未発達のため栄養価が高く消化の良い食事を与えることが大切。 |
成犬の場合 | 栄養バランスの良い食事が良い。 |
高齢犬の場合 | 体型・既往歴によって必要な食事は変化する。既往歴があるのであれば獣医師に相談の上療法食を検討する。運動量が減少して体重増加の傾向がある犬には低脂肪・低脂質を意識する。代謝の悪化により体重減少がみられる犬には高栄養食を与える。 |
愛犬の年齢によって、食事の種類を変えていくのがおすすめです。
市販のドッグフードは、高齢犬用の物も販売されています。
必要な栄養素が不足しないように、栄養バランスを計算して愛犬に合った食事を与えてあげてください。
子犬や高齢犬の様に一度に多くの食事ができないときは3~4回、成犬は基本2回が平均です。
しかしお腹がすぐに空いてしまう子、ダイエット中の子は回数を増やしてあげることも一つの解決策になります。
飼い主は愛犬の様子を見ながら、食事量や食事回数・食事の種類を変えてあげましょう。
アボカドを含む製品の選び方と使い方
ドックフードなどの中には、アボカドが使われている製品もあります。
アボカドは危険と言われているけど、中毒成分は入っていないか・安全なのかをしっかり確認して選びましょう。
アボカドを使用したペット用製品の注意点とは?
アボカドを使用したペット用の製品を選ぶ際は、ペルシンという成分が入っていないか・脂質やカロリーが高すぎないかを確認しましょう。
ペルシンが入っている可能性のあるものは避け、脂質やカロリーが高すぎる場合はごく少量を与えるようにしてください。
また、製品の口コミや中毒症状の報告例がないかも確認しておくことをおすすめします。
安全なアボカドオイルの選び方と使い方は?
アボカドオイルを選ぶときは、ペルシンという成分が含まれていないかを必ず確認してください。
食事として与えるのは、危険なのでおすすめできません。
抗菌作用を考えて愛犬の皮膚に塗ることを考える方は、獣医師に相談してから使いましょう。
アボカドを与える際に知っておくべきことは何か?
アボカドを与える際は、与えた時に起こりうる中毒症状やアレルギー症状を知っておく必要があります。
また、症状が出てしまった時の対処法と、すぐに連絡できる動物病院の連絡先も調べて置くと安心です。
愛犬の健康のことを考えて栄養価の高い食事を与えたいのなら、メリットだけでなくリスクもしっかり理解してましょう。
アボカドと犬の関係を正しく理解しよう
今現在、アボカドは犬に対して中毒性のある食材の可能性があるので、与えることをおすすめできません。
しかし、ドッグフードやペット製品でペルシンという有毒の成分を抜いて作られているものもあります。
今はまだペルシンという有毒成分について、解明されていないためアボカドが危険なのか、危険ではないのかは完全にわかりません。
アボカドの栄養価と犬の健康への影響について知る
アボカドは、人間にとっては栄養価が高く高カロリーなため、森のバターと呼ばれている食材です。
腸の代謝が良くなったり、悪玉コレステロール値を下げると言われています。
人気も高い食材なので犬に与えたいと考える飼い主も多いです。
しかし、アボカドは人間とは違い犬には悪影響になる可能性があります。
ペルシンという成分による中毒症状、高脂質・高カロリーのため肥満になる事も考えられるからです。
栄養価が高いからと言って、愛犬の健康状態が良くなるというわけではないことを理解しておきましょう。
アボカドと犬の摂取制限についての正しい情報を得る
アボカドの正しい摂取制限は、犬によってもアレルギーの有無によっても変わるので正しい数はわかりません。
舐めただけで中毒症状やアレルギー症状が出てしまう可能性もあるため、与えない方が良いです。
犬の食事におけるバランスと多様性の重要性を考える
犬の食事は、犬種によっても年齢・体重によっても変わってきます。
重要なのはそれぞれの子に合った、食事の栄養バランスを考えてあげることです。
市販のドッグフードは、必要な栄養がバランスよく含まれており与え方も簡単ですが、個体差は考えられてありません。
また、手作りフードは、新鮮で栄養価の高い食材を与えられますが、長期間の保存には適していないので、時間が取れない方には向いてないです。
犬の健康や食事は、飼い主の判断や選択によって変わります。
市販のドッグフードやペット食製品、手作り食をバランスよく使って、それぞれの愛犬に合った食事を考えてあげることが重要です。
まとめ
栄養価の高いアボカドですが、犬にとっては安全とは言えない食材です。
中毒症状が出てしまう可能性があるので、絶対に与えないようにしましょう。
もしも与えてしまったり、種の誤飲をしてしまった場合は、すぐに動物病院に連絡して獣医の指示に従ってください。
愛犬の健康を守れるのは飼い主です。
与える食事についても、しっかりリスクを理解し安全な食事を心がげましょう。