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はじめに
犬と一緒に暮らしていると、飼い主さんは愛犬にも同じ食べ物を分け与えたくなってしまうものです。
人間にとって身近な魚介類であるエビは、食卓に並ぶことも多い食材の1つと言えます。
しかし、エビは犬にとって健康に様々なリスクがあるため、注意が必要な食材です。
加熱しているエビであれば問題ないと言われていますが、生エビは犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また加熱しているエビであっても、注意点をきちんと知っておくことが大切です。
この記事では、犬にエビを与える際の注意点や生エビを与えるリスクなどについて解説しています。
大切な愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
エビを犬に与えることの注意点
犬にエビを与える時、加熱していれば問題ないと言われています。
しかし、加熱しているエビでも、大量に与えたり、生のエビを与えたりすることは愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、エビをむやみに与えることは避け、与える前に注意点をよく理解しておきましょう。
基本的に、犬用のフードやおやつとして販売されているものであれば問題ありません。
しかし、人間用のエビを与えるときは、注意点をよく理解しておくことが大切です。
エビは生肉以外の食材です
犬に食事を与えるとき、魚介類や肉類は加熱して与えてあげることが基本です。
エビも犬に生で与えてはいけない食材の1つと言われています。
エビを犬に与える時は、必ず加熱するようにしてください。
肉類に関しては、新鮮な生肉であれば、食べさせても問題ない場合もあります。
牛肉や馬肉は、生食用の新鮮なものであれば、与えても大丈夫でしょう。
生肉を与える際は、必ず鮮度の高い「生食用」のものを用意し、最初はごく少量から様子を見ながら与えることが大切です。
ただし、豚肉や鶏肉、ジビエは細菌が含まれている可能性があるため、生肉で与えてはいけません。
基本的には、加熱して与えてあげることが安心でしょう。
犬が生エビを食べると健康に悪影響を及ぼす可能性がある
犬が生エビを食べてしまうと、ビタミンB1欠乏症など、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
生エビに含まれる成分により、犬にとって重要なビタミンB1が破壊されてしまうことが、ビタミンB1欠乏症になってしまう原因です。
犬がビタミンB1欠乏症になると現れる症状には、下記のようなものがあります。
- 食欲不振
- 手足のしびれ、むくみ
- 神経障害
- 筋肉障害
- 倦怠感、疲労感
そして、最悪の場合は心不全となり死に至るケースもある、恐ろしい症状です。
エビを与える際には、必ず加熱するように充分注意してください。
他にも、エビはあまり消化に優れていないため、消化不良を起こし、下痢や嘔吐などの消化機能低下の症状がみられる可能性もあります。
ぐったりしていて元気がないなど、いつもと様子が違う場合は速やかに病院に連れていくようにしましょう。
可愛い愛犬には、美味しいものを分けてあげたくなってしまうものです。
しかし、愛犬の健康のためにも、生エビを与えることは避けるようにしましょう。
エビに含まれる成分が犬にとって有害である
エビに含まれるチアミナーゼという酵素は、犬にとって有害な成分です。
チアミナーゼは、犬の健康を維持するのに欠かせないビタミンB1を破壊してしまいます。
このことが、ビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまう原因です。
ただし、チアミナーゼは熱に弱いという特徴があります。
そのため、犬にエビを与えるときは、しっかりと火を通すように注意しましょう。
ただし、火を通しているからといって大量に与えるのは避けてください。
エビだけに限りませんが、愛犬の様子を見ながら適量の食事を与えることが大切です。
犬に生エビを与えるリスクとは
生エビを犬に与えてしまうと、アレルギーを引き起こしてしまうなど、健康状態に様々な悪影響が出てしまうリスクがあります。
また、加熱したエビでも、犬に与える際は細心の注意を払うことが大切です。
犬に生エビを与えるリスクや、健康にどのような悪影響を及ぼす可能性があるのかを、しっかりと理解しておくようにしましょう。
エビに含まれるアレルギー反応を引き起こす成分
エビのアレルギーといえば「甲殻類アレルギー」です。
犬にエビを与えるときも、甲殻類アレルギーに充分注意しましょう。
