健康

犬の"逆くしゃみ"とは何?注意点や診断方法についてご紹介

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はじめに

犬の「逆くしゃみ」という現象を知っていますか?聞いたことがない方や愛犬の症状を検索して初めて知った方も多いのではないでしょうか。

今回は、犬の逆くしゃみの症状や原因、注意点などについて徹底解説します。逆くしゃみを知らない方から愛犬の逆くしゃみが気になる方まで、ぜひ参考にしてみてください。

犬の「逆くしゃみ」の症状とは

犬の「逆くしゃみ」とはどんな症状なのか、知らない方は多いです。ここでは、犬の「逆くしゃみ」の定義や特徴、頻度について解説します。犬の不調に早く気付くためにも、ぜひ確認しておきましょう。

逆くしゃみの定義とは?

犬の逆くしゃみとは、勢いよく鼻から空気を吸い込んで苦しそうにしているような症状のことを言います。勢いよく空気を吐き出す通常のくしゃみの逆ような様子から、逆くしゃみと呼ばれています。

逆くしゃみの際には、鼻から「ズー」「グー」などの苦しそうな音が聞こえることがほとんどです。犬が激しく、または勢いよく鼻から空気を吸い込み苦しそうな音を鳴らしていたら、逆くしゃみの症状が出ていると言えるでしょう。

逆くしゃみの特徴とは?

逆くしゃみは、くしゃみの反対のような症状が特徴です。通常のくしゃみとは反対に、鼻から激しく空気を吸い込みます。逆くしゃみの症状が起きているときは、口が閉じていることも特徴のひとつです。

逆くしゃみのような症状が現れたときに口が開いている場合は、他の病気の症状であることが考えられます。口が閉じていて鼻から息を吸い込み苦しそうな音を鳴らしていることが、家庭でも判断できる逆くしゃみの特徴です。

また、逆くしゃみはくしゃみと同様に前触れなく起こります。くしゃみに比べて犬が苦しそうな様子を見せるため、初めて見たときにはとても心配する飼い主さんが多いです。逆くしゃみの症状は、長くても数分で消失します。

逆くしゃみは、くしゃみと同様に症状が落ち着いた後の犬は何事もなかったように元気そうに過ごします。重大な病気ではなく一時的な症状であるため、逆くしゃみの後に不調を引きずることは基本的にありません。

逆くしゃみの前から体調が悪そうな様子がある、もしくは逆くしゃみの後もしばらく苦しそうにしているなど、他にも気になる症状がある場合には逆くしゃみ以外の疾患が隠れていることも考えられます。

他の病気の可能性を見逃さないためにも、「前触れなく起こり何事もなかったように元気な様子に戻る」という逆くしゃみの特徴をよく覚えておきましょう。

逆くしゃみの頻度とは?

逆くしゃみの頻度は、くしゃみと同様に犬によって異なります。逆くしゃみをする犬の中でも、たまにしかしない犬もいれば数日おきに症状が出ている犬もいます。どの場合でも、1回の逆くしゃみの症状は数十秒から数分以内におさまるでしょう。

逆くしゃみは深刻な症状ではありませんが、1日に何度も逆くしゃみをする場合や数分経っても症状がおさまらない場合には注意が必要です。

また、今まで逆くしゃみをすることがなかった、または少なかったにもかかわらず、歳をとってから逆くしゃみの頻度が大幅に増えたという場合も注意しましょう。老犬はさまざまな病気にかかりやすいため、重大な病気を見逃さないためにも体調をこまめに観察してあげることが大切です。

逆くしゃみが起こりやすい犬の傾向

実は逆くしゃみが起こりやすいかどうかには、犬種が関係すると言われています。犬の中でも、特に逆くしゃみが起こりやすいとされている犬種がいることを知っていますか?

