健康

犬は血便で急死する!?原因と対策を徹底解説

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はじめに

犬が急に血便をしたら、びっくりしてしまいます。

肛門に近い部分からの出血は鮮やかな赤い色なので「赤い血便」が出ます。

ですが、出血の起こっている場所によっては「黒い血便」が出ることがありますので、

どんな色の血便がでているのかを、よく見ることが大切です。

では、黒い便はどんな時に出るかというと、胃や食道といった肛門から遠い箇所から

出血している時です。便になって出てくるまでに消化酵素などの影響を受けて血が黒く

変わり、粘り気のある黒い「タール便」となって出てきます。

また、バルボウイルス感染症によるものであれば、真っ赤な水下痢をすることもあります。

このように、血便といっても色や状態がさまざまありますので、まずはどのようなものが

出ているのかをしっかりと把握しましょう。

ここでは、どうして血便が出るのか?血便が出たらどう対応したら良いのか?といった

原因から対処法までを調べましたので、ぜひ参考にしてください。

血便の原因とは?

なぜ血便が出るのでしょうか?

血便が出る原因には色々とありますが、胃や腸といった消化器官の

粘膜からの出血が主にみられます。

その他の原因としてはウイルスや寄生虫の感染、さらにはオモチャなどを

飲み込んでしまい、それによって消化器官などに傷がついてしまったことによる

腸出血。

加えて、ストレスなども血便の原因として考えられるので、

どのような原因があるのかを知っておくと、いざ出血した時の不安を

少なくすることができます。

このように原因はいくつかあり、血便の状態によって異なってきます。

血便の状態の種類と、何がもととなって起こっているのかを覚えておくことで

とっさの時の対応に役立つでしょう。

食事の問題

​​犬が玉ねぎを食べてしまうことで「玉ねぎ中毒」を起こし、血便が見られることがあります。

この中毒の症状が出るまでの時間は、数時間から数日と、犬の個体によって違ってきます。

また、食べた玉ねぎの量が少なくても重症になる犬もいるので、注意が必要です。

この玉ねぎ中毒は、玉ねぎに含まれる成分「有機チオ硫酸化合物」が、

赤血球に含まれるヘモグロビンを酸化させてしまうことが原因です。

目が沁みる原因となる「硫化アリル」も犬には良くない成分になります。

また、玉ねぎだけでなく長ねぎやニラ、ニンニクなども同じように

気をつけなければならない食べ物になるので覚えておきましょう。

調理などで触った後に手についた玉ねぎの成分も、しっかりと洗い流しましょう。

下部消化管の病気

大腸性下痢や出血性胃腸炎が考えられます。

大腸性下痢は、便の回数は増えるのに1回の便の量は少なく、粘膜や血が

混じった便をします。

また、便を出したいのになかなか出ないという状態になってくるので、様子を

よく見てあげることが大切です。

それに対して、出血性胃腸炎(急性出血性下痢症候群)は赤い液状やジャムのような、

ねっとりとした血便をします。

血が混ざっていたり、血がついているといった程度のものではありません。

この出血性胃腸炎は、血便をするより前に、急な嘔吐をします。

犬が嘔吐をした時は、注意をして見てあげてください。

さらには、消化器の腫瘍でも血便を起こします。

腸にポリープや腫瘍ができてしまうと、傷ついた腸の粘膜からの

出血が続くことがあります。

上部消化管の問題

胃腸炎や腫瘍などのポリープが原因で起こる血便があります。

胃腸炎の場合は、少しの血や粘膜が混ざった便をしますが、食欲もあり普段と

変わらない元気な様子であれば、慌てなくても大丈夫な軽度の胃腸炎が考えられます。

ポリープや腫瘍ができてしまっている場合の血便は、慢性的な出血によるものと

考えられるため、「続く血便」や「頻繁に出る血便」になります。

ですので、これらの血便には注意が必要です。早めに動物病院を受診しましょう。

虫垂炎の可能性

虫垂炎で血便となる可能性もあります。

虫垂炎になっている時には血便以外にも、突然の腹部の激痛、悪寒や嘔吐とともに

発熱の症状が出ます。

また、虫垂炎ではなくでも、「犬鞭虫」という吸血性の消化管内寄生虫が、

盲腸に寄生することがあり、この寄生虫がたくさん寄生することで血便をする

犬がいます。

他の病気の合併症

血が止まりにくくなる病気が、血便に関わっていることも考えられます。

犬の血が止まりにくい病気

  • 血友病
    遺伝性の血液疾患で、血が止まりにくくなる病気です。
  • DIC(播種性血管内凝固症候群)
    全身に血栓ができてしまうことで、血液の流れがなくなった部分に機能障害や壊死が起こり、多臓器不全に陥ってしまいます。
  • 多血症
    血液中の赤血球の割合がとても高く正常範囲を超えている、または赤血球が増加している状態です。
  • フォンビレブランド病
    血が止まりにくくなる、最も多くみられる犬の遺伝性出血疾患です。