エビやカニなど、甲殻類に対しアレルギーを引き起こす人がいますが、犬でも稀に甲殻類アレルギーの反応を示す場合があります。
愛犬がエビを食べた後に以下の症状が出たら、アレルギーを起こしているかもしれません。
- 嘔吐や下痢
- 口の周りをかゆがる
アレルギーを持っている場合、加熱していても体調不良を起こしてしまう可能性があります。
もし、愛犬が甲殻類アレルギーを持っている場合は、エビを与えるのは危険なため、止めておきましょう。
また、アレルギーがあると分からない場合でも、最初は少量だけ与えるようにしましょう。
犬の様子を見ながら、充分注意して与えることが大切です。
エビの消化困難な外殻が犬の消化器官に影響を与える可能性
犬にエビを与えるとき、外殻や尾などの部分は食べさせないようにしましょう。
殻などの固い部分は消化しづらいため、嘔吐や下痢など消化器官に悪影響が生じる可能性があるからです。
また、エビの外殻などが消化器官を傷つけてしまうケースもあります。
大切な愛犬が苦しまないよう、エビを与えるときは、外殻や尾などの固いところは取り除いてあげましょう。
犬にとって食べやすいように、柔らかい部分だけを与えるようにしてください。
エビに含まれる塩分が犬の健康に悪影響を及ぼす可能性
乾燥エビや、人間用のエビの加工食品には塩分が多く含まれています。
犬にとって過剰な塩分を摂取してしまうと、心臓や腎臓に大きな負担がかかってしまうため、注意が必要です。
また、乾燥エビは殻を取り除くのも難しいです。
大切な愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、乾燥エビや人用のエビ加工食品を与えるのは避けるようにしましょう。
犬用として販売されているエビの加工食品であれば、犬に与えても大丈夫です。
エビを犬に与える代替方法
エビは犬にとって必ずしもダメな食材ではありませんが、与える際は細心の注意が必要です。
愛犬の健康を守るためにも、安心できる食事を与えてあげるようにしましょう。
エビを犬に与える代替方法をいくつかご紹介します。
エビの代わりに犬に適したタンパク源を与える
エビの他に、犬に適したタンパク質が含まれている食材はこちらです。
- ささみやレバーなどの肉類
- サバ、鮭、タラなどの魚類
- 枝豆
タンパク質を含む食材として、親しみのある鶏肉・豚肉・牛肉だけでなく、シカ肉や羊肉もおすすめです。
また、魚類は肉類よりも消化しやすいため、胃腸に負担がかかりづらく、肉アレルギーのある犬にも与えやすいでしょう。
ただし、肉や魚を与える際にはしっかりと加熱するように注意してください。
枝豆などの大豆は、植物性タンパク質が豊富に含まれているため愛犬の栄養補給にもおすすめです。
エビを調理してから犬に与えることで安全性を確保する
エビを犬に与えるときは、生のままではなく、加熱調理して与えてあげると安心です。
エビには犬に嬉しい栄養素も豊富に含まれています。
- ビタミンB12・・・神経の働きを整え、貧血予防にも効果的
- タウリン・・・脂肪の代謝や、心臓や肝臓の働きをサポート
- ビタミンE・・・抗酸化作用があり、免疫力アップやガンの予防にも効果的
エビを調理する際は、必ず殻をむき、頭としっぽを取り除きましょう。
加熱したエビを小さく切り、トッピング程度の少量を与えるようにします。
エビには積極的に摂取したい栄養素が豊富ですが、アレルギーなどの心配もあるため、与え過ぎには注意しましょう。
犬の食事にバランスの取れた栄養を考慮して与える
犬の食事も、人間と同じく栄養バランスを考えて与えてあげるようにしましょう。
愛犬の健康のために必要な栄養素は、私たちとほとんど変わりません。
- 炭水化物
- タンパク質
- ミネラル
- ビタミン
- 脂肪分
- 水分
栄養バランスの取れた食事を与えるには、犬用のフードが簡単なうえに安心です。
足りない栄養は、犬用のおやつで補給するのもいいでしょう。
また、水分補給は犬にとっても必要不可欠です。
毎日新鮮な水を飲ませてあげるようにしましょう。
犬の食事に関する注意点
愛犬の健康を守るためには、毎日の食事管理は欠かせません。
人間にとっては害のない食べ物でも、犬にとっては致命的となってしまう可能性もあります。
犬の食事に関する注意点を理解して、愛犬の健康を守りましょう。
犬の食事はバランスの取れた栄養が重要
愛犬が健康に長生きするためには、バランスの取れた栄養がとても重要です。
子犬や成犬、老犬では必要な栄養も違うため、成長に合わせた食事を与えてあげましょう。
犬にとってバランスの良い食事を与えるのであれば、総合栄養食のドッグフードがおすすめです。
ドッグフードは犬に合わせて作られているため、必要な栄養素を摂ることができ、有害なものは含まれていません。
