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はじめに
あなたの愛犬は普段家族にどのような愛情表現をしていますか?
家族の中で誰が一番好きかな?と家族同士で話題に上がることもあるのではないでしょうか。
愛犬の今の態度がどういった気持ちを表しているかを知った上で、普段の様子を観察してみてください。
今まで以上に愛犬の気持ちがわかるかもしれません。
この記事では飼い主さんに向けて愛犬の愛情表現のサインを解説します。
普段の様子を思い浮かべながらご覧ください。
犬の愛情表現のサインとは?
犬は言葉を話せない代わりに鳴く、吠える以外に身体全体を使って感情を伝える動物です。
行動や表情で表現することで、昔から人間と一緒に生活できたといわれています。
何気ない愛犬のしぐさにもすべて理由があるのです。
しっぽの動き
一番代表的な愛情表現の行為です。
犬はしっぽの振り方や速さ、しっぽの高さによって異なる感情を表現します。
感情を表すためにしっぽを振るのです。
しっぽの動きは、楽しい時、嬉しい時だけではなく様々な感情を表します。
不安、緊張、怯え、痛みなど犬にとってストレスにつながるサインもあるのでしっかり観察してあげてください。
先端を少し動かすように小さくふる
振り幅はあまり大きくなく、少し動かすようにしっぽを振るのは犬なりの挨拶です。名前を呼んだ時などもこの振り方をします。
犬と目が合ってしっぽを少し振るようなら、挨拶してくれていると受け取ってあげてください。
下がっている
今置かれている環境に安心して、くつろいでリラックスしているときのしっぽは下がっています。しかし不安や恐怖を感じている場合も、立ち止まってしっぽが下がっている状態です。犬の表情をしっかり読み取ってあげてください。
すばやく振る
ウキウキ、ワクワク、ドキドキと興奮している状態です。ご飯やおやつをもらって嬉しい時や、飼い主が帰ってきて嬉しい時などにこの動きをします。上向きでブンブン振る場合は、嬉しい楽しいという気持ちが溢れている時です。しかし反対に、すばやく振ってしっぽが高い位置にある場合は警戒しています。しっぽの高さに注目してみてください。
大きく振る
相手への行為や穏やかな服従を示しています。飼い主のことを大好きという親愛の気持ちです。また、大きく振るだけではなくしっぽと一緒に体を丸めてくねらせたりもします。その環境に安心して、くつろいでリラックスしている状態です。しっかり甘やかしてあげましょう。
振らずに水平に突き出す
しっぽの位置が水平で突き出している時は、警戒していたり不安な気持ちになっている時です。犬は何かに注目して表情が固くなっているかもしれません。 犬の気持ちになって周りを見渡し、ストレスになっているものがある場合には取り除いてあげましょう。
水平に振る
相手に対して警戒している証拠です。
ゆっくり左右に振っている場合、かなり警戒しているので近寄るのはやめておきましょう。
お尻を高くあげてすばやく振る
喜んでいる時と似ていますが、しっぽを高くあげて振っている行動は警戒し怒りを表しています。安易に手を出さないようにしてください。
しっぽの動きは楽しい時、嬉しい時だけではなく様々な感情を表します。
不安、 緊張、怯え、痛みなど犬にとってストレスにつながるサインもあるのでしっかり観察してください。
お腹を見せる
犬がお腹を見せることを「ヘソ天」といい、この仕草も大きな愛情表現の一つです。
犬の体の中で、最も防衛的に弱い部分のため、基本的には自分が安全な状況にあると感じている時だけ見せる行為です。
飼い主を信頼し、リラックスし安心している状態を示す時にお腹を見せます。飼い主のそばでヘソ天の状態で眠るのも、安心しきっているからこその行為といえます。
起きている時には愛情いっぱいに撫でてあげるようにしましょう。
「ヘソ天」は、基本的に服従や安心しているサインといわれていますが実はそれだけではありません。
犬が悪さをして反省している時、また、恐怖を感じている時に「敵意はありません」という意味でも相手にお腹を見せるのです。
また犬は人間の1000倍もの嗅覚を持つといわれています。
犬にとって自分の匂いは日常生活でとても重要です。
気に入らない匂いが体につくのを嫌うため、 匂いをつけたり消したりしたい時に地面にこすりつける時にもお腹を見せる行動にでます。
くっついてくる
犬と暮らしていると、くっついてくることはとてもよくあることですし、飼い主にとってはとても喜ばしいことです。
くっつくことは信頼し好意を表す愛情表現のほか、コミュニケーションを取りたいと考えたときにしてくる好意でもあります。
そのほか就寝時にくっついてくる犬もいます。
野生の犬は、リーダー中心に群れで暮らす動物です。
一番無防備になる寝る時や休息の時は、仲間同士でくっついてお互いを守りながら過ごします。
飼い主のことを、リーダーや大切な仲間と思っているからこそ、休んでいる時もくっついてくるのです。飼い主を守ってくれているつもりなのかもしれません。
しかし、過度にくっついてくることには少し注意が必要です。
ただの甘えん坊という性格の場合もありますが、特定の人と離れることに恐怖を感じていたり、不安から無駄吠えや破壊行為、自傷行為などの問題行動に発展している場合は非常に強いストレスやトラウマと考えられます。
そのような場合は、十分な心のケアが必要です。
犬が好きな人に見せる行動とは?