ここでは、逆くしゃみが起こりやすい犬の傾向を紹介します。愛犬が逆くしゃみが起こりやすい犬種ならば、事前に知っておくことで冷静に対処できるのでぜひ確認してみてください。

小型犬によく見られる逆くしゃみ

一般的に逆くしゃみが起こりやすい傾向にあるとされているのが、小型犬です。逆くしゃみは中型犬や大型犬よりも小型犬で頻発する症状であるため、鼻腔の狭さなどの体の構造が関係していると考えられています。

逆くしゃみがよく見られるとされているのは、チワワやトイ・プードルをはじめとする多くの小型犬です。小型犬は高い人気を誇り、飼育されている方も多いです。逆くしゃみは小型犬でよく見られるため、小型犬を飼育されている方はぜひ逆くしゃみの症状や対処法を頭に入れておきましょう。

特定の犬種での逆くしゃみの傾向

逆くしゃみは、先ほど紹介した小型犬や短頭種でも多く見られます。例えばペキニーズ・ポメラニアン・トイプードル・パグ・シーズーなどの犬種で、逆くしゃみが起こりやすいです。

これらの犬種は逆くしゃみが起こりやすい傾向にありますが、もちろんここで紹介した以外の犬種や中型犬・大型犬にも起きる可能性があります。

年齢が逆くしゃみに影響を与える?

犬の逆くしゃみは、基本的に若い年齢から発症します。1~2歳の若い犬の逆くしゃみは生理現象であることが多く、病的な心配はないことがほとんです。若いうちから逆くしゃみをする犬は、それ以降もときどき逆くしゃみの症状が見られますが、年齢を重ねるにつれて頻度は減っていくでしょう。

注意したいのは、高齢になってから初めて逆くしゃみの症状が現れた場合や、高齢で頻繁に逆くしゃみをする場合です。そのほとんどが生理現象で命に関わらないものである逆くしゃみですが、病気のサインとなっている場合もあります。

また、逆くしゃみだと思っていた症状が実は違う病気のサインだったということもあります。高齢の犬は病気を発症する可能性も高いので、気になる症状があれば病院を受診しましょう。犬の症状が逆くしゃみかどうか自信がない場合は、逆くしゃみをしているところを撮影して獣医さんに見せるといいでしょう。

犬が逆くしゃみをしたときの注意点

犬が逆くしゃみをしているところは、苦しそうに見えて慌ててしまうものです。実際に犬が逆くしゃみをしたときに、どのようなことに注意して行動すればいいのでしょうか。

ここでは、犬が逆くしゃみをしたときの注意点や対処法、逆くしゃみの止め方について紹介します。

飼い主の心配事とは?

逆くしゃみをしている犬の様子はとても苦しそうで、飼い主は犬が死んでしまうのではないか、息ができていないのではないかと心配になってしまうものです。

逆くしゃみは前触れなく突然始まるため、初めて見た飼い主はとても驚きます。まだ愛犬が逆くしゃみをしたことがなくても、落ち着いて対処できるようにするためには逆くしゃみについて知っておくことが大切です。特に逆くしゃみが起こりやすい傾向にある犬種を飼っている方は、頭に入れておくといいでしょう。

また、逆くしゃみの苦しそうな様子は重大な疾患を連想させます。基本的に、逆くしゃみは命には別状のない生理現象です。過度な心配は必要ないと言えるでしょう。

知識として逆くしゃみの症状を知っていても、やはり愛犬が目の前で突然苦しそうにしていたら焦ってしまいます。一度動画で犬の逆くしゃみの様子を見ておくと、より冷静に対処できるのでおすすめです。

犬の逆くしゃみを止める方法

犬の逆くしゃみは長くても数分程度で自然とおさまり、その後は何事もなかったように元気そうな様子を見せます。人間がくしゃみやしゃっくりを止める必要がないのと同様に、本来であれば無理して逆くしゃみを止める必要はありません。

しかし苦しそうに逆くしゃみをしている愛犬を見れば、なんとか止めてあげたいと思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。そのような場合は、犬の喉や背中をなでてあげたりごはんやおやつの匂いを嗅がせたり、鼻に息を吹きかけたりすることで逆くしゃみが止まる犬もいます。

紹介した方法で必ず逆くしゃみが止まるわけではないのですが、ひとつの方法としてぜひ試してみてください。ただしあまりにも逆くしゃみをしている時間が長く数分経っても自然に治らない場合は、病気のサインを疑って受診することをおすすめします。

症状が悪化した場合の対処法

逆くしゃみは基本的に問題のない生理現象であることがほとんどですが、これまでも紹介したように病気のサインが隠れていることも考えられます。そのため、いつもの逆くしゃみだからと安心し切ってしまうのは危険です。

逆くしゃみの症状が悪化している場合やいつもとは違うような様子が見られる場合は、一度動物病院を受診することをおすすめします。

  • 突然逆くしゃみの頻度がかなり高くなった
  • 逆くしゃみが数分経ってもおさまらない
  • 歳をとってから逆くしゃみをするようになった
  • いつもとは違う音が鳴っている
  • 逆くしゃみの様子がいつもと何か違う気がする
  • 逆くしゃみがおさまった後も体調が悪そうにしている
  • 逆くしゃみの前に呼吸が苦しそう、体調が悪そうなどの前触れがあった