そのため、安心して与えられます。
ドッグフードは、愛犬の成長に合わせたものを与えてあげましょう。
飼い主は犬の健康状態と食事内容に注意を払うべき
飼い主は日頃から、愛犬の健康状態や食事内容に注意をしておきましょう。
大事な愛犬の健康を守ってあげられるのは、飼い主さんだけです。
毎日の食事は栄養バランスを取れたものを与え、新鮮な水で水分補給を出来るようにします。
また、愛犬の様子が普段と違うと感じたら、動物病院で診察してもらうようにしましょう。
獣医師の助言を仰ぎ、犬にとって安全な食材を選ぶ
犬には、食べていいものと食べると危ないものがあります。
人間と一緒に暮らす犬は、ドッグフードだけでなく色々な食材を食べる機会があるでしょう。
食材から栄養を摂れるのはいいことですが、きちんと犬にとって安全な食材なのか知っておくことが何よりも重要になります。
色々な食材を与えたいと考えている場合は、獣医師さんに相談し、犬にとって安全な食材を与えてあげるといいでしょう。
犬にとって安全な食材の選び方
犬にとって安全とは言えない食材を与えてしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
愛犬には毎日安全な食材を与えながらしっかりと健康管理をして、いつまでも元気でいてもらいましょう。
犬にとって安全な食材の選び方をご紹介します。
鮮度の高い新鮮な食材を選ぶ
犬にとっても、鮮度の高い食材を選ぶことはとても大切です。
鮮度が落ちてしまっている食材は、消化に悪く下痢や嘔吐などの原因になってしまう可能性があります。
また、かなり鮮度が落ち、腐敗が進んでしまっている状態の食材を与えてしまうと、最悪の場合死に至るケースもあるでしょう。
特に生食用の牛肉を与える際は、鮮度がかなり重要になるため、注意してください。
添加物や調味料が含まれていない食材を選ぶ
犬にとって安全な食材を選ぶときは、なるべく調味料が含まれていないものを選ぶのがおすすめです。
調味料は、人間にとっては料理の味を美味しくしてくれるものですが、犬にとっては塩分が多すぎます。
愛犬に食事を与える際は、食材そのままの味で充分です。
柔らかく茹でてあげたり、小さく切ってあげたりと、犬が食べやすいようにして与えてあげましょう。
また、添加物も過剰に摂りすぎることは避けると安心です。
添加物は、基本的にはドッグフードなどにも含まれています。
ドッグフードに含まれている添加物は、主に以下のものです。
- 酸化防止剤(BHA、BHT、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロールなど)
- 保存料
- 着色料
ただし日本では、ペットフード安全法という法律があり、ペットフードに含まれる添加物の上限が定められています。
犬や猫に毎日与えても健康に害はない摂取量が定められているため、フードを与えることによる添加物の危険性は、ほとんどないと言えるでしょう。
そのため、過剰に摂りすぎなければ、添加物をすべて避ける必要はありません。
それでも「添加物は避けたい」と心配な方は、無添加ドッグフードなどを選ぶのがおすすめです。
犬の個体差やアレルギーを考慮して食材を選ぶ
いくら「犬には安全な食材」といっても、やはりそれぞれ個体差があり、合う合わないが犬によって違います。
アレルギーを持っている可能性もあるため、初めての食材を与えるときは、少量から食べさせるようにしましょう。
もし食事を与えたあと、下痢や嘔吐などの症状が出たら、その食材に対しアレルギーを持っている可能性があります。
いつもと違う症状が出た食材は、与えるのを控えるようにしてください。
もし数日経っても症状が改善しない場合は、速やかに動物病院へ行き、獣医師さんに相談するようにしましょう。
まとめ
犬にエビを与えるときは、生ではなく必ず加熱してから与えるようにしましょう。
ただし、与え過ぎると健康に悪影響を及ぼすリスクもあるため、注意点はよく理解し、むやみに与えないようにすることが大切です。
愛犬の健康をまもるためには、日頃から食事の栄養バランスを考えて与えてあげてください。
安全で新鮮な食材を選び、食べやすいように茹でてあげたり、小さくカットしてあげたりするといいでしょう。
基本的には、総合栄養食のドッグフードや犬用のおやつを与えてあげるのが、栄養バランスや安全性の面でも安心です。
添加物は含まれていますが、日本の法律で犬や猫の健康に害がない摂取量が定められているため、危険性はないと言えます。
しかし、どうしても気になる場合は無添加のドッグフードやおやつを与えてあげると安心でしょう。
大切な愛犬にいつまでも元気でいてもらうために、飼い主さんは普段から愛犬の健康管理に注意してあげてください。