犬は好きな人にしか見せない行動をしている時があります。
あなたの愛犬は普段どのような行動をみせてくれますか?
普段の行動を観察すると、家族の中で誰のことが一番好きなのかわかってしまうかもしれません。
尾を振る
家に帰るとしっぽを振ってよってくる行動は、飼い主に対する愛情表現を表しています。
興奮し、気持ちが動いた瞬間です。
犬が大好きな相手に見せる行動で、帰ってくる前から玄関で待ち、帰ってきた瞬間からしっぽをブンブン振って大興奮している犬もいます。
反対に、興味のない相手にはしっぽどころか見向きもしない場合もあります。
おもちゃを持ってくる
愛犬がおもちゃを持ってくるのは、遊んでほしいときばかりではありません。
犬は基本的に独占欲の強い動物です。
気に入っているおもちゃや、一度自分のものになった物にとても執着します。
寝床や小屋に隠すこともよくあることです。
その大事なおもちゃを持ってくるのは仲間だと認めている証拠といわれています。
「貸すよ。一緒に遊ぼう」と自分のお気に入りをプレゼントするという愛情表現のやり方です。そうしたときは褒めたり喜んだりしておもちゃを受け取ってあげましょう。
じゃれる
犬は噛む習性があります。
特に子犬にとって甘噛みは愛情表現の一種です。
「一緒に遊ぼう」「もっと構って」などの気持ちの表れです。
気を許している相手にじゃれながら遊びにいくことは、犬にとって普通の行動ともいえます。
しかし、飼い主が甘噛みと理解して遊んであげられる範囲内は無理にやめさせるほどではありませんが、それが限度を超えると危険です。
適度な甘噛みならいいですが、それを自分でコントロールできないのであれば、しっかりしつける必要があります。甘えて噛めば遊んでもらえると覚えさせてはいけません。
かわいい愛情表現の一種ですが、注意が必要なことも覚えておいてください。
犬が嫌いな人に見せるサインとは?
犬が嫌いな人に見せるサインがあるのをご存じですか?
知らずに犬の嫌うようなことを続けていると、今以上に懐いてくれなくなるかもしれません。犬のサインを理解し、嫌がるようなことは避けて接していきましょう。
尾を下げる
犬にとってしっぽは感情がよくあらわれる部分です。しっぽを下げることで落ち着かない、あるいは怖がっていることを示しています。嫌なことや不安なことがある場合もしっぽは力なく下がってしまいます。
愛犬の尻尾の状態をよく観察してみてください。
もししっぽを下げる行動をしている場合は、嫌なことをしてしまっている可能性が高いかもしれません。
声を荒げる
声を荒げる場合、その人を好ましく思っていない可能性があります。吠えたり唸ったり威嚇する行動は、警戒していたり不信感を持っている時の行動です。
このような行動をするときの犬は興奮状態にあります。特に牙を見せて唸る行為は嫌いな人にしか見せません。
急に手を出すのは危険なので控えてください。
逃げる
好きではない相手には警戒心を抱いている場合があります。
触ろうとするだけで唸ったり、後ずさりしてしまうのです。
また、苦手だなと思いながら触ろうとするとその気持ちが伝わり同じような行動に出ることもあります。
逃げるというよりは、対象の人から距離をとるといった方が分かりやすいかもしれません。
犬は警戒心を抱いている相手が近寄ってきても、嫌がって距離を取ろうとします。
もしあなたがそばに行って犬が少しでも距離を取るようなら、普段からあまりいい印象を持たれていないかもしれません。または、あなたのその気持ちが伝わっている可能性があります。
苦手だなと思いながら無理に触ろうとするのではなく、まずは優しい声で話しかけるところからスタートしてみてください。
触れることだけがコミュニケーションではありません。
お互いに少しずつ警戒心をなくしていくことが必要です。
愛犬に好かれる方法は?