以上のような症状は、症状の悪化と捉えられます。心臓や呼吸器の病気から逆くしゃみと似たような症状が現れることもあるため、逆くしゃみと甘く見ずに悪化を感じたら受診するようにしましょう。

悪化したと感じて病院に行く際は、できれば逆くしゃみの様子を撮影しておいてください。逆くしゃみと似ている他の病気からくる症状であれば、重大な病気を早期発見できることにもつながります。

逆くしゃみの特徴は、「前触れがなく起こり数分以内におさまる。症状がなくなれば何事もなかったように元気な姿に戻る」ということです。これに当てはまらない症状が見られるときは、逆くしゃみだと油断せずに速やかに受診してください。

逆くしゃみの原因と診断方法

逆くしゃみはどのような原因で起きるのか知っていますか?愛犬にときどき逆くしゃみの症状が出ていても、原因を知らない方が多いのではないでしょうか。

ここでは、逆くしゃみの原因と逆くしゃみの診断方法について紹介します。

逆くしゃみの主な原因とは?

犬の逆くしゃみの原因は、現在はっきりとは判明していません。しかし小型犬や犬種によってかかりやすい傾向があることから、鼻腔の狭さや鼻の奥にある筋肉の緩みなど、体の構造が関係すると考えられています。

そのほかにも、室内の乾燥や強い匂いによる鼻への刺激、アレルギーなども原因としてあげられています。そのため、逆くしゃみの予防や症状の軽減のためにも、室内を加湿する、匂いの強いものは犬の近くに置かないなどの工夫をするといいでしょう。犬の飼育環境を清潔に保つことも大切です。

獣医師の診断方法

犬の症状が本当に逆くしゃみなのか、もしくは違う病気からくる症状なのかを獣医師に判断してもらうためには、やはり実際の症状を見てもらうことが効率的です。

そのためにも、気になる症状が現れているときに動画を撮影しておき、獣医師に見せることをおすすめします。動画で症状の様子を見せるだけでも、逆くしゃみなのか他の病気が原因となっているのかが診断できる場合も多いです。

家庭では本当に逆くしゃみなのか判断できないと、不安を感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。逆くしゃみかな、と思ってはいても、安心のために医師に診断をしてもらうこともひとつの手です。

似たような症状を持つ疾患との違いを診断したり逆くしゃみを生じる他の疾患が隠れていないか診断したりするためには、レントゲンやCT検査などの詳しい検査が必要です。呼吸器や心臓に病気が隠れている場合も考えられるため、詳しい検査から逆くしゃみの原因を探ります。

検査の中で別の疾患が見つかった際には、病気に合わせた治療を行います。逆くしゃみが病気によって引き起こされた症状であれば、この治療によって逆くしゃみの症状も軽減していくでしょう。

検査や治療の必要性について

ただの逆くしゃみであれば、基本的に検査や治療は必要ありません。若い犬の逆くしゃみや、たまに起こり数分でおさまるような逆くしゃみでその後犬が元気そうにしているのであれば心配する必要はなく、検査や治療も必要ないでしょう。

ただし、基礎疾患のある犬や老犬、逆くしゃみの症状の悪化や今までとは違う様子が見られるなど、心配な要素がある場合には検査をおすすめします。逆くしゃみに対する治療は必要ありませんが、他に病気が隠れていれば早期発見して治療する必要があります。

咳や鼻炎をはじめ、さらに重大な呼吸器・心臓などの病気により、逆くしゃみに似たような症状が現れることがあります。愛犬が逆くしゃみによって苦しそうな様子を見せるなら、自己診断に頼らずに安心のためにも一度受診して健康チェックを受けることもおすすめです。

まとめ

犬の逆くしゃみは、小型犬や短頭種に起こりやすい症状です。息を吸う際に音を鳴らすため、苦しそうな様子からとても心配になります。しかし逆くしゃみはしばしば起きる症状で、健康上の問題があることは少ないです。

今回は、逆くしゃみの原因や症状、対処法などについて詳しく解説しました。愛犬が逆くしゃみをしたときに冷静に対処できるよう、今回の記事を参考にしてみてください。

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