犬が血便で急死する可能性

血便が出る状態で、突然死んでしまうといった悲しい状況があるのも事実です。

どのような状態の時に、そのような事態に至ってしまうのかを知っておくことも

大事なことなので、ぜひ覚えておいてください。

重度の出血

腫瘍や、出血を止める機能に異常がある、といった大きな病気が原因となって

出血が止まらないことがあります。

多量の出血によって起こってしまう貧血も心配です。

口の粘膜や舌の色が白っぽくなっていると、貧血になっている状態です。

感染症の合併症

レプトスピラという菌に感染すると「レプトスピラ症」という、

体のさまざまな臓器に影響を与えてしまう感染症があります。

特に肝臓や腎臓に障害を与えるので、黄疸や出血、また急性の肝不全や腎不全などの

症状が出ます。症状が最も激しく出る時にはタール状の黒い血便をすることがあります。

このレプトスピラ菌は人にも感染するため、大変危険なものです。

疑わしい場合は、必ず動物病院の受診をしてください。

また、パルボウイルスが感染することで嘔吐や下痢をする「パルボウイルス感染症」

にかかった時も、症状が悪くなってくると血便を出すことがあります。

この「パルボウイルス感染症」には腸炎型というものがあるのですが、

この胃炎型にかかってしまうと、敗血症のような2次感染を起こすことがあります。

敗血症になると多臓器不全になり、心筋炎を起こす場合、この時に子犬であれば

突然死などが起こってしまうこともある、本当に危険な感染症です。

高度な内臓機能障害

感染症により、急性腎不全や肝炎といった症状が出てしまうことがあります。

犬の急性腎不全とは、急激に腎臓の機能が低下することで尿毒症という症状や、

ほかにも、多くの症状を引き起こす症候群のことです。

尿から上手く老廃物の排出ができずに、体液の水分量と塩分量の調整ができなく

なってしまいます。

肝炎とは、肝細胞がさまざまな原因で炎症を起こすことで出てくる症状です。

急性肝炎と慢性肝炎に分けられるのですが、ウイルスやレプトスピラなどの細菌、

寄生虫や真菌などが感染することで起こると考えられます。

予期せぬ合併症

外科手術による治療の際の麻酔薬などの薬物が原因で、肝炎を起こすことがあります。

予防策としての定期的なチェック

軽い血便のうちに早期発見するためには、普段から便の状態を観察しておくとよいでしょう。

肛門付近が少し傷ついた時でも、便に血が混じることがあります。

血便をしていると思ったら、その他の異常がないか、確認しましょう。

血便以外に少しでも普段と違った症状や行動をしているような時には、

その後の体調に、どのような変化が出てくるかを見守っていくことで、

重症になる前に、何らかの異変に早く気付くことができる可能性は大きいでしょう。

正常な便の観察

健康で良い状態の便が、どのようなものかを知っておくことで、

血便などの調子の悪い時の便との違いがわかるようになります。

良い便の色は、薄い茶色から濃い茶色で、硬さはつかむと少し形が

崩れるくらい柔らかいものです。

正常な便の状態を把握し、普段からよく犬の便の様子を観察しておくと、

急に普段とは違った便をした時の変化に気付くことができるでしょう。

少しでも変化が出た時は、要注意です。

獣医師の定期的な診察

健康診断を定期的に受けることも大切です。

健康診断では血液検査があるので、腎臓や肝臓に障害がないかのチェックを、

便検査では、血便や寄生虫の有無を調べることができます。

そのほかにも、全体的な身体検査やエコーなどで健康状態をしっかりと診察して

もらうことで、早期に病気を発見することができます。

病気は早く見つかるほど、適切な治療を早く受けることができるので、重症化を避ける

ことにつながるでしょう。

適切な食事管理

大切な犬の健康にとって、何よりも大切なことはやはり食事管理です。

犬の消化器官は人間とは異なっているため、人間にとって何の問題もない

食べ物であっても、犬にとっては消化することができない、食べてはいけないもの

があるということは、必ず覚えておきましょう。

香辛料の含まれる食べ物は、胃や肝臓への負担となります。

塩分が多すぎると腎臓に影響を与え、糖分の摂り過ぎは糖尿病になる

原因になってしまいます。

これらのことをしっかりと覚えておき、日頃から犬に必要な5大栄養素が

バランスよく含まれているドッグフードを、規則正しい回数で与えることが大切です。

5大栄養素とは、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルとなるのですが、

そのひとつである炭水化物は、体内に入ると糖質と繊維質に分かれます。

この繊維質が犬の便を程よい硬さにする役割を果たしてくれるのです。

ですので、このようにしっかりと犬も体のことを考えて作られているドッグフードを

主食としていきましょう。

心身の健康維持に努める

犬にとって、ストレスを受けることも血便の原因となります。

犬は、優れた嗅覚と聴覚を持つ動物です。

そのことから、人よりも敏感に刺激となるものをキャッチして、ストレスを

感じてしまいます。

不安や緊張からくる心理的なものから、生活環境や気温の変化による物理的なもの、

さらには、空腹や睡眠不足による生理的なものなど、色々なストレスを受けるのです。

  • 軽いストレスで見せる「カーミングシグナル」
    目をそらしたり顔や体を背けたりします。
  • 中度のストレスで見せる「問題行動」
    吠えたり、歯をむき出しにして威嚇したり、噛みついたりします。
  • 重度のストレスで見せる「体調不良」
    下痢や嘔吐、寝てばかりで無気力になり、食欲がなくなる。

犬には、人の心を上手に汲み取ることのできる能力があります。

なので、ストレスを感じているなと思うような時には、愛情たっぷりのスキンシップ

とともに、栄養バランスのとれた食事と十分な水分補給、そして適度な運動などをして

ストレスを少しでも和らげてあげるようにしましょう。

まとめ

犬の血便には、さまざまな原因がありますが、病気の重症化を防ぐためには、

日頃から愛犬の便の状態を気にかけるなどの、できることもあります。

血便が出て慌てるのではなく、しっかりと落ちついて状態を見ることができるように

なるためには、血便について知っておくことが大切です。

血便をしてから調べることももちろん大切ですが、犬を飼い始めた時から、

血便についての知識を入れておくことは、大切な愛犬を守るために役立つでしょう。

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