もしかして自分は嫌われているかもと不安になっている人がいるかもしれません。
しかし、心配しなくても今から関わり方を変えていけば、犬も少しずつ警戒心をなくしてくれるかもしれません。犬に好かれる関わり方をしていきましょう。
愛情をたくさん示す
普段から、犬が喜ぶことをしてあげることが一番の愛情表現です。
たくさん話しかけて犬を褒めてあげてください。
優しい声でたくさん撫でてあげてください。
言葉は理解できなくても、声のトーンや表情などで飼い主の気持ちを理解するようになります。
たくさん話しかけると「自分に構ってくれている」「注目してくれている」と、飼い主と一緒の時間は幸せなんだと感じてくれるのです。
遊び相手になる
遊ぶことは愛犬との距離を縮める有効な手段の一つです。
犬にとって遊ぶことは、欲求を満たしてくれると同時にストレス発散につながります。
愛犬の好きな遊びで一緒に楽しんで距離を縮めてください。
マッサージをする
散歩の時、遊ぶ時、その都度顔や腹周りを撫でてあげましょう。
また、家でリラックスしている時にもただ撫でるのではなく、優しく話しかけながらマッサージを取り入れてあげてください。
あなたの手のぬくもりから愛情が直接伝わり、マッサージをすることでストレス解消にもつながります。
抱っこをされるのが好きな犬には、抱きながらマッサージすることは二重の幸せになります。気持ちいいと感じてくれるところをマッサージしてあげてください。
このような関わり方によって、あなたのことをより好きになってくれるかもしれません。
犬に対する正しい接し方とは?
日常生活においてあなたは愛犬に対してどのような接し方をしていますか?
接し方を間違えると愛犬との関係がうまくいかなくなることがあります。
無理強いしない
犬に対し無理強いしないことは、最も大切にしなければいけないことです。
犬が嫌がっているサインを見逃さないようにしましょう。
犬は嫌だと思っているときには目線を合わせなかったり、無視したりします。
コミュニケーションを取る意思がないことを示しているからです。
また急にその場を動かなくなることもあります。
行きたくない方向だったり、やりたくないことだったりと理由はさまざまですが、そういった時も決して無理強いは禁物です。
何かを無理強いして犬に恐怖心や警戒心を与えてしまっている場合は、接し方を見直してみなければなりません。
適度な運動をさせる
犬にとって散歩は健康維持に必要不可欠なものです。長生きさせるコツのひとつとして、適度な運動が必要といわれています。
犬は体を使うことが好きな動物です。
散歩やドッグラン、プールなどで遊ぶことは楽しい時間になります。
毎日の散歩は運動になるだけではなく、ストレス解消や気分転換に効果的です。
必要とされる散歩量は、体の大きさや年齢、健康状態によって変化します。
あなたの愛犬にあった運動を、毎日の習慣にさせることが大切になります。
トレーニングを行う
犬と暮らすためには、まずどのようなトレーニングからはじめればよいでしょうか。
トレーニングと聞くと競技に出るようなものを思い浮かべるかもしれませんが、ここであげる「トレーニング」とは「人と犬が幸せに暮らすために大切なしつけ」のことをいいます。
犬にとっては、普段の些細な生活音すら恐怖の対象になることがあります。
その些細なことで犬がパニックになってトラブルが起きることも想定できます。
普段から色々なことに慣れさせておき、飼い主とのコミュニケーションをしっかりとっておくことは大切なことです。
大きな音にも動じないこと、体を触られても嫌がらないようにしておくこと、無駄吠えをしない、噛まないことなどのトレーニングは、人と犬が幸せに暮らすためには欠かすことはできません。
まとめ
犬の普段の愛情表現のサインには、いろいろな行動があります。
しっかり理解しておかなければ、愛犬が今どのような気持ちなのかわからなくなってしまい、いいコミュニケーションをとることはできないでしょう。
理解し観察することが大切です。
愛情表現をされたら、こちらからもしっかりスキンシップをとるなどして愛情表現のお返しをしましょう。
そして普段からたくさん触れ合い、たくさん話しかけ、愛情を伝えましょう。
続けることによって愛犬との距離は縮まり、あなたが家族で一番好かれる相手になれるかもしれません。
愛犬の愛情サイン、見逃さずしっかり受け止めてあげてください。