犬にパイナップルを与えても大丈夫?与え方の注意点や量を解説

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はじめに

夏に旬を迎えるパイナップルは、そのまま食べてもジュースにしてもおいしくいただけます。

おいしいだけでなく、たくさんの栄養が含まれているのもパイナップルの特徴です。

おいしく健康に良い食べ物ならば、大切な愛犬にも食べさせてあげたくなるのではないでしょうか。

犬にあげてもよいのか気になるところですが、パイナップルは、食べ過ぎることがなければ犬が食べても大丈夫です。

犬が中毒を起こしてしまうような成分も入っていないので、安心して一緒に食べることができます。

当記事では、犬にパイナップルを与える際の注意点や、犬に与えるメリットなどについて紹介します。

パイナップルの栄養素とは

パイナップルには豊富な栄養素が含まれています。

犬にとって、パイナップルを食べることは、健康維持にもとても重要な役割を果たします。

リフレッシュ効果や、胃酸分泌をサポートするクエン酸や、脳や心臓、腎臓や肝臓を正常に機能させるのに必要なビタミンB1などがパイナップルには含まれています。

ほかにも、全身の神経の機能を正常に保つための、エネルギー代謝に欠かせないカリウムや、腸内環境を整えるための食物繊維などがあります。

そのなかでも、豊富なビタミンCとブロメラインという酵素に注目してみていきましょう。

ビタミンCが豊富

パイナップルに含まれるビタミンCには、細胞の新陳代謝や、体を錆びさせてしまう活性酸素を除去する抗酸化作用など、あらゆる病気の予防や老化防止に役立ちます。

これまで犬は体内でビタミンCを作り出すことができるので、ビタミンCを積極的に摂取する必要はないといわれてきました。

しかし、最近では犬にも「ビタミン欠乏症」があることがわかり、特に5歳を過ぎる頃から体内でビタミンCを作る機能が衰え始めてくるため、パイナップルから積極的にビタミンCを摂るとよいでしょう。

ブロメラインの効果

ブロメラインとはタンパク質の消化を助ける酵素のことです。

肉とパイナップルを一緒に調理すると肉がやわらかくなります。

それこそがまさにブロメラインの効果によるもので、同じように犬が肉や魚を食べた際に、パイナップルを食べれば、ブロメラインの効果によりやわらかくなり、消化不良の予防につながります。

ただし、パイナップルに含まれるブロメラインの量は、生のパイナップルに比べ、加熱や冷凍によって減少することが知られています。

そのため、ブロメラインの効果を得るためには、生のパイナップルを食べる必要があります。

フィブリン分解効果

フィブリンとは血液凝固に関わるタンパク質のことです。

血液が固まって流れが悪くなると、血栓や血管に厚みが出てしまい欠陥が傷んでしまいます。

このフィブリンを分解する効果があるといわれているのが、ブロメラインです。

パイナップルを摂取してブロメラインが体内に吸収されることで、血栓や血管の厚みを減少させることができます。

血栓や血管の厚みが減ると、血液の流れがスムーズになるので、血管の健康維持につながります。

愛犬に与えるメリット

豊富な栄養素を含んでいるパイナップルは、愛犬に与えることでさまざまなメリットがあります。

代表的なメリットについて紹介します。

免疫力向上

パイナップルに含まれるビタミンCには、強い抗酸化作用があり、異物を解毒する作用や、がんの予防などの免疫力の向上につながり、その結果、老化予防にも効果が期待できます。

また、白血球の働きを助ける作用もあり、ビタミンCが豊富に備わっていると、体内に侵入した細菌やウイルスなどを死滅させる効果も期待できます。

ほかにも、ブロメラインには抗炎症作用があり、炎症を起こす物質を分解することで、免疫系のバランスを整えます。

消化促進

パイナップルに含まれる酵素であるブロメラインは、強力なタンパク質分解酵素であり、こちらもパイナップルに含まれている食物繊維とあわせて消化促進の効果が期待できます。

また、肉や魚などをやわらかく分解することで、消化不良の予防や整腸作用などに役立つため、便秘気味の愛犬などにおすすめです。

骨や関節の健康維持

体内にビタミンCが十分にあると、コラーゲンの生成につながります。

体内で生成されるコラーゲンは、骨や関節、筋肉や軟骨、靭帯などあらゆる場所の保護、強化につながることで、日常生活で起きやすい骨折や脱臼などケガの防止に役立ちます。

愛犬に与える際の注意点

犬がパイナップルを食べることで得られるメリットは多いですが、与え方には注意が必要です。

パイナップルを与える際の注意点について解説します。

適量の与え方

パイナップルは甘くておいしいので、飼い主が与えれば犬はいくらでも食べようとします。

食物繊維や、パイナップルのおよそ85%を占める水分の摂りすぎで、食べ過ぎるとお腹を壊してしまう事もあります。

栄養素も高く、健康に良いとされていても、与え過ぎは健康を害してしまう可能性があるので与える量には気をつけてください。

パイナップル1切れを約15gとして、与える際の目安は以下のようになります。

  • 超小型犬(体重4kg未満)1切れまで
  • 小型犬(体重10kg未満)2切れまで
  • 中型犬(体重25kg未満)4切れまで
  • 大型犬(体重25kg以上)6切れまで

上記はあくまで目安になります。

犬の年齢や健康状態、食事量や他のおやつを与えている場合など考慮して、与える量を調節してあげてください。

皮や芯の除去

犬は食べ物をあまり咬まずに丸飲みしてしまう事もあります。

基本は人間が食べるときと同じ与え方で問題ないですが、繊維質の多い食べ物なので犬の大きさによって小さくカットするなどして与えてください。

皮はトゲがあるためそのまま与えてしまうと、飲み込んだ際に口や消化管を傷めてしまいます。

芯もとても固いため、丸飲みするとのどに詰まらせて危険です。

皮や芯はきれいに取り除いて与えてください。

アレルギー反応のチェック

アレルギーとは、免疫機能がタンパク質に異常に反応することで引き起こされます。

パイナップルにもタンパク質が含まれているため、アレルギー反応を起こす可能性があります。

パイナップルを食べたあとに嘔吐や下痢になることがあったら、与えるのをすぐに中止してください。

もともと食物アレルギーを持っている犬は、特に注意が必要です。

また、食べたあとに頻繁に体を掻いていたり、皮膚が赤くなっていたりした場合には、アレルギー性の皮膚炎も疑われます。

アレルギーは必ずしも最初から出るわけではありません。

2回目、3回目に突然発症することもあります。

アレルギー反応をチェックする意味でも、パイナップルを与える際に最初の数回は、適量よりもさらに少量のみ与えて様子をみるようにしてください。

パイナップルの代替品

パイナップルは犬が食べても、問題になる食べ物ではありません。

しかし、犬によっては繊維質が苦手だったり、食べたいけれどアレルギーが出てしまったりと何らかの理由でパイナップルが食べられない場合もあります。

そのようなときに、代替えになるものを紹介します。

他のフルーツの利用

パイナップルに代わる代替品として、みかんやオレンジなどの柑橘類があります。

パイナップル同様にビタミンCが豊富なため、抗酸化作用による免疫力向上が期待できます。

ただし、グレープフルーツは、まれに中毒症状を起こすことがあるため、与えるのは避けてください。

食物繊維の摂取ならば、りんごもおすすめです。

カロリーも低いため、ダイエット中の少量のおやつなどにも適しています。

また、キウイにはパイナップル同様にタンパク質分解酵素が含まれており、肉や魚を食べた際の消化を助け、腸内環境を整える働きがあるのでおすすめです。

獣医師の相談

上記のような果物をパイナップルの代替品として与えるのは、アレルギー反応などを起こさずに問題なくパイナップルを食べている犬に限ります。

というのも、パイナップルでアレルギー反応を示したのならば、他の果物でも同様のことが考えられるからです。

まずは動物病院を受診して、獣医師の判断を仰ぎましょう。

パイナップルには糖分も多く含まれているため、糖尿病や肥満により普段から療法食を食べている犬などは事前に獣医師に確認してください。

あくまで、果物はおやつとして与えることになるので、リスクを冒してまで与える必要はありません。

パイナップルや他の果物を食べた際に、少しでも体に異変が出るようでしたら、まずは獣医師に相談するようにしてください。

パイナップルの与えるタイミング

パイナップルは犬にとって主食にはなりません。

あくまで主食は総合的な栄養を含んでいるドッグフードです。

そのため、食事前にたくさんあげてしまうと、肝心のドッグフードへの食いつきが悪くなってしまうことも考えられるので避けたいところです。

パイナップルを与えるタイミングに特に決まりはありませんが、以下のような場合に、与えるとよいのではないでしょうか。

食事前に与える

上述したように、食事の直前に与えてしまうとドッグフードの食いつきが悪くなってしまうこともあるので、ここでの食事前とは、直前ではなく、散歩後などを指します。

パイナップルには、豊富な水分と疲労回復に役立つクエン酸が含まれているので、夏の散歩や運動後に与える食べ物としてピッタリです。

夏の暑い時期でも水を飲むことがあまり得意ではない犬もおり、喉が渇いていてもなかなか水を飲んでくれない場合があります。

水を飲まないことで体の水分量が不足すると、脱水症状などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。

その点、パイナップルであれば食いつきもよく、必要な水分補給も行えるので、水分を摂らせたいタイミングで食べさせると効果的です。

おやつとして与える

毎日、決まっている時間に歯磨きガムなどのおやつを与えているのであれば、たまには気分転換にパイナップルをあげてみるのはいかがでしょうか。

冷たく冷やしたパイナップルなどには犬も喜んで飛びついてくるでしょう。

ただし、冷やしすぎるとおなかを壊してしまうこともあるので、喜んでいるからとついつい適量以上与えすぎないようにしてください。

感謝の気持ちを込めて与える

飼い主の指示にしっかりと従えたときや、きちんとお留守番ができたときなどに、感謝の気持ちを込めてご褒美として与えてみてください。

おいしいものをもらったというような記憶から、犬は新しいことを積極的に覚えたり、留守番も頑張ったりしてくれることでしょう。

パイナップルの与える頻度

パイナップルを与える頻度はどれくらいが適切なのか、注意点も含めて解説します。

適切な頻度の設定

パイナップルは食べ過ぎると糖分過多となり肥満の原因にもなります。

食物繊維の摂り過ぎによる下痢などをおこしてしまうことも考えられるので、まずは量の与えすぎに注意しましょう。

そのうえで、決められた適量を複数回に分けて与えることは問題ありません。

愛犬の体調や生活リズムに合わせて、食事と食事の間や、運動や散歩のあとなどに、ある程度与える頻度を設定してあげるとよいでしょう。

個別の犬種に注意

個別の犬種で注意しなければならない点として、摂取量があります。

小型犬と大型犬では当然適量が違います。

もっと食べたいとアピールしてきても、適量以上に与えすぎると消化不良や下痢、糖分の摂りすぎにもつながるため、体の大きさに合わせた適量を守ってください。

また、トイプードルなどの小型犬には口の小さい犬種が多いため、与える際には食べやすいように小さくカットして食べさせるようにしてください。

口の大きな犬の場合でも、丸飲みをしてしまう事がありますので、万が一飲み込んでしまっても、のどに詰まらない程度の大きさで与えてください。

定期的な健康チェック

パイナップルを与えても体に影響が出ていないか、定期的な健康チェックが大切です。

アレルギー反応が出ているにもかかわらず、気付かずに与え続けてしまうことはとても危険です。

特に食物アレルギーを持っている犬に関しては、与えたあともしばらくは近くで様子をみておくことをおすすめします。

最初は大丈夫でも、数回目でアレルギーが出てしまうこともあるため、何度か食べて問題ないようでしたら、定期的な頻度で与えるのもよいでしょう。

ほかにも、食べ過ぎによって体重が増えてしまっていないかなど、日々の健康チェックはかかさずおこなってください。

まとめ

パイナップルには、犬の健康維持にとても役立つ栄養素が豊富に含まれています。

疲労回復のクエン酸や、あらゆる病気の予防や老化防止に効果のあるビタミンC、消化を促すタンパク質分解酵素であるブロメラインなど、たくさんのメリットがあります。

しかし、水分も多く、与え過ぎれば、下痢や嘔吐の原因にもなります。

そのため、食べ過ぎないようパイナップルはおやつ程度と考えておくのが良いでしょう。

あくまでも主食は総合栄養食であるドッグフードであり、暑い夏の水分補給や、定期的なおやつ、ご褒美として少量を与えてください。

また、アレルギーなどにも注意し、少しでも不安がある場合には動物病院を受診して、獣医師の判断を仰いでください。

当記事を参考に正しい与え方をすれば、犬にとってパイナップルは相性の良い果物なので、ぜひ愛犬にもおいしいパイナップルを食べさせてあげてください